まこまちの車選び2022をお読みいただきました皆様、ありがとうございました。「物語のような自動車メディアを作る」を目標に掲げる私としても、満足な仕上がりになりました。まあ、まだまだ実力不足ですけどね・・・
お陰様で次期愛車は無事に HONDA CIVIC e:HEV に決まりましたが、クルマ選びってもっと大変じゃないの?と思う方もいらっしゃるでしょう。はい、そのとおり!実は話の流れと読みやすさを優先する為、カットしている情報が色々あるんです。
ということで折角です、車選び物語のおまけ話として聴いていただければと思います。何かの役にたつかもしれないし。ちなみに、私は笑えるような楽しい話は書くのが苦手ですので、その辺はお察しください(笑)。では、最初は皆さん気になるコレです。
フランス車乗はどうして CIVIC を選んだの?横比較編
2022年8月。まこまちは悩んでいた。
「日本車にして欲しい」という超難題は、私の睡眠時間を溶かしていく。「月間自家用車」「ベストカー」と自動車雑誌を読み漁り、貧弱過ぎる日本車の知識を14年分取り戻そうと必死になった。
ニューモデルマガジンXの人気対談コーナー「ざ・総括」もついでに読む。うんうん、相変わらず変わっていなくて楽しい。エンジニアとかチューニングショップとか、まだ居てくれたんだ!という感じで涙がホロリ・・・いやいや、車を選ばないといけないんだった。
とりあえず自分の「買っても良いかも」を洗い出す。スマホの Evernote に書き込んだのは次の車だ。
MAZDA 6
MAZDA CX-60
TOYOTA CROWN
HONDA CIVIC
HONDA ZR-V
ちなみに、Peugeot 308 は早々に諦めた。粘ろうかとも思ったが、家族の絆に暗雲が立ち込めるのは希望しない。だから密かに欲しかった Mercedes Aclass Sedan も諦めた(汗)
そう 諦めるしかなかったのだだだだだだだ! ちっきしょー
ドタドタとベッドでのたうち回る私に、「良い車はあったの?」と嫁ちゃんが可愛く訪ねてきた。私は首を愛くるしくフルフルして見せる。夫婦の絆は輸入車よりも大事だよねえ。
しかしどの日本車の写真を見ても、輸入車のグラマスで彫刻的で魅力あるエクステリア・デザインに敵う車は見つからない。沢山の車がある中で自分なりにデザインのポイントはあるのだが、日本車にはその気配が無いのである。このデザインを諦める方法を思いつくのに、およそ1週間を費やした。
欲しい日本車をスペックで比較
それは、スペックで選ぶ事、である。
いや、それ普通だろ!性能見ずに車買うなんてどうかしるでしょ!ホントにあなたは車ブロガーなんすか!と言いたい方も読者の30%はいるだろう。確かにそうではあるのだが、私にとっての車選びは、性能よりはデザインだとか雰囲気だとかオンリーワンだとかなのである。直列5気筒しかり、不相応な400Nm大トルクしかり、1.5L小排気量ディーゼル・エンジンしかり、なのである。
横並びの性能比較をするよりは、そのモデル、そのグレードの魅力をみつけ、己の心とを重ね合わせ、幸せそうだから買っているのだ。これぞ、インスピレーション購買術なり。輸入車乗りには必要な技能であるぞ。
そうと決まれば、リストアップした車を片っ端から調べていく。
MAZDA 6
エクステリア、インテリアともにまだまだ最前線な MAZDA 6。試乗していないので勝手な話だが、パンプケンさんの MAZDA 3 のサスペンションは私も認めるところであり、MAZDA 6 でも同じような乗り味が体験できるにちがいない、という期待感もある。これがバーゲンプライスとは、マツダの社内体制を疑ってしまう。
しかし、モデル末期でもあるという。登場まで待とうとも思ったのだが、登場しても2023年だ。その2023年まで待って、FRプラットフォームになったとして。
フロントに MAZDA CX-60 のディーゼル・エンジンを積んだら、燃費が良くて大トルクというモンスター・マシンになるかもしれない。けれどもそれは折角のFRレイアウトを用いたとしてもフロントヘビーは免れまい。ならば、リアにバッテリーを積む事で重量配分を最適化できるPHEVだけがラインナップに残るのか?否!マツダがそんな裏切りをするわけがない。
そもそも、ディーゼルエンジンは充分楽しんだ。次はガソリンが良い。
■ MAZDA 6 XD
項目 | 点数 | 備考 |
---|---|---|
ボディサイズ | 1 | 横幅 1,840 mm はちょっと大きい |
エンジン型式 | 1 | SKYACTIVE-D ディーゼルは十分楽しんだ |
燃費 | 1 | 17km/L 今更 20 km/L 切りはできない |
エクステリア・デザインの見どころ | 1 | 新しい鼓動を見てみたい |
インテリア・デザインの見どころ | 2 | 水平基調で大人っぽい Good!! |
机上評価 | 6 点 |
MAZDA CX-60
これは正直乗ってみたい。直6+FRプラットフォームはバーゲンプライス。ビッグトルク 500Nm は手にしてみたい。ディーゼル飽きたとか言いながら、やっぱり良いなと思わせる。
インテリアは小慣れた感もあるマツダ流。オーナーはホクホクできるに違いない。さすが日本のカー・デザイナー MAZDA である・・・と言いたい所だが!エクステリアはFRプラットフォーム最初の作品。私としてはフロントマスクの造形にハテナが残る。ヘッドライトからグリルに至る造形には無理矢理感あり。これがマツダの新しい顔になるのだろうか。スマートな威圧感は素晴らしいが、MAZDA の持っていた女性的な優しさは影を潜めた。
そして、大きい。嫁ちゃんの運転が臨時であるとしたって、デカ過ぎる。明日にはリアドアにガリガリが付くかもしれない。これぞ、男のロマンと実用の狭間というやつだ。
それに、私が買わなくても知り合いのブロガーさんが買うかもしれない。ならばそれに乗せてもらえれば良いのである。
■MAZDA CX-60 XD-HYBRID
項目 | 点数 | 備考 |
---|---|---|
ボディサイズ | 0 | 横幅 1,890 mm はかなり大きい |
エンジン型式 | 2 | 直列6気筒ディーゼル+MHEVで 550Nm 大トルク Good!! |
燃費 | 2 | 21km/L このサイズでは鬼 Good!! |
エクステリア・デザインの見どころ | 1 | 女性的気品を取り戻して! |
インテリア・デザインの見どころ | 2 | 水平基調で大人っぽいし色も良い Good!! |
机上評価 | 7 点 |
TOYOTA CROWN
トヨタは時々血迷ったようなデザインをする。しかし徐々に受け入れられる。クラウンが吉と出るか凶と出るかはわからない。だから、セダンでなくてクロスオーバーで実験的に出したのだろうなあ。
街中で目立つ事間違いなし。はっきり言って走るクラウン広告塔。デザインだけで選ぶ車だ。
可愛そうなのはFFプラットフォームになったからって、カムリと同じとか言われる所。プラットフォームなめてんのかってTOYOTAは言いたいだろうけれど、FFとFRが同じ車名になるってんのなら何言われようと仕方がない。それを受け入れてまで、このデザインと心中するなら満足感は高そうだ。
良し悪しはあるだろうけど、それだけで語れるというのも王者の貫禄か?薄れた威厳に魅力を感じる(笑)
■TOYOTA CROWN CROSSOVER G
項目 | 点数 | 備考 |
---|---|---|
ボディサイズ | 1 | 横幅 1,840 mm はそこそこ。それより全長 4,930 mm これが大きい。 |
エンジン型式 | 0 | 2.5L直列4気筒ハイブリッド 目立って素晴らしいトルクでもなく |
燃費 | 2 | 22.4km/L 重量あるのにこの燃費 Good!! |
エクステリア・デザインの見どころ | 2 | 今更目立ちたがり屋になりたい!? |
インテリア・デザインの見どころ | 1 | リアシートに座りたい |
机上評価 | 6 点 |
HONDA CIVIC e:HEV
華麗なクーペスタイルと、新鮮さを感じるハイブリッド、スポーツe:HEV。ダッシュボードの造形はプチ派手でセンスが良い。走らせた時のサスペンションの動きの良さは、私の中では数々の試乗体験の中でも一番だ。ドライブポジションに合わせた時のリアシートの居住性が高いのも良い。そして、欲しかったエアコンダイヤルつきである。
スポーツモードも楽しげだった。エンジンサウンドが耳に届く。あぁ、これがホンダのエンジンか、流石だな気持ちええなあーとなる領域を、スピードを出さなくてもエンジョイできるのがとても良い(笑)TypeRが控えているし注目度はあちらなのが悲しいけどね、ハイテクだったらe:HEVよ。
一方、V40や308に比べるとやはりシートの造りはやや落ちる。左右のサポートは良いものの、尻の座りに少しの違和感を感じる。さらに、背の低い車だから乗り降りでヒイヒイ言いそうだ。
それでも、世界の車がクーペスタイルSUVに走る中で、希少な流線ハッチバック。そして、リアシートを倒した時の奥行きが1820mmを超えている。つまり、ベニヤ板が乗るのである(笑)
■HONDA CIVIC e:HEV
項目 | 点数 | 備考 |
---|---|---|
ボディサイズ | 2 | 横幅 1,800 mm は扱いやすく Good!! |
エンジン型式 | 2 | 2L直列4気筒ハイブリッド 315Nm の適正トルク Good!! |
燃費 | 2 | 24.2km/L Good!! |
エクステリア・デザインの見どころ | 1 | 水平基調で上手くまとめた あともう一息何かほしい |
インテリア・デザインの見どころ | 2 | 無駄のないシンプルデザイン アクセントが効いていて Good!! |
机上評価 | 9 点 |
HONDA ZR-V
実は私、HR-Vの初代に焦がれていた。デザイン的に未来すぎた感はあったが、ホンダの先見の目と言えた。その車の現代版には、やはり惹かれるものがある。相変わらずやり過ぎ感のフロントグリル、いや、これで良い。サイドからリアにかけての造形が一体感を持っていれば良いのである。
しかもスポーツeHEV搭載という。期待しかできないじゃないか。CIVICのアレが乗るならお得としか言いようがない、一粒で二度美味しいヤツである。
強いて言えばインテリアは少し暑苦しいかも。レイアウトは CIVIC より改善されているようで、ドライブセレクターの位置はセンターに鎮座される ZR-V のほうが良くできている。けれども、それを囲むデザインに不要な肉厚さを入れてしまった。この辺りは好みだろうけど、私は少し残念である。
今だから言えるけれど、大ブロガーくるすぺさんと被るかもしれない、という、期待感もある車だ(笑)
■HONDA ZR-V e:HEV
項目 | 点数 | 備考 |
---|---|---|
ボディサイズ | 1 | 横幅 1,800 mm は超えるだろうなあ |
エンジン型式 | 2 | 2L直列4気筒ハイブリッド 315Nm に AWDも!? |
燃費 | 2 | e:HEV だし良いに決まっている |
エクステリア・デザインの見どころ | 2 | 日本車離れのフロントマスク Good!! |
インテリア・デザインの見どころ | 1 | 書いたとおり。 |
机上評価 | 8 点 |
ZR-Vの脱落によって首位固めた HONDA CIVIC e:HEV
点数をつけ終わり、閉口する私。点数ではどうやら HONDA CIVIC e:HEV に決まりである。そもそも、得点に贔屓目を感じるではないか。なんだか CIVIC に点数を無意識に甘くつけていないか?
ヒョイと娘ちゃんが横から覗き込んだ。(めちゃ可愛いのを想像してください。)
「何してるの。」
「ん?クルマを選んでるよ。」
「紙に何か書いてある。」
「点数だよ。どのクルマがいいかなって。」
「クルマって点数で選ぶの?」
・・・・
・・・・
・・・・んなわけあるかーー!
得点をつけようが何しようが、欲しいと思う気持ちは裏切れない!私は2つのクルマに丸をつけた。
・HONDA CIVIC
・HONDA ZR-V
本当は MAZDA CX-60 に期待していたのだが、せっかくなのでハイブリッドを楽しみたいし、MAZDA のディーラーはどうも相性が悪いようで、まともな人に出会わない。(失礼) 今回はホンダ一本で考えてみようと心に決める。
そして、夜が明けた。
【まこまちの車選び2022】第五章での経緯通り、東京駅で実写を見た後にポイントを失点し、ZR-V は脱落。つまり、ここからラスト・ランの間は、HONDA CIVIC e:HEV に決めようか、それともやはり CX-60 の実車を見ようかというループに入っていったのだ。
そして娘ちゃんの一言によって、「次のクルマは青色、今よりもう少し走って、乗り心地も良くて、燃費が良くて、ちょっとカッコいいクルマ。」として CIVIC に決まった、ちゃんちゃん!というわけである。
もちろん、CIVIC の乗り味にジワジワ欲しいが膨らんでいったのもまた事実。特に足回りと官能的なエンジン音、ラゲッジやリアシートの広さ、そして見た目はスポーティというところはフランス車、特にプジョーに通じるところが大いにあった。このあたりの詳細は別の機会にお話しよう。
しかしまあ、いつも家族に背中を押して貰う私である。うん、幸せだね☆