コスパで選んで後悔した人へ送る失敗しない車選び

Volkswagen ゴルフのフルモデルチェンジ、新型 Peugeot 308 発表など、にわかにCセグメントカーが賑わいを見せている。「背の低いクルマクラブ(標準車高支部)」に所属している私としては、Cセグメントが活気づくのは大歓迎。競争の激しいCセグは、良い車のユートピア。次のクルマを選ぼうなら、やはりこの中から選びたい。

 

そのCセグメントには今や日本車も参加する。トヨタ・カローラ、マツダ・3、この夏はホンダ・シビックが注目を浴びる。これらは欧州車をとことん意識し、今や負けない性能を持っている。すると、人々はこれらの車を選ぶことを迷いに迷うに違いなく、時には自分の考えたもと違うと泣き叫び、時にはあの車にしておけばよかったそうだこんな車とはオサラバだ人生にオサラバだと開き直って電柱に正面からブツケてしまう不幸を呼び起こす可能性すら、競争社会にはあり得るのだ。

 

ならば私はブロガーとして昔の失敗をさらけ出し、不幸になる人を少しでも助けたい。あまねく因果の特異点にはならずとも、情報で手助けできるのがブロガー業。今日も皆さんに楽しい不幸話をお届けします(^^)なんのこっちゃ〜

(※注意 本記事に出てくる団体名は、すべて実在しておりません。自動車メーカー、自転車メーカは除く。)

 

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【失敗事例】エスクードはカタログスペックの良いクルマ

いつでも 全高 1,400mm 主義な私。けれども、いちど背の高いクルマに乗ったことがあります。スズキのクロカン、エスクード。二人目の子供が産まれるというので、手狭になることがわかっていたレガシィB4を泣く泣く手放し、積載性能の高いクルマを選んだ。子育てと言えばミニバンだが、クルマ好きならミニバンはありえないと硬派宣言。だけど、20代はお金がない。

 

そこでコスパを重視で車選びは必然だったが、こいつが大間違い。チャイルド・シートへの子供の乗せやすさ、乳母車を解体せずにラゲッジに乗せられる積載性能を重視してのエスクードは車高が高く、背の低い家内の腰を玉砕します。

 

さらに、大好きな高速クルーズは非力過ぎて時速100km/hの維持ができず、最大の魅力だったFRベースAWDも活かせないなど走りの面で踏んだり蹴ったり。当時のエスクードのスペックを御覧ください。

 

項目 スペック
全幅 x 全長 x 全高 1810 x 4420 x 1695(mm)
車両重量 1620(kg)
AWD FRベースフルタイム式(副変速機つき)
サスペンション 前ストラット/後マルチリンク
エンジン 2.0L 直4 145ps/193Nm

 

対抗馬として選んでいたスバル・フォレスターでも良かったけれど、モデル末期で興味薄。AWDはFFベースのトルクスプリット型だし、同じ価格ならFRベースのAWDに興味が湧く。子供を事故から守るなら全幅 1,800mm も魅力的・・・などとカタログ・スペックに理由をつけて車選びをしてしまい、挙句の果てには「高速道路もきっと大丈夫」とわけのわからぬ根拠で選んでしまいました。

 

敗因は、最大の目的である「大人2名+ちびっこ2名+乳母車を積載しながら、楽しいドライブ旅行をする。」にケチがついてしまったこと。家内が子供を乗せにくいなと感じそうな車高の高さを見抜けずに、レガシィを失う悲しみの中、ローコストの中でできるだけ良い車を選ぼうとカタログ・スペックに目を奪われたことが間違いだった。そして、諦めきれない「高速道路を快適に走る車」。

 

そもそも、200Nm も無いトルクで 1620kg のボディを、しかも 4AT で走らせられるわけがない。そこ、見抜けよという話。でも、クルマを買う経験自体が少なかったわけだから、間違いは起こすこともある。ちなみに、エスクードはその後のマイナーチェンジで2Lエンジンは幕引き。私が日本車不信にる原因はここにあった・・・街中では問題なかったんですけどね。

 

LEGCY B4とぷすぷす
レガシィ時代は、乳母車(ぷすぷす)は分割して上の籠を助手席に置いていた。トーションビーム式サスペンションの乳母車は乗り心地がよく、人に当たられてもサイズが大きいので被害は最小限。

 

【成功事例】幸せなカーライフを過ごせるキーワードを用意する

エスクードを半年で手放し、お金を貯めるためにクルマ無しで人生を放浪する我々夫婦。その時の様子を次のように振り返ります。

 

家内    次のクルマをすぐに選びたいのなら売っちゃえと言ったのは私です。えぇ、出産費は健康保険で賄えますが、生活費は賄えません。そもそもクルマで旅行なんて0才児がいたらできないんだし、お宮参りが終わったらしばらくは外に出ませんからね。

まこまち  今でもエスクード事件の事は後ろめたい。けれども、この経験から欧州車を選ぶようになったし、今のブログにもつながるのだから、あながち間違えではなかったのかもしれません。

家内    いやあ、貯金を切り崩してクルマ買ったんだから、痛かったよぉ

まこまち  ごめんね、ごめんねー(汗)

家内    もう怒ってないよ(笑)その分しっかり働いてくれているしね!

 

天使のような家内のフォローもあり、その後の車選びは慎重にしよう、後悔しないクルマ選びをしようということになって、話し合いの結果「生活スタイル」と「自分の心に正直になる」ことを重視するようになりました。

 

  • 乳母車が乗るスペースがあることを大前提 → ラゲッジルームの広いクルマ
  • 私も家内も運転する → 全幅 1800 mm
  • いつかは6気筒!マルチシリンダー! → それまでは魅力的なエンジンのクルマ
  • 個性的なデザインが好き → 欧州車(日本車ごめんね)

 

クルマを選ぶ時に重視するべき「幸せなカーライフを過ごせるキーワード」を作っておく。ポイントは、自分の心に嘘をつかないこと。価格の縛りがあるとしたなら、譲れないポイントをひとつ入れておくのです。上記では、「ラゲッジルームの広いクルマ」「全幅1800mm」は生活スタイル。当時の私の車選びのマストではありません。「魅力的なエンジン」「個性的なデザイン」が私の譲らないキーワード。

 

「これだけは守ってクルマを選ぶぞ!」と決めておけば、万が一選んだクルマがライフスタイルを壊したとしても、自分の好きで選んだ車だから仕方がないって諦めることも簡単。そしてこれらキーワードを作っておくと、お目当てのクルマが出た時に「ピン」と来る。あなたのインスピレーションに組み込まれるんです。

 

弊害を強いて言えば、好きを詰め込めば車両価格は高くなるけど、その分長く乗ればよいのです(^^)。どうしても2台で迷うなら、その時は値引きやリセールで決めてもよし。私の場合は、荷物が沢山積めて、楽しいエンジンが載っていて、個性的なデザインのクルマに乗っていればそれで良い。もう車選びでは悩まない。その後の愛車は順風満帆♪

 

車種 短評
VOLVO V50 乳母車を2分割して積載。直列5気筒エンジンの独特のサウンドは特別感があり、ヨーロピアンデザインは唯一無二感が素晴らしい。
VOLVO V40 乳母車はもういらない→ハッチバックの中では広めの積載性能は便利。トルク400Nmはこれだけで大満足(笑)。デザインは世界一じゃろ。
Peugeot 308SW DIYを思い出してやっぱりワゴン。奥行き1800mmを重要視。1.5LディーゼルはV40での苦行だったカーブが楽だしバランス最高エンジン音最高♪硬派+柔らかさを兼ね備えるデザインは最高ですね!

 

VOLVO V40と紅葉アゼレアライン
愛車で行く紅葉ドライブは、鉄道では味わえない魅力的なコンテンツ。写真は、2019年秋に信州アゼレアラインで撮影。紅葉に埋没しないボルボのパッションレッドは美しい。

 

 

失敗したと思う人は愛情の深い人だと思う(私見)

誰しも買い物には失敗をしたくない。しかし出費さえ覚悟すれば、車は実は失敗しても良い商品。お金で買えるものだし、売ることもできる無機物なのだから、気兼ねなく試してみるのもありと言える。経験を重ねると考えれば、失敗はあながち間違いではない。

 

けれども、困ったことに無機物に愛情をかけてしまう人だっている。私も「クルマ愛情協会」の一員だから、ついつい「愛車」だなんて言ってしまう。これからの生活の計画に組み込んだり、自分に似合うか、カッコすぎやしないかと外出時の装いを決めるかのように悩んだり、愛犬のように名前をつけてしまったり。でも、これも間違いではない、間違いとは言わせない。

 

ぬいぐるみだとか、お気に入りのマクラだとか、人は愛着をもつ生き物。

 

愛着は、自分の人生に組み込まれる、身体の一部のようなものだから、クルマにも愛着を持って良い。自分だけでなく、友達や親類、家族との楽しい思い出をたくさん残してくれるクルマなら、なおのことだ。今はSNSで仲間を増やせる。人の営みは社会性があってのもの。モノだけでは達成しえない、かけがえのないコトを大事にしたいのが人間なのだ。

 

ツイッターアンケート クルマ選びで後悔したことはありますか?

  • ない 62%
  • 軽く後悔した 37%
  • 後悔して落ち込んだ 2%
  • 後悔し過ぎて車嫌いになった事がある 0%

※ 2021年8月29日 ツイッターアカウント @makomach で1日間実施(公開当初は1時間での集計)

 

上のデータを見て欲しい。沢山の人が、車選びで後悔したことがあるんだって。「コストパフォーマンス」は無視したアンケートだけど、失敗してしまうこと誰にでもあるのです。私も「後悔して落ち込んだ」に一票だしね(^^;)その後「幸せなカーライフを過ごせるキーワード」を実践して VOLVO 〜 Peugeot と欧州車に3回乗り継いだけど、ここのところ後悔したことはありません。幸せキーワード戦略は大成功と言えるだろう。

 

惚れた相手をお金で買える、素晴らしい世界が愛車の世界。だからこそ、車選びは失敗せぬよう慎重にしてほしい。ぜひ、愛車選びのキーワードを考えて。「モノ」と「コト」に拘りたい monogress からのメッセージです。

 

Peugeot308SW と タイレルIVE と BROMPTON
Peugeot 308SW / Tyrell IVE / BROMPTON 。どれも悩んで悩んで手に入れた。どれも手にした時の喜びを今もしっかりと覚えている。もっと沢山、いろいろなところを走り回りたいぞ!

 

おまけ(きっかけ)

先日読んだベストカーウェブ版にあった記事にハテナがついた。トヨタ・カローラスポーツはとてもコスト・パフォーマンスが良いと説明する記事。日本のCセグメントはシビックもマツダ3も300万円を超えてしまったが、カローラスポーツはハイブリッドを積んでいても200万円台だと力説・・・なのだが、あまりにもコスパばかりを重視していて、実力が霞んでしまっている内容だ。

 

1.5VTECやSKYACTIVE Xが300万円超え。たしかにハイブリッド搭載はお値ごろ感が高く見える。カローラスポーツは世界のCセグメントと渡り合える実力はあると思うし、記事中でもそのようにしっかり捉えられているんだけど、コスパコスパ言われると、なんだか複雑な心境になる。安物を買っているように感じなくもないのです。それに、最終的に比べるのは一番安価な 1.2L 直噴ターボだし。

 

「あなたの愛犬、コスパ高いね!」とか言われたら、嫌じゃない?

 

カローラの1.2Lターボが200万円超えと思う方もいると思いますが、今や軽ワゴンでも200万円超えのモデルが存在する時代です。1.2Lの排気量とはいえ、4気筒直噴ターボということを考慮すれば十分以上にコストパフォーマンスを感じます。

しかもこの直噴ターボの指定燃料はレギュラーガソリンとなります。

出典:ベストカー 費用対効果はCセグHB最強!! カローラスポーツがクラストップで居続ける理由とその実力

 

その記事に、ブログでお付き合いのある「attract car」さんがTwitterでコメントをしていました。(ツイッター内でのお名前です。)

 

 

まったくそのとおりだと、私も自分の意見をぶつけます。「コスパだけでクルマを選ぶと、絶対に後悔する!」(ツイッターでは文字入力を誤っている笑)これで共感を得られてスッキリ!なんて思っていたら、想像と違う返信が来てしまいました。あれれれ!?

 

 

Attract carさんを敵に回そうというつもりは、さらさらありませんからね!Prius-newsというブログを執筆されている Attract carさん。女の子のイラストが可愛くて、よいよい。

Attractive Car - 気になる車

 

それにしても、人々の思うことは多種多様。コストパフォーマンスを重視する人、しない人、バランスをとる人。いろいろな人がいるわけで。私が失敗したと叫んでしまったスズキ・エスクードにしたって、人によっては十分すぎる性能だよお前の目は節穴かと評価する人もいるはず。

 

コスパのことで言えば、ブランド費やデザイン費、目に見えない足回りの性能とか、スペック表ではわからないことも多いもの。専門家でないとわからないことも多いのです。だからこそ、私はやっぱり「コスパだけでクルマを選んではいけないぞ!」と強く言いたいところです(^^)