「ディーゼル車の魅力と検索した貴方は必ず読んでほしい記事」こんなタイトルに惹かれる人は、きっと今ディーゼル車に乗ろうかどうか、悩んでいる最中でしょう。
「お目当ての車があるんだけどさ、ディーゼルモデルがラインナップされていて、将来乗れないかもしれないから、今回の車選びでディーゼルエンジンを楽しんでおきたいかも・・・でも、誰か背中を押してくれ。」なんて気分な方が多いんじゃないかな。
そんな貴方に一言おう。ディーゼルエンジン搭載車は、すでに魅力だけで買うものではない、と。そして直ぐにディーゼルエンジンを体験しなさい。
新しいカーライフが楽しめるディーゼルエンジン車
高性能はタコメーターの半分で楽しめばそれでよい
そもそも、ガソリン・エンジンにしようか、ディーゼル・エンジンにしようか、はたまた電気自動車にしようかなんて、考えるだけもったいない。
貴方が「ディーゼル・エンジン車」に興味を持つなら、一度人生を壊してしまうつもりで購入しちゃえばそれで良いんだ。買うかどうかを悩むくらい、あきらめるのを躊躇う(ためらう)くらいに好きになりかけているんだから。
ガソリン・エンジン車とまったく同じスタイルを持つのに、中身はビックリするくらい違うもの。これがディーゼル・エンジン車だ。
軽くアクセルを踏むだけで、驚くほどの加速を見せる。高速道路の巡航でも、上り坂をシフトチェンジをせずに登る。ターボ・ディーゼルの特大トルクエンジンは、言い換えればスポーツ・ユニット。恋しちゃったって大丈夫。
高回転は得意じゃないけど、高性能なんてタコメーターの半分楽しめればそれでいい。あとは大人に、環境負荷の低減だと胸を張ろう。意外な程のオールマイティ。この魅力を避けて通る意味なんて、理解に苦しむとしか言いようがないだろう。
model | Power / Torque | WLTC(km/L) |
---|---|---|
BMW 320d 2L(D) | 190ps/400Nm | 15.3 |
MAZDA CX30 1.8L(D) | 130ps/270Nm | 19.2 |
Peugeot 308 1.5L(D) | 130ps/300Nm | 20.6 |
LEXUS IS 2.5L(GH) | 220ps | 18.0 |
SUBARU LEVORG 1.8L(G) | 177ps/300Nm | 16.6 |
※ハイブリッドモデルはシステム出力を参照
2種類のディーゼル車を乗り継いだからこそオススメできる
私は 2 種類のディーゼル・エンジンを所有した。そのうちのひとつ、Peugeot 308SW の 1.5L BlueHDi ディーゼルは「恋」のできるエンジンだ。
多分今後語り継がれていくだろう、ディーゼル・エンジンの名機になるはずのこのユニットは、普通のディーゼル・エンジンの不得意とする高回転を楽しめる。回転数をあげていっても、うるさくならないスムースさ。ラテンの香るエンジン・サウンドも逸品だ。
1.5リッター4気筒の「PSA DV5 ディーゼルエンジン」の最大トルクは 300 Nm 。全長 4600 mm のスポーツワゴン「SW」には程よくお似合いのユニットで、街なかや山道で少し回して遊びたい人も納得が行くはずだ。
これを Peugeot お得意の i-Cockpit で操作する。正確性の高いステアリングは、小径ならではの演出でカーブでの楽しさを体感できる。さらに、直進道路でも気持ちがいい。
小径ステアリングは下手すると敏感な操作系になりそうだが、Puegeot のこれは「中立あたりのゆったり」が「しっかり」していて気持ちいい。細かい舵の修正は必要なくて、エンジンのフィーリングに集中できる。大きな湖に浮かんだような感覚と、DV5 ディーゼル・エンジンのサワサワとした静かな回転。
これこそが Peugeot の魅力であるし、小排気量ディーゼルエンジンの実力なのだ。
進化を続けるディーゼルエンジン
そんなばかな!ディーゼルでそんな体験ができるわけないじゃないか、なんて思うのは仕方がない。どんなディーゼル輸入車も、目の前を通り過ぎればパラパラ音が鳴り響く。
けれども、ディーゼルエンジンも進化をし続けている事をわかって欲しい。未来がある事を知って欲しい。
Peugeot 308 SW の前の車は、VOLVO V40 D4だ。小柄なボディに400Nmの大トルクは、日頃はジェントル、たまには痛快じゃじゃ馬という二面性を持ち合わせていた。
このディーゼルエンジンはたしかに車内でうるさくて、声にならない低音は気になるし、燃費やトルクは良いけれど、快適なサルーンとは言えないクルマ。
でも、とても楽しかった。ハイブリッドカーを蹴散らす実力。少し煽られたとしても、ビックトルクで突き放す!
それは4年も前の話なのである。ディーゼルエンジンの性能は、ガソリンエンジンのように進化する。ハイブリッドと同じように。電気自動車と同じように。最新のディーゼルエンジンを、決して諦めないで欲しいのです。
年代 | 出来事 |
---|---|
2015年 | ボルボ 第三のディーゼルとして日本導入(V40/S60_V60)燃費20km/Lとトルク400Nmの共存する時代に |
2019年 | プジョー 新型 1.5L ディーゼルを導入(308)小排気量ディーゼルで静かなディーゼル登場 |
2021年 | アウディ ディーゼルとMHEVの組み合わせを発表(A4 35TDI)さらなる燃費改善を達成 |
エネルギー問題の観点からも、ディーゼルエンジンを無くすのはとても惜しい。幅広い燃料を扱えるディーゼルは、カーボンフリー燃料を扱うことができる可能性を秘めている。ぜひ合わせて、ディーゼル・エンジンと将来のパワー・ソースも読んでほしい。
世界の動きを見ながら選ぶディーゼルエンジン
電気自動車は意外と普通のクルマだった
もう少し、今度は社会面も話しましょう。
先日、Peugeotの電気自動車、e-2008に触れてきました。良い車です。今までのクルマと同じように、違和感なく操作ができる。260Nmのトルクだって、充分スポーティに走れます。
車内はとても静かです。ヒーターだって一発でつくらしい。快適さで言えば内燃機関機関の一歩先を行くのです。これはこれで、アリなんですね。
でもね、同じようなフィーリングはディーゼルエンジンでも味わえる。この2つはホントに似ている。きっと扱いやすいように、電気自動車を既存のエンジンに合わせてきてる。
なぜかと言えば、みんながそれに慣れてるから。100年続く自動車の操作感は、簡単には変えられない。
だから、静かである事以外には、新鮮さは無かったのだ。
だとすれば、あなたは電気自動車とディーゼル自動車、どちらを選ぶべきだと思う?
バッテリーをめぐる世界情勢には社会悪が隠されている?
ここに、無視のできない話がある。
電気自動車には大きなバッテリーが詰められている。このバッテリーを作るためには、多くの二酸化炭素を排出する。この話は聞いたことがあるでしょう。
クリーンエネルギーを使うのなら、この問題は片付く。なのに、電気自動車のバッテリーに不安を持つ人が多いのは何故なのか。
これは、バッテリー製造の主たる会社が中国にあるからです。かれらの二酸化炭素排出量の実態を見てほしい。
国 | 2019年 CO2排出量 |
---|---|
日本 | 11億2312万t |
中国 | 98億2580万t |
出典:BP(Statistical Review of World Energy 2020)
人口が多いからというのはわかる。一人当たりの排出量は、日本だってそれなりに多い。
ここからはかなり私的な意見になるのだけど。
CATLを中心に中国にはバッテリー企業があって、世界の電気自動車のバッテリーシェアを大きく持つ。価格もどんどん安くなる。世界の自動車会社達は、共産主義のこの国のものをこぞって採用しているのだ。
政治的には対立するも、彼らは決してやめようとはしない。
単純な話ではない。確かに中国にあるのはユートピア。絶え間なく売れる市場がある。中国国外自動車メーカー達は、自身がそこで、売り上げを上げて資本を強くしておかなければ、いつかは中国に買われてしまう。
そしてもうひとつ。
自国でバッテリーを作るには、二酸化炭素の排出量を抑制できない。パリ協定で決めた国の二酸化炭素の排出量を減らす目標。この達成のためならば、エネルギーを大きく使う産業は国外に出したほうがいい。
コバルトを産出するための児童労働の問題も残っているが、自国のために目をつぶる。電気自動車は素晴らしいが、まだまだ社会悪が抜け切らない。だから中国から購入する。
これは偏った考えかもしれないが、仕方がない。決して電気自動車が悪いと言ってるわけではない。中国が一人で悪だと言っているわけではない。
情報が公開されない国で、世界レベルで何かをしている気がする以上は、自動車がどのように作られているのか、しっかり見定めるべきだということ。
現時点では、二酸化炭素の排出量を抑制して、社会悪にも貢献しないで済むエンジンは、ディーゼルエンジンが一番なのです。
自らの意見を作ってディーゼル・エンジン車に乗ろう
最後までお読み頂き、ありがとうございました。どうでしょう、ディーゼル車を選ぶべきかどうかと躊躇している皆さんの背中を押すことはできましたか。あなたの悩む時間を少しでも少なく出来たなら、この記事の存在価値はあったというもの。秒単位の損も無くなることでしょう。
ディーゼル・エンジンは一般的に、燃費が良い、軽油が安いなど日本ではメリットの多いクルマです。一方、NOxやPMの排出、製造時のCO2排出がガソリン・エンジンよりも多いなど、しっかりデメリットも存在します。
商品を選ぶときの、これらメリット・デメリットを考えるバランス感覚も大事ですが、欲しいモノを選ぶ為の自分なりの考えをしっかり持つことも、大事なのではないでしょうか。
楽しさ、技術革新、そして社会情勢。様々な考えを持っていれば、ディーゼル車ライフはきっと後悔の無い楽しいものになるはず。ぜひ皆さんもディーゼル車に、一度は乗ってみてください。