年号は特別なルールである。西洋に比べて比較的にホンワカ安定した時代を過ごした日本は、それぞれの時代の繁栄を願いながら新しい年号をつけてきた。時には永く栄え、時には不吉だからと、年号をすぐに切り替えた。
そして今は令和である。正直に言えば、受難の年号。コロナウイルスが続くことも厄介だし、隣国の理不尽な侵略もビックリだ。時代にこれほど嫌気を感じたことは、今までにあっただろうか?
しかしそれでも、私たちは消費を廻し世界を潤す。田舎探しが滞ろうが収入が下がろうが、それこそが世界の人々を豊かにし、人生を豊かにすると信じている!
令和4年 今こそ輸入車に乗り換えるべき
受難な年号「令和」と言いながら、困難の続く時代にどうして輸入車を買うんじゃい?と疑問に思う人は多いはず。贅沢じゃないか?ローンが支払いきれないんじゃないか?舶来品が日本の心に馴染めるワケがないじゃないか?などなど・・・心配をはじめたらキリがないが、収入が減っている人は多いだろうし、無理してでも買うべき!とは言い難い。
けれども、頑張って仕事をして、最寄り駅のバスロータリーで出迎えのクルマを眺めている時、もしも輸入車が迎えに来たら、なんだか明日も頑張っちゃおうという気分にならないか?
そう、ちょっと元気さが停滞気味な今だからこそ、将来を見据えて輸入車を選ぶ時なのではないか?と前向きに考えてみることをオススメしたい。絶対に幸せになれるから。
エネルギー問題を考えて輸入車まで視野を広げよう
例えば、エネルギー問題で輸入車を選ぶのもいいだろう。輸入車はガソリン車だけでなく、燃費が良くてパワーのあるディーゼル車や、600kmの航続距離を誇るEVを選ぶことができる。彼らは世界を相手に考えるから、色々なパワーソースが選べるのは強みだろう。欧州ディーゼルなんて、高速道路ならガソリン満タンで1000km走る。
もちろん、日本車メーカーは日本の道路事情がわかっているから、ストップアンドゴーに最適なハイブリッド車を日本で売る。それはそれで正義!なのだが、実のところ信号の出だしでプルンとエンジンを回してしまうハイブリッドカーもいるわけで、何だが勿体ないなと思ってしまう。EVなら、無駄にエンジンかけなくて済むのにね。
「日本にいるならハイブリッド車にしておけ」と言われてその通りにしながら我慢するのは、一旦終わりと考えよう。自分の意思は大事である。名前の残る戦国武将は、自分の考えをトコトン追求して己を鍛えた。自らの考えでパワーソースを選び、自らの考えるエコ運転をする(これ重要)。カッコいいし、満足感も高いんじゃないかな。

資源を大事に考えて長く愛せる輸入車に乗ろう
もうひとつ、こんな時期だからこそ検討したいのは、モノを長く使うという考え方だ。
戦争、紛争、人権侵害。世の中には様々なトラブルが渦巻いている。隣国の侵略戦争を見てもわかる通り、一定の国家は他国侵略を指示する姿勢を崩さない。つまり、資本主義国家(特に日本!)が思っている以上に、世界は分断されているのだ。すると、2050年までにCO2排出実質ゼロというものは夢物語になるかもしれない。達成したと言ったところで、それを信じれるかな・・・私はちょっと無理かもね。
そう、こんな不安定なご時世で、クルマ環境に一番良いのはどんな行動だろう?と考えてみよう。
私は、今ある資源を手元に置いておく事だ、と答えを出す。
クルマのボディを構成する素材、バッテリーに必要な希少金属。これらを手元に置いておき、できる限り再生する。フォルクスワーゲンはエンジンからEVモーターへ載せ替えることを事業化した。新車販売だけでなくても、新たな活用を見出せるかもしれない。代替え燃料が確立されればハイブリッド技術だってEVだって要らなくなる。
デザインの秀でた輸入車に乗ればいつまでも大事にできる

そして、長く使うのならば飽きないものを選ぶといい。輸入車は日本車に比べて特に、このポイントが長けているぞ。
例えば、私がもっともクルマに飽きない為に重要視するのが、日本車が全く敵わないデザイン力。ゴテゴテロボットデザインが日本人。最近、国産車も随分良くなってきたなと感じるけれど、まだまだ発展途中だよね。(それらメーカーを応援したいと言うのはわかるが、今回の趣旨とは離れてしまうので割愛します。)
輸入車のデザインの何処が良いのか?これは、飽きない造形美を把握して作っているからだ。私が所有していたボルボ V50も、V40も、Peugeot 308SW も、不思議な気品を持ち合わせていた。アクセントが強いかと言われればそうじゃなく、ボディに引かれた線の一本一本に意味があって、まるでミロのビーナスを所有しているかのような気分になる。それでいて自動車感はしっかりあって、安心して所有していられる名車達だ。
なにせ、中世の町並みを残し続けることのできている欧州人が作るのだ。飽きるようなデザインの世界はきっと飽き飽きするだろう。だから、欧州人のご先祖様は飽きのこないデザインの国を創り上げた。日本は災害が多い国土であるから、古いものは崩すしかなく、歴史的建造物を大切にしたくてもできなかった。仕方がないことなのだ。

令和4年 輸入車一問一答
小さくても楽しい輸入車はありますか?
あります。イタリアの小型車フィアット500、そいつをゴテゴテチューンしたアバルトは楽しい、はず(乗ってみたい)。車幅 1625mm x 車長 3660mm の車重 1120kg に、180psのエンジン。スペックだけ見てもスピンしそうで楽しい。
日本で一番航続距離の長いEVは輸入車って本当?
本当。日本産EVの先頭を突っ走るのは日産で、アリアが 470km走る。どっこい、アメリカテスラはmode3が 689km。日産、あともう少しだけ頑張っておくれ。素直に応援します。
輸入車にハイブリッドカーが少ないのは日本の技術が上だから?
まやかし。日本は将来はハイブリッドだと思って開発していた。輸入車勢は日本のハイブリッドには敵わないから、EVと環境ディーゼルで巻き返した。つまり、フィフティーフィフティー。日本のハイブリッド技術は凄いとは言いつつも、それはトヨタだけの話だと思う。
輸入車が高額な理由は?
最近はそれほど高額ではない。オプションパーツを都度都度輸入できないから、インポーターはオプションてんこ盛りで輸入する。大手インポーター・ヤナセのプレミアム戦略を、各インポーターが真似している。決してヤナセが悪いとは言っていない。カローラだって300万円の時代ですよ?フランス車は安めですよ?
ライオンのマークの輸入車はどこのメーカー?
プジョーというフランスの自動車会社。英語綴りはPeugeot。ペウゲオトではない。小規模だからって虐めないで。世界的には大規模なんだぞう。
駆け抜ける喜びはウソで金持ちの戯言?
乗ればわかる。乗らなければ己の器はその尺度でしか測れなくなる。

何故車好きは輸入車を選ぶのか
自己肯定感を得るために輸入車に乗る
それにしても、クルマという道具は大変高価な買い物だ。交通網の発達した日本では不要と唱える人もいる。事実、都心ではクルマがなくても生きていける。生活と切り離せない地域もあるが、なんとか皆んなが我慢をすれば、要らなくできる道具であると言い切れる。クルマが個人で持てなければ、公共交通は必ず発展する。モータリゼーションの起きる前の世界に戻るだけ。年号の歴史と並べてみれば、マイカー時代はほんとうに些細な時間なのです。
それでも、利便性と趣向性は別のものと考えないといけない。クルマには生活を便利にする役目がある一方で、趣味のひとつとして楽しむ人も多いのだ。
人は自分が頑張った分だけご褒美が欲しいもの。地位だとか給料だとかボーナスだとか、旅行だとか美容室だとか、とにかくご褒美がなければ人生やっていられない。自分の欲求を満たしてくれる何かがあるから、辛かろうが何だろうが頑張れる。趣味というのは、そういう自己肯定の延長線上にあると言っても良いだろう。
良い輸入車=良い役者
そして、車が好きな人にとっては、輸入車の所有感は素晴らしい。
今の輸入車は個性を作る時代になった。メーカーとしての方向性に、車ごとの性格をミックスし、鍛え上げて昇華する。「ステアリングを握ったときの剛性感」なんて一昔前の褒め言葉だ。多様性が浸透する現代においては、良いもの感を出すための基本的な性能は最低ラインで、そこからあえてダルくしたり、エンジン音を増やしたり、良い車を演じるようになったと感じる。
すっぴんでも美味しいたこ焼きを作りつつ、絶品のソースをかけるような感じだろうか?
あまり街なかで見ないことも相まって、自分だけが知っている良い車だと信じてしまうようになる。これはとってもハッピーだ。好きな役者を応援しているような気持ちになる。輸入車は高いかもしれないけれど、その分の追加料金は人生を豊かにするために支払うものと考えよう。

輸入車を知るから 日本車を知ることができる
日本車は確かに良い。安くって高性能。ハイブリッドカーは燃費が良いし、ゴミ袋フックなんて気の利いた装備もある。軽自動車なんて、小さいくせにリムジン並みにスペースがあって・・・輸入車にはとうてい真似のできない性能だ。
でも、何だかこれって貧相なんじゃないかと思ってしまう。チビリチビリと舐める酒のように、ある一点だけが旨いだけ。細かいことを積み上げて研ぎ澄ましていく日本人だから仕方がないけど、総合的に良いというところまで持ってこれないのが日本車なのだ。仮に、軽自動車の後席にリムジンシートを積んでくれたら、私は大絶賛すると思う。「良いもの感」と「こだわり感」のミックスがあと少し醸し出されれば良いのにな。
いや・・・日本車を全てディスろうというわけじゃない。輸入車に乗ったるから、日本車の良いところもわかるのだ。ハイブリッド・クラウンなんて機械の構造も伝統的デザインも、日本の誇るDセグメントカーって言っても良い。マツダ3のサイドビューのダイナミックな造形美、総合力も半端ない。日本車を正しく評価できるようになる、これも輸入車に乗ったからこそだ。
ただ、これらの良いクルマというのはそれなりの対価を支払う必要があるわけで、じゃあ同じお金を出すのであれば、輸入車まで選択肢を広げようぜとオススメしたい。沢山ある選択肢の中から、目を見開いて自分に合った最高の車を見つけて欲しい。その満足感は至福である。
輸入車に乗ろう
クルマに乗る理由は、人それぞれ。生活に欠かせない人もいれば、ファッションとして乗る人もいる。だから、お金をどれくらい支払うかも人それぞれだし、自由で良いと思う。納得できるクルマを買えばよいだけだ。
人によっては周りの目が気になる場合もある。贅沢なものというレッテルは根深く、対外的にリッチな印象になってしまう。だから、ドイツ御三家はどうしても購入できないという人もいるだろう。欲しいけれど買いづらいから、ちょっと良い国産車で我慢しようという人もいるかもしれない。
しかし、幸いなことにドイツ車以外にも良い輸入車は増えてきた。そのどれもが個性的で、きっと貴方を幸せにしてくれることは間違いない。そして、エンジンを選んだりデザインを楽しんだり、長く持ち続けることで道具への愛着を貫くという意思表示も輸入車であればできるのだ。
さあ、輸入車を買おうか買うまいか悩んでいるそこの貴方、仲間はたくさん居る。ぜひ、今年こそ輸入車に乗ろう。貴方のがんばった証を、最高の道具として向かい入れようじゃないか。