我が家の シビック e:HEV(FL4)は、2024年2月に入り 10,000 km 走破!気になっていたステアリングの不調も解消し、移住に向けての最後の踏ん張りをシビックとともに駆け抜けております。
我が家のシビックは 2023年3月納車。あと 1ヶ月で 1周年というところで、春・夏・秋・冬すべての季節を楽しく過ごしてきたのですが・・・いやはや、1年も使い込めばホンダ自慢のハイブリッドシステム「e:HEV」にも、不満というか欠点が見つかるものですね。
今回は、私のシビックさん 10,000km 走行で気付いたポイントとともに ホンダ・ハイブリッド「e:HEV」の弱点について語っていこうと思います。ホンダのハイブリッドを狙っている方はご参考に。e:HEV使いの皆様は、ぜひ理由や対処方法を教えてくださいますと、私は軽やかにダンスを舞うことでしょう・・・!
ホンダ・ハイブリッドの欠点1:寒さに弱い
最近(2024年1月〜2月)、とても燃費が悪いんです。最近も、通例の長野往復に行ってきたんですが、どうも燃費が良くないんです。秋までは長距離往復で 20km/L を下回ることはなかったのですが、冬に入ってからガクンと落ちました。冬場の高速道路 18.5km/L の実績は、WLTC 24.2km/L(高速道路燃費は 23.4km/L)に比べると期待外れ。
理由は色々考えられるのですが、体感的にはやはり、「寒さ」が影響しているのだろうなあと感じています。
ホンダ・ハイブリッドはシートヒーターに電力を使うと燃費が落ちる
要因1は、シートヒーター。やはり電力をつかうこの装備は、燃費を下げる一員になっているようで。気づいたのは、コンビニエンスの駐車場で嫁さまの買い物を待っている時。サミィナァとシートヒーターをつけたときでした。
プルーン・・・(ホンダ・ガソリンエンジンの爽快なエンジンサウンドを思い浮かべてください)
シートヒーターボタンを押しただけで、エンジンが起動したのです。その時、走行用バッテリーはまだまだ余裕があったのですが・・・もしかしたら、シートヒータとエアコンを使用している時は、バッテリーの充電開始下限値を上げているのかもしれませんね。
ホンダ・ハイブリッドはエアコン(PTCヒーター)に電力を多く使うので燃費が落ちる
要因2は、やはりあったか装備、エアコンです。あまりにも寒くてエアコンの設定温度を 26度 に上げた時、やはりエンジンが起動しました。プルーン・・・(ホンダ・ガソリンエンジンの爽快なサウンド・・・)
うん、寒いからね、ガソリンを温めて送風する準備をするんだね、おしくらまんじゅう、したいよね・・・とか自分に言い聞かせながらも、なにかモヤモヤ。そう、シビック e:HEV には「PTCヒーター」という特別装備が付いているんです。(特別じゃないかもしれないけれど・・・)
PTCヒーターとは、セラミックを電気の力で加熱し、ヒーターの補助に使うもの。そのPTCヒーターを起動するのに、当然ながら電力を消費するんですよね。燃費も悪くなるわけですよ。
ホンダ・ハイブリッドも暖房のために冬場はエンジンを温めるので燃費が落ちる
要因3、結局はホンダ・ハイブリッド「e:HEV」だって、クルマの宿命からは逃れられない・・・!つまり、車内の暖を取るためには、エンジンが温まらなくてはならない、ということ。
実は、高速道路以外はモーターで駆動するホンダ・ハイブリッドは、エンジンを温めているときの出力だってバッテリーに貯めていくので、燃費もさほど落ちないと思っていました。
ところが、違ったんです。バッテリー充電量が最大まで行っているにも関わらず、エンジンは回りっぱなし・・・これではせっかく作った電気を、捨てているようなもの・・・!
ふと、エアコンの設定温度を 23度 まで下げてみると、ピタリとエンジンが鳴り止みました。なるほど、あまりエンジンを動かさないハイブリッドカーは、エンジンが温まりにくい。でも、ヒーターはエンジンを温めて送風したほうが効率がよいから、シビック e:HEV も頑張ってエンジンを回したわけか・・・
そしてこぼれ落ちる電力、その分がしっかりと燃費に悪影響を及ぼしていた。つまり、ちょい乗りするならヒーターは付けないほうが良さそうだな・・・勉強になりました!
ホンダ・ハイブリッドの欠点2:エンジン音が気になるようになる
エンジン・サウンドに定評があるホンダエンジン。ハイブリッド化されていても健在で、リニアシフト・コントロールの搭載された e:HEV (ステップワゴン e:HEV には非搭載 2024年2月時点)なら、ある程度は車の加速度とエンジン音をリンクしてくれます。
エンジン音を聴かせることに拘った、ホンダ・ハイブリッド「e:HEV」。ホンダの求めるハイブリッド車として、試行錯誤されたのでしょう。エンターテインメントを突き詰めたホンダ開発陣の技術の結晶「スポーツ e:HEV」に心を打たれて、私は輸入車を降りたのでした・・・
ところが、やはり完全には走行とリンクしないエンジン音には、時々イラッとすることも。
ホンダ・ハイブリッドも効率重視したくなる時がある
リニアシフト・コントロールによるエンジン音のステップ制御や、アクセルの強弱に応答するエンジン回転数の制御は、ホンダが自社のエンジンのどの領域でも、良い燃費が実現できる自信から来ているのでしょう。多少効率が落ちたとしても、ドライバーに気持ちの良い体験をしてもらいたい。しかし、それは時には裏切らなくてはならない時もあるのです。
バッテリーの電池残量が減ってきて、ある程度充電に専念しているときが、それ。プルゥーンという爽快なビートを、一定回転数で刻み続ける。トヨタ、日産と同様、最高に燃費の良い回転数でバッテリーに充電するモードを用意してあるのでしょう。
そのおかげで、今は充電モードだな・・・と感じている時は、憂鬱(笑)特に停車中にエンジンのON/OFFがされると、エンジンマウントが揺れることも感じるので、できればこのモードは走行中に起動してほしいなと思うのですが・・・
ライバルは一歩先を行った!日産の「路面状態に応じた発電制御」
やられた!と感じたのは、日産ノートに乗った時。ハイブリッド技術 e-Power 搭載のノートは、停車中のエンジンONの機会は少ないなと感じていましたが、どうやらタイトルの機能のとおり、「路面の状態が悪いときに積極的に充電する発電制御」を搭載しているらしいのです。
車内に入ってくるノイズが大きくなった時、エンジンによる充電を開始します。エンジン音は e:HEV のようにナチュラルな制御は行われず、あくまで発電効率の良いエンジン回転数をキープするのですが・・・極力エンジン音を目立たせまいとした静音設計と、ロードノイズにエンジン音を隠す制御のおかげで、充電モードの煩わしさが無い。こいつはなかなか、素晴らしい技術なのです。
エンジン音を聞かせるホンダ・ハイブリッド「e:HEV」と、エンジン音を封じ込める日産・ハイブリッド「e-Power」。私はホンダを推しますが・・・皆さんはどうでしょうか?
ホンダ・ハイブリッドの欠点3:先読みエコアシストは未成熟か
燃費を稼ぐために用意された、ナビゲーション上の経路情報から将来の充電量を予測し、発電を控える制御(つまり燃費改善)をする「先読みエコアシスト」機能。この機能、まだまだ熟成不足だと感じます。
わたしの中での大きな不満は、経路情報を設定する「ホンダ・コネクト・ディスプレイ」のシステムの設計不足。ナビゲーション音声が、なぜか車内スピーカーからではなく、センターのディスプレイから発せられてしまうんです。
(先読みエコアシスト機能は、2024年2月現在 ホンダ・シビック e:HEV と ホンダ・ZR-V e:HEV に搭載)
ナビ音声がスピーカーではなくディスプレイから出る
学生時代は小学校から高校まで放送関連の委員会/部活動をしていた私としては、音の出処に違和感を感じると気持ち悪くなってしまい、結局使わなくなってしまうという癖があるのですが、先読みエコアシストを使用するための条件になる純正ナビゲーションシステムの音声案内に少し困っています。
それは、ナビゲーション音声がディスプレイから発せられてしまうこと。オーディオ操作をディスプレイで操作して車載スピーカーで鳴らすのだから、ナビゲーション音声もスピーカーから鳴らしてほしいのです。ところが、これがしっかりNG。ディーラーのセールスさんもお手上げ状態。
ならばと音声ボリュームを0にしようとするのですが、ならない。じゃぁ1で我慢するかとションボリするのですが、1という割にはガイダンス音が大きい。もう、ナビゲーションを使用する気にもなりません。
先読みエコアシストの恩恵が無い
それでも百歩譲って、性能が発揮されれば良いのですが、そんなことも無い実感なのが残念。
例えば、これから長い下り坂があるコースがあります。その手前の登り坂を、できるだけ低負荷で登っていくとするじゃないですか。それでもエンジンはしっかりと発電をしてしまい、バッテリー残量は7割を残すくらいになってしまうのです。その後の下り坂での回生では、すぐに残量10割(満タン)に到達してしまうというありさま。
ナビゲーションを登録しなくてはならないのも煩わしいし・・・いつも CarPlay で Google map を使っている私としては、純正ナビも先読みエコアシストも諦めることに致しました・・・
総評 ホンダ・ハイブリッドの欠点は些細なもの
ホンダ・ハイブリッドの欠点はあれど満足感には影響なし
などなどいくつか欠点と言えそうな不満点を挙げましたが、どれも些細なことでシビックが嫌になるようなものではありません。これはきっと、ZR-V e:HEV や VEZEL e:HEV、 FIT e:HEV のオーナーの方々もそうでしょう。そもそも、e:HEV 搭載の恩恵が大きすぎるのです。
スムーズで静かな発進。BセグメントSUVである VEZEL e:HEVは、Cセグメント車と同等の静寂車を得ています。小さなボディでハイブリッド・スポーツを楽しめる FIT e:HEV RSも登場。小気味いい走りは上級車にも負けないことでしょう。
2リッターエンジンで余裕の走りが楽しめる、シビックやZR-V。同クラスのハイブリッドカーでは味わえない、瞬発力の高さは癖になります。
欠点を知ったからと ホンダ・ハイブリッドを選択から抜くのはもったいない
ホンダは昔からスポーティな車を作ることを信条としています。一時期は SUV やらミニバンやらの専門メーカーみたいになってしまいましたが、Cセグ、Dセグを捨てずにDNAを受け継いできました。それに応えるのは残念ながら米国ユーザーですが、日本でも車好きの一部(私とか)に指示される、稀有なメーカーです。
燃費だとかパワーだとか、カタログスペックだけを追い求めるわけではなく、パッケージング、サスペンションに手を抜かず、良い車を作るようになったなあと素直に感じています。こんなことを言って良いのかわかりませんが、ついついアクセルを踏んでしまうような車なのに、我が家のシビック e:HEV は 20km/L 前後の燃費なんです。車を選んでいる最中の皆さんには、スペック以外のところをしっかりと比べてほしいと思います。
ホンダらしい「走り」にこだわったハイブリッド「e:HEV」は、ライバル車と比べ、欠点を知ったとしても選択肢から外すのはもったいない、白眉なハイブリッド・カーだと申しておきましょう。
ホンダ e:HEV ギャラリー
さて、記事のラストは恒例のギャラリーで締め!
良い車だぞ・・・欠点を理解して最新ハイブリッドを選ぼう
ホンダは今、特に普通車の販売で低迷しています。色々な要因はあれど、私はやはり「デザインがあともう少し!」と言いたいですね。オモチャのようなデザインからは脱することができ、今はクリーンで雑味の少ないデザインに力を入れていると感じます。全体のフォルムは随分うまくなったけれど、フロントとリアのデザインに、もう少し清涼な色気を入れてほしい。勝手な意見ですけどね。
私は別にホンダが大好き、というわけではなかったのですが、いつかはインテグラに乗りたいなあなんていう時代もありました。シビックのチャンピオンシップホワイトには乗れませんが、適度なデザインと爽快な走り、決めの細かいハイブリッド制御という、今の時代に相応しい良い車に出会えたなとホクホクしています。10,000km走行しても、走りが楽しいのがたまりません!
ホンダ・ハイブリッドに対する、疑念は払拭できましたか?ハイブリッドを選ぶなら、今はトヨタ、日産、ホンダ、輸入車だとルノーあたりが良いでしょう。そんな中でもホンダのハイブリッドは、ドライバーに寄り添う素敵なシステムです。欠点を理解して、ハイブリッド選びを楽しいものにしてくださいね。
最近まで輸入車を乗り継ぎ、2023年にはHONDA CIVICの納車を受ける私だが、別にこれからホンダ党になろうというわけではない。なにせ、特定のメーカーに肩入れすれば良い面も悪い面も心に刺さるし、同じメーカーのクルマに乗っているマナーの悪[…]
ZR-V をティザーキャンペーンサイトで初めて見たとき、久々に日本の自動車メーカーに興味が湧いた。マセラティに似てる!の世間の評価はもちろん、ロボットアニメからの脱却を感じさせる大人びた発展形も感じ取れ、先進のハイブリッドにも感心した。その[…]
代替え燃料による内燃機関継続を推す私としても、自動車の電動化は避けられない事だと最近は感じる。ハイブリッド化のアドオンは確実に燃費を向上させる。バッテリーやモーターが安価に、平和に手に入るなら、ダウンサイジングターボと同じく燃費向上に役立て[…]