【ボルボVSプジョー①】楽しいメーカー選びの始まりだ

プジョーの事もだいぶ判ってきたところで、プジョー308SW vs VOLVO V40の比較対決シリーズを始めます!シリーズ記事ですが不定期更新です。じっくり吟味して書いていこうと考えています。

 

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なぜプジョーとボルボなのか

Well to Wheel と ディーゼルエンジン

Well to Wheelという言葉をご存知だろうか。

 

自動車が製造されるにあたり排出されるCO2と、燃料を生成する際に排出されるCO2、燃料タンクからタイヤを回すときに排出されるCO2全てを加味して、環境によいか判断する指標である。

 

ゼロエミッション車というのは、Tank of Wheelでの考え方で、クルマのタンクに蓄えられたエネルギーからタイヤを回す時にCO2を排出しない事を指している。つまり、製造工程やエネルギーの生産を見れば、必ずしもゼロエミッションではないのだ。

 

この2つの観点から、私はディーゼルエンジンを積極的に選んでいる。現在の電気自動車ではバッテリー生成のエネルギーが大きく、電気自動車と燃焼エンジン車とのCO2排出量が逆転するのは、10万〜15万kmを走行したときになると言われているからである。

いずれは電気が最良

とはいえ、電気自動車派を否定するわけではない。ゼロエミッション車の開発力の向上が期待できるし、部品の価格下落は燃焼エンジン車にも効果がある。

 

部品の生成、電気の充電が自然エネルギー由来になれば、Tank to Wheelだけでのゼロエミッション車は、一気にWell to Wheelのクルマに変わる可能性があるのだ。

 

しかし、今は過渡期。エネルギーミックスをよく考え、良い答えをメーカーもユーザーも考えながら車を選びたい。

 

プジョーとボルボ

ボルボは環境ディーゼルを2つ、日本へ導入しているものの、ディーゼル撤退を決めたメーカーだ。マイルドハイブリッドつきのディーゼルモデルが欧州で販売されているが、日本への導入があるかはわからない。

 

プジョーは3つのディーゼルエンジンを導入し、売り込んでいる。1.5リッター、1.6リッター、そして高出力の2.0リッターだ。とくにハイパフォーマンスモデルはディーゼルで固めている印象だ。

 

輸入ディーゼル車という大変レアリティなモデルを乗り継いだ私としては、この経験を語らないのは勿体ない。

 

ボルボV40 D4とプジョー308SW Allure BlueHDi(実際には、特別仕様車のTECH PACK EDITION)。排気量の違う2つのディーゼル車を比較していこう。

 

なお、ボルボをこよなく愛し、今はプジョーを徹底的に観察している私としては、この2つのメーカーの車を中立に判断したい。とは思うものの、仕様はお互い言い分があるはずだ。

 

その場合の表現としては、ボルボ視点とプジョー視点とで書き分けたいと考えている。ご了承頂きたい。

 

比較車種の紹介

スタイリッシュコンパクト ボルボV40

まずは、車種の紹介をしていこう。

 

ボルボV40は、2012年に欧州で発表、2013年に日本で発売された、ハッチバックである。ハッチバックとはいっても、リアを伸ばしてユーティリティを兼ね備えたモデルとして発表され、アーバンショートワゴンの触れ込みで販売数を伸ばした。

 

ボンネットがコンパクトとは思えないほど長く、直列5気筒エンジンを当初搭載。歩行者用エアバックを世界で初めて搭載するなど、ボルボのアイデンティティの詰まったクルマである。

 

モデルチェンジで安全装備の全車種標準化がなされ、さらに2016年からは第三のディーゼルの触れ込みでボルボのラインナップにディーゼルエンジンが搭載される中、V40というコンパクトモデルに対しても、190ps/400Nmというオーバースペックディーゼルエンジンを搭載。

 

インテリア、エクステリアに惚れ込むユーザーが多く、ホットハッチの要素まで組み込まれたボルボV40は、販売終息までディーゼルエンジンが販売の主力だったという。

ボルボV40で紅葉ドライブ 原村は私の理想の土地である

ハイセンスワゴン プジョー308SW

対するプジョー308SWは、ハッチバックである308からロングホイール化され、荷物の量と後部座席の居住性を大幅に改善したモデルだ。

 

フランスでは空港タクシーとして活躍する308SWは、ハッチバックの308から遅れる事一年の2014年に登場。EMP2プラットフォームの採用で、車重が軽いのが特徴だ。例えば、308SWはディーゼルエンジンを搭載しながらも1.5トンを切る重量を達成している。ここに130ps/300Nmのエンジンは、元気さを予感させるだろう。軽さの追求は燃費にもドライバビリティにも寄与している。

 

そして、ハッチバックベースのワゴンという聞きなれない言葉通り、ボンネットはミニマム。にも関わらず、のびのびとした居住スペースを感じるエクステリアデザインは、車格を超えた際どいセンスを感じずにはいられない。

 

マイナーチェンジでは安全装備の追加を積極的に行う傍ら、特別仕様車やフェイスリフトの変更などを行い、新鮮さを絶やさない努力がされ続けている。8ATの全グレードへの展開や、長さ1メーターを超え、リアシート直上まで延ばされるパノラミックサンルーフなど、高い商品力とお求め易い価格でプジョーの中心を支えるモデルだ。

脱ドイツ派に最良の選択肢

さらに、記事の中では私の試乗した様々なクルマを時より登場してもらうつもりだ。その際は、時間をとってクルマをしっかりと紹介したい。

 

ボルボとプジョーは、価格帯で一部競合するエリアがある。208というコンパクトをラインナップに、508をフラッグシップに据えるプジョーと、XC40という人気SUVを最低ラインとし、1000万円を超えるこれまたSUVであるXC90をフラッグシップとするボルボ。競合は限定的で、今は販売終息してしまったV40と308、XC40と3008、さらに5008。そして508シリーズとS60/V60だ。

 

安全性を主軸に、質実剛健な設計を徹底するボルボと、大らかさとセンスで勝負するプジョー。ドイツ車の持たない魅力にあふれる両社。楽しい比較記事が書けそうである。