まこまちの自動車選びは、プジョーからルノーへ移動。お目当てのクルマへの行手を遮る刺客が登場する!
閑話 ルノーメガーヌという寄り道
キャンバストップの天井から、クリスマスツリーの頭が出ていたお客様がいらっしゃいまして!と言うセールスレディ。
まったく、ルノーのセールスは話がうまい。車の魅力の中に、ディーラーやセールスの魅力も含まれている事を良く理解している。
思わず叫びたくなるカッコ良さ
ルノーに来るのは2回目だ。
1回目は単純にトゥインゴをブログの記事として書きたかったから。土地さえあればトゥインゴは欲しいけれど、都心付近でマンションに住む私には二台持ちは敵わぬ望みだ。
月極駐車場は13,000円。土地が欲しいなあ。
今回は、ベニヤ板の乗るクルマを見学に来た。ルノーで言えば、カングーだ。
お店に着いた時、担当のセールスは納車の説明中。約束の時間に来たのだが、前のお客さんの対応が長引いているようだ。仕方がないので、クルマを見て回る。
カングーが目の前にあるのだが、どうしても目を背けることのできない、魅力的な1台がそこにあった。
ルノー メガーヌ。
実用という言葉の存在を問う。
魅惑の根源はイエロー。人の心の奥底を揺さぶるグラマス。
ジャングルの鮮やかな爬虫類は、危険を冒してでも触れたくなる。
目的を忘れそうになる
ルノーメガーヌがそこにいた。左のカングー 、奥のトゥインゴは目に入らない。さすがの存在感。ルノーの中央で仁王立ち。
レカロシートが装着され、乗り込んでみると意外なほどに快適だ。ドアをあけると、センターディスプレイにアナログ時計が映し出される。シンプルなコックピット。そぎ落としたという言葉がぴったりだ。
けれどもやはり、メガーヌはエクステリアが美しい。グレープフルーツが輝いたように見えるボディは、後輪が踏ん張るようなデザインだ。その理由は「4CONTROLL」。ハンドリングレスポンスを大幅に上げる、4輪操舵システムの搭載を物語っていた。
おっと。あやまってメガーヌに試乗するところであった。
第3章 ルノーカングー 実は玄人向け実用車
力量を試すニクいやつ
ルノーというメーカーは、なかなか面白い。
小型でキュートなトゥインゴ、コンパクトのルーテシア、仕事クルマのカングーに、走りクルマのメガーヌ。本国ではもう少しバリエーションがあるようだが、車種がとても少ない。
それでいて日産自動車を配下に収められるほどの実績を持つ。
つまり、モデルの少なさ=開発費の圧縮だ。その分、一台一台を丁寧に設計する。カングーなんて、日本のユーザー要望が最優先だと言う。
したたかなCSや経営判断が、ルノーを強い企業へと押し上げているのだ。
メガーヌからあえて離れて、カングーを見る。試しにベニヤ板が乗るか試してみたが、長さ方向で工夫が必要だった。斜めにすれば入る。なんとか、セーフ。それにしてもキュートだ。独特の世界観に引き込まれるが、嫁さまは相当気に入ったようだ。
嫁さまは、私よりもインスピレーションで物を選ぶ。
物の良し悪しは歴史まで考慮に入れた上で、製品として1点だけでも気に入る要素があれば、他が平均点でも許してしまう。
その許し方は、ネガティブに理由をつけてポジティブに変えるほどだ。
だから、1点でもケチが着くと冷めるのも早い。ボルボを手放したいという気持ちは、年末の騒動からすれば当然だった。
思いも寄らない大情報
ペラペラのリア扉も、不要な後席3座シートも、スルリスルリと許してしまう。嫁さまが気にいるのなら、カングーでも良いかな、なんて、人の良い私はうなずいてしまう。(なんてね)
オーバーヘッドコンソール、面白い。
意外と座り心地の良いリアシート、面白い。
殺風景な運転席、価格から考えれば、良い。センターコンソールにはカッティングシートでも貼ろうか。
4つのドアウインドウはしっかり全て開く。いままであり得ないほどの開放感。
私もだんだんと、ワクワクしてきた。
けれども、時間はどんどんと過ぎていき、セールスさんはいったいどうしたのかと心配になりはじめる。すると、なかなか対応できる時間がなくて申し訳ないと、他のセールスが現れた。
試乗と見積もりを担当してくれるという。出かける前に、カングーの説明を聞いた。やはり指名買いが多いらしい。
燃費、相応。ラゲッジルームはカスタマイズする事がお客様が多いという事。バックモニターは社外製のルームミラー兼用タイプがお薦めだということ。これもなかなか、面白い。
なかなか気に入ってきたカングー 。イエローがいい色ですね、という私に、セールス氏は言った。
2年で”色あせ”するんです。
いきなりのショックが私達夫婦を襲う。
ーーーつづくーーー