【Discussion!!】カー・オブ・ザ・イヤー2023総括 その順位に物申す!?

皆さん、お久しぶりです。2023年の年の瀬、monogress 的な締めくくりはどうするべきかと考え、やはりアイツラに任せるしか無いな・・・という事になりました。monogress の名物コーナー、「Discussion!!」。そう、あの仮想座談会が帰ってきます!

 

マコ   いやいや、何言っちゃってんですか。登場1年ぶりですよ?よくもまあ、いけしゃあしゃあと「任せるしかない」なんて言えますよね。

エイジ  まぁまぁマコさん、落ち着いて・・・

マコ   エイジさんは大人すぎるんですよ。このコーナーやるんなら、まずは土下座、次にワイ◯です。

エイジ  適材適所、役割分担ですよ。私達にもまた、年末年始にはコレかな?という役割ができたんだから、いいじゃないですか・・・

マコ   ふむ・・・まあ良しとしましょう。

エイジ  (ホッ)ところで、シンゴさんはどうしたのでしょう?席は用意されているのに・・・

マコ   ・・・シンゴさんは・・・シンゴさんは付き合いでのお酒の飲み過ぎで身体を悪くしたらしく・・・

エイジ  えぇ・・・

マコ   あぁ、シンゴさん、Discussion!!コーナーの事はお任せください!草陰から見守っていてくださいね・・・!

エイジ  そんな・・・私に内緒で旅立つなんて・・・!

 

仮想座談会 Discussion!!タイトル

 

シンゴ  ばかもーーん!!!

マコ   きやぁーーー!!シンゴさんが化けてでた!!!

シンゴ  死んどらんわぼけぇぇぇ!ちょっと電車が遅れたんだ!前後タイヤサイズの違う車に乗るまでは、死んでたまるか!!

エイジ  シンゴさん、RR系にお目覚めなのですね!

シンゴ  あたぼうよ!EV時代到来なんて言ってられん!内燃機関背中に背負い込むのがこれからの時代よ!

エイジ  (ふ・・・古い人間だ・・・)

 

ーーー ということで、ドタバタの中ではじまりました、なんだか年末恒例の仮想座談会コーナー「Discussion!!」。大学生の「マコさん」、自動車メーカーの技術スタッフ「エイジさん」、社会の重鎮「シンゴさん」で送る座談会風エッセイでございます。

 

今年はコロナが明けたということで、産業や経済の復活が印象的な年となりました。そのいっぽう、自動車業界ではダイハツの不正が大きく波紋を呼び、解決しないまま2023年が暮れようとしています。日本の自動車業界はどうなってしまうのか?EUや中華圏は?気になることの多い車業界の、面白いところを掻い摘んで、今年も来年も皆様へ楽しいお話をお届けします。

 

今回は、先日公開されました「カー・オブ・ザ・イヤー」。COTY では TOYOTA PRIUS が、RJCでは NISSAN SERENA が受賞となりましたが、これ、皆さんご納得されていますか?

 

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カー・オブ・ザ・イヤー総括 プリウスは1位で良いのか

格好良ければそれで良い

TOYOTA PRIUS サイドシルエット

 

シンゴ  まあ、プリウスは妥当なんじゃないかね。プリウスが公開されたとき、あれは2022年だったけれど、格好良く仕上げてきたなって素直に思ったもの。格好良いプリウス、今まで一部の燃費マニアの為の車だったものが、ワクワクする車になった。それだけで十分だよ。

 

エイジ  格好良さなら間違いないでしょうね。COTY で10点入れた人のコメントを読むと、前のプリウスを超えて愛車になったとか、性能一辺倒からの変化だとかをよく目にしますが、スペック上は目を見張る何かがあるわけではありません。安そうに見えて、オプションを入れれば400万円に到達します。ハイブリッドのパイオニアが、ハイブリッドで勝負しなくなった。

 

マコ   うーん、私は、その理由はわからなくもないんですけど。でも、カー・オブ・ザ・イヤーを取るほどに凄いことを、プリウスは何かやったんですか?プリウスって、燃費大王だったわけじゃないですか。なら、小型車ならアクア、中型車はプリウス、みたいな感じで、カテゴリー内で1位の燃費性能を目指せば良いんじゃないかと思うんですよ。

 

シンゴ  そうだね。わかる、わかるよ。先代プリウスを超えて、さらに磨きをかけた省エネ性能をぶちまける。これがプリウスだったし、独特のスタイルは燃費性能という裏打ちがあって作られたもの。だから、ある意味美しく見えたわけだ。でも、今回はそれができなくなってしまったんだろうね。上限が見えたというか。

 

マコ   燃費性能が先代を超えられないってこと?

 

プリウスは性能の上限に到達してしまったのか

TOYOTA PRIUS 右ハンドル コックピット

 

シンゴ  そういうこと。先に事実があって、でも前線からはプリウスのフルモデルチェンジを望まれる。売れる車だからね。だから敢えて路線を変えた。「燃費スペシャルでも格好良い車は作れる」という意地を見た。だから COTY の評価は、愛車になったっていうコメントがあるんだと思うよ。

 

エイジ  私も、愛車というとピンと来ない人の一人です。目線としては技術側ですが・・・プリウスが愛車だと感じていた人にとっては、ピンと来ないんじゃないかなと。プリウスが燃費スペシャルだったから良かったという人もいるわけで、デザインが良くなったと単純に言われて、それで愛車になったなんて、どういうことって。

 

シンゴ  燃費性能の追求こそがプリウスの存在意義ってこと?

 

エイジ  違いますよ。もっと目を見張るものがあって、それを正しく評価して伝えないといけないんじゃないかと。ジャーナリストの皆さんは少ないコメント欄で多くを言うのは大変だろうとは思うのですが、私はプリウスを「パッケージングの未来」という観点で評価しました。

 

マコ   エイジ節が聞けそうですね(笑)

 

エイジ  大したことではありません(笑)私が意識したのは、Aピラーです。歴代プリウスは、Aピラー位置には相当苦労をしています。3代目は前に前にと移動させてCd値の改善をはかり、4代目はモノフォルムから脱してCd値の改善をはかった。プリウスという商品の中で、Aピラーの出し入れはとても興味深いところなんですよね。

 

シンゴ  4代目はCd値にこだわりすぎて、デザインが賛否両論になっちゃったけどね(笑)

 

プリウスで見るべきは「パッケージングの未来」

TOYOTA PRIUS インテリア・イメージ

 

エイジ  はい(笑)でも、Aピラーを前に出す=視点を車の前方へ移す=そこにセンターメーターが置いてある、という辻褄合わせもできていました。特に高速道路領域では、視界にピラーが入ることで一定の安心感が生まれます。これ、誰か研究してほしいんですけどね(笑)フェンダーミラーが車のボディ幅を認識しやすくしていたような感覚です。

 

マコ   フェンダーミラー・・・私の記憶にはまったくありませんね。

 

シンゴ  実際、ドアミラーになってからは車幅は「えいや」になっちゃったね。デザイン重視が行き着いた車の退化ポイントであることは、認めるところだね。

 

エイジ  そのAピラーを、今回のプリウスでも残した・・・しかも、デザインとうまく融合させている。Aピラーの付け根を前に出すことは、車の将来の形としてはアリなのだと言っているかのようです。最近のトレンドは視界確保の為にAピラーをドライバー側に引き寄せるんですが、その対局にあるプリウスは、やはり未来的な格好良さがありますよね。

 

マコ   確かに、これは主要諸元では読み取れないですね・・・エイジさん、さすがです!

 

エイジ  いやはや・・・ただ、やりすぎちゃった。Peugeot i-Cockpitのマネごとは消化不足です。今まで上手くいっていたセンターディスプレイを辞めて、どうしようか・・・そこはソルテラと一緒にしたのですが、安直でしたね。それと、プリウスは(PHEVでは)太陽光充電のオプションがはいったり、結構面白いことをやってるんですけど、そちらは目立たない。残念です。

 

シンゴ  そこを全面にアピールせず、ひとつの車として完成させたところが新型プリウスの潔さかな?

 

マコ   デザインというのならインテリアももう少し頑張ってほしかったんですけどね・・・それは次期型での楽しみとしましょうか。

 

カー・オブ・ザ・イヤー総括 燃費は正義か

セレナはミニバン1位の燃費ではない

出典:セレナ(日産)

 

ーーー みなさん、カー・オブ・ザ・イヤーで他に気になる車はありましたか?

 

マコ   ミニバンが2車種入っているところが気になって、燃費を調べてみたんです。すると、アルファードはハイブリッドモデルでWLTC 18.6 km/L というスペック(Z FF 17インチタイヤ仕様)。実燃費はわかりませんが、カタログ値を追い込むだけでも流石だなと。それで、RJCカー・オブ・ザ・イヤーのセレナはというと、WLTC 20.6km/L。ステップワゴン e:HEV(20.0 km/L) より少し良いんですが、ノア(23.0km/L)には負けていました。

 

シンゴ  トヨタの少燃費性能は、ほかメーカーの1割上手だね。燃費は正義な時代だから、ありと言えばあり。

 

エイジ  実際には乗り心地など、試乗して決めてほしいですけどね。各メーカーやっていることですが、燃費がよくなる足回りは総じて乗り心地は悪く感じます。タイヤを変えて燃費が悪くなったら意味がありません。自分にとって一番燃費が伸びそうな車を選ぶ、という着眼点もありかもしれませんね。

 

マコ   ノアの1.8Lエンジン、セレナの1.4Lエンジン、ステップワゴンの2.0Lエンジン。どれを選ぶのか、アクセルに右足を置かないと解らないかもしれませんが、燃費で1位ではないのに、よくも最優秀賞を取れましたね・・・

 

シンゴ  大きなファミリーカーが、自動運転で高速道路をスイスイ行けるというところがウケたみたい。プロパイロット2.0 なのだけど、俺は「完全に自動運転」になるまでは「自動」という言葉を使っちゃいけないと思うね。勘違いする人が必ず現れるよ。

 

マコ   そうですね・・・ただ、ミニバンの燃費は凄いなあ、自動制御凄いなあと思ったのと同時に、もうひとつ感じたことがあります。

 

シンゴ  というと?

 

マコ   スバルはいつまで、悪燃費突っ走っているのだろうと。

 

スバル車は燃費の限界

出典:クロストレック(スバル)

 

エイジ  あぁー・・・

 

マコ   しかも RJCカー・オブ・ザ・イヤーは、レヴォーグ・レイバックとクロストレックをエントリー。レヴォーグなんて、WLTC 13.6km/Lです。クロストレックで 16.4km/L。もう、プラグインハイブリッドにして効率のお茶を濁したほうが、潔いじゃないですか。

 

シンゴ  まあ、俺も昔スバルに乗っていたから、ぜひもう少し頑張って欲しいんだけどね・・・カタログ燃費悪すぎて試乗に行こうとも思わない(笑)

 

エイジ  スバルの美点であるシンメトリカルAWDを、クロストレックでは取り除いて燃費を稼いでいます。(AWDモデルもあり。)でも、もうあのレイアウトでは無理なのでしょう。機械式AWDでさえ、電気式AWDに性能で負け始めました。ならば、コテコテのメカメカしい昔ならではの色で行きましょう、というのが今のスバルですが、WRX S4 の WLTC 10.8km/L を見ると、欧州ディーゼルのほうが良いという答えになります。

 

シンゴ  安全性能で抜きん出た実力があったとしても、燃費で毛嫌いされたら意味はない。スバルは本当に今のレイアウトをどうするか、決断しないといけない。続けるなら PHEV だ。見かけ上の燃費が上がる。しないのなら、ボクサーをロータリーのような位置づけにするしかないね。

 

カー・オブ・ザ・イヤー総括 BMWにあってZR-Vに足りないもの

性能拮抗なのにBMWの影に隠れたZR-V

HONDA ZR-V e:HEV フロントマスク

 

ーーー ZR-Vはいかがでしたか。monogress でも取り上げた、イチオシのSUVです。

 

エイジ  BMW X1 の影に隠れてしまいましたね。補完されたというか、ZR-V はハイブリッド、X1 は(iX1として)BEVがある。日本国内ではまだまだバッテリーの充電に難がありますが、自動車評論家の皆様は、BEVにご執心のようですね。

 

マコ   乗っていないから何も言えないのですが、走る喜びみたいなものが BMW にはあって、HONDA には無いんですかね?

 

シンゴ  面白いテーマだよね。ホンダの車は走っていて楽しいよ。ZR-Vで峠を攻めると、すこぶる楽しい。でも、BMW には BMW でしか出せない雰囲気があって、それがどうしてもドライバーに伝わっちゃう。オジサン達はそういうの、「エロい」とか言うんだけど、日本車ってこのあたり苦手だよね。

 

マコ   よくわかりません・・・(汗)

 

COTY で勝つためには「◯◯◯」が必要

HONDA ZR-V フロントシートとステアリング

 

エイジ  走りの良さであれば、COTY の上位3車種のプリウス、X1、ZR-V と並んだとき、かなり良い勝負ができるのが ZR-V です。今回のカー・オブ・ザ・イヤーに出ていた、アバルト500eがEVなのに排気音に力を入れたのと同様、ZR-Vも電気式CVTながらエンジンの楽しさを伝えてくれます。このあたりもう少しポイントを稼ぎたいところなのですが・・・

 

シンゴ  技術的には CIVIC 以前で出てしまっているし、ZR-V ならではっていうポイントはAWDくらい。車の評価は性能だけでなく総合力的なところがあって、ZR-V はホンダとしてはインテリアまで力がはいった力作。でも、万人受けではない。マツダがやるようなタン内装とかだったら、COTY にも受けたのかもね(笑)

 

マコ   うーん、なんだか COTY の順位にみなさんが同意しているのが、気に食わないですね(笑)

 

エイジ  荒らす必要はないでしょう(笑)妥当というか、不作なのかもしれないですね。

 

シンゴ  よく考えてみよう、日本で一番に売れる N-BOX が、優勝を勝ち取るわけじゃない。サクラが軽自動車 No1 になるわけじゃない。余興なんだよね。自分の中の順位とあっているかどうかを比べて楽しむ。これも文化だと思えばいいのよ。

 

Discussion メンバーの選ぶカー・オブ・ザ・イヤー

ZR-V とブロガーの車たち

 

ーーー では、みなさんのカー・オブ・ザ・イヤーを発表する、というので、締めにするのはいかがですか?

 

シンゴ  良いね(笑)

 

マコ   良いでしょう。COTY と RJC をマゼコゼにしていいんですよね?

 

ーーー はい。

 

エイジ  では、皆さんでドンと行きましょう。せーの・・・

 

1位 2位 3位
マコ 408 N-BOX ZR-V
エイジ プリウス iD4 500e
シンゴ プリウス ZR-V トナーレ

 

エイジ  マコさん、ここまで 408 の話、一切していませんでしたよね!?

 

マコ   それを言ったら、iD4 だって出ていないじゃないですか!

 

エイジ  偏っているんですよ・・・マコさんのこの布陣はどうせ「足回り」なんて言うんでしょう。

 

マコ   正解!☆

 

シンゴ  そういうエイジ君だって、電動に偏っているじゃないか。

 

エイジ  パワートレーン競争真っ只中ですからね。気になるハイブリッドとEVしか目に入りません!それよりも、シンゴさんのは何なんですか?

 

シンゴ  エロければ、それで良い☆

 

マコ   ☆は私の専売特許です(-_-メ)

 

ーーー こうして、2023年も暮れていきます。次は新春特集。自動車業界の残課題(?)について話し合いますよ。

 

結びの瞬景

HONDA CIVIC リアから見たボディサイド

 

本年も monogress をご愛読いただき、ありがとうございました。私事ですが、2023年は激動の年。目標にしていた田舎の家を手に入れて、改装に入るまでスッタモンダの大変な年でした。ところが、2024年はさらにその上を行く、家族との別居の開始、大きな仕事の節目の年。カフェの夢が霞みそうになりますが、ブログに対する皆様の声援でなんとか気分を維持していきます。

 

それでは、来年も元気にお逢いしましょう。