Peugeot 308 のマイナーチェンジでワイワイしていた先週、もうひとつびっくりニュースが飛び込んできました。
「Premium Leather Edition 設定」と同時に、「Allure販売終了」です。おぉぉぉ!?
詳細は、508 オーナーであります「くるすぺさん」のブログを読んで頂くとわかりやすいでしょう。私もそちらのブログ(とツイート)を読んで、この衝撃の事実を聞いた次第です。
Peugeot 508 Premium Leather Edition 追加の裏を読む
価格の穴ができてしまった
Premium Leather Edition追加の概要は、以下の通りです。
- ナッパレザーシートを装備
- FIRST EDITIONに搭載されていた19インチ大型アロイホイール「AUGUST」を搭載
- カラーは「パールホワイト」と「セレベスブルー」を設定
- ペイントオプション(93,500円相当)込で 税込み 330,000 円 実質 20万円での追加装備
- ラインナップのAllureが終売 GTLine 以上のみに
この中で、私が特に注目したいのは「Allureグレードの終売」です。
508 Allure は、308 と 508 との間を埋めるお買得モデルでした。装備内容に不満はなく、シンプルな装備構成で、電動テールゲートやパワーシートが省かれる一方で、フロントフェイスがおとなしいバージョンになり、「これはこれでアリ」というものでした。
しかし、2020年10月18日現在ウェブ上ではプライスリストには載っているものの、Allure グレードは終売すると言っている。すると、SUVを除く Peugeot ラインナップに穴が空くことになる。
モデル・グレード | 価格 | 状態 |
---|---|---|
308 Allue | ¥ 2,967,000 | 継続 |
308 SW Allure | ¥ 3,220,000 | 継続 |
308 GT Blue HDi(1.5L) | ¥ 3,447,000 | 新設 |
308 GT Blue HDi(2L) | ¥ 3,656,000 | 廃止 |
308 SW GT Blue HDi(1.5L) | ¥ 3,770,000 | 新設 |
308 SW GT Blue HDi(2L) | ¥ 3,909,000 | 廃止 |
508 Allure | ¥ 4,302,000 | 廃止 |
508 SW Allure | ¥ 4,561,000 | 廃止 |
508 GT Line | ¥ 4,736,000 | 継続 |
508 SW GT Line | ¥ 4,994,000 | 継続 |
つまり、 308 SW GT Blue HDi(1.5L)の 377 万円の次は、 508 GT Lineの 473 万円。SUVを入れれば価格帯の補完はピッタリできるけれど、それで良いのか?プジョーさん。
ひとつのモデルでおおよそ 100 万円 の価格帯をカバーするプジョーのラインナップで考えると、少し幅がありすぎると思う。これはいったい、何を表しているのだろうか?
次期 308 の価格アップを予感させる
ひとつは、次期 308 の価格帯アップ。おおよそクルマの価格は上昇を続けていて、Peugeot 208 は最低価格は 202 万円から 240 万円に、Peugeot 2008 は 終盤は特別仕様車しかなかったものの、 279 万円 から 299 万円へとアップしています。
実質的なグレードアップのあった 208 や 2008 を考えると、 308 シリーズが次の新型モデルで価格アップが起きるのは必然で、350 万円〜450 万円あたりにラインナップを設けるのではないか?と考えられるのです。
「お手頃価格の輸入車」であるフランス勢の中で、あえて価格アップを図りにくるプジョー。勢いがあるとは言え、入念な販売計画をたてなければ、失速する可能性もある。気をつけて欲しいところですね。
2008 による下剋上が始まっている
さらに、価格の中で考えてみれば、Peugeot 2008 はすでに、308 に対して下剋上を起こしているのではないか?という事実。
私は 2008 にはまだ乗っていませんが、208 の乗り味を考えてみれば、2008 は相当良いモデルに仕上がっていると見ています。先程は価格の計画を入念に・・・とは言いましたが、結局大幅にエクステリアもインテリアも、走行性能も上げてきていると考えれば、価格アップもやむなし、もしくは相変わらず「お買い得」と言えるかもしれません。
そして、e-2008 は丁度、400 万円台にすっぽり収まってくる。つまりプジョーとしては、308 が次期型にスイッチするまでの間は、2008 がミドルレンジをカバーしていればいい、という考えを持つこともできます。
なにせ、2008 の車高は 1550 mm を下回る。車幅はコンパクトに収まっているところを考えてみれば、308 の代替えにはピッタリだったりするのです。そして、EV需要にも答えられる e-2008が、ミドルレンジの高額エリアをカバーする。2008 をSUVと捉えず、マルチな性格のクルマと考えれば、このラインナップの抜けは理解できます。
特別な一台が用意される?
もうひとつ、楽観的な考え方をしてみたいと思います。
この抜けた価格帯は、SUVで埋めることはできるものの、ラインナップとしては抜けがあることには変わりない。すると、ラインナップを埋めなくてはならない「何か」が必要です。
この「何か」とは何か?
希望的な事を考えて・・・「Peugeot 308 豪華エディション」の登場というのはどうだろう?今回のマイナーチェンジでは装備されなかった、DENON オーディオや(ありえないけど)ナッパレザー搭載バージョンを作る。410 万円くらいまでは価格を上げることができる。
今までのイメージであった「カジュアル&スポーティ」の路線を維持しつつ、次期 308 のラインナップを決める為に豪華グレードを出して、市場の反応を見るのは良いのではないでしょうか。
それがたとえ購入に結びつかなかったとしても、308 を見に来たという事実は変わりなく、ちょっと豪華になる次期型への期待をデータとして得ることが出来るのは、大きいだろう。
はたまた、フランスで用意されているACTIVEグレードをベースにした「Peugeot 508 超シンプルエディション」を用意するのもいいだろう。しかもこれは、Peugeot 508 SWにだけ設定されるスポーティワゴン仕様。
1.5 L ディーゼルエンジンを搭載し、シンプルな機能性だけをもたせた 508 SW。もちろんこのグレードは、308 SW の代替需要を満たすためのもの。豪華にきらびやかに魅力を増していく Peugeot 508 だが、プジョーユーザーの中にはシンプル好きな人もいるだろう。様々な需要を満たすために、豪華装備では GTLine以上を、シンプル好きにはActiveをと、棲み分けをするのは良いのではないでしょうか。
結局はSUVでカバーできる(笑)
なぁんて好き勝手言ってみたけど、実際には e-2008 や 3008、5008で穴はカバーできると考えているのでしょう・・・308 のフルモデルチェンジまでの 2 年間、何かテコ入れするよりは、新型モデルで販売台数を稼ぐというのが、シンプルな考え方ですよね。
割り切りの上手なフランス人。このラインナップ変更には、さまざまな意味が込められている、といいなあと思う、Premiumu Leather Edition の追加劇でした。
ちなみに、Premium Leather Edition の内容は、いい線ついていると思います。ナッパレザーや19インチアロイホイールは、フルパッケージほどはいらないけれど、革シートは欲しいという人にはうってつけ。
革シートが欲しくてフルパッケージを追加すると、ガラスルーフも付いてくる。悪くはないのだけれど、その分天井が下がってしまうし、重心も上がってしまうから、スポーティドライブ好きには厄介なものでした。
今回のグレード追加は、そんな市場の意見を反映したもののよう。しっかり人の声を汲み上げているなという印象を持つことができました。がんばれプジョー!
あとがき
ということで、なんとなく「10月プジョーの陣」という感じの今日このごろ。PSAという大きなくくりで見ると、シトロエン・ベルランゴが日本導入記念モデルを追加導入するらしいです。
308 、 508 、 ベルランゴ。こいつはボーナス商戦用か・・・? 3008 や 5008 もそろそろモデルチェンジを受けるでしょうから、しっかりリフレッシュしてきたなという印象です。
・・・いや、そういえば、プジョーライフをはじめてまだ1年経っていないんだった。プジョーは活気があっていいなという印象。ボルボはどうしているだろう?少し覗いてみたいと思います(^^)