【輸入車論】外車を買って本当によかった・・・と実感した私の経験談

これは哲学ではない。感動を呼ぶ物語でもない。個人的な主観でしかない。しかし、主観は時に人の助けになることがある。

 

これからお話する内容は、あくまで私の主観によるものです。すべての人にあてはまることではないことをご理解ください。

 

Peugeot 308SW を降りて、1年が経ちました。VOLVO 12年、Peugeot 2年 の合計14年間を輸入車で過ごしたのですが、いやはや輸入車に乗って本当に良かったと思います。いま、日本車に戻り HONDA に乗って、多少寂しさは感じるものの、後悔することが全く無いのは、しっかりと輸入車ライフを楽しんだからに他なりません。

 

輸入車生活中の様々な出来事が、私の車好き人生を豊かなものにしてくれた。この事実に間違いはないのです。

 

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輸入車に乗ると車の良し悪しが理解できるようになる

VOLVO XC90 フロントシート

 

輸入車に乗ってよかったことを一言で表すのなら、自分のクルマに対する知識の深さが広がった、という事につきます。色々な意見を持つ方がいると思うけれど、私はコレ。結果的に車選びを失敗することはほぼ無いだろうという自信につながるし、monogress を続けていく原動力にもなっています。

 

それはまるで、人が成長するかのよう。輸入車に乗るという経験は、できるだけ良いクルマに乗りたいと願うすべての人たちにオススメなのです。

 

正しい理解の為には正しい経験が必要だ

例えば、正しい味覚を身につけるには、幼少期に沢山の正しい味を体験しなければならない、という事例をご存知でしょうか。味覚に敏感な幼少期には、母乳と同様に薄味とし、新鮮な食材を用いた食事を摂らすことで、味覚の成長を促すというものです。この時期に味の濃いもの、塩分の強いものを与えすぎると、食材の深い味わいを感じることができなくなるといいます。

 

クルマは幼少期に運転することこそできませんが、経験するという点では同じ。クルマの乗り味、運転のしやすさ、扱いやすさ、美しさは、沢山の種類のクルマを見て、乗らなければわからない。同じメーカーが好きだとか、いい営業だとかはクルマの買い替えの一つの要素になりうるが、クルマを知ることには繋がらないのですね。

 

良いクルマかどうかを見抜くには成功も失敗も必要だ

Peugeot 208

 

ひらめきのある人は過去の失敗を大事にしている人、という説があります。良い経験も同様なのですが、良し悪しを自分なりに解釈して記憶の中で整理しておくことで、いざ同じような場面が目の前に現れた時、刹那にひらめくことが出来るというのです。

 

これは単なる仮説に過ぎないのですが、クルマという経験にも当てはめることができると私は感じます。過去に乗ったクルマで残念だったポイントをどれだけ記憶しているかで、クルマの良し悪しに対する気づきが出来るかどうかが、変わってくるから。知らなければ、気づくことさえできないんです。

 

輸入車への乗り換えはリスキーで、失敗すると考える人は大勢います。例えばクルマが急に故障して、クルマで行きたいところを新幹線で行く事になったという経験をすること実際にありました。それは失敗でもありながら、実は特別な体験。笑い話になった他、そのメーカーのクルマが本当にリスクのあるものなのか、無視できるものであるかは、残念な経験をした者にしかわからない希少な知識になったのです。

 

輸入車に乗って本当に良かった

つまり、輸入車に乗るということは、車に対する知識をどんどん増やすことなのです。考えてみてください。日本車は皆、日本人が作ります。ところが輸入車は、メルセデス・ベンツやBMWであればドイツ人が、アルファロメオであればイタリア人が、プジョーやルノーであればフランス人が作ります。

 

異国の人たちから、クルマを通して文化の違いを学ぶことができる。これは日本車のみを乗り継ぐよりも、遥かに多くの知識をもたらすことは、想像に難くないですよね。

 

子供の安全を最優先に… ボルボに乗って本当に良かった

VOLVO V40 買取前のドライブも好調だった

 

そんな私は、今でも実感します。ボルボに乗って、本当に良かった。今、HONDA CIVIC や N-BOX に付いているような運転サポート機能は、ボルボの開発があってこそのものだと感じますし、その先進性をいち早く体験できたことは、私のクルマに対する安全性能の評価にも充分役に立っています。

 

クルマの安全性能とは、「衝突安全性能」と「事故予防性能」と、「運動性能」の3つです。このうち、衝突安全性能は欧州では丈夫なクルマを、日本ではクラッシュを許容するボディ設計から進みました。グローバルに展開された販売ラインナップと情報の伝達が素早い昨今、自動車の衝突安全性能はここ 20 年で随分進化したように思います。

 

ボルボV50
2000年代にCセグメントでカーテンエアバッグを搭載していた、希少なワゴンV50。デザインもとても好みでした。

 

私が輸入車を購入した 15 年前、Cセグメントでカーテンエアバッグを備えているクルマは日本車にはありませんでした。当時のボルボは、既にリアシートに乗る人の安全性まで考え抜かれた設計がされていて、これから電子デバイスによる予防安全に向かおうとする最中でした。

 

V40に乗り換えてからは、その予防安全性能が大助かり。歳を追うごとにだんだんと見えなくなってきた、夜のドライブ。レーンキープや歩行者の検知に、どれだけ助けられたことか。

 

自動ブレーキ、レーンキープアシスト、歩行者・自転車認知などはどんどん花開き、自動ブレーキが効かなかったなどという下らない動画にも負けず、交通事故0件を目指したVision 2020 を経て今まで培ってきた予防安全機能の技術を公開。自動車業界に大きな転換点を与えたことは称賛に値します。

 

ボルボV40の車内

 

子育て中の方は、クルマの安全性には大きな関心があると思います。私も自分の子供に事故で傷がつくのが嫌で、当時最高峰の安全性が確保されたボルボを選びました。これも一つの、クルマの選び方だと思います。

 

おかげで今、私がクルマを選ぶときには「安全性能」にから目を背向けることができなくなりましたが…(笑)

 

軽自動車はやっぱり怖いし、3列シート車の3列目には、荷物置きとしての利用としか認められない。シートベルトも、フォースリミッター(ロードリミッター)が後部座席に搭載されたクルマを選びたい。VOLVO V40 → Peugeot 308SW → HONDA CIVIC と、安全性能はしっかりと確認してクルマを選べるようになったのは、きっと良いことなのでしょうね。

 

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スタイルと官能性能の玉手箱 プジョーに乗って本当によかった

格好良かった Peugeot 308SW
華麗なるデザインワゴン、Peugeot 308SW は満足度の高いお買い物でした!

 

プジョーに乗って、本当に良かった。プジョーからはデザインされた車の心地よさと、エンジン・サウンドの重要さと、サスペンションの妙を教えていただきました。

 

Peugeot 308SW は VOLVO V40 からの急な入れ替えだったのですが、ボルボのCセグメント車では難のある(と、私が評価していた)足回りの弱さを、見事に解決。サスペンション設計の最適解のひとつを、しっかりと記憶させてくれました。

 

Peugeot308SWの16インチ夏タイヤ

 

それは、足回りの良し悪しは車両価格に依存しないという事実。プジョーの足回りは、強度とストローク量を最優先に考え、スタビリティを確保した上でできる限り柔らかくする、と(私は勝手に)捉えています。

 

郊外道路。ハイペースでの走行は、足回りは柔軟に動く一方、急カーブでは腰を浮かさずビシッと路面を掴んで離さない。ボルボでは滑るし、日本車では内側が浮き上がる傾向があるんですが、プジョーにはそれがない。これが病みつきになる楽しさ。

 

プジョー自体は高級車では無いのですが、ほぼ全てのモデルで上記のような足回りを備えます。猫脚の評価に間違いなし。プジョーというメーカーを惚れる要因になりました。

 

Peugeot308sw TECHPACKEDITION 運転席

 

エンジン・サウンドは好みにも寄りますが、プジョーの DV5 ディーゼルエンジンは素晴らしかった。BMW の直列4気筒ガソリンエンジンよりも良い(オーナー目線ですが!)。ディーゼルなので高回転域でパワーが出なくなるのですが、5000 rpm まで駆け上がるときのドラマチックに乾いたサウンドは最高!

 

デザインはプジョーもボルボも素晴らしいのですが、プジョーはボルボよりも価格帯的に 100 万円は下がる割に、デザイン力はドロー。見る角度によって表情を変える妖麗なカーブは、今もプジョーユーザーの心を鷲掴みにして離さないことでしょうね。

 

…お、気づきました?ボルボ時代は子供の安全性でしたが、子供が大きくなってからは私の欲望丸出しの車選びに切り替わりました。プジョーはデザイン重視の方には超オススメ。今も街中でついつい振り向いてしまいます。

 

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Peugeot 308 MonoColor

 

デザインと存在感は格別!輸入車を試乗して本当によかった

ルノー・トゥインゴのフロントマスク

 

数々の輸入車に試乗して、本当に良かった。その中でも特筆ものは2台。RENAULT TwinGo はリア・エンジンだからこそできるキュートなスタイルが素晴らしい。販売終了となってしまいましたが、ガラスで作られたハッチは所有する喜びを掻き立てる。今でも欲しい1台。はい、欲望丸出しで良いんです。

 

BMW 218i M-Sport

 

BMW 2シリーズは、走りの楽しさはスペックじゃないんだよと教えてくれる1台。ハイ・パフォーマンス・カーを作るBMWですが、Cセグメントでも実力を発揮。インテリアのデザインは素っ気なくも、ドアパネルからダッシュボードまでの見せ方、コックピットでの自分の視界、ステアリングの触り心地、どんどんと走りたくなるのが不思議で、哲学を感じずにはいられません。

 

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輸入車に乗ったのに…ちょっと残念だったこと

VOLVO S60

 

クルマの知識を存分に教えてくれた輸入車達ですが、そもそもボルボに乗ったのは安全性に拘りたかった為。でも、期待していたことの一つは残念ながら実現されませんでした。

 

それは、「あおり運転」にあうこと。

 

外車=高額 というイメージがあったので、高い車は煽られにくいと信じ込んでいました。だめでしたね、ボルボやプジョーはしっかりと煽られます(笑)BMWなら?メルセデスなら?と考えたこともありますが、たぶん煽られにくいクルマは TOYOTA CROWN とか LEXUS とかかと。輸入車にあおり運転無しを期待するのは、辞めておきましょう(笑)

 

輸入車に乗ったからこそわかる日本車の良さ

しかし、勘違いしないで欲しいことが一つあります。私は別に日本車が輸入車に劣っているとは全く考えていません。日本車ってすごいと思います。壊れるということはほぼ経験していません。プジョーもボルボも、結構な回数ディーラーに行きました。致命的ではないものの、少なからずトラブルもありました。

 

日本車では、それがない。TOYOTA LEVIN、TOYOTA CELICA、SUBARU LEGACY、SUZUKI ESCUDO。どれもしっかり購入時から売却まで、しっかりと走り切ってくれました。

 

そして、輸入車を所有し、数々のクルマを試乗してきたからこそわかります。日本車にだって素晴らしいクルマは沢山ある。

 

HONDA N-BOX はあまりにもコスパが良い

中央道諏訪湖サービスエリアで休憩するN-BOX

 

HONDA N-BOX は、あまりにもコストパフォーマンスが良い。インテリアの作り込みもさることながら、6,000 rpm 以上を常用しても耳を疲れさせないビート、良し。

 

そして4人が乗って高速道路を走っても問題の無いサスペンション。時速 80 km/h を超えると流石に辛そうな一面は見えるし、ホイールベースの短さから来るヒョコヒョコ感こそあるものの、思わず笑ってしまうほどの衝撃吸収力。さすが日本で一番売れている軽自動車です。

 

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中央道諏訪湖サービスエリアで休憩するN-BOX

 

mazda 3 はあまりにもムードが良い

mazda3 メーターデザイン

 

mazda 3 は、ムードの作り方が大変うまい。着物のように折り重なるダッシュボードの端正なデザイン、美しさを感じる3眼メーターと見た目からの印象を大事にしつつ、走りの良さでも妥協しないのがマツダ流。

 

テキストに起こすのが大変難しい印象なのですが、10月の雨上がりを思わせる、乾いた中に湿度のあるディーゼル・ビート、こいつは感動モノ。次はマツダにしようかと本気で考えさせた1台でした。

 

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mazda 3 リアから見る美しいボディ

 

自動車デザインの新しい牽引役は TOYOTA PRIUS

TOYOTA PRIUS ヘッドライト

 

TOYOTA PRIUS。今やトヨタは私の中で、新しいクルマのデザインを挑戦するメーカーという印象になりました。当初は「やっちゃったよ、コレ」と感じさせながら、いつの間にか自然に受け入れている自分が居る。その集大成が、PRIUS なんじゃないかと。

 

未来感に無理が無いんです。C-HR は力技でクルマのデザインを未来に押し広げていたのですが、PRIUS は納得の範囲なのがすごい。今まで見てきたデザイン・スケッチがそのまま現れたんですからね。何か掴んだなっていう感じ。世界の車をコンサバに変えたのは、やはり TOYOTA だったんですね。

 

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TOYOTA PRIUSのカタログ表紙

 

HONDA CIVIC は同クラスの輸入車を超えている

HONDA CIVIC と 研究所

 

そして、今の愛車 HONDA CIVIC は総合力。安全性能はボルボのそれらに追いつき、足回りは硬いというより、素早い。確かにストロークするサスペンションは、思わずニンマリできます。「爽快」をキーワードに、走りの感覚とコックピットからの眺めを磨き込んで世界観を作り上げたのも惚れポイントでした。

 

ハイブリッドながらエンジンに拘ったのは、さすがホンダ。ハイペース走行をすれば、電動車のレスポンスを手に入れたエンジン車という評価ができます。タイヤをもっとエコよりにすることも出来ただろうし、燃費を追求することも出来たはず。そうはせず、走ることが大好きな人たちにハイブリッド車で応えた本気度が嬉しい。これは、輸入車でも未達なはずです。

 

そして CIVIC e:HEV は、私の車選びの集大成。その根幹には輸入車乗りとしての経験が生かされる。クルマが大好きだと感じたら、ぜひ一度は輸入車を所有して欲しい。人生の車選びが、よりハッピーなものに変わることウケアイです。

 

失敗は成功のもと あなたも一度は輸入車に乗ろう

湘南ブロガーミーティング

 

数多のクルマが現れ、様々な評価を受け、次世代車へ受け継がれていく。時には失敗し、下手をすれば夜中から忘れ去られる事もある。自動車メーカーは大変なプレッシャーの中でクルマを作っていることでしょう。しかし、クルマを選ぶ消費者にとってもそれは、同じこと。限られた所有年数の中で、失敗をせず最高の車を選びたいと思うものです。

 

選び切る為に、自動車雑誌を読み漁るのも良いでしょう。ブログから情報を得るのも良いでしょう。でも一番大事なことは、沢山のクルマの記憶を作ること。保守的な車選びは井の中の蛙に過ぎず、貴方の車選びの世界観を小さなものにするばかりです。

 

色々なメーカーのクルマに乗り、時には国産車から飛び出して、輸入車で染まってみましょう。最高の車選びをするのであれば、怖がってはいけません。

 

大丈夫、失敗談は楽しい宴のツマミになる。新しい理解を得るために、一歩踏み出してみるのはいかがでしょうか。

 

結びの瞬景

Peugeot 5008 レッドナッパレザーのインテリア

 

ということで、元輸入車乗りからの輸入車推薦記事でした。写真は、Peugeot 5008 のレッドナッパバージョン。フランス人の造形力、恐ろしや。

 

輸入車には日本車に無い魅力がたっぷり。クルマに乗ることはとても楽しい事です。皆さんの車選びのエッセンスのひとつになったなら、この記事も本望と言えるでしょう。

 

かくいう私は、田舎暮らし用に購入予定の嫁さまカーの車選びにワクワクが始まっています。やっぱり EV が良いな、いや、もう少し待ちなんじゃないか、けれども燃料費が…と、古民家改装プランニング中にも関わらず心が穏やかではいられない。嫁さまの好きにしてあげるべきなのですが、ついつい口出ししそうで怖いです(笑)