【まこまちの車選び2022】第一章:特色あるエンジンが欲しい

「あのさ、今度車検じゃないか。クルマの買い替えも含めて検討したいんだけど。」と言った私に、嫁ちゃんの返した言葉。

 

「そうね、今のクルマの維持費は不透明だもんね。なら、輸入車に乗るのを辞めてしまえば安心じゃない?」

 

移住と輸入車の天秤。今は移住に傾いている。田舎への移住とカフェの開業は人生の目標だ。私もすでに40代、人生後半の設計を優先したい。その残された時間は、実はあと1年半もないのである。

 

今回は HONDA CIVIC e:HEV の試乗の模様をお伝えします。もう少し詳しく!という方は、【ボンネット・クライシス】HONDA CIVIC e:HEV ハイブリッドの奏を聴く も合わせて御覧ください。

 

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嫁ちゃん「輸入車の突発的修理費がとても怖い」

Peugeot308SWと富士見町

 

「平たく言うとね。」

 

嫁ちゃんは私にわかるように、丁寧に語りだした。

 

「何回かプジョーで修理してもらったでしょ。今は保証期間だから安心なんだけど、3年で保証が切れるでしょ。そうするとさ、あの修理代が今度はウチに来るわけでしょ。」

 

我が愛車 Peugeot 308SW は、トラブル知らずとは言い難かった。初期はサスペンションの調整不具合、次にウインカーの音が鳴らないトラブル。トドメの安全装置の警報・・・都度都度修理報告書にサインをするのだが、そこへはメーカーへ請求するという修理費の記載があった。嫁ちゃんずアイは、その5桁の数値を見逃していなかったわけだ。

 

さすがっ

 

「だからさ、一度輸入車辞めちゃってほしいんだよね。どう考えても安い修理費の日本車にしてほしい。

 

茅野市にて Peugeot 308SW

 

家計を預かる身としては、計画できない出費が大嫌いだと言う嫁ちゃんの気持ちは良く分かる。しかしだ、ということは、 プジョー → ワーゲン や プジョー → ルノー どころか、プジョー → プジョー も叶わないということだろうか?

 

「それにね、2024年の春には少なくとも、私達は先に移住する可能性が高くって、パパはしばらく東京で働くと思うけれど、2拠点居住になるじゃない? そうすると移住先で使うクルマが1台必要になる。」

「わかってます・・・」

光熱費も2倍だよ? 娘の大学費だって馬鹿にならないよ。」

「ぐっぐえぇぇ・・・」

 

増える費用の波状攻撃。私はすでにタジタジだ。

 

私「嗜好性の高い車にしてほしい」

思い返してみれば、Peugeot 308SW への乗り換えは私の意見が濃いものだった。RENAULT KANGOO 推しの嫁ちゃんの意見を抑えて、プジョーを選んだのである。そもそも、クルマとは家庭の財産だから、夫婦で納得して買うべき、というのが私の持論。であるなら、今回は嫁ちゃんの意見に従うのが、家庭円満というものだ。

 

「わかった、そうしたら運転しやすい小さい車を検討しよう。移住先に持っていく車を先に買っても良いし。でも、クルマは趣味だし週末に移住先に向かうためにも、好きなクルマは1台欲しいよ。」

「そうね、私はとりあえず近場で扱いやすい軽自動車で良いから。パパの車はいろいろ見て、ゆっくり好きなのを決めたほうが良いんじゃない?」

 

ならば 新型 Peugeot 308 SW プラグイン・ハイブリッドをーーーー! と声にならない声を富士山めがけてぶっ放したところで、話が降り出しに戻るだけ。だが、2台持ちということは片方の車には自分の意見を通すことができるわけだ。良いんじゃない、軽自動車。私は大きな心の持ち主だ、少しの間の軽自動車なんぞ全く問題ないもんね。

 

でも、できるだけ嗜好性の高い軽自動車が良いというのは付け加えさせていただいて、ならばどこの軽自動車から見ていこうか?

 

「私は、日産のサクラが良いなあ。」

 

日産サクラのフロントロゴ(ディーラーオプション)

 

・・・EVじゃんよ、流石は嫁ちゃん。私を”充電器が自宅にないけれどEV乗ったったブロガー”にしうようというのだろうか? 「今日は電気の残りが5%でヒヤヒヤだった。」とか「今日は充電渋滞2時間だった。」とか書かせちゃおうと言うのだろうか。 それは美味しいかもしれないけれど しかし現実を見るのが得意な私は、対抗馬を提案した。

 

「ホンダの N-ONE はどうだろう?」

 

実は、N-ONE 提案には裏の顔があった。それは、ホンダ・シビックの試乗である。魅力的なエンジン選ばせたら右にでるものは日本人の5%を自負する私としての、最近気になるエンジン「HONDA e:HEV」。最悪輸入車を諦めるなら、せめて特徴的なエンジンに触れていたい。というところで思い浮かんだのが、ホンダ・ZR-Vだった。ホンダの新しいハイブリッド技術 e:HEV搭載のちょっと高級SUV。これを先行でシビックで味わっておこうという戦法だ。

 

そうと決まれば話は早い。片っ端から近くのホンダに電話して、シビック・e:HEV と N-ONE の試乗予約を取り付けた。

 

試乗車紹介 HONDA CIVIC e:HEV

CIVIC e:HEV フロントマスク

 

HONDA CIVIC e:HEV は気持ちの良いブルー。なかなか格好良いじゃない。

 

エクステリアのパット見た印象は、流石に輸入車ほどの存在感は無いものの、優雅なハッチバックは結構好みで、昔乗っていた TOYOTA CELICA を思い出す。車高は低いものの、Peugeot 508 や VOLVO V40 と変わらない。いや、ここは要検討要素である。若くないんだ。

 

シビックに乗り込む。期待通りの低ポジション。横に広がるハニカムメッシュは癖が強いが、質感は高い。ヤンチャではなく、ちょい悪でもなく、大人びたアグレッシブな活力を感じさせる。視覚的ノイズを押し下げた結果か、視界が広く大きく見えるのは意外なポイント。

 

CIVIC e:HEV ダッシュボード

 

改めて、シートの座り心地を確かめる。包まれるように柔らかいが、ロングドライブでの疲労感はわからない。ステッチが赤の一点張りは少々ツマラナイ・・・プジョーみたいに華やかにしてほしいところだが、仕方がないか。ただ、見た目はスポーティなのに中は結構機能的ラグジュアリーなのは、ちょっと胸アツ。

 

走らせる・・・HONDA e:HEV 、うぅ・・これは惚れる。嫌いだったハイブリッドのネガが消えて無くなっている。効率重視の高回転キープと微振動なんて何処へやら。アクセルを踏み込めば、エンジンのステップまで演出するコダワリだ。なんだ、和製ハイブリッドってかなり進化していたのか?

 

CIVIC e:HEV デジタルメーター

CIVIC e:HEV サイドビュー

 

続いて驚いたのは足まわり。今まで乗ってきたクルマの中でも、群を抜いて質感が高い。耳から入るロードノイズを上手にコントロールしているらしいし、そもそも入力も穏やかだ。ここは日本車、街なか重視のセッティングだとは思うものの、スタイルと乗り味のギャップにグラっと来る。

 

リアシートに目をやると、どうやら Peugeot 308SW よりも足元にゆとりがある。子供が大きくなる毎に、リアシートの快適性を考えるようになってきた。ベンチレーションも完備して大満足だ。

 

ホンダ・セールス氏はホンダ愛の強い人「ゴルフに負けません」

狙っていた ZR-V では無いものの、購入候補のひとつにいきなり急上昇か?いかんいかん・・・しかし、車が良くてもディーラーが良くなくては魅力減だ。アイ・アム・営業だぜぇ。

 

「それにしても、流石ホンダですね。ブレーキのタッチが良いですね。」

 

と、セールスさんに話を振ってみる。

 

「自然なフィーリングを目指して、徹底的に叩き上げたんです。」とセールス氏。話が弾む。

「昔ホンダ・フィットのハイブリッドに乗ったことがあって。ブレーキはホンダとワーゲンが最高に良いです。」

「最近はワーゲンさんにも行きましたか?」

「ええ、ゴルフに乗ってきました。」

「ゴルフ、良いですよね。ブレーキのコントロールは流石欧州車です。でも、私達もゴルフに負けまいと開発したんです。

「といいますと?」

「Honda CIVIC e:HEV のブレーキ、ほとんど回生ブレーキなんです。ディスクブレーキは停止前の少しだけです。今までのクルマと差はわかりませんよね?」

 

CIVIC e:HEV エンブレム

 

このセールスさん、なかなかホンダ党で面白い。機能の質問をするとサクサクと答えをだしてくる。ホンダ・ブロガーになったらどうですか?とオススメしたいくらいの知識量。

 

あ、さっきの違っていました(テヘペロ!)

 

というお茶目も見せるが、川崎流なので嫌味もないし気にもならない。(同い年くらいのオッサンだけどね。)

 

ところで、このブレーキの話はワーゲン・ディーラーでも話していた。ワーゲンのセールスさんは「日本車と一緒にしないで」と言わんばかりに苦笑いしていたが、ホンダのセールスさんは「ウチの CIVIC は輸入車と張り合えます!」という自信を見せる。どうやらそれは事実のようで、ステアリングから良い車感がにじみ出ていた。

 

「セールスさん、今までずっとホンダですか?」

はい、私はホンダ大好きです!

 

つ・・・強い(笑) 日本車すごいぞ、ホンダすごいぞのプレッシャー。私の自律神経はいきなりグラグラ。「車は地べたスレスレに乗ってなんぼ協会(ノーマル車高支部・低燃費推進部)」の私としても、車高が低くてハイブリッドで機能性ラグジュアリーな Honda CIVIC はアリだった。このままでは押し切られる・・・というところで、嫁ちゃん希望の軽自動車に助け舟を求めての試乗である。

 

ーーー つづく ーーー