自動車辛口【創作】座談会 2020年度版 後篇

自動車辛口座談会コーナー。後編は、プジョーの販売戦略に辛口コメントをいたします。

 

敵にまわそうだとか、そういう意図はありませんが、なんとなく最近のプジョーを見ていると、価格アップが組み込まれているように感じます。それに見合った実力も兼ね備えているとは思いますが。

 

この流れ、続くものなのでしょうか? 今回はプジョーのプレミアム化の可能性について話題にします。「プレミアム化めちゃめちゃ期待大!」という人は読まないでね。

 

Peugeot 508 イラスト

 

勝手に自動車座談会 2020年度版(後篇)

プジョーはプレミアム化を目指すのか

2020年、プジョーは Peugeot 208、Peugeot 2008をフルモデルチェンジ。2021年に向けて、日本プジョー試乗最大の販売台数実現に向けてラインナップを強化しました。勢いにのるプジョー。しかし全体的な値上げ傾向にあることは否めません。「庶民派」と言われたフランス車の中にあって、プレミアムを目指し始めたプジョーに死角は無いのでしょうか。

 

マコ   なんとも痛ましいネタですが・・・ Peugeot 508 からの Allure モデルの廃止、Peugeot 208シリーズの値上げは確かなところですね。

 

シンゴ  まあ、Peugeot 208 は判らなくもない。商品力は随分あがった。インテリアは特に、クラスを超えた質感だから、その分値上げがあるのは理解できる。一応、Styleというグレードをつくって配慮を見せたかたちだけれど、値段は上がっていくのは間違いないよね。

 

エイジ  気になるのは 508 Allure のグレード撤廃ですね。GT-Line が売れ筋だったのだと思うのですが、Allure にしかない良さもありました。一方本国では、Allureは中間グレードとして残ってはいるものの、GT-Lineは設定されていませんね。

 

マコ   Allure グレードをなくした背景は、やっぱりプレミアム化路線と考えていいのですか?

 

エイジ  以前、Peugeot 508 の発売のときでしたが、ジャン=フィリップ・アンパラト氏がWebCGのインタビューでこう言っていました。Peugeot 508 のプライシングが、安いとは考えていないと。

 

――新型プジョー508の品質が高いことに感銘を受けました。その割に価格がリーズナブルです。戦略的な設定でしょうか?

新しい508は、自動車業界における「ひとつのベンチマークになったのでは」と自負しております。ジャーナリストの人たち、お客さまがたには、とにかく「乗って」いただきたい。

価格に関しては、「安い」とは考えていません。

出典:WebCG

 

エイジ  価格は「安い」とは考えていない。微妙なニュアンスです。「適正である」と捉えることもできます。「この価格帯を目指していない」と捉えることもできます。

 

シンゴ  そもそも、プジョーは現行 308 の発表のあたりでは、プレミアム路線を打ち出していたと思う。それが上手く行かなかったのかは見続けたわけではないので何とも言えない。けれども、Peugeot 508 の価格設定は戦略的ではあった。フルモデルチェンジ前は、確か400万円を切る価格設定をしていたはず。

 

エイジ  そこを、ボトムラインを現行 508 で上げてきました。400 万円前半の価格設定。しかし、フランス車はベースグレードが一番良い、なんていう言葉もあるくらいで、日本ではエントリーになる Allure も人気がありました。今回、Peugeot 508 ではこの Allure を切ってきたのです。

 

 

商品力の上昇と Allure の終売

 

シンゴ  やはり、全体的な価格を上げる挑戦を、もう一度行いたい、という意思は感じるね。Peugeot 308 も価格をあげてくるだろう。価格帯はドイツ車を目指して、フランスらしい実力、ドイツ車には無いデザインという差別化をする。いや、差別化ができるまで実力がついたから、ここで値段を上げようと考えている。

 

マコ   やっぱり、みんなプレミアム化したいものなのでしょうか。フランス車は数少ない庶民派だと思うんですけどね・・・

 

シンゴ  輸入車のプレミアム路線は、日本ではヤナセが作り上げたものだ。でも、ヤナセにはヤナセの品質があって、だからこそプレミアムに仕立てられた輸入車を売ることができた。PSAの日本法人にはその実力はあるかどうか・・・そもそも、そうしたいのかどうか。

 

エイジ  価格を上げる=粗利が多く確保できます。いや、確保しなければなりません。売れにくい車だからこそ、粗利をしっかりとっておかないといけないのは、どんな商品でも同じでしょう。しかしプレミアム化したブランドは、高いところだけ売ることになりますから、数少ない工数で、多くの粗利を確保することができます。

 

マコ   あれ・・・庶民派と言われるメーカーは、間口を広くして様々なお客様をお迎えするんですよね。

 

シンゴ  そうだね。自社のブランドに力が無いなら、他社との比較で価格も含めて勝って、販売をしなくてはならない。値引きもするから消耗戦になるよね。

 

マコ   いえ、そういうことじゃなくて、ですね。プレミアムカーを売っている庶民派は、プレミアムカーを扱っているメーカーのクルマを購入したっていう「気分」を買うことができますよね。

 

エイジ  そうですね。そこを「付加価値」って言いますからね。

 

 

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508 Allure 終売の本当の意味

 

マコ   なら、わざわざ Peugeot 508 Allure を終売にする必要はなかったんじゃないですか?Peugeot 208 はクラスを超えた質感って評価されていますし、実力があるのであれば、自然と高い商品も売れると思います。Peugeot 508 だって、ライバルよりもお得感があるって売れているのに。

 

シンゴ  そうだなあ。実際にはディーラーとしても、売りやすい商品だったはず。しかしWEBを読んで回っても、Allure 終売の理由には辿り着かない。

 

エイジ  たぶんですが・・・全体的な調整の意味合いはあると思いますよ。例えば、Allure があると困ることが起きる。だから先に Allure を辞めてしまった。

 

マコ   下を削るなら・・・上を追加ですか?

 

シンゴ  ・・・プラグイン・ハイブリッドか。

 

エイジ  そうですね・・・日本に入ってくるってことなのかもしれません。

 

シンゴ  すると、フラッグシップの価格帯がぐぐっと上にあがる。これに乗じて他のモデルの価格も上げる。3008や5008のフェイスリフト変更だとか、マイナーチェンジの度に価格を少しづつ上げていく。

 

マコ   実際、デフレの日本だから輸入車は高くなっていくのかもしれませんが・・・

 

シンゴ  いやいや、円とユーロの相場は、120円付近をウロウロしている。2000 年前半から、傾向は変わっていない。もちろん上下はあるのだけれど、言うほど上げ下げは厳しくないんだよ。

 

イラスト プジョー 308SW

 

ベース価格の上昇は黄色信号

 

エイジ  もしも、今後のマイナーチェンジ・・・とりわけ、売り始めの Peugeot 208 や 2008 といった商品力の高いモデルの値上げがあるようなら、プレミアム路線に舵をきったって言ってもいいでしょうね。さらに、例えば装備内容は維持のままで価格アップだとか、価格はそのままだけど装備のレベルが下がるだとか、そうなれば行く末が危ぶまれる。

 

マコ   ボルボで経験したことが、プジョーでも起きるかもしれませんね。

 

シンゴ  安いクルマを2台売るより、高い車を1台売りたい。セールスの世界なんてそんなところ。だから、たくさん売って頑張る庶民派は支持されるよ。プレミアムは、庶民派から脱したい人が集まってくる。本当のプレミアムになるまでは。

 

マコ   プレミアムだとか、高級ブランドだとか、あまり嬉しくないんですよね。私は良い商品を売ってくれれば良いですし、付加価値の押し売りは嫌いなんですよ。

 

エイジ  ばっさりですね(笑)

 

マコ   商品の本質が良ければそれでよいんです。

 

シンゴ  難しいね。商品力が高くなれば、価格帯は上がっていくよ。すると、価格があがった分サービスレベルをあげる要望が増えていくし、値段が上がればクルマは売れにくくなる。プレミアムという付加価値をつけないと、高いものは売りにくい。

 

マコ   いいえ、高くても商品は売れます。それに、すべての人がプレミアムなサービスがほしいわけじゃないです。実際、年に1回や2回しか行かないディーラーのサービスなんて、結構どうでも良いと思いませんか?

 

エイジ  マコさんらしい意見ですね。シンゴさんの言うこともわかります。ここから先はバランス感覚。で、一度プレミアム化されたブランドは、次は価格を下げるという戦略は取れません。この引き換えの覚悟ができているか。プジョーというブランドの2021年が楽しみですね。

 

マコ   こうやって、私が好きになったブランドはすべてプレミアム化されちゃう・・・庶民派とプレミアムの混在というニッチ狙いだって、商売は成り立つと思うんですけど。

 

シンゴ  たしかにね。プレミアム化がビジネスの成功みたいな話は、オレも聞きたくない。プジョーは今まで「プレミアム化」というキーワードはあまり表に出さなかった。2021 年にこのキーワードが出るとき、我々もメーカーを注意深く見るようになる。

 

エイジ  これはこれで、楽しんで見守りましょう。プレミアム化してほしいと思っている人も居るかも知れません。

 

 

あとがき

さて、プジョーにとっても、私にとっても衝撃のニュースが入ってきましたね。プジョー日本法人の社長の話です。

 

運命なんて言葉は使いたくありませんが・・・ここからは根比べか、どうなのか。とりあえず私は意見などをせず、プジョー日本法人の変わりようをチェックしていくつもりです。

 

実際、私の通うディーラーは頑張って品質の高いサービスを提供しようとしていますが、実力が伴っていないようにも見えます。そんな無理をしなくてもいいのに、微笑ましいなあと思う一方、こんなだらし無いのは嫌だと思う人もいるだろうと、感じることは多いです。そこにメスを入れるなら、プジョー全体としては良いでしょう。

 

しかし、例えば価格アップだとか、ディーゼル排除だとか、そういう流れが出るのであれば、やり過ぎたことになります。嫌われ役に徹するのなら素晴らしいけれど、そこに意味は感じない。プレミアム化というのは、今までの顧客を選別するという意味があると私は考えています。プジョー・ジャポンが望むのであれば仕方がありませんが、ね。

 

まあ、私のブログはプジョーブログというわけでは無く、あくまで自分のクルマ、自分のまわりのコトを大事に考えて、大事に使うことを発信するものです。プジョーがどうあれ、今は Peugeot 308SW は私の宝物です。楽しんで行きたいと思っています。

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