カーシェアの利用費とクルマの所有を考えたら、クルマを買ってしまったほうが良いのではないか?
まこまち一家はクルマがない。Peugeot 308SWを売却し、HONDA CIVIC が来るまでの半年間。マイ・カーは我慢だと言い聞かせては見たものの、一ヶ月のカーシェア費用はすでにコンパクトカーの維持費に並んでいた。ならば、将来の移住先に持っていくクルマをひとつ、今のうちに手に入れるという選択肢もありな訳だ。
新車か中古車か決めねばならない。ひとまず、カーシェアでクルマを吟味しよう。お金的には多少高くも、利便性があるならそれで良い。そういうわけで、ひとまず日本の王者に挑むことになった。
しっかり走るクルマが良い
そもそも、である。我が家は1年半後の移住を目指し、活動中だ。移住先の新居には、ぜひ V2H を組み入れたい。そうしたら、燃料費不要なEVを買おうじゃないか。そんな話を我々夫婦で話したばかりだ。
しかしなかなか、マイ・カーの無い生活は辛いのである。都会に住んでいようがいるまいが、自分の脚で歩くことは面倒くさい生活の基盤の基本スタンスはマイ・カーだ。スーパーもショッピングセンターも、駅から離れているなんてザラにある。クルマなし生活なんて、意外とザラキなのである。
「どんなクルマが良いかなあ?」
と、おもむろに嫁ちゃんに質問する。たぶん、メインで使うのは嫁ちゃんだからだ。
「小さくて燃費が良くて、維持費が安くて。」
「うんうん」
「色はできれば緑がよくて。」
「ほうほう」
「しっかり走る車が良い(・へ・)」
・・・先生、しっかり走るとは何でしょうか? 輸入車かしら?
嫁ちゃんが言うには、走って曲がって止まるのは当然なのだという。その基準は言い表せないが、運転してストレスが溜まるのなら意味がないと。ならば車種でいうと何?と聞いてみれば、「ほとんどウチのクルマはパパが運転していたから答えようがない」と言いつつ、「シエンタよりは走って欲しい。」
懐かしい!初代SIENTAも、今と変わらずインパクトのあるクルマだった。画像出典:Wikipedia トヨタ・シエンタ
会社の社有車が TOYOTA SIENTA で、意外と運転がしやすいそう。そういえば新型が出たばかりだし・・・会社のシエンタってカエルみたいなやつ?と聞いてみたら、「そのひとつ前」。おぉ、初代のあれか。
「ボク的にはカエルシエンタはカタチが良いね。」
「最新のシエンタも何か良くない?」
「パンダシエンタは・・・あれはイタ車のパクリでしょ(笑)」
「あぁー確かに(笑)でも、見慣れると良いかもよ。」
そう言われると、散々ウェブで勝手に目にしたからか、フロントとサイドのデザインのアンマッチ感が解消されて、主張の強いコミカルなセンスを感じ始めた! 嫁ちゃんが良いというものは良い、同調癖の八方美人は私の悪い癖なのだ。
が。
「あ、新車のシエンタなんて要らないからね。高いし、趣味じゃない。」
カエルシエンタは燃費の良さが抜群だ
なんだ、気に入っているのかと思ってみたら、そうじゃないらしい。そうじゃないけれど、デザイン妄想を発生させたワタシ的にはカエルシエンタに乗りたくなった。ちょうど近くのカーシェアにあるのを見かけたし、せっかくだから乗ってみよう。TOYOTA と言えば壊れないクルマ。程度が良い中古があれば、悪くない選択肢。
そんな、「横丁で出会って遊びのつもりが一目惚れ」になるはずもない TOYOTA SIENTA だったものの、これが案外乗りやすい。むやみに高すぎないアイ・ポイントは見晴らし良く、しかも女性あわせか乗り降りもしやすくて便利そうだ。
7人乗りまで対応できるボディはやはり少し重め。だが、これが上手く作用しているようで、一般道ではしっとり走る。価格相応と言えないことはないのだが、安いなら安いなりに緩く味付けされた乗り味は、見晴らしも相まってリラックスして走れるじゃないか。
そして驚いたことに、燃費が良すぎる。ハイブリッドでもないのに、25 km/L を軽く超える。思わず自分の目玉を疑ってしまいそうだが、やはり燃費計はグングン伸びる。さすが TOYOTA 。運転の面白みより、燃費と居住性を選ぶのか。
アクセルを踏み込むと、ぐーんとエンジン音が高くなる。走行距離 20,000 km を超えていたが、遮音性は満足のいくもので、高い燃費を含めてこれでも良いかと思ってしまう。よく言う(私も言う)ラバーフィールCVT だが、燃費は正義と言えばそれまでだ。
7人乗れる、燃費も最高、ハイブリッドでなければ価格もこなれた中古車もありそう。そして何より、カエルシエンタに乗っていることが何だか幸せになってくる。人と違うデザイン・センス。そんな気分にさせるクルマ、これが王者の貫禄か。(沢山走っているけどね!)
TOYOTA SIENTA(中古)2017年式 48ヶ月所有試算
さて、セカンドカーに TOYOTA SIENTA を選ぶかどうか、シミュレーションする。カーシェアを一月使った結果は、22,910円。仮に長野を往復すれば、40,000円は超えてしまう。
安ければ安いほど良いわけで、その基準として 月 40,000 円をボーダーラインにすることにした。では、TOYOTA SIENTA はどうだろうか。
TOYOTA SIENTA(中古)48ヶ月所有試算 | |
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SIENTA Gグレード・2017年式・ガソリンエンジン・CVT・走行距離 25,000 km・車検整備付き・修理歴なし | |
車両価格 | 175 万円 |
取得諸経費 | 12 万円 |
点検費(2回) | 6 万円 |
車検費(1回) | 15 万円 |
保険料(4年) | 20 万円 |
合計 | 228 万円 |
48 ヶ月分割試算 | 47,500円/月 |
カーシェア利用 VS SIENTA所有
40,000円 < 47,500円
高い!中古車って高いなあと思わせる月額シミュレーション。セカンドカーとすると中古シエンタも高嶺の花なのか? クルマ2台欲しいのになあ(´・ω・`) ・・・やっぱり軽自動車のほうが安くて良いかな。
中古シエンタはアリ?ナシ?
適当にクルマを選ぶというのは大変なのだな、と思わせるシエンタ中古所有シミュレーション。中途半端なクルマでは、下手すれば月一の移住地探しが苦渋になってしまう。せめて乗りたいクルマ・・・例えば、DAIHATSU COPEN とか MAZDA ROADSTAR とかならお金を出しても良いんだけれど。
「二人しか乗れないクルマは駄目だよ。」
MR-Sとか・・・いや、当然ですよ選びませんよ!
収穫はあった。エゲツないほどにドライバビリティを犠牲にするトヨタ車(注:言い過ぎかと。シエンタは普通に使いやすいクルマでした。)の燃費はとても良い。レギュラー・ガソリンが 160 円の時代なのだ。燃費の良さは意識したい。
トヨタのもう少し小さいクルマなら良いのかな? と首をかしげているところで、嫁ちゃんがヒョコッと話しかけてきた。
「パパ、SIENTAは気に入らなかったでしょ?」
「すごい言い回し(笑)でも、運転するのはママがメインじゃ。」
「カエルシエンタは少しサイズが大きいかな・・・」
「もう少し小さいところで行こうか?」
「そうだね。ところで、カエルシエンタの前のモデルは、何シエンタ?」
「どんぐりシエンタかな!(笑)」
「どんぐり!(笑)なんだか可愛く見えてきたよ!!」
すぐには決まりそうもない、我が家のセカンドカー選び。次回は、大ヒットしたトヨタの最小SUVに乗ってみたい。
ーーー つづく ーーー