2020年11月、お正月に呑むために、小布施ワイナリーで少し高いワインを買いました。
長野県は北信濃、小布施旅行の最大のお土産は、ブロガー・プチオフに違いなく、善光寺参りの家族旅行も楽しいけれど、学生時代依頼の楽しい出会いは、コロナ渦の暗い世界を久方ぶりにキラキラさせる。
そのキラキラに乗じて買った、小布施ワイナリー・ドメーヌ・ソガのメルローシラー。お正月に開けたこのワインの感想を述べようと思います。
小布施ワイナリー ドメーヌ・ソガ サンシミ
メルロー & シラー 2017
枯れ葉のような赤色で透き通る、複雑な味が楽しいお酒。自然派ワインだとか、品質を上げるための減産だとか、こだわりを感じるキーワードに心を躍らす力はあれど、フランスのようなパワーは無い。あるのは、日本人だなと思わせる醸造技術である。
私がワインを好んで呑むのは、味の変化が楽しいからだ。
コルクを抜いて、ワインに新鮮な空気を送り込むと、ワインは味が徐々に変化していく。時間が進めば進むほど、美味しく味の変わるワインが、私が好むワインです。
開けた瞬間がピークのワインは、味はどんどん悪くなる。葡萄の力か、技術の差か。食事の終盤に枯れきってしまうワイン達は、どうして生まれてきたのかと、悲しくなることもある。
味の変わらぬワインもある。でもそれは、ワインが生きてる感じがしない。これもまたつまらない飲み物なのだ。
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小布施ワイナリーのドメーヌ・ソガは、私が満足するような味の変化が楽しめる。デキャンタを使えば開く速度は変えられるかもしれないが、このワインは少なくとも1時間は置いてから飲まねばならぬほど、おあずけタイムがとても長い。
チャーミングなメルロが主体で、シラー種独特のハッカのような香りを感じつつ、結構苦味を感じるワイン。開く前の印象は、パンチの効かない葡萄ジュースだ。しかし次第に渋みはコクに変わり、終盤は旨味に変化する。その目が覚めるような変わり方は、コース料理を愉しむかのよう。
ピークは大抵、食事のクライマックスにやってくる。どうか、一番楽しいタイミングを逃さぬように、ボトル一本飲みきるつもりで開けましょう。
冬の暖かい部屋の中で、たっぷりの時間をかけて食事をするのが、大好きだ。
沢山の料理を愉しむのも良いかもしれない。細かく料理を作りながら、缶詰を開けながら、テーブルを賑わさずにしっとり愉しむのも悪くない。とにかく食事の時間を長くとる。こういう日が、月に一度は欲しいと思う。
AppleMusic を適当にながして、辛いことを少しの時間忘れよう。できれば良いオーディオをつかって、圧縮音源をリッチに膨らませて楽しみたい。フォーカル?ハーマン・カルドン?好みの音をエッセンスに入れることも、お酒を呑むには欠かせない。
となりに座る人の心を聞いてあげよう。自分の心を伝えてみよう。胸のあたりに感じられる、いろいろを愉しみ合おう。2人でもいい、3人でもいい。雰囲気の変わるワインがあれば、気持ちはどんどん高ぶっていく。
長い食事の3時間は、1年のうちの 0.3 % にすぎないけれど、貴重な 0.3% でもあるんだから。その時間の彩りに、ドメーヌ・ソガはきっと期待に応えてくれるでしょう。
魚料理は合いませんでした。青臭さを増やすだけ。
肉料理はまあまあ。されど、完璧とは言えません。カッコいい写真にしたくて撮影したけど(笑)
なかなか合わない・・・そこで、田舎が同じなら合うだろう、という考えから、らくがんである「方寸」と合わせてみた。口の中に香りが広がる。なかなか良い。
老舗のクリまんじゅう。合う。アンに含まれる甘みを、ドメーヌ・ソガで洗い流すと、混ざり合って幸せになる。
流石は日本のワインのようで、洋食よりは和食に合いました。人参、ごぼう、レンコンなどの煮物に合うとは・・・パンやチーズ、生ハムなどの出番なく、和が全開のお正月料理に合わせて、愉しむことができました(^^)
私が書ける料理・お酒のレビューって、どんな書き方ができるかな、と何度か想像してみました。私がブログで目指しているのは、基本的には「共感型」の書き方です。単なるレビューサイトとか、自分で書くのはツマラナイし、上手に書ける人は他にも沢山いるのだから。
だから私は、お酒に合うシチュエーションだとか、楽しみかたとか、食事の持つパワーを伝えてみたい。お酒を愉しむという「コト」を大事に伝えられたら良いなあと思っています。