クルマはどんどん進化するもの。数年前の車に乗ると、うちの車って良いなーなんて思う。新車に乗ると、良くなったなーって感じる。
時には、試乗車に乗って「くっさいクルマはだな〜」なんて思う時もあります。今まで感じたことのない乗り味。洗練されているはずなのに、どうにも言い表せないクルマのクセのようなもの。
こんなクルマ、誰が買うの?あきらかに他の車の方が良いじゃないか。そんな気分になったにも関わらず、次の日曜日にはハンコを押した・・・そんな経験、ありますよね。
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シェイクスピアは言った。真の恋の道は、茨の道である、と。
人は恋をしなければ、大人にはなれないと言う。若者へ向けた話のように感じるが、たとえ歳を重ねようが迷い恋する車選びもまた、新しい自分を見つけ出す為には欠かせないものでしょう。そのクルマが自分に合うかどうか判らないにもかかわらず、危険な道へ向かうのも、人生というものです。
今回は久々に、自分の愛車にデレデレします。フランス車というくっさい世界を優しく味合わせてくれる、peugeot 308SWの匂いを皆様にお届けしますよ。
新型 308 の対抗馬は旧型 308 だぞっ
うぇい!今日は文がおかしいじゃないか!とツッコまれそう。はい、今日はうっぷんを晴らす記事なんです。
会社のストレスに花粉症が入り混じって、散々な目にあう今日この頃。いろいろあって辛すぎたのか、夜には麻疹が出る状態。
そしてブログを書く時間が奪われるのも、とっても辛いというわけです。そこで今日は本当に好き勝手にお話をいたします。
きっかけはSNSでのやり取り。
それですね!
臭さが欲しいんですw— UU (@WCLBlogAuthor) 2021年3月16日
Peugeot 308に 1.5D が載って欲しいと願うUUさんへの返信とやり取りでした。新型 Peugeot 308 に 1.5L ディーゼルが載ったら、UUさんは買ってしまうのか?その掟破りはストレスだぜ( ̄∇ ̄)
と思ったかどうかはさておき、Peugeot 308 (T9)のくさっぷりったら相当なもの新型には簡単には負けないジェ。
ボディサイズに合わないエンジンの意外な楽しさ
1つ目は、エンジン。
「Cセグメント」で「全幅 1,805 mm」なのに「1.2L ガソリンターボエンジン か 1.5L ディーゼルターボエンジン か 2.0L ディーゼルターボエンジン」って、なんだかどれもイメージとぴったり合わない。日本車で考えてしまうと、ついつい「1.8L NAエンジン か 2.4L NAエンジン」って想像してしまいます。
特に 1.5L ディーゼルエンジンは、心臓は小さいのに爆発的なダッシュ力があるし、エンジンサウンドは軽いんですよね。なんだかイメージと合わないんです。これがなかなか、面白い。
C セグメントカーは、昔に比べて随分力をつけました。各々のメーカーが独自の楽しさを追求していて、どれを選んでも後悔はしないでしょう。日本勢で言えば、カローラはハイブリッドバリバリだし、マツダ3は圧縮着火ガソリンエンジンを搭載しています。
欧州勢で見れば、フォルクスワーゲンはゴルフ8で1.0Lエンジンを搭載するし、ディーゼルももちろんラインナップに入ってくる。マイルドハイブリッドも標準化。メルセデスはAクラスで2.0Lディーゼルを、BMWは1シリーズにスタンダートは1.8Lだけど、3.5Lバージョンも作っています。
どのクルマも、メーカーの色を出すプンプン具合。臭いったらありゃしないんです。
ここにプジョーは、新規開発した 1.5L ディーゼルターボエンジンです。6,000 rpm までスイっと回る軽やかさと、キメの細かさはガソリン並。300Nm のトルクは過去の3LV6並。そして、車内に響き渡る魅惑のエンジン・サウンド。常用回転域の 1,800 rpm 〜 2,400 rpm 付近で、一番うっとりするサウンドを聞かせてくれるんですよね。
想像をすれば、私の大好きなワインを作るぶどう畑で走るクルマとして、一番似合うのがプジョー勢です。最近、足回りが魅力的すぎる Peugeot 208(詳しくは【偽りなしの輸入車選び】Peugeot 208 GTLine を読んでくださいね)があらわれてビクビクしてるけど、エンジンまわりの臭いっぷりは、Peugeot 308 の 1.5L ディーゼルには敵いませんぜ。
まるで起き上がり小法師なコントロール性
2つ目は足回りですね。
あぁ・・・このカテゴリーは今となっては、Peugeot 208 や Peugeot 508 に負けそうだ(´・ω・`)・・・いやいや!待つべし! Peugeot 308 が衰えたわけじゃない。サスペンションの実力は、高いレベルで戦い合っていることには違いないのです。
Peugeot 308の良いところは、低速域では柔らか粘っこいのに、高速道路ではビシッとまっすぐ決まるところ。アクティブサスでもないのに、なんでこんなに違う性格に見せちゃうんだろうって感じちゃいます。
試乗のときも、実力はすぐに判ったんです。街中モードで、ビックリするほどハンドルを切り込んで行けて、くるりと方向を変えて、柔軟にサスペンションでショックを和らげる。ボディは大きめなのに、扱いやすいなあって感じるんです。i-Cockpit の操作性も一役買っているのだと思います。
幹線道路に出て 60 km/h くらいまで速度を上げると、さっきまでコントローラブルだったのが、今度は真っ直ぐ走るモードに変わっている!乗り心地は適正で、路面のザラつきは少し感じる程度です。その路面のインフォメーションが適度に感じられるから、結構安心して走れちゃう。
高速道路を走るものなら、もう真っ直ぐにしか走らない(笑)気持ちいいの一言。頭上に「パノラマガラスルーフ」という大きくて重いものをつけられるのも、こうした Peugeot 308 SW の足回りの実力があるからこそ。魅惑の足回り。臭い、臭い。
一般道なら Peugeot 208 や Peugeot 508 が快適だと思います。Peugeot 508 は、当然ながら高速道路も快適です。けれども、アクティブサスが臭すぎなんですよ(笑)すごく良くて、ついついドライブモードチェンジしちゃう。すると、どのモードが一番良いか判らなくなっちゃうんです。(詳しくはプジョー同門対決!308SW vs 508SW 高速道路乗り比べを読んでくださいね。)
Peugeot 308SW は、足回りはこのセッティングがベストだ!ってメーカーが言っているのが、本当に良く理解できるんですよね。プジョーの技術者が汗水たらして仕込んだ「これだ!」が、プンプン臭う。低速域ではヒョコっと揺れるけど、安定するとドッシリする。これは、まさに起き上がり小法師です。堪りませんな・・・
美術品を評価できる目があれば納得できるスタイリング
3つめ。スタイリング。
Peugeot New 308 は、どうやら少しエッジの効いたデザインで現れそうです。でも、そのおかげで T9 モデルはオリジナリティを保つことができそうですよね。
世代ごとにデザインをガラリと替えるのって、結構セオリーとしては外しています。旧ユーザーの乗り継ぎがうまく行かないかもしれませんから。でも、なんとなく印象を残しつつ、新しくパリッと見せちゃうのも、これはこれでアリなのかもしれません。
まあ、それは新型車が出てからよ〜く見て、好きな方を選べば良い。熟成極めたモデル末期と、おろしたてのシャツのような新型モデル。クルマの通なら、モデル末期の良さもわかるでしょう?
どちらかと言えば地味めな、Peugeot 308 T9 のデザインは、雑味を削ぎ落としたシンプルな出で立ちです。インテリアもエクステリアも、然りです。それでも、全体的にラウンドして見える躍動感は感じることができるんです。
プジョーを知るまで、こんなにカッコいい車があるなんて気付きませんでした。街中でもほとんど見ないから、あることにさえ気づかなかった。神奈川県に住んでいても、プジョーとの遭遇率は低いんです。だから気づかない、目立たない。
そんなクルマを自分が持っているなんて。なんだか嬉しいんです。誰かに見せびらかしたいんじゃなくて、自分が満足できるクルマが欲しいんです。Peugeot 308 SW には、そんな所有の満足感を叶えてくれる匂いがプンプンするんです。
ほら、ボディのサイドシルエット。美しいじゃないですか・・・
変人を貫き通せば良いだけである
輸入車のカテゴリーに初めて入ろうと思う人は、きっと故障が気になるんだと思います。実際、「ボルボ 故障」という検索キーワードで monogress に到達する方も多くって。でも、故障が怖かったら輸入車なんて乗れませんよ。
確かに、マイナートラブルは存在します。CarPlay の連動はうまく行かないときも多いし、バックモニターが映らないときもある。けれども、致命傷では無いんですよ。ちょっとイラッとするくらい。そんなものは問題にすらなりません。
恐怖心なんて感じない、変人を貫き通せば、楽しいカーライフが待ってるんです。
今日紹介した「Peugeot 308 SW の匂い」は、花のような匂いでも美酒の香りでもありません。けれども、その匂いはしっかりと存在していて、格別のものなんです。
相応の価値があるのに、カタログスペックや故障率で判断してしまうなんて、勿体ない。皆さんも自分の愛車を探す時は、ぜひクルマの良いところを、心の鼻で感じ取ってあげてくださいね。
って、心の鼻ってなんだ!かっこわるぅぅ〜(´;ω;`)