自動車を買ったら、楽しまないと!
楽しむならやっぱりドライブ。そしてドライブ旅行は車乗りには一番の贅沢だ。
【ドラマティック・カーデイズ】は、私まこまちの体験した車にまつわるあれこれを、ドラマティックに(笑)伝えるシリーズ記事。あなたにとっての日常は、私にとっての驚きになる、なんてね。
シリーズ最初は、私の今後の車選びに大きな影響をもたらした事件をお伝えする。
ハッピー・ウィンター・ドライブ
東京暮らしにスタッドレスはいらない?
冬場はスタッドレスタイヤを履く。あたりまえでしょ?と思う人のほうが、日本では多いのではないかと思う。
東京に暮らしていると、スタッドレスタイヤは履く必要がない。(神奈川県民のくせに、である。)雪が積もったとしても一般交通機関を使えばいいし、雪が止んで半日も立てば、道は使えるようになるのである。
だから、冬のドライブでも夏タイヤで移動する。早く、夏冬兼用で高耐久性、燃費が良くて雪で滑らないタイヤ、できないかあと思う次第である。
神奈川県沿岸部暮らしにはスタッドレスは不要
そう、まこまちはスタッドレスタイヤを、上記のような理由で購入したことがない。
もちろん、タイヤチェーンは購入する。乗り心地が悪く、クルマにヒビが入るのではないかと思うくらい振動が伝わってくるが、タイヤチェーンでいいや、と考えてしまう。
スタッドレスタイヤを買うくらいなら、冬はクルマで旅行なんてしなければいい、夏の旅行で宿代を弾ませよう、なんて考える人間である。
だが、それは単身での話だ。家内と結婚したあと、私たちは度々ドライブに行く事が増えた。つまり、冬にもドライブに行く機会がある、という事だ。
当時私はトヨタ・セリカに乗っていた。TOYOTA ZZT231 CELICAは、190psを発揮する1.8L 4気筒NAエンジンを搭載。スーパーストラット・サスペンションという隠れた鷹の爪を持つ、優雅なクーペスタイルFFハッチバックであった。
ちなみに私は、今のレクサスの源流はこのセリカにあったと今でも信じている。つり目ではあったが、独特のなめらかなシルエットはカッコいいし、可愛くもあった。
今も昔も「かわいい」は好み
ところで、私は「かわいい」が結構好きである。男なのに・・・なんて言わないでほしい。「かわいい」ものは「かわいい」のだ。
その最もたるは、ポケットモンスター「ピカチュウ」である。とてもかわいい、電気ネズミが大好きであった。
だから、セリカにはピカチュウのぬいぐるみが自分の席だと言わんばかりに鎮座しているし、ピカチュウのブランケットも載せていた。
ブランケットは家内が寒がるといけないと思い、気を利かせて買った物だ。「かわいい」に包まれてホクホクしている私を想像するのは、やめてほしい。
Twitterのアイコンが「かわいい」のは、その為である。ちゃんちゃん。
冬ドライブの定番は山梨県
晴れた場所に行けば良い派
しかし、冬場のドライブが危険なことくらい知っていた。会社の車でスリップしたこともあるし、会社の車でガードレールに突っ込んだこともある。雪は大変恐ろしいものであるというのは、しっかりと身体に染み付いている。
だからドライブコースといえば、山梨が定番であった。
山梨県は晴天率が高く、関東近郊の天気が悪くても山梨は晴れている、なんていう経験はザラだ。中央フリーウェイを西へ進めば、晴れた冬場のドライブコースへ簡単にたどり着く。
山梨県といえば見どころは色々あるが、須玉インターで中央自動車道を降り、山梨県道23号線を長野方面へ進み、長野県は川上地区をとおり、野辺山方面から中央道へ帰るコースがお気に入りだった。
清里あたりで食べられる「くソフト」なんて目もくれず、深夜から早朝に走る大自然は美しい。特に冬場は空気がキンと冷えて、都会では味わえない冷たい空気で深呼吸をするのが好きだったのだ。
深夜のドライブはゆっくり進む
その日も須玉インターでいつも通り高速をおり、家内と二人で闇の県道23号線を行った。特に速度を出すわけでもなく、これまた都会では味わえない真っ暗闇を楽しみながら、時折車から降りては星空を眺めて楽しんでいた。
コンビニで買っておいた「おにぎり」を食べてお茶をすする日常も、場所が変われば素敵なものへと変わるもの。明野方面へ寄り道して大きな空を楽しんで、時間を潰す。
日が上り、朝日がさして木々が色づき始める。早朝特有の水色と黄色のカラーライトは、セリカの白いボディに色を与えてくれて、楽しく感じた。
運命の県境
道を行くと、なんだか脇に雪が積もっているのが確認できた。深夜のうちに降ったのか、いや、だとしても除雪が早すぎるなどと話しながら、だったら昨日降った雪じゃないの?という結論にたどりついた私たち2人は、ドライブを続行することにした。
くねくねと曲がる道。確かに左右に雪はあるが、路面は乾いている。これなら大丈夫、多少雪が残っていようが、問題はないだろう。
山梨県から長野県への県境、山梨県側には登りの直線道路。県境は山の頂上になっていて、長野県側はレタスで有名な川上地区中央部へ続く下り坂。少し道が湿っているが、何も気にせずそのまま突き進む。
県境を超えた。
あたりは白銀の世界!なんだこれは!すごい!満面の笑(えみ)!
と思ったのもつかのま、私たちの笑顔は青ざめた表情へと変わる。
道はアイスバーン!
ブレーキを踏む!だが間に合わない!
ツツーーーー・・・・
30mほど坂を下ったところで、私たちのセリカはようやく停車した。
前も後ろもアイスバーン。携帯電話もつながらない山の中、私たち2人と夏タイヤのセリカは、途方にくれるのであった。
ーーーつづくーーー
あとがき
みんな、私を責めないでください(笑)
【ドラマティック・カーデイズ】では、短編小説を意識しながら、自動車選びのノウハウを混ぜていきたいと思います。
話の内容も、【まこまちの車選び】よりも気楽に読めるようにしてみます。次回もお楽しみに!