ディーゼル・エンジンと将来のパワー・ソース

自動車の文化は、20 年あれば大きく変わる。

 

昔から特徴のあるエンジンに惹かれていた私は、将来はマルチシリンダーと意気込んでました。給料があがってきたら、絶対にV6エンジンを買うんだ・・・そんな夢を見ていました。

 

300 万円というプライスを超えるクルマは、一昔前は 6 気筒エンジンが当たり前。クラウンはもう少し高価なほうだが、マーク2は 2.5L V6 エンジン搭載など、マルチシリンダーの美しい音色を堪能できるクルマも多く販売されていて、それでもまだまだ収入の低い就職直後は、とりあえずは4気筒で楽しそうなクルマを探して乗っていたわけで。

 

トヨタ・セリカの ZZT231 スポーツツインカムは 4気筒、スバル・レガシィの BOXER エンジンも 4気筒。ボルボ V50 は、ようやくマルチシリンダー(仮)の 5気筒。1気筒少ないのは、輸入車税と思って諦めました・・・

 

ところが、時代はダウンサイジング・ターボへ移行。4 気筒+ターボが主流になり、マルチシリンダーの咆哮は夢の世界へ行ってしまった・・・メルセデスやBMWの 6 気筒エンジンは、それ自体がもう一段階先の夢になってしまう。

 

そんな中で私に希望を与えてくれたのが、クリーンディーゼル・ターボなのでした。

 

ボルボV40と川崎工業地帯

 

将来のパワーソースは誰の手に

未来が見えた?ディーゼル・エンジン

クリーンディーゼル?欧州では斜陽しているこのエンジンに、何を期待するというのか?という意見はあるでしょう。CO2排出はガソリンに比べれば少なくて済むかもしれないが、0にすることはできない、それが今までの常識。だから、EVが注目されるようになったのだけど。

 

つい先日、心の踊るニュースが舞い込んできた。全日空(ANA)が、とうとう日本でバイオ燃料での飛行を実施したというのです。バイオ燃料は、カーボンニュートラルが期待できる、次世代燃料。

 

全日本空輸(ANA)が航空機用のバイオ燃料を用い、二酸化炭素(CO2)排出量を既存のジェット燃料に比べ約90%削減する取り組みを始めた。

航空機用のバイオ燃料は「Sustainable Aviation Fuel(SAF、持続可能な航空燃料)」と呼ばれる。ANAは2020年秋、世界有数のSAF製造会社でフィンランドが本社のNESTE(ネステ)と中長期的な戦略的提携の覚書を結んだ。ANAは既に10月からSAFを調達しており、日本発着の定期便を運航する航空会社としては初めてとなる。

出典:J CAST News 

 

飛行機にも当然、燃費があるし、CO2も排出するのは想像に難くない。燃費だけでいうのなら、乗員一人あたりの燃費でいうと自動車と似通った数値らしい。移動の燃費で自動車と同じであるのなら、速度が出る分、航空機のほうが効率が良いと言えるのかもしれません。

 

しかし、1フライトあたりの距離が長く、使用燃料の多い飛行機は、だからこそバイオ燃料によるCO2削減がなされるべき。管理された燃費であるし、個人の自由も利かないで済むからこそ、強制的にCO2の削減が実現できる「航空機」+「バイオ燃料」。そして、航空業界もそれに応え、CO2排出量削減の強制が始まったのでした。

 

MOAで虹に出会う

クリーン・ディーゼルに投資する

すると、世界のエアラインアライアンスに参加している全日空や日本航空もCO2、削減に走らなければならない。全日空は今の所国産バイオジェット燃料は使用しないが、そのうち日本産のものを使用し始めることでしょう。

 

そう、産油国でもない日本において、バイオジェット燃料は国産技術により提供できる数少ないエネルギー。もちろんこの技術を使えれば、ディーゼルエンジン用のバイオディーゼル燃料を作ることもできるわけだ。2020年、すでに大手コンビニ各社が、特定の地域で実証実験を実施している。バイオ燃料には、未来がある。

 

ファミリーマートとユーグレナ社は、バイオ燃料製造実証プラントで製造するバイオ燃料の原料の一部に、横浜市内の一部ファミリーマート店舗で発生した使用済み食用油を2020年9月以降再利用していきます。また2020年8月下旬より、ファミリーマートの配送車両で『ユーグレナバイオディーゼル燃料』を使用開始します。

なお、本取り組みは、横浜市とユーグレナ社が取り組む「バイオ燃料地産地消プロジェクト」の活動の一環として位置付けられております。

 出典:PRTIMES

 

するとどうだろう、クリーンディーゼル・エンジンには未来があるように見えませんか。その未来を信じて、ディーゼルエンジンをチョイスするのはどうだろう。将来の「クリーンディーゼル・エンジン」+「バイオ燃料」に、投資してみようと思いませんか。

 

未来が無い、だからリセールが下がる、そんな戯言に惑わされず、自分の意志でクルマを選べば、もしも本当にリセールバリューが下がったとしても、悔いの残らない買い物ができるはず。

 

注意:ただし、将来のリセールが下がった責任は、まこまちは負いかねますのであしからず・・・

 

Peugeot 508 GT BlueHDi

 

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どのパワー・ソースにも不安な要素は均等に存在する

そう、私は、「ディーゼル・エンジンはリセールが下がる」という話が大嫌いです。「将来はEVが主流になる」という決めつけも嫌いです。「水素社会は来ない」だとか、「ガソリン・エンジンは電動化とセット」という誘導も嫌いです。

 

その理由、簡単に言ってしまえば、知ったような人たちが、知ったような顔をして、知ったようなことを言う。そんな人や情報が、どうしても勝っている感じがする。開発している技術者を無視をして、自分が世界の主流がわかったような顔をする。とても嫌な気分になります。

 

例えば、EVを支持する人たち。良いと思います。支持をしてください。けれども、同時に考えないといけないこともあります。

 

発電所からの電気の供給をうける EV ですが、その電力が何でできているか、考えないといけません。太陽光パネルがいくら良いと言われていても、発電容量が大きいときは、発電を停止するように制御されます。過剰な電力供給は送電設備を壊してしまうからです。

 

対処方法は考えられていて、とてつもなく大きなバッテリーを作ることで、発電のピークを過ぎたときの為にストックをしておく。これにしたってバッテリーの製造には、二酸化炭素は発生するし、資源は使ってしまう。この課題も、技術者や企業は様々なことを考えて、将来のための活動をしている。

 

どのパワー・ソースも未来には必要なんだ

そして、この活動は「EV陣営」だけじゃなく、ディーゼルに将来を求める人も行っていることだし、水素もそうだし、ガソリン・ハイブリッドもそう。

 

さらに考えていけば、これらの陣営が作り出した技術が、将来ミックスされて大きな力になる可能性もあるんです。小さな太陽光パネルと、小さなバッテリーを使って今のEVに匹敵する性能の太陽光充電式自動車が作られて、バイオ燃料や水素をハイブリッドさせたクルマが生まれて、航続距離 1000 km、燃費 100 km/L(給油量 10L!)なんてことにもなるかもしれない!

 

プジョーブロガーオフ

 

EVに乗りたい、ハイブリッドが良い、ガソリンが好き、クリーンディーゼルを体感したい・・・選ぶのはどれでも良いです。好きなクルマを選ぶべきです。そのパワーソースを応援する意味合いも出てくるし。

 

けれども、大した技術も学んでいない人の、市場誘導は許しがたいです。企業として、メーカーとして、自分の目指しているものを表明して貫くことと、外野が決めつけることの意味は違うものなのです。

 

そして私も、ブログの発信者として、この点は気をつけていかねばならないと考えています。

 

私達は、新型車に自分の夢を重ねて購入します。技術者たちは、その夢の先を夢見て新技術を模索します。人の夢を踏みつけるのではなく、人の夢を膨らませられるような、そんな世界を望みたいし、その一部としてのブロガーとして生きたい。私はそう願うのです。

 

さて、いろいろ途中に挟みましたが、今回の記事は結局の所、クリーン・ディーゼルエンジンのおすすめ記事です。私が試乗したり、所有したりしたクリーン・ディーゼルエンジンを紹介して終わります。

 

ディーゼル・エンジン 短評

VOLVO D4204 ディーゼルエンジン

ボルボV40と高瀬渓谷

搭載車種:VOLVO V40 / XC60

SPEC:190 ps / 400 Nm / JC08 20.0 km/L(V40)

いわずとしれた(?)ボルボの傑作ディーゼル・エンジン。初期型はアドブルーいらず。2L 400Nm の余裕は、XC60 には丁度いいエンジンです。V40 には過剰スペック!けれども、そこが面白い。

 

エンジンとしては直列 5 気筒よりも重くなる気がする・・・フロントヘビーになりがちで、アンダーステアも強くでる、交差点が曲がりにくい。けれどもそれは、高速道路に乗ってしまえば忘れてしまえる楽しいエンジン。1500 rpm で淡々と走るハイウェイは、必死に振り絞って先を目指す”一般車”とは別の次元にいるようで、優越感に浸れます。

 

Drive-E としては初出のディーゼル・エンジンだったため、静かになったと言われていても大きめなエンジン音は時々辛い。ガラガラという音よりも、BOSEスピーカーのBASSのような低音が発生する 1000 rpm あたりの常用はしんどいです。信号の少ない郊外なら問題ありませんね。

 

PSA DV5RC ディーゼルエンジン

プジョー308SW 斜め上はかっこいい

搭載車種:Peugeot 308 / RIFTER

SPEC:130 ps / 300 Nm / WTLC 20.6 km/L (308SW)

EURO6 STEP2 に対応した、プジョー渾身の 1.5L 4気筒ディーゼルエンジン。最近の 1.5 L エンジンは 3 気筒化されることが多い中、小排気量 4 気筒とすることで、ディーゼルエンジンとしては面白いほどにガソリンエンジン風に回転数する。3000 rpm でも 4000 rpm でも回っちゃう。

 

300 Nm は昔の 3L エンジンくらいの出力!クルクルまわってスイスイ走れる。エンジン音はイタフラ仕込の幸せ快感「クォーン」音。低速トルクもバッチリ淡々と走っても楽しいし、日本の道に丁度いいスペックが良いし、余すこと無くエンジンを楽しむことができるんです。

 

1.2L ガソリンエンジンと比べても、わずか 20 kg の重量増に抑えられているのも良くて、軽い鼻先のおかげで街ナカでも苦労なく交差点を曲がることができるし、山道もスイスイ。クルマというのは、軽ければ軽いほど良い。そう感じさせるクルマに仕上がっています。

 

PSA DW 10 FC ディーゼルエンジン

搭載車種:Peugeot 308 / SUV3008 / 508

SPEC:177 ps / 400 Nm / WTCL 16.6 km/L(SUV3008)

EURO6 STEP1 対応の高出力タイプ・ディーゼルエンジン。2020年年末時点で、308 への搭載は無くなってしまいましたが、プジョーの高出力ラインナップには引き続き装備されている、400Nm 発揮の 2L 4 気筒 ディーゼルエンジンです。

 

改良を積み重ねた結果だろうか、ゴロゴロというディーゼル特有の雑音はあまり聞こえません。プジョーはWRCのイメージも手伝って、スポーティなイメージを持つ人も多いでしょう。そのフラッグシップの名に恥じない、出力と質感の高さを身に着けたパワーソースなんですね。

 

がむしゃらに加速を追い求めず、けれども欲しいときにはスッとトルクをデリバリーする、静かで、寡黙な実力派。扱いやすさとパワフルさの両立は、私の試したディーゼルの中では一番。

 

MAZDA SKYACTIVE-1.8D

マツダCX30リア

搭載車種:MAZDA CX-30(他にもあると思う・・・)

SPEC:116ps / 270 Nm / WTLC 19.2 km/L

最近試乗したクルマには珍しい日本車です。マツダは日本では珍しい、ディーゼル・エンジン推進派。CX-30に搭載された 1.8 L ディーゼルは、ガソリンとも言えず、ディーゼルとも言えず、すでに不思議な領域に入っている。日本の代表ディーゼルに上り詰めていると思います。

 

遮音性が高く、SUVとしてはコンパクトで凝固なボディが目立ちすぎて、ディーゼル・エンジンの印象がまったくと言っていいほど残っていない。パッケージングが良いものだから、エンジンが主役でない。日本車らしい静かなクルマが欲しければ、マツダという選択肢も良いかもしれない。

 

え?ディーゼルの感想は?と言われても、上記の通りで印象薄い。それがきっと、このエンジンの魅力だろうなあ(笑)

 

 

あとがき

ディーゼル・エンジンを試乗したら、この記事に追記していこう・・・

 

私は次のクルマは、EVにしてみたいなと思っているのは、たぶんこのブログでも話しています。単純に、EVの進化に触れたいというのが第一の理由。それ以降、生活環境が変わってくれば、選ぶエンジンも変わることでしょう。

 

東京都が2025年に電動化モデルしか販売しないと言っているように、少なくともハイブリッドカーでないといけない、という側面も出てきましたね。電動化の組み合わせは、ボルボは持っているにも関わらず、日本には入れてこない。PSAはどうでるか?PSAのフラグシップはディーゼルだけど、うまくプラグイン・ハイブリッドに移行できるだろうか。

 

しかし、こんな混戦を見られるのも、この時代に生きているからこそです。楽しんで参りましょう!

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