自動車に乗って幾年月・・・もう、20年以上になりましたが・・・車の性能アップは目覚ましいものがありますが、シートの性能アップってなんだか気づかない、わからない。なにせ、シートというのはカタログ上に数値で表れないんです。大きい・小さいはという基本的な事さえ、一切記載されないんです。身体が密着しているというのにですよ!
ところが、試乗に出かけて座ってみれば、「あぁ、いいねぇ〜」なんて言いながら皆さんシートを褒めるはずです。背中の感触を楽しみながら、フットサポートを撫でて「欲しいなあ」とか思うはずなんです。なのに、その後は単なる縁の下の力持ちにしかならない、とても可愛そうな機能製品、それが車のシートなんですよね。
今回は、そんな可哀想なシート達にスポットライトを当ててみようという企画です。良いシートって、一体何なんでしょうね?
- 1 EX30のシートは「走らなくてもわかる良いシート」
- 2 CIVICのシートは「大ぶりさが善し悪しを決めているシート」
- 3 ZR-Vのシートは「シンプルな派手さが心をえぐるシート」
- 4 Peugeot 208/308のシートは「デザインは正義なんだ!を押し通すシート」
- 5 N-BOXのシートは「疲れにくさはシート形状だけじゃないぜと悟らせるシート」
- 6 レクサスのシートは「素材ひとつで印象は変わるぞという技巧派なシート」
- 7 mazda3のシートは「エロさは人生を変える力があると言わしめるシート」
- 8 やっぱりシートはボルボが良い
- 9 最新のAIによる「良いシートを作る自動車メーカーランキング」
- 10 良いドライバーズシートを選ぶ3つのポイント
EX30のシートは「走らなくてもわかる良いシート」
という記事を書こうと思い立ったのは何故かというと、先日、長野県は松本市で行われた、地元の自動車販売会社で開催された御当地輸入車ショーに行ったからです。久々にボルボに触れた感想は
まこまち ボルボって相変わらず変態チックにシートにコダワッているよね〜。もう、走らなくってもわかるよ、良いシート臭がプンプンだよ!
でした。私の反応を見て、
嫁さま 買わないからね〜
と言われたかどうかは記憶の彼方ですが、やはりボルボはホールド感と支え方が最高バランスで、ボルボのシートにはどのメーカーも追従できないんじゃないかな、そんな想いが膨らみました。
自称シート・フェチ(純正派)な私としては、ホンダも随分良いシートを作るようになったじゃないか・・・なんて心の中で褒めていましたが、実際に比べると悲しいくらいに差があることを痛感。まあ、現代の日本車をすべて乗ったところで、いつしかのボルボ・V40にさえ叶わないだろうな・・・これが今回の結論です。
ん?答えだすの早くないかって?ボルボ・ファンしか喜ばないって?
CIVICのシートは「大ぶりさが善し悪しを決めているシート」
いえいえ!大丈夫。ボルボ最高と言いながらも、各社の車のシートの良いところを捉え、本当に良いシートとは何なのかを考えようというのが、今回の記事の趣旨ですからね。
ちなみにディスられかけたホンダは、FLシビックはアメリカンサイズで大ぶりで気持ちよいシートを付けてくれました。私はEXのシートしか座っていませんが、面で身体を支えようとするのは好印象。適度なタイト感もあって、高速ツアラーとスポーツカーの両どりは素晴らしいの一言です。
座り心地は、卵の殻に収まった感覚。左右に振られてもしっかり受け止めるし、ならばサポートが強過ぎるのかと言えばそうではない。無理にドライバーを運転席に縛りつけない、素晴らしいシードです。赤いステッチはちょっとワンパターンで、せめてe:HEVは青ステッチにしてくれても良いんですけどね。
しかし、実は少し大ぶりで、ヘッドレストの煮詰めが甘く身長170cmの私でもヘッドレストは頭の上部にいる状態。もう少し下の位置までヘッドレストを下ろして欲しい。座面のクッション性も、もうちょっとだけ厚くしてほしい。Z世代だけでなくオジサンの事も考えて欲しい。良い骨格なだけに、もう少し頑張ってほしいシートです。
ZR-Vのシートは「シンプルな派手さが心をえぐるシート」
そこをもう少し頑張った、いや、頑張りすぎたのが、ZR-Vのシート。マイナーチェンジするシビックにもつけてやれよと言いたい、悔しさマックスなマルーンなシートです。
最近、マツダのシートも様々な素材を使って車内を演出していますが、現代ホンダのシンプルスマートを具現化しつつ絶妙な高級感を醸し出していて、目障りじゃない控えめな派手さがグッと来る人も多い事でしょう(笑)
なにせ、シートは車内のインテリアの目玉。さらに大ぶりで気持ち良いなんて、今のホンダのベストシートなのではないか?ちょっと褒めすぎました。悔しい・・・
Peugeot 208/308のシートは「デザインは正義なんだ!を押し通すシート」
プジョー308もなかなか。腰まわりを手で掴まれるような感覚が308T9にはありましたが、新型308ではその印象を少し和らげつつ、ホールド感を保っているのが良ですね。
しかし、足の長い私には少し座面が長いのでした…
そこを行くと、208のちょっと小ぶり感あるシートのほうが自分には合っているのかも。あれ、自分って小柄だったっけかな。欧米人よりは小さいか!
プジョーのシートは、素材と色遣いかハイセンス。2色のステッチを入れるとか、他メーカーがしない事をエントリーカーである208にも取り入れてくる。デザイン性の高いシートに座りたかったら、間違いなくプジョーですよ。
プジョーのデザインは、エルゴノミックデザインと言います。人間工学に基づき、ストレスを感じにくい配色や姿勢を目指していて、i-Cockpitもそのひとつ。E-3008で現れたパノラミックi-Cockpitも気になりますね。
それにしても、プジョーは一貫して肉厚なのも良いですね。座った時に、たっぷりスポンジ入ってます!っていう座り心地。観光バスみたいで、なかなか素敵です!
N-BOXのシートは「疲れにくさはシート形状だけじゃないぜと悟らせるシート」
コンパクトなシートと言うならば、確かにN-BOXのシートは身体に合いました。アームレストがシートの傾きと連動するから使いづらかったけれど、高速道路500km走行しても疲れが少なかった。
もちろん、軽自動車のシートは普通車よりも小ぶりです。でも、それが良いですよね。日本人に合うと言えば良いのかな。それに、N-BOXは見下ろし方の運転姿勢で、シートに身体を預ける事が意外と少ない。
うん、姿勢って大事だとつくづく関心します。どっぷりつかるだけが良いシートじゃないってことよね。
こちらは新型N-BOX。アームレストは相変わらずだが、乗り心地は良いのです。街乗りから高速道路までこなす現代の日本の王者N-BOX、やっぱり強いよなあ。ちなみに、私はカスタム系よりノーマルの柔らかいファブリックが好みです。
レクサスのシートは「素材ひとつで印象は変わるぞという技巧派なシート」
そういえば、レクサスのシートは結構良い出来でしたね。私はトヨタ車はNG評価が多いのですが、レクサスはトヨタの本気を感じる素晴らしい作品。なにせ、触り心地が最高に良い。
ラグジュアリーってなんだっけ?やっぱりツヤツヤ本革でしょ!っていう感覚を吹き飛ばしてくれる、素材の使い方に関心。試乗したのがマイナーチェンジ前のモデルだった為、その素材がなんだったか分かりません。ファブリックっぽいのですが、裏起毛のようでもある。とにかく、「ファ!?」な触り心地。
多分私はレクサスは乗らないです。トヨタ車には2回乗って、レビンもセリカも大好きでした。その頃のトヨタの車作りは共感していたのですが、最近はどうしても足周りが気になって乗れません。他にも色々あるのですが、レクサスは流石です。私の気にかかる点を、しっかり色づけして良いプロダクトに昇華している。
シートで言えば、これこそ「触れたら欲しくなる」モノ。見た目や素材感は、和テイストも入って満足度の高い商品です。これらのこだわりに敬意を表したいと思います。
mazda3のシートは「エロさは人生を変える力があると言わしめるシート」
ところで、エロいところで言ったら、mazda3の赤色のレザーは格好良かったなあ。(なぜエロいところで言うのかは気にしない!)シートの出来も良かったのですが、なにせ赤いレザーってだけで気分が盛り上がってしまって。なんでしょうね、赤いレザー。みなぎってくるんですよね。コックピットに座ろうとしただけで、自分の株が上がるような。
ちなみに、座り心地の印象は残っていません(笑)ブログ仲間(というより、YouTuber)のパンプケンさんの愛車に乗せて頂いて、その感想を述べているのですが、当時の私が言った言葉は「ずるい」。コスパも含めて、大変気になる車でした。そのおかげで、私は日本車に返り咲き、ホンダを選んだと言っても過言ではありません。
名言を此処に記しましょう。
(エロい)シートは人生を変える
やっぱりシートはボルボが良い
結局、最高の思い出は最高でしか書き換えられない。ボルボを見ていると、かの青いスライム状のモンスターのように「こっちにおいでよ・・・」と誘われるようにシートに腰をかけたくなります。
ボルボのシートは昔から評価が良く、私も長く愛用しました。腰が痛くなるなんて体験はまったくありません。よく、人間工学に基づいて…とうたうメーカーがありますが、真の意味で人間に一番寄り添ったシートを作るのはボルボ。
シートもさることながら、シートベルトが苦しくないという事実もあり、他メーカーも見習って欲しいポイントが沢山。
さらに、スカンジナビアン・デザインとしてのインテリアとの調和も、大事なところ。シートがどんなに良くても、車の操作に雑味があれば疲れは溜まっていく一方です。
ラウンジのシートのようなリラックス空間がデザインされた、ボルボの世界。私としてもまだまだ気になる車です(^ ^)
最新のAIによる「良いシートを作る自動車メーカーランキング」
さて、シートの話とか言っておきながら私の思い出話になりかけましたが、今回の解説に力強く背中を押してくれたのは、実はChatGPTでした。AIである彼に「シートの良い自動車メーカーをランキングで教えて」とお願いしたところ、次のような答えに。
- ボルボ(人間工学!)
- レクサス
- メルセデスベンツ
- アウディ
- BMW
- ホンダ(シビックとフィット!)
- トヨタ
- プジョー(デザイン!)
- ジャガー
- マツダ
私的には、高級車が上位を締めるのはフェアじゃないなあ、BMW 2シリーズのエントリーモデルなんて普通だったぞ?とか思いつつも、世界的な情報を集約したAIだからこその、ひとつの答えとして受け取りました。
良いドライバーズシートを選ぶ3つのポイント
シートの良さというのは、カタログに現れない、評価の難しいものです。どうしても体格差を吸収することは難しいしので、数値で表したところで乗ってみなければわかりません。だから、車のカタログや主要諸元には、シートの素材とベンチレーション、ランバーサポートの有無くらいしか載せないのでしょうね。
改めて今回の記事を思い返してみると、良いシートの選び方が導きだされる気がします。1に、身体のサポート。適度であり、必要な時にサポートするくらいが丁度良いのでしょう。2に、素材や色遣い。これは自分に合いそうだ、リラックスできそうだというシートが、良さそう。近年は黒一辺倒じゃなくなってきて、選び甲斐がありますね。
そして3に、欲しいと思えるか。一生愛せるか。貴方のインスピレーションは、このシートで良いと言っているか。プジョー208やmazda3のシートは、所有する喜びを与えてくれます。
シートフェチとしては、この3つのポイントをいつも心がけて、手と目と身体で感じたい。皆さんにも良いシートだよとお知らせできたら幸せです。ついでに、グッドシートアドバイザーとして世の中のシート好きに称号を与えていきたい…。などという、なんとなくふざけた感じで、気楽に幕を降ろそうかと思います(笑)