フランス車を選んで得る独立独歩と本質を見抜く力

世界中どのクルマ雑誌を読んでも、「走りが良くなった」とか「洗練されたデザイン」だとか書いてあることが一般的。確かに前のモデルに比べれば、徐々に製品は良くなっているのは確かでしょう。

 

日本車の色々を選んだ時に、ずば抜けて秀でているクルマがあるかと言われれば、私には心当たりはとても少ない。当然、日本人の感性に合うように誂えられているものであるし、不特定の大多数にウケるように作るから仕方がない側面もあるでしょう。

 

でも、そもそもそこまで辿り着いていないクルマも多いです。だから、というわけではありませんが、私はついつい輸入車を選んでしまう。そして、中でもフランス車というのは独特のポジションにあると思っています。

 

スポンサーリンク

独立独歩を貫ける人のクルマ選び

「故障しやすいフランス車」は捉え方でどうにでもなる

フランス車はイタリア車と同じく「ラテン系」。ラテン車と呼ばれることもあるけれど、今回はフランス車だけを取り上げます。なにせイタリア車にはまだ、乗ったことがないのです。

 

そのフランス車を選ぶとき、私はこのように考えました。「独立独歩を貫ぬける人間にならなければ」と。

 

その理由の第一は、故障しやすいという噂が絶えないフランス車を、自らのインスピレーションで選んでしまう心の強さが必要だから。覚悟ができてる?潔い?とにかく、気合が入っている事にはかわりません。

 

ルノー・トゥインゴ
RRレイアウトのスモールカー、ルノー・トゥインゴ。日本では見ないメカニカル・スタイルを、良しとするか避けるかは人次第。

 

はじめてのフレンチ・カーはドキドキしました。いくら保証が付いているからって、故障するのは怖いモノ。旅行中に車が動かなくなるなんて嫌すぎる。

 

Twitterでは、フランス車はマイナートラブルはつきものだと聞いていました。それをも楽しむのがフランス車なのだと。考えましたね。私には扱える代物なのだろうか?答えはこのようなものになりました。

 

フレンチカーが世界で売れているなら、動かなくなるようなトラブルが起きるわけがない。日本企業を傘下に収めたりするわけがない。大丈夫、なんとかなる」って。

 

さらに自分にはブログがある。トラブルを共有できれば、対処方法はいくらでも得られる。好きなモノを買う時に情報が少ないって嘆くのであれば、自ら発信するという手法もあるんですよね。

 

デザイン優先のクルマ選びもできてしまう

第二は、やっぱりデザイン。故障だなんだと言われたって、そのデザインの欲しさにネガティブ情報を気にしなくなれば、それで良い。

 

自動車のデザインは難しく、メーカーの独自性を出すのに各メーカーは躍起になってる。その傾向は日本車メーカーは著しくて、欧州メーカーに追いつけと、ようやく形になってきた。

 

その間、欧州車はデザインの成熟が進んで、自分のスタイルを手に入れた。

 

Peugeot 3008 2021年モデルのフロントマスク

Peugeot 3008 GT
2021年発売の、マイナーチェンジを受けたPeugeot 3008。ルーフのデザインはDSにも見られる手法。スッキリした外観は、他のメーカーでは見られない。

 

モノの良さがハッキリわかる人達や、クルマの性能にとらわれずにデザイン最優先で車を選ぶ人にとって、日本車と欧州車、どちらが良いかなんて言うまでもなく欧州車。

 

そしてフランス車。ゲルマン民族とラテン民族の融合した感性が生み出す、心に突き刺さる独特のスタイルです。彼らはデザインにかなりの自信をもってます。シトロエンは画家ピカソをグレード名にしているし、美術館で有名なルーブル美術館はフランス・パリにあります。

 

デザインというキーワードに妥協はありません。どのあたりが優れているの?などという野暮なことは言わないでください。実際に見て、コレだ!って思う人だけが買えばいい。欲しいと思うその気持を尊重しましょう。

 

クルマの基本はしっかりしているフランス車

第三に、クルマの造り込みは意外なほどにしっかりしている事実があること。それを見抜ける力を持つ人間だけが、フレンチカーを選ぶことができるんです。

 

例えば Peugeot 308。まさか世界ではフォルクスワーゲンゴルフと張り合っているなど、日本人にはわかるまい。圧倒的にゴルフのほうが沢山走っているのだから。

 

これは日本のディーラー数の影響もあるのは確かですが、精巧な時計のようなモノづくりをするドイツ車は、モノづくり大国日本の共感を呼びやすいの側面もありますよね。

 

プジョー308SW 夕日写真
性能もスタイルも美しいPeugeot 308 SW。シンプルな外観は新生プジョーとは別の印象を受けるかも。サスペンション性能は価格以上か。

 

また、高いモノは良いモノという考え方を持つ人もいます。プレミアムカーを選ぶ人。

 

当然、良いモノが欲しいと思って、しっかり品定めをして買う人がいる一方で、良いモノがよくわからないからとりあえず高いモノを買っておこうという人もいるんです。見栄を張る人なんか、そうですよね。

 

やはり、沢山の数が走っているクルマのほうが、安心感は高いです。けれど、それら数のあるクルマと差がない、むしろ優れているポイントを探し出すのも、ユーザーです。

 

フランス車を選ぶ人は、自分の中で出来上がった「良いモノ感覚」がしっかりしている人達で、見栄を張るより自分のスタイルを信じる力がある。クルマの価格というのもひとつの情報であるのだから、高い安いをしっかり判断できる人であれば、フランス車の価値は自ずとわかる。

 

Peugeot 308SW Cockpit Photo
デザインと機能の融合した、Peugeot i-Cockpit。機能とデザインのバランスが良くて、加飾もほどほどで美しい。コックピットレイアウトを他社が真似しないのも面白い。

 

ステアリングを握って、乗り心地を確認して、自分の求めているモノに近いか判断する。フランス車はベースグレードが一番良い、という噂もありますが、これはクルマの素性が良いことと、適正価格で販売している側面があるのだと思います。その本質を見極めましょう。

 

雑誌、カタログに惑わされず、リスクから趣向性までしっかり自分で考えられる、独立独歩を貫いて、自分にピッタリのフレンチカーを選びたいですね。

 

数多のフランス車から選びぬけ!

己に自信があって、クルマの趣向性がしっかりしていれば、フレンチカーの魅力を見逃すことはないでしょう。

 

ミニバンのように見えて実態はかなり違う、ルノーカングー 。日本のミニバンのように豪華さだとか煌びやかさだとかは、まったく考えていない割り切り具合。でも、全方位で可愛いスタイル。リフター、ベルランゴも似ているが、性格が違うから選び甲斐が出てくるね。

 

ルノー・カングー フロントフェイスはファニー系

ルノー・カングーのコックピット
ルノー・トゥインゴ。丸い窓からの景色は独特で、これだけでも欲しいと思わせる。仕事グルマであるということを認識して乗ってみよう。
Puegeot リフターのインテリア
プジョー・リフターの車内。独特のサンルーフはシトロエン・ベルランゴと共通のもの。i-Cockpitは”バス型見下ろし視点”でも優位にたつか。

 

ルノーは全体的にファニー系。メガーヌもルーテシアもパリッとカッコよく仕立ててるけど、緩やかにファニーが残る。無理矢理なキャラクターラインは控えめに、全体的なフォルムで魅せる。

 

ルノー・トゥインゴのサイド

ルノー・メガーヌのフロントマスク
上がルノー・トゥインゴ、下がメガーヌ。イメージカラーのイエローは眩い限りだ。トゥインゴはリアにかけての形状が独特で、日本車では得られない満足感。

 

これやべーって思うのはシトロエン。まるでオモチャなスタイルは、着こなすのは少し大変そう。でも、写真で見るより実車の方が落ち着いて見えるから不思議です。

 

写真出典:WebCG

 

我らがプジョーは、最近のモデルは動物的で筋肉質な魅力があります。それでも大人びた印象も持ち合わせるから、スタンダートに選びやすい。フランスのタクシー会社に採用されている実力は伊達じゃありません。

 

peugeot 2008 GTLine サイドビュー

Peugeot 308 in 小布施
Peugeot 508SW / 2008 / 308SW。全く違うクルマなのに、どこか似ているのが面白い。遊びすぎない真面目なスタイルも魅力的。

 

一度は触れてみたいなぁと感じさせつつ、絶対に手に届かない印象なのがDS。最新モデルのDS4も、宝石箱のようなデザインでつえぇ。電動化がこれほど似合うメーカーも無いんじゃないですか。

 

写真出典:DS Automobiles

 

醸し出す魅力が多すぎて、どれを選んだらよいかわからなくなりそうな、フランス車達。一軒一軒見て回って、自分のインスピレーションにズバッとくる、運命的な出会いがあると良いですね。

 

並ぶトゥインゴ

まとめ:ブレない自動車選びを貫こう

これら魅力あるクルマたちを選びきるなら、やはり独立独歩を貫ける意思が必要です。

 

一度フランス車の影響をうけると、心に引っかかり続けます。Peugeot 308SW を選んだ私でさえ、試乗した車のことを忘れられない。スタイルの違うカングーも、密かに欲しかったルーテシアも、代車で借りた 508 も、どれもあまりにも良いクルマで、自分の意思が強くなければクルマ選びは失敗していたことでしょう。

 

私は唯一の足かせとして、”ベニヤ板の乗るクルマ”というふうに決めていた。この先の引っ越しと、荷物を沢山のせて、家族を載せて走るんだと決めたんだ。

 

それが、私の「独立独歩を貫く」こと。ブログを書いて、仲間を増やして、田舎へ移り住むことが私の人生の目標です。その傍らに今あるのは、たまたまフランス車なだけだけど、この経験はきっと将来、役に立ちます。

 

私は強い意思でクルマを選ぶことができた。インスピレーションでクルマを選んで、不安を打ち消す考えもできた。クルマ選びというスキルを鍛えることができました。

 

他の誰とも違う視点を持ち続け、貴方自信のオリジナルを、クルマ選びで表現しよう。

 

フランス車乗りの皆さんも、きっとそんなクルマ選びをしていたはず。フランス車を選ぶ人は独立独歩を貫ける人。誰にも邪魔されない、ぶれない自動車選びを、この先も貫いていこうじゃありませんか。

 

関連記事

「まこまちの車選び」は、2020年1月にあったクルマの買い替えという出来事を、オムニバス形式で読みやすく仕立てたシリーズ記事です。   ボルボからプジョーへ乗り換えた理由には、様々なコトが存在します。13年もつきあった[…]

プジョー 308 運転席