monogress-2 プロローグ

ステアリングを切り込むときに感じる

クルマの中での自分の位置

 

アクセルの踏み込み量に応じて受ける

重力加速と適度な快感

 

フロント・ウインドウに映し出される

少し先の未来の世界

 

外にながれる知らない景色

太陽の位置 影の長さ 空気の違い

 

車内にあるプライベート 音響に衣食住

いつもと違う 同じ味

 

ドライブの何が楽しいのだろう?と考える。人の脚力では実現できないスピード感、目的地に思いを馳せるワクワク感、ご飯を食べたり、ドリンクの蓋をあけてもらったりする非日常感。どれも楽しいことばかりだ。

 

クルマが大好き。それは、得られる楽しさが多いから。精度の高い快適性が欲しくなれば、より良いクルマも欲しくなる。フットワークに居住性、デザイン・スタイル。いつまでも追い求められる、持続可能な所有欲。

 

PEUGEOT308SW 小布施にて
自然の広がる街に住み、事業を営むのが私の夢。長野県小布施町はなかなか魅力的なエリアであったが、まだまだ沢山の世界を見たい。

 

鉄道旅行も好きである。長い列車の連結は鉄道だから得られる美。上下に広がる流れる景色はクルマでは味わえない格別だ。弁当やアルコールも外せない。プラットフォームでの待ち時間・到着を告げるアナウンス・これからの時間のための嗜好品の買い込みというプロローグも、独特の醍醐味だ。

 

まもなく7番線に

9時40分発の列車が参ります

 

サンドイッチとコーヒーで326円です

 

ルルルルルルルルルル・・・・

 

いつもご利用ありがとうございます

この列車は 特別急行釧路行です

 

車内販売が6号車より順番に

皆様のもとへとお伺いいたします

 

レール・ウェイは同じところしか通らない。けれども、同じ時間は二度とこない。この場所を走る今は今しかない。特急車両も通勤車両も味わい尽くす。乗り心地の違いを感じるのも面白い。レール音のみのグリーン車も悪くないが、ゴロゴロ唸る気動車の鼓動は素敵である。

 

JR北海道 キハ54
JR北海道 キハ54系気動車。釧路駅で撮影。ドゥルドゥル鳴り響くディーゼル音。どうやら私は、鉄道もディーゼル推しのようである(笑)

 

旅の道のりは、とても楽しい。

 

私たちが何気なく過ごす日常から、移動することで生まれる連続性のある五感の変化。目で見て聞いて、味わうことで、通り過ぎゆくその場所の空気を知ることができる。これを嗜好品と言わずになんと言おうか。旅の目的は沢山あるが、その途中である「道のり」にも、人生を豊かにする何かが含まれていると思うのだ。

 

人が得た移動という英知は、時として残酷につながる。経済競争、戦争、病気の蔓延。世界の違う場所同士がつながることで、引き起こされる災害・厄災はあとを絶たない。

 

それでも人は移動を繰り返す。里のなかの一箇所では人の心の世界は広がらない。沢山のコトを知り、沢山のモノを生み出していくのがヒトの生き方。膨大な情報をゆっくり噛み締め、ヒトの正義を形作っていく。選んでいく。世界は移動に満ちている。

 

横に座るパートナーも、移動があるからこそ出会えたのだ。

 

物資の移動も経済の繋がりも、それぞれの道のりがある。ヒトはその過程を愉しむことができる生き物だ。だから、捨てゆくなんてもったいない。もっと愉しんで過ごさないと!

 

夏の白樺湖をビーナスラインから望む

 

ビーナス・ラインは、私の知っている中で最高の景色を味わえる天空ロード。夏でも冷涼なこの場所には高い木々は生えていない・・・森林限界を超えているのだ。

 

白樺湖から登っていく。車山でゴンドラに乗るのも面白いが、我慢して走り続ける。遠くまで見渡せる高い標高。時々見える市街地は小さく、快適に走ってこれたクルマと燃料に感謝する。S時のカーブで自分の居る場所を再確認し、クルマの性能を再確認し、気分をどんどん晴れやかにする。

 

霧ヶ峰でクルマを止める。少し高原を散歩して、身体にめぐる汚い酸素と入れ替えた。

 

秋のビーナスライン
長野県はビーナスライン。日本離れの景色の数々、雰囲気は、海外旅行に近い気分に浸ることができる。秋は、スコットランドを思わせる荒涼感がいい。思わずウィスキーを飲みたくなる。

 

この、何度も繰り返したドライブが、簡単にはできないのが令和の時代だ。ウイルスの蔓延で、思い立ってお気に入りのドライブコースに走りに行くこともままならない。

 

わがままに走りに行きたい。クルマから降りなければ良いではないか? しかし、蔓延する都心に住むものだから、蔓延の引き金はひきたくない。自分の人生でさえ、ストップがかかる可能性もある。だから、色々考え直してしまう。クルマを持つことさえも、エステートを乗ることもどうなのかと。

 

長距離移動の楽なクルマを選んできた、安全性の高いクルマを選んできた、というのは後付けだった。クルマはやっぱり、走ってなんぼ、かっこよくてなんぼである。いくつかある候補の中から自分にあうものを選んだあとに、そのクルマの秀でたものを「選んだ理由」と誇張した。

 

それは悪いことではなく、おかげで私の人生の方向性を少しづつ形作った。ドライブが好き、旅行が好き、クルマが好き。クルマを手放すなんて信じられない。都心でクルマの無い生活よりも、地方都市でクルマと過ごして生きていたい。

 

なぜクルマ関連の就職をしなかったのだろう。何か自分でクルマに携わることはできないだろうか。そう思って始めたのがブログである。その行く末はカフェである。クルマを作る側ではなく、愉しむほうで関係性を育んでいく。

 

ビーナスラインとボルボV40
遠くに富士山を望む、ビーナスラインの展望台。

 

霧ヶ峰の情景を思い出す。大きく起伏する信号のない道路は愉しかった。やはり、いずれはもう一度走りに行きたい、ビーナス・ライン。待たされた分だけ、オモイッキリ。

 

けれども、結局2年の我慢を強いられたコロナ渦。ビーナス・ラインに行くのなら、霧ヶ峰に行くのなら、通過するだけではもったいない。もう少し何か、いや、待たされた分は楽しいことがしたいじゃないか。天空ロードを、何か愉しむ方法は無いだろうか。

 

高原で豆を挽いて、コーヒーを飲む?熱湯が持っていけないから、どんな味になるのかが気になるところだ。なかなかワクワクするじゃない。カップラーメン?大好物だ。標高が高い分だけ、待ち時間は長くなる。待ち時間のお喋りも、きっと幸せなことだろう。

 

ブロンプトン

 

不意に、家内が打ち明けた。

 

家内   自転車がほしいのよね。ブロンプトンという折りたたみ自転車。電車に乗せることもできるし、クルマの荷台にも乗るんだって。

まこまち え、なにそれ面白そう。おいくらするの?

家内   20万円くらい。だから、パートに出ようと思って。

まこまち いいんじゃないかな、カッコも良いし、メカメカしくてなかなか、そそる。中学校までは自転車ばかり乗っていたよ。

家内   須玉とか富士見高原とか、自転車で走ってみたいんだ。特急に乗ってさ、宿の手前で途中下車して、ひと駅分でもふた駅分でも、サイクリングしたら気持ちいいかなって。

まこまち その自転車、貸してくれるの?

家内   嫌かな・・・

 

赤色のブロンプトン
色を迷うブロンプトン。まるで自動車選びのようだ。赤・青・オレンジ、限定色。タイヤを変えれば乗り心地を変えられるし、ギアの段数もレパートリーから選ぶことができる。

 

嫌ならば仕方がない。自分の分を買うまでだ。ブロンプトンは写真で見る限りなかなかクラシックでカッコいいが、自分で乗るにはちょっとオシャレだ。自分の自転車は自分で選ぶ。それまでは少し、家内の自転車を借りて研究しようかな。(嫌だとは言われているが。)

 

善は急げと、都内を走り代官山へ。家内はまだ見ぬサイクリングの愉しさを求めて。私は新たに浮かんだブログの構成を胸に秘め。自動車、鉄道、それに自転車を加えての、モノを徹底的に研究して、楽しいコトを導き出す。

 

私のウェブライフは、まだまだ続くのである。