アクセルオンでキャンセル?過信が危険な自動ブレーキ(回答編)

この記事は、about VOLVO からの再録記事です。基本的に内容の編集は最小限に済ませていますので、monogressとは若干ニュアンスの違うところも出てきます。ご了承ください。

 

注意:この記事は、2019年7月に書かれたものです。実際の安全性能については、各社の最新情報を伺うようにしましょう。

ボルボの衝突回避システム「City Safety」

ボルボのセーフティ

出典:ボルボ セーフティページ

 

ボルボの自動ブレーキは次のように動作することがわかりました。

 

  • 走行時に事故に遭う可能性がある場合、警告音を鳴らして危険を促します。
  • ドライバーに危険を避ける意思が無いと判断した場合、緊急ブレーキをかけます。この場合、アクセルに足が乗っていようがブレーキに足が乗っていようが関係なく作動します。
  • ただし、アクセルを強く踏み込んだ場合など、あきらかに自分の意思でクルマを動かそうとしている場合は、自動ブレーキはキャンセルします。

 

一見他社と同じ動きに見えますが、各々にはボルボならではの様々な機能が搭載されています。

 

City Safetyは、潜在的な危険性を見分けて回避するよう支援し、車内および車外の人を保護する安全システムです。ボルボが初めて導入したこの安全システムは、すべてのボルボ車に標準装備されています。

City Safetyは、レーダーとカメラによる技術を使用して、他の車両、サイクリスト、歩行者、大型動物(ヘラジカ、エルク、馬など)を昼夜関係なく特定します。

衝突が差し迫っていることを検知した場合や、規定時間内にドライバーが反応していない場合、警告を発して自動(被害軽減)ブレーキをかけ、衝突を回避または軽減することを支援します。

前方車両との速度差が50 km/h以下の場合、ドライバーが反応しない状態でも衝突回避を支援します。速度差が50 km/hを超える場合、衝突を軽減することが可能です。一部のモデルのCity Safetyには、できるだけ効果的かつ安全に危険を避けるのに役立つステアリング・サポートも含まれます。

出典:ボルボ(IntelliSafe Standard)

 

City Safetyの作動速度範囲は車速4〜200km/h(歩行者・サイクリスト検知機能は4〜70km/h)です。

前走車や歩行者・サイクリストとの衝突の危険 が迫り、ドライバーがブレーキ操作を行わない場合、最大の制動力で被害軽減ブレーキが作動します。自車と前走車との速度差が50km/h以下(歩行者 は45km/h以下、サイクリストは50km/h以下)の場合、衝突の回避をアシストし、速度差がそれよりも大きい場合は、衝突被害の軽減をサポートします。

* 大型動物検知機能は支援機能であり、状況によっては大型動物を検知できない場合があります。たとえば、体の一部が隠れている大型動物、真正面または真後ろにいる大型動物、動きが早い大型動物、犬やイノシシ・シカなど小型の動物の場合は検知できません。検知可能な最小の動物の大きさは、体高、体格および輪郭により異なります。

出典:ボルボXC40 MY2020カタログ

レーダーとカメラによる技術を用いて 障害物を昼夜関係なく特定できます

大型動物にも対応するボルボCitySafety

出典:ボルボ セーフティページ

例えば、駐車している車の間から人が出てきた時、脇道から自転車が飛び出てきた時、右折した車の奥から、直進車が現れた時、ボルボは自動ブレーキを作動させます。

 

当然、人だけでなく車も検知しますから、前方車の急ブレーキ、ぶつかる可能性のある対向車にも自動ブレーキは作動します。これらは昼夜関係なく検知することができます(他社は結構、昼夜についてはアヤフヤで言い切らないんですよね)。

 

スウェーデンは自然が多く、道路を横切る大型動物との衝突事故は多いといいます。特にヘラジカは体が大きく、万が一ぶつかってしまうと大きな体がフロントウインドウの上から襲ってきますので、エアバッグの効果が出ません。そこで、ボルボのCity Safetyは人間だけでなく大型動物も検知できるようになっています。

 

検知機能の開発は今も続けられており、ルミナー社と提携して開発が続けられているパルスレーザー信号を用いたライダー技術により、将来は250m以内のすべての物体、そこにいる人間の腕や足、そして姿勢までもを”認知”することができるようになるそうです。楽しみですね。

 

警告を発して自動ブレーキをかけます

衝突が迫っていると判断した場合、ボルボは警告を発しながらブレーキをかけ、衝突の回避や軽減することを支援します。

 

支援の方法は様々で、基本的にはフルブレーキで衝突を回避できると判断した場合は4輪フルブレーキをかけます。人間がアクセルを離してからブレーキを踏み込むまでの数ミリ秒をCity Safetyが先回りし、ブレーキを作動。

 

もしも脇見や居眠り、また突然の病気などで足が動かない状態、つまりアクセルに足が乗っている状態でも、City Safetyは適切なブレーキ操作を支援します。

 

フルブレーキでは間に合わず、ステアリング操作で避けなければならない時は、ドライバーの意思に沿ってステアリングを切った方向に片側ブレーキかけ、回頭性を上げます。一部モデルではステアリングの操舵を促すサポート機能も搭載されています。(ステアリングサポート

 

正面から来る対向車を、ステアリング操作で回避できない場合(避ける場所がない場合)はフルブレーキをかけ、衝突被害を最小限にするよう努めます。(対向車対応

 

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CitySafetyのモデルごとの機能差

各モデルが発表されるたびにバージョンがあがっていくCitySafety。現在の搭載状況は以下の通りです。

 

V40 XC40 S60 V60 XC60 V90 XC90
歩行者検知
自転車検知
大型動物検知
右折時対向車検知
対向車対応
ステアリングサポート

※2019年7月13日時点

一部わかりにくいのですが、「ステアリングサポート(衝突回避支援機能)」と、City Safetyを含めたボルボの安全機能IntelliSafeの一部の機能「オンカミング・レーン・ミディケーション(対向車衝突回避支援機能)」は異なる機能で、ステアリング・サポートが後から追加された機能。

 

オンカミング・レーン・ミディケーションは、自車がレーンからはみ出た場合、対向車と衝突する恐れがあると判断された場合に自動的にステアリングを制御し、元のレーンに戻す機能です。

 

ステアリング・サポートは、自車の衝突がステアリング操作がなくては難しい場合、ドライバーの回避行動を支援する機能で、ステアリングを切った方向へのアシストを行います。切り方が足りない場合、より多くのアシストを行います。

 

表をご覧の通り、モデルによってバラツキがあります。基本的には最新モデルになればなるほど、新しい機能が備わります。V40やS60などの1つ前の世代では、機能が制限されていることに注意してください。

 

各社の自動ブレーキ機能

出典:メルセデスベンツ https://www.mercedes-benz.co.jp/

 

今回様々な自動車会社へ問い合わせしましたが、各社共通で必ず伝えてくるのは、自動ブレーキに頼らないでほしいという事でした。自動運転が普及しているわけではなく、運転の責任はドライバーにあります。車に任せて事故にあっても、メーカーは補償はできません。

 

ボルボドライバーは優良でありますから、当然自動ブレーキを過信した運転などはしないはずですが、念のため。

 

次に自動ブレーキのシステム起動ですが、こちらも各社共通。巡行している時のアクセルワークは織り込み済みで、自動ブレーキは動作します。

 

アクセルを踏み込んだ場合はどうなるか。これもほぼ共通で、ドライバーの意思だとシステムが判断して、自動ブレーキはキャンセルされます。ここで強みを見せたのがスバル。自動ブレーキや緊急回避では間違ってアクセルを踏み込むケースが考えられるため、強いアクセルは急ブレーキに置き換えるそうです。

 

という事で、各社ほぼ同様の動きを見せる事がわかります。すると自動ブレーキの優位点は、どのくらいの精度で障害物を見分けるか、付随する機能はどれほどか、という事になります。

 

VOLVO SUBARU VW Mercedes LEXUS
歩行者検知
自転車検知
大型動物検知
対向車対応
ステアリングサポート
昼夜対応

 

※車両は特定していません

 

各社のWEBサイトで調査した結果です。

 

ボルボのように自信をもって文言を記載しているメーカーはほとんどありません。フォルクスワーゲンは昼夜対応については、個人ブログへの記載に留まります。

 

このように調べれば、ボルボの自動ブレーキを含むセーフティ機能がいかに優秀かがわかりますね。

 

自動ブレーキの体験談

V60のエンジンスタートボタン

 

今回の件で、ツイッターでは「自分はアクセルを踏んだ状態でブレーキがかかったよ?」というコメントを頂きました。(ありがとうございました!)

 

(アカウントの紹介は、ご了解をいただいていませんので記載しません。)

 

XC60に搭載されたシティセーフティをDラーで試した時、15kmの試験走行でしたがアクセルONでした。頑張ってアクセルから足を放しませんでしたよ??物凄い衝撃が来てちゃんと停まりました。(S様)
左折時、横断歩道を横断中の歩行者を徐行でしのげるかと思いゆっくりとアクセルを踏んで進んでいたら、自動ブレーキが効き停まりました。(S様)
XC60のシティセーフティは結構早く介入します。アクセル踏んでるとABSを介入させたシティセーフティの第一回目の作動があります。かなり減速します。例えば前走車が左折で停止、こちらは直進走行という場面でブレーキ遅れても介入します。それより先はまだ経験してませんが、旧型より素早く反応します。(M様)

 

私は自動ブレーキにはまだ、介入されたことはありません。警告音は何度かありますが、たぶん適切に回避行動をしているのでしょう、自動ブレーキは踏まれたことはありませんでした。

 

基本的には人がシステムに勝ることは無いでしょう。このコメントを下さった方々も、もちろんボルボ乗りです。コメントの通りだとすれば、すでに2つの事故を回避できていると言えます。ボルボの安全装備は、やはり優秀なのです。

 

アクセルオンでキャンセル!その理由は?

レーンキーピングエイド

 

自動ブレーキはやはり、街中では大きな効果があるようです。しかしその機能をキャンセルすることができます。それが「アクセルを強く踏み込む」というものでした。

 

ボルボ側はどうやら、私の言う「アクセルを踏んでいた場合」をこの事だと考えたらしく、コールセンターでもディーラーでも「キャンセルされます」の回答しか得られなかったわけです。セールスさんがいるディーラーで根気よく話をすることで、ようやく正しい答えを得ることができました。

 

ボルボは巡行状態で障害を検知した場合、アクセルを踏もうがブレーキを踏もうが、自動ブレーキは作動します。

 

しかし、アクセルを強く踏み込むという「メッセージ」を送ると、自動ブレーキはキャンセルされます。

 

これには理由があります。

 

ディーラー様いわく、「ボルボは世界で販売される自動車ですので、止まってはいけないシチュエーションに遭遇する事もある。」と言います。

 

それは簡単に説明すれば、強盗などの犯罪者に囲まれた場合です。目の前にいる犯罪者を「歩行者」として検知すると、自動車が動けなくなり逃げられなくなります。そこでボルボでは、自動ブレーキを解除する機構が入っているそうです。

 

この場合、先のスバルの誤操作防止装置は確かに障害になる可能性もあります。ところがこいういった「止めるシステム」は、日本車メーカーもしっかり考えているとの事。つまり、国内用の自動車は「積極的に止める」、輸出用は「ドライバーに任せる」という考えの棲み分けをしているそうです。

 

もうひとつ、これは取扱説明書へ記載がありましたが、自動ブレーキがかかった時に後続車に追突される恐れがあり、自分で操作できると判断した場合に、アクセルを踏み込むことでキャンセルできるように作られている、ということでした。

 

とても為になる回答を得られて、私の心もスッキリしました。

 

自動ブレーキは過信ではなく良い付き合いを

V40の運転風景

 

それでは最後に、今回のきっかけである「池袋事故」でボルボを乗っていたら、事故は起きなかったのか?を考察します。

 

もしもドライバーが、居眠りや病気などで体が動かない状態になっていたのなら、City Safetyで事故を未然に防ぐことができた可能性が高いです。あきらかに人に向かって走っていき、他の自動車に当たらないのであれば死角になる障害物はなかったはず。警告音でドライバーへ危険を促し、反応がなければブレーキをかける。これなら事故にはなりませんね。

 

ドライバーに意思があったならば?ブレーキペダルと間違えてアクセルペダルを踏み込んでしまったら?ボルボは止まりません。自動ブレーキはキャンセルされ、悲惨な結果は変わらなかったことになります。

 

つまり、ボルボに乗っていたとしても、事故が起きる可能性はあるのです。最新の自動ブレーキシステムを搭載している各メーカーの車も同様です。

 

踏み間違えはきっと、誰もが犯してしまう可能性があります。システムの誤作動、認知不可だってあります。ですので、自動ブレーキがあるからと言って、事故が回避できる絶対の方法はありません。

 

交通安全に常に気を配る事、余裕をもって判断すること、そして心を落ち着かせて運転する事。自動ブレーキに厄介になる前に、事故の可能性を未然に防ぐ事はドライバーにはできるのです。

 

正しい運転をしていても起こる危険性。この時こそCity Safetyによる危険回避に頼りましょう。

 

そして、ボルボユーザーは日本での死亡事故0をユーザー視点から実施する。私たちボルボユーザーは、この考えをきっと目指すことができるのです。