【輸入車論】フランス車・イタリア車が導く「クルマ馬鹿」な価値ある世界

馬鹿と言われて良い気分になる人は稀でしょうが、「クルマ馬鹿」と言われれば話は違う。このキーワードはある意味で褒め言葉だし、勲章。クルマ馬鹿になりたい人は多いことでしょう。

 

クルマ馬鹿にも色々あります。沢山の車を買ってしまうような人、チューニングやカスタマイズを楽しむ人、ただ一つの愛車を長く乗り続ける人。しょっちゅう車を買い替える人も、クルマ馬鹿と言えるかもしれません。

 

その誉れな称号「クルマ馬鹿」を得るための、ひとつの解決策を見出したのでお話します。誰でも簡単にできてしまう方法、それは、「フランス車かイタリア車を一度乗ってみよう」です。

 

※今回の記事は、クルマ馬鹿を肯定的に連呼します。気にいらない方は早めにご退場ください。

 

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クルマ馬鹿を目指せ

意外と選びやすいイタフラ車

Peugeot 508 sport engineered

 

フランス車やイタリア車は、「イタフラ車」として一括りにされることも多いですね。私もここからは愛情込めて「イタフラ車」と呼んでいきます。

 

イタフラ車乗りの方々は懐が深いと決めつけて話しますが、ラテン民族の作る車というのは「趣味趣向が偏っていて」「製品品質よりも官能性能を優先する」「優れたデザインが自慢の」車です。つまりそれは、めちゃめちゃ美しくて楽しいけれども壊れやすい車を指します。

 

輸入車としては比較的安価な部類に入るため、我々一般庶民としても手に届きやすいし、車が趣味なんだと一目でわかるのもポイントです。ドイツ車のようにインテリ感が無いのも、選びやすいポイントですね。

 

メーカー 車種 金額
ルノー Twingo 250万円〜
プジョー 208 318万円〜
フィアット 500 262万円〜
ジープ Renegade 435万円〜

※ 2023年11月現在 各イタフラ車メーカーエントリーカー価格

 

楽しいクルマに乗りたい・・・クルマ馬鹿の耐え難い欲求

プジョー308SW のパノラマルーフ

 

イタフラ車がどうしてクルマ馬鹿への道筋を示してくれるのか。その理由は、面倒くさい思いをしても、楽しい車に乗りたい!という欲求に勝てない人たちが乗るから、と説きます。

 

普通の人達は、わざわざ苦労して車に乗ろうとは思いません。車は故障しないほうが良い、メンテナンス費は安いほうが良いんです。でも、イタフラ車乗りは違いますよね。ちょっとくらいのトラブルなんて、どうってことないというのが彼らです。むしろ、車が自分に「時間を割いてくれ!」とワガママを言っているようで、可愛いのです。時々イラッとはするんですが(笑)

 

でも、これこそがイタフラ車でクルマ馬鹿として辿り着いた境地の世界。さあ、貴方もイタフラ車に乗って、クルマぞっこんの生活を駆け抜けましょう!!

 

私は自称「クルマ馬鹿Lv1」である

Peugeot308SWと富士見町

 

私はフランス車 Peugeot 308SW(T9)に乗っていました。軽快なフィーリングを味わえるディーゼルエンジンは大好きだったし、大きなショックに深く沈み込むサスペンションは粋だったし、直進性能はピカイチだったし、何よりデザインの良い車。ナビ画面がつかなくなるとか、スピードセンサーが壊れるとかトラブルはしっかりありましたが、それ以上に愛せる車だったのは間違いありません。

 

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Peugeot 308 MonoColor

 

その経験のおかげか、日本車も面白そうな車を選びたくなっちゃいました。HONDA CIVIC e:HEV。車両の製品品質は少しあげ、ラゲッジ容量は犠牲にしながらも、走りの楽しさと低燃費の両立を楽しめちゃうフル4シーター(TypeR以外なら5人乗り!)街中ですれ違わない?良いんですよ!希少性も大歓迎です!

 

HONDA CIVIC e:HEV 改めて格好良いと言えるクーペボディ

 

ちょっと斜めな車選び、最高じゃないですか。フランス車に乗っていなければ、そして輸入車に乗っていなければ、アウトバックとかエスティマとかに乗っていたかも。娘とシビックを一緒に撮影するのが大好きな親馬鹿な私なんて「クルマ馬鹿Lv1」に過ぎませんが、皆さん今後もよろしくお願いします。

 

クルマ馬鹿になる為に選ぶべきはイタフラ車だ

イタリア車はクルマ官能病 クルマ馬鹿への直行便

Jeep レネゲード フロントマスク
レネゲードでクルマ馬鹿になるのなら、黄色が似合うクルマに、黄色の似合う人間として乗る、どのように乗るべきか考える・・・その、まったく意味のなさないことを熟考すること。クルマ馬鹿とはそういう人だ。

 

イタリア車ってのも良いですよね!フランス車よりもさらに洗練された楽しさを持っています。実用面は少し削がれてる・・・レネゲードは本格SUVスタイルのくせにファニーな丸目のオメメなので、インスタ映えを目指したい、オシャレ系クルマ馬鹿を目指したいが、後席は低くて狭くて使い辛い・・・けれども、独特の個性を味わってしまうと、これでいいよねって感覚になってきます。

 

ブログ仲間 アキタロさんの所有していた FIAT 500X SPORT は、加速の良さもさることながら官能的なエンジン音が頭脳を貫き、エンジン音だけで買いたくなりました。エンジン音だけで白米3倍いけちゃいます。アイドリングストップから復帰しないという致命的なエラーを吐きましたが、イグニッションキーをひねって再始動。日本車では絶対に許されないことを平気でやってしまうのですから、イタリア車は本当に陽気。エンジン音ウマウマ系クルマ馬鹿を目指しやすいですね。

 

FIAT500xと川崎工業地帯(殿町)
FIAT 500x でクルマ馬鹿になるのも気分が良さそうだ。小さいにも関わらず本物のスポーツカー顔負けの管楽器音を聞くことが出来る。走りの良さは路面を蹴る能力だけでなく、五感を使って楽しめることも必要なのだ。

 

ところで、イタリア車に乗った人は、どうしても車に「官能」を求めてしまうようです。言うなれば「クルマ官能病」。クルマ馬鹿末期かもしれません。アキタロさんはポルシェに乗り換えてしまいました。若いのにけしからん!と私に言わせた人生最初の人物になったのは、ここだけの秘密。はい、褒め言葉です(笑)

 

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FIAT500xと川崎工業地帯
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PORSHCE 718 Boxster GTS リア側の形状

 

フランス車でもクルマ馬鹿を目指せる 幸せな移動時間を得るために

プジョー 508SW ボンネット
Peugeot 508 は 1.6L プリンスエンジンが官能的。走りの良さはまといつつ、実用性をしっかりと作り込むのがプジョー流。その良し悪しを理解する為に、クルマ馬鹿は沢山のクルマと付き合い、自分と向き合うことが必要だ。

 

イタリア車ほど官能的ではありませんが、フランス車も魅力的。牙が生えたようなデザインのプジョーは、そのスポーティで躍動感あるスタイルからは想像のつかないユルユルでコシのある乗り心地で思わずギャップ萌え。クルマが好きで良かった!もっと走って楽しみ尽くそう!って言えるクルマです。噂によると、シトロエン車はもっとフワフワしているらしいじゃないですか。魔法のじゅうたんサスペンションは、タイヤを変えて更なるコンフォートを極めるクルマ馬鹿になれそうです。

 

ルノー・トゥインゴ
今思えば、私はトゥインゴの本当の価値をわかっていなかった。キャンバストップを全開にし、リアエンジンの音を楽しむ。イタフラ車のマナーを考慮することができなかったのだ。今更だがトゥインゴ沼に入りクルマ馬鹿になりたかった。

 

ルノーも良いですよね!カングーは語る必要はありませんが、トゥインゴのバウンドして走るようなルパン車的な動きも好きでしたし、ルーテシアのこれまた日本車では再現できないユルソリッドデザインも良い。イタフラ車は 200 万円台からでもクルマ馬鹿にしてしまう力を秘めています。デザインが洗練されているのも、ポイントです。

 

確かに日本車に比べれば品質では少しばかり劣りますが、それは日本車の品質が高すぎるだけなのかもしれません。でも、そこを我慢することができないのが、日本人。だからこそ、高品質なクルマづくりができるのは間違いないのですが・・・イタフラ車なんてとか輸入車なんてとか言う人を見ると、ちょっと我慢するだけで移動時間を幸せな時間に変えられるのにって、私は悲しくなってしまいますけどね。

 

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プジョー508SW フロント

 

クルマ馬鹿の底なし沼

FIAT500xのステアリング

 

そして、一度イタフラ車に乗ってしまうと、楽しいクルマや特徴のあるクルマにしか乗り継げない身体になってしまいます。人って、今まで培ってきた自分自身を捨てたくないと思うのは当然じゃないですか。そこには、いつの間にかイタリア車乗り・フランス車乗りというステータスが組み込まれることでしょう。

 

その自己流ステータスはまったくもって気持ちの問題なので良いのですが、クルマ選びにもそのステータスが現れます。今乗っているクルマよりも格好悪いとか、エンジン音が悪いとか、サスペンションが動かないとか、そういう逆方向なモノ選びって絶対にしたくない。だから、こだわったクルマ選びに邁進しちゃう。

 

これはもう、沼です。クルマ馬鹿の底なし沼。常に新しく激しいクルマに乗り換えたくなる沼。そしてこいつは、幸せの沼。私もその沼に足をつっこんだ一員。クルマ馬鹿として、ブログに車のことを書き続けちゃう系男子っていうわけです。あぁ、愛車のある生活って幸せですよねえ〜☆

 

イタリア車・フランス車以外のクルマ馬鹿直行便

ドイツ車でもクルマ馬鹿に成れるのか

ところで、ドイツ車はどうなんだよ?あれもクルマにお金をかけているお馬鹿さんじゃないかって言うかもしれないけれど、実際のところドイツ車購入っていうのは、高い性能を裏付ける金額、そしてステータスを買っています。メルセデス・ベンツだって、高く売れるから乗っている人というのも居る。だれもかれもがクルマ馬鹿では無いのですよね。

 

ただ、ドイツ車でクルマ馬鹿に挑戦するのも、なんだか斜めで面白いかも。堅物系に見られがちなドイツ勢ですが、ポルシェはもちろんエログルマの代表ですし、BMWはそもそもクルマ馬鹿でしょうし、フォルクスワーゲンも面白い車を作っています。アルテオンとか、シロッコとかね。

 

BMW 218i フロント

 

アルテオンの存在は面白いです。遊び人が転職したら賢者になっちゃったみたいな感じ(DQ3)で、真面目そうなバッチは付いているものの、ちょっとエロい雰囲気が漂っている。賢者の女の子の美貌が欲しいという不純な理由で遊び人を選びましたって感じで、ワーゲンの車としては異質。本質は真面目そうにパサートベース、我慢できずにシューティングブレイク!

 

パサートオールトラック サイドシルエット
こちらはアルテオンのベースになった、パサートのもう一つの派生のカタチ、パサートオールトラック。背の高いワゴンにハイパーなAWD。色々エロい。(撮影協力 10max さん)

 

アハハ、ドイツ車もクルマ馬鹿になれそうです。フランス車なら友達のセーブデータの僧侶を悟りの書を使って勝手に賢者にしちゃう(DQ3)でしょうし、そこまでヤンチャしたくないなら、ドイツ車で賢者系クルマ馬鹿も良いかもしれませんね!

 

日本にだってクルマ馬鹿は大勢居る

ZR-V と CIVIC e:HEVの兄弟が並ぶ
クルマ馬鹿は何を望む?例えば、エンジン音が大事であれば CIVIC と ZR-V この2台。やはりホンダ、日本車の中では群を抜いて気持ちの良いエンジン音を轟かせてくれる。(撮影協力 くるすぺ さん)

 

日本車だと、私の選んだシビックe:HEVも中々良いですが、同じホンダなら ZR-V も良いかもしれませんね。デザインにゾッコンとはなりませんが、性能オタクてきなスポーティカーをSUVで作っちゃったなんて、のび太の家をまるごとタイムマシンにしてしまったようなドッキリ感です。ホンダはプレリュードのコンセプトカーを発表しましたが、無事にエロリュードになってくれると良いですね。

 

あとはやっぱり、マツダですかね。レンジエクステンダーなんてやっていないで、ロータリー&ハイブリッドを作ってエロマックスにならないと。大丈夫、ちゃんとロードスターが居ることはわかっています。わかっているのですが、どうしても兄弟車のロータス・エリーゼのほうが格好良い。日本車らしく性能で格好良さを目指すなら、マツダはエロータリー一択でしょう。

 

フェアレディZ、GT-R、シビックType-R。このあたりはクルマ馬鹿のプロでしょう。なんの躊躇もなく、良いと思ったクルマにオーダーを入れるのです。クルマ馬鹿Lv5は突破しているに違いありません。でも、そんな人達が居るからこそ、Lv1の私はすこしホッとすることもあるんです。

 

私はクルマ馬鹿でいたい…価値ある世界で繋がろう

PORSHCE 718 Boxster GTS とブロガー達
ボクスターを眺め歩く、クルマ馬鹿の構図(笑)  ゴメンナサイm(_ _)m

 

そんなこんなでクルマ馬鹿になる話を続けましたが、本当にクルマ馬鹿には素晴らしい時が待っているの?という疑問はあるんじゃないかなと思います。

 

でもやっぱり、拡張していく趣味の世界は幸せなんじゃないかな。

 

クルマ馬鹿は幸せです。クルマ馬鹿が集まれば、同じ趣味の人が集まれば、そこには微笑みが生まれます。気が合う仲間が繋がれば、それは新しい人生の友人たちの集まりになる。小学生、中学生、高校生の友人とは離れ離れになってしまった。クルマ好きならクルマ馬鹿のグループ内で、幸せに語り合えれば自分の居場所を見つけられます。

 

クルマ馬鹿は洗車に苦労を覚えないでしょう。クルマが嫌いな人にとっては、洗車なんて苦痛です。洗車機に入れてワックス洗車を古いワックスの上にかけて、その時だけの艶々に満足しています。クルマ馬鹿は時間をかけて、我が子のように磨き上げる。好きなクルマを撫でる瞬間、やはり笑みが溢れるのです。

 

クルマ馬鹿は、当然ながら収入があります。しっかり働き、家族を支え会社を支え、税金を収めているからこそ、胸を張って「クルマ馬鹿」を名乗れるのです。自分を認め他人を認め、それぞれの生き方を認め合う。人生の一コマ一コマを繋いでゆくロードマップがしっかりと作られている「大人」です。

 

Peugeot 308 and 508 and 3008

FIAT500xと川崎工業地帯

2023秋 ブロガーミーティング

 

クルマ馬鹿は誇るべき勲章だ。クルマ馬鹿にこれから成る人、さらに先に進む人。皆で認め合い、励まし合い、己の趣味を貫くのです。価値がないとは言わせません。某クルマブロガーは、こう言いました。「クルマを買うということは、経済をまわすことだ。」と。

 

私も同調してしまいます。クルマを好きでいる限り、人と人とは繋がれる。モビリティは、出逢いを生む為に発展するのです。

 

クルマ馬鹿の誇りを胸に、胸を張ってクルマ馬鹿を続けようじゃありませんか。

 

結びの瞬景

Peugeot 5008 i-Cockpitロゴ

 

私はまだまだ未熟ですが、クルマのブログを続けて、クルマ好きの集まるカフェをつくる夢を叶えます。これもまた、クルマ馬鹿のひとつのカタチとして皆に認めてもらえれば幸い、かな?

 

オフ会ネタを小休憩して、今回はエッセイとしました。クルマ馬鹿の指標は特に無いけれど、他人が溜息をつくくらいにクルマに愛情を注いでいれば、クルマ馬鹿で良いでしょう。その根本は、クルマへの愛情ですし、自分へのご褒美です。誰も泣かさず、誰も貶めずにクルマ好きを貫けば、明るくクルマ馬鹿と言えるのではないでしょうか。

 

そのキッカケのひとつを、イタフラ車に乗ることだと言い放って、今回の幕引きとさせていただきます。