今度はボルボのドアの話。
昨日の話(プジョー308SWのドアは軽く閉めても密閉感たっぷりの良い音だ)だと、まるでボルボのドアは最悪に重いじゃないかって捉えられちゃう可能性もなきにしろあらず。だから念の為リカバリーしますよ。
正直に言えば、ボルボのドアパネルは素晴らしい。プジョーのそれとはテイストが随分違うから、単純に比較はできないけれど。欲しいなって思わせる、よく出来たデザインだ。
もちろん、私がプジョーにオッケーを出したのは、オシャレでシンプルなインテリアが手伝ったことは確かなんだけどね。写真で見るとボルボのドアってやっぱり良いよね。
――― 🚙 ―――
でも、ボルボを褒めるところってそこじゃない。デザインじゃないのだ。一番意識したいのは、ショルダーライン。ウインドウの下側の、肩を張ったところです。
重さが増えることをあえてよしとし、クラッシャブルゾーンを確保する。クルマの衝突で一番危険なところ、横からの衝撃を吸収する、とっても大事な「ドア」こそがボルボのアイデンティティ(他にもあるけどね)。
横からクルマが当たってきてしまった場合、まずカーテンエアバッグで頭を保護。割れたガラスの破片もエアバッグで妨げる。
次にシートベルトで身体をシートに固定。身体全体で衝撃に備える。
最後は、クルマ全体が横方向へ動く事で衝撃を和らげる。場合によっては横転するが、フレームとシートで座る人を守り抜く。
この一連の動きに対処するための、最初の衝撃緩衝地帯かつセンサー。イコール「分厚くて重いドア」だというところを理解しなくてはならない。闇雲に重い重いと言ってはならないのだ!
え!まこまちは重いって言ったじゃないかって!?えへへ、この辺りを理解しつつ言いました(笑)
この過剰なまでの安全意識、ケチをつける気はない。そう、無いのであるのだが・・・
代償として、パーキングの駐車券はもの凄く取りづらい。私は腕が短めだから、駐車券を取るのにわざわざドアを開けてしまう。ギリギリを攻めるのも、クルマに傷がつくのが嫌だからやらないし。
シートとドアにワザとスペースがあるものだから、クルマの外まで遠いのなんのって。もちろん、空いたスペースにはシート調整スイッチがあるから、スペース効率が悪いわけでは無いのだけれど。
ツイッターでは「傘が置けない」という話も。私も気にはなっていた(笑笑)(でぃーた様ありがとうございます!)坂道での開け閉めも相当重いし、危うく路面に当たりそうになったこともあった。
しかし、代償の代償もある。北欧テイストたっぷりのイキなインテリアデザインがそうである!それでは、ボルボ・アパネル大全2020年度版をどうぞご覧あれ!
順番に、V60のリアドア、V60 CrossCountryのフロントドア、XC60のフロントドア、XC90のリアドア、XC40のフロントドア。(V90が無いじゃないか・・・)
皆さんの好みはどれかなあ?シンプルなのもいいけれど、XC90は立派でいいなぁ・・・
どれをとっても、ドアの厚さを活かすデザイン。厚みがある分圧迫感が出るのだけれど、美しすぎるデザインセンスで対処できる。生き抜くためのドアパネルに、やかましいだの、邪魔くさいだのを言わせない。人と親和できるドアパネルを作り出すのが、ボルボの素晴らしい実力なのだ。
ボルボのドアは厚くて重いけれど、人を守るために必要なもの。そこにどれだけ情熱を傾けているのか、お判りいただけただろうか。
しかし、やはりね、少し立派になりすぎた。実用的な安全志向が、憧れの安全志向になってしまった。これが唯一悔やまれます。
クルマの安全って、ブランドにするものじゃないはずなんだ。安全性能は車に乗る人全てに、平等であって欲しい。ボルボの基本スタンスもそうであって、だからこそのE.V.A.プロジェクト。
まあ、豪華なボルボが好きっていう人もいるし、考え方は人それぞれか・・・ 私は少し前の、シンプルボルボが大好きで(笑)V50は最高だったんだー♪
ウッドが唸るデザインの写真は、我が家には存在しない。お見せできないのがちょっと残念です。
しかし、小型ボルボワゴン、出ないかなあ。横切るV50を見ながら、いつもそう思ってしまう。理想に一番近いプジョー308SWに乗りながら、将来の車生活の夢を見ることにいたします!
ボルボ EV50 とかね!