THE 落とし物・クレーマー

変な人をコンビニで見た。

私は仕事柄、コンビニエンスストアによく行く方だ。沢山の商品が並びながらも、各店舗毎に特徴のある様は面白い。

特徴のない店は淘汰されていく。まあ、この話は別の機会にとっておくとして。

 

今日は少しシブい話。

 

店舗に入ってきた若い女性。30前後だろうか。茶色に染めた髪は、肩下あたりで揃っている。白いコートに身を包んでいて、年齢はハッキリとはわからない。

その人はおもむろに、レジカウンターの中の店員へ話しかけた。

 

女性 ここに忘れ物をしたのですが。

 

店員は大学生から毛が生えた程度のお兄さんで、天然なのかわからないパーマが印象的だ。

言葉を選ぶのが難しいが、ごく標準的な話し方をする、ごく標準的な人だろう。

 

店員 いつ頃無くされましたか?

女性 コピー機に置きっ放しにしたようなのですが

店員 はい、それでいつ頃に?

 

その第一声目で店員にイライラ感が出たのがすぐにわかった。

その空気は、これから起きることを予感させ、私は聞き耳を立てずにはいられなかった。

 

女性 マイナンバーカードをコピー機に入れっぱなしにしたみたいで、預けられていませんか?

店員  いつ頃かわからなければ、こちらもわからないんですが。

 

面倒な人が来たなという雰囲気だが・・・

店員は紛失した日時を知りたいらしい。もしも落し物があったとして、その人のものかどうかの証拠を示してもらうのに、とりあえず日時をキーにしているのだろう。

女性はといえば、無くした事実と、今ここにあるかを知りたいようだ。

 

女性 11月中旬くらいです。

店員 だとすると、ここにはありませんね。

女性 何故ですか?

店員 一定期間が過ぎると、警察に持っていくからです。ですから、まずは交番や警察に行って、落し物の届け出をしてください。

 

11月中旬?おいおい、もう3月だぞ。流石にコンビニに置きっ放しにはしないよね。

それを聴いた女性は、何も言わずにコンビニの出口に向かう。聞くだけ聞いて、お礼も述べずに出ていくのか。最近の若者は・・・と思いつつ、ホッとした。

というのもつかの間、予想に反して、そのまま店を出ると思われた彼女はツカツカと店員の前に戻ってきた。

 

女性 どこの警察にあるんですか!?

 

おっと!やはり怒っている。非がないのに責められるように言われた店員は、すかさず切り返した。

 

店員 わかりません。自分で調べてください。

女性 持って行った交番に連絡します。

店員 交番には無いと思いますよ。警察に問い合わせた方がいい。

女性 その警察の電話番号はいくつですか?

店員 そんなもん、自分で調べてくださいよ!

女性 信じられない、こんな対応された事ない。

 

ふくれっ面になった女性は、しつこく持って行った交番の場所を聞く。店員は判らないと断る!これが繰り返された。

女性よ、あなたの態度も信じられないぞ。

 

女性 そもそも、なぜ落し物を交番に届けたんですか!?

 

天然パーマが跳ねる。

 

店員 普通、交番に届けるでしょう!

女性 私の落し物、勝手に届けないでよ!

店員 あなたの物があったかどうかさえ、判らないと言っているんです!

 

噛み合わない。ああ、これは、と思った。

店員は真っ当な事を言っているのだが、(確かに女性は、少しおかしな事を言っているが、)案内の方法が悪かったようだ。

攻撃的な意見に対して、攻撃的意見で返す。すると感情的になって、また攻撃的な意見が出る。それが正しいかどうかは、関係なくなってしまう。

つまり、ヒステリック状態だ。クレーマーなどによくいるタイプである。

 

女性はその落し物が、とても大事なものなのだろう。マイナンバーカードと言っていたから、それは大切なものだ。しかし、怒り方が少し度が過ぎる。

3ヶ月放置していたはずなのに、よくこのコンビニエンスストアだと思い出したものだ。

あるいは、人に頼まれたものだったか。前に何かしらの用途で預かったカードを返し忘れ、要件ともに思い出したのだろうか。

店に行けば直ぐに見つかるかと軽く見積もっていたものが、警察に行かなくてはならなくなった。手間が増えた腹いせ、ではないだろうが、気分が悪くなったのだろう。

 

店員は、正しい返答だっだだろうが、正直すぎた。彼は誰にも落し物のことを聞かなかったし、調べもしなかった。落し物イコール困っている人、だ。一度でも親身に聞ければ、こうはならなかったはずなのに。

心配してくれている人に出されるNGと、敵対する人に出されるNG。同じNGでも、反応は違うと言うもの。

 

クレーマーは突然現れる。

苦言を言う人はよくなって欲しいと願う人。クレーマーは、ただ文句だけを言いたい人。この2つは近いようで、全く遠い。

ただ、感情的になってしまうと誰しもクレーマーになってしまう。文句を言われた側は気分は悪いが、相手がお客様であれば、文句を苦言に変える努力をする。親身になって話を聴くことが、その第一歩だ。

 

奥から店長らしき人が表れ、一言。

 

店長 落とし物ならね、ここは○○区だから、○○警察署にあつまるはずだよ。

 

その一言に

 

女性 それを聞きたかったのよ。

 

と言って去る女性。あれ、やはりお礼を言っていかない。

お礼もしないし、何をすれば良いかも考えない人、相手の考えを、ひとつも読み取ろうとしない人。

やはり、近頃の若者は・・・お、勝手に聞き耳立てていた私も、悪い大人か(笑)

 

 

本日も monogress をお読みいただき、ありがとうございます。

昨日は大きなニュースが飛び込んできましたね!ということで、ボルボネタも書いています!

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