【車は奥深く罪深い】乗り心地の悪い車を選ばない為の3か条

最近、移住する為の引っ越しで色々な車に乗りました。レンタカーで荷物を運ぶこと3週間、いつもは乗れない車に触れられて、疲れつつもハッピーでした(笑)そして、改めて シビック e:HEV に乗ってみて、やはり次元が違うのだなとウンウンと首を縦に振ろうとしたわけですが。

 

なんだか、自信を持って縦に振り切れない。さまざまなモヤモヤが心を曇らせます。車の良さってなんだろう、スポーツだけが車なのか?荷物が運べることが幸せなのか?乗り心地って一言でいっても、本質なんか解っていないんじゃないだろうか?

 

そもそも、カタログに書かれない「乗り心地」って、実は車のトータルバランスの集大成なんじゃないの? ということで、このモヤモヤを打ち消すために色々調べ、車の奥深く罪深いところをつついて纏めるのが、今回のコラムの趣旨になります(笑)

 

(自動車評論家でも何でもない車スキスキブロガーの考えた3箇条ですが、すぐに答えを知りたい方は目次から該当タイトルへジャンプしてくださいね。)

 

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色々な車の経験から 再び疑問に思った「乗り心地」

2tショートレンタカー

 

そのキッカケは、レンタカーで借りたトヨタ・ハイエースバン。いやあ、驚かされました。(写真は日野の2tショート。ハイエース撮影し忘れた・・)

 

まこまち  何だこのしっとり感・・・欲しくなっちゃうじゃないか・・!

 

隅から隅まで荷物を乗せて重量級マッチョボディと化したハイエースの乗り心地たるや、まるでバスのよう。沢山の荷物を乗せることに特化した車だからと簡単に言おうと思えば言えるのですが、計算高いというかアザトイというか、さすがトヨタと言いたくなる車。

 

そもそも、私はトヨタ車の足回りについては結構辛口なもので、いつものお家芸「サスペンション相変わらずブルブルじゃねーか」を体感することを覚悟していたのですが、その期待を大きく裏切って良好な乗り心地に思わずビックリ。

 

日産サクラのリア

 

また、嫁さま用に購入した日産サクラ。こいつもこいつで良くできた車で、EV化に伴うベース車(デイズ)+200kg の重量ハンデを味方につけ、ひび割れた田舎道をシビックよりも快適に走り去る。軽自動車だけでなく日本車としても珍しい、サスペンションのストロークを感じることができる車に仕上がっていたんです。

 

嫁さま   燃費も良くて力持ちで良い車選んじゃったかも♪

 

自分の車選びのセンスの良さにルンルン気分の嫁さま、ニコニコご満悦なのは悪くないが・・・

 

車の乗り心地を良くする為に知っておきたいこと

Peugeot 308SW でドライブ 奈良井宿

 

私としたら、少し引っかかる。乗り心地が良いって何だろう。嫁さまが乗り心地の良い車に出会えたのは偶然だろうか。

 

誰も彼もが、沢山の車に乗って車選びの経験を積むわけでは無い。でも、皆んな高いお金を支払うのだから、満足したいはずなのです。ところが、カタログスペックでは乗り心地は表れない。乗り心地の印象のお陰で愛車になるか納車されてすぐに嫌いになってしまうか、結構死活問題だったりするのにです。

 

ならば、車の乗り心地についてしっかりとした知識を持っておけば、誰にでも乗り心地の評価ができるのか? このような観点で、ちょっと気になる車の乗り心地に関することを調べて見ました。

 

それっGoogleさんで検索・検索〜っと☆

 

CIVIC e:HEV の前でポージング

(教育番組のお姉さん的な感じで想像よろしくネ)

 

サスペンションの硬さを決めるスプリングのバネレート

タイヤとボディとをつなぐ「サスペンション」。その大きな役割は、ボディを揺らさないことと、タイヤをしっかり路面につけること。サスペンションの無い車は、乗り心地が悪く操作もし辛いものになってしまいますね。

 

サスペンションに巻き付いているスプリングは、「バネレート」と言われる数値で性能が表されています。例えば、10kg/mm と表記されているスプリングに 50kg の力がかかれば 5mm 縮みます。性能数値が大きければ、サスペンションが縮みにくい車になる、つまり、乗り心地の硬い車になる、ということですね。

 

ショックアブソーバーのストローク量も大事だ

ただ、スプリングは柔らかければ良いというものでもなく、柔らかければ柔らかい分だけ、ストローク量を確保しなくてはなりませんね。これはショックアブソーバーの上下できる長さで決まります。

 

日本車は、このストローク量が比較的少ないらしいです。なんとなくですが深くロールするような動きを日本人は望まないでしょうし、日本の道路事情はかなり良いでしょうから、国の事情に合わせたといえばそのとおりなのですけどね。

 

スプリングには縮んだ後に戻ろうとするまでの時間というパラメータがある

マツダ3のフロントサスペンション

 

固有振動数」という性能があって、バネが縮んでからもとに戻ろうとする為の「速さ」を表しています。固有振動数が高いと素早く反発し、固有振動数が低いと反発がゆっくりになる、感覚的には、固有振動数が低いと乗り心地が良くなるそうです。低反発マクラみたいなもの?

 

しかし、これらサスペンションの性能値は、カタログに記載されていません。自分好みにカスタマイズすれば良いったって、もともとのバネレートや固有振動数がわからなければ、選びようがないじゃないかと。それとも、純正に比べて硬い・柔らかいの表記をで理解できるものなのでしょうか。

 

「高速道路向け」だとか「8人乗ったときに最もパフォーマンスが良い」だとか「一人乗りが最高」だとか、わかりやすい指標がカタログに書いてあれば良いのになあ。ここ、全自動車メーカーの課題ですよね。

 

サスペンションの仕様だけでは乗り心地は測れない

車が一筋縄じゃないなぁと思うのが、各パーツの微妙な位置関係。世の中に沢山の車があって、それぞれ乗り心地が全く違うのは、自動車メーカーやパーツ開発会社が、最高のパフォーマンスを得られるようにと切磋琢磨しているから。だから、定石もあれば、信じられない方法もある。

 

プジョーやマツダがCセグメントカーのリアサスペンションをトーションビームにしたのは、価格と性能のバランスが良かったから。マルチリンクだから、ダブルウィッシュボーンだから素晴らしいとは言えないのが、乗り心地の世界です。(トーションの悪いクセまでかき消すことはできませんが・・・)

 

そういえば、プジョー 308SW は走れば走るほどサスペンションの動きが良くなってきて面白かった。10,000km くらいでもまだまだ変化していた。セリカも売却直前は柔らかい足回りに変化していました。全ての車がそうと言えるかは微妙ですが、車の乗り心地は変化することを考えに含んだほうが良さそうです。

 

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プジョー トーションビーム記事タイトル絵

 

タイヤの性能も結構重要 交換ひとつで乗り心地が変わる

CIVIC と 娘ちゃん(赤ニット)タイヤにグッドマーク

 

標準でついてくるタイヤは、自動車メーカーの都合によるオーダーに基づいてタイヤメーカーが製造しています。今のトレンドは、燃費重視や耐摩耗性重視なところでしょうか。結構昔から言われていることですよね。

 

スタッドレスタイヤにすると乗り心地が良くなったと感じるときは、まさにコレ。タイヤ交換はチューニングの一種として捉えることもできるのですが、純正タイヤが摩耗するまではもったいないと感じてしまいます。タイヤ販売店にすぐに売ってしまうのも手ですがね・・・

 

そういえば、車ってグレード毎にタイヤサイズ変えてきますよね。試乗できないグレードがあって困ることがあるんですよね。

 

シートの性能も影響 乗り心地が良いと感じる車のシートの特徴は?

ボルボのシートは良かったですね。卵の殻に包まれたような、背中から頭部までを最適な形状で支えてくれました。どこかに強い力がかかるわけではなく、均一な力で支えてくれる。シビックも結構頑張っていて、およそボルボに近づいて来ていると思っています。

 

ちなみに私が「嫌いな」シートは、ヘッドレストの位置が適正でないシートです。頭をヘッドレストにつけると、ヘッドアップしてしまうシートはNG。安い車は、けっこうみんなコレです。結局はお金のかけ方なのかな。

 

車の乗り心地は表現できるか できないか

性能ひとつひとつ見ていくと大多数の人は理解できない

VOLVO V40 大町にて

 

というところで色々調べてはみましたが、もしこれらの性能が数値で並んでいたとしても、乗ってみなければ理解できないのでしょうね。バネの性能なんて車重とも関わるから、同じバネレートでも軽自動車とミニバンとでは意味が変わってしまう。パーツの価格も当然、違うことでしょう。

 

消費者に見せないほうが良いパラメータもあるんだよって事なのかもしれません。やっぱり車の世界は奥深いなあと思いますね。エンジニアの皆様、いつも楽しい車を開発してくれてありがとうございます。

 

しかしね・・・2番目に高い買い物と言われている自動車です。消耗品だとはいえ、一度買えば3年、5年、下手すれば10年乗るのが車です。詳細な情報が欠落しているカタログって、どうなんでしょうね。

 

おかげで、車ブロガーとか自動車評論家という家業が成り立つとも言えるのですが・・・過剰な優しさは不要なものの、もう少しわかりやすく・・・例えば、同じ自動車メーカー内の車で、この車の乗り心地はこの辺りですよ〜みたいな表現があっても良いと思うんですよ。

 

試しに車のキャラクターと乗り心地を図にあらわしてみた

 

愛車の乗り心地評価グラフ

 

過去の愛車のキャラクター性、そして乗り心地を表すグラフを作ってみました。各メーカーが各車種・各速度域なんかで乗り心地の比較表を作ってくれたら、消費者はわかりやすいだろうなあと思います。

 

(SUBARU IMPRESSA STi は 2000年頃のモデル/TOYOTA CELICAはZZT231/HONDA CIVICは2023年 e:HEV モデル/Peugeot 308SW は T9 Allureグレード/SUBARU REGACYは2004年頃のモデル/VOLVO V40は2016年頃のモデル/VOLVO V50は2008年頃のモデル/NISSAN SAKURAは2024年モデル/TOYOTA CROWN COMFORTはタクシー)

 

ちなみに、車の価格帯的には参考として乗せたインプレッサとクラウンコンフォート以外は、200万円〜400万円のレンジです。セリカやレガシィが200万円台、サクラはぎりぎり300万円。いやあ、車って高価になりましたよね(笑)

 

乗り心地の悪い車を選ばない為の3か条

ZR-V と CIVIC e:HEVの兄弟が並ぶ

 

つらつら書いてきましたが、そろそろまとめないと。

 

結論、将来カタログに性能数値が記載され、比較検討しやすくすることを望みますが、現状は難しい。そこで、ある程度知識を持ちなごらも、要点を押さえて試乗すべきである。

 

と言う事で、今回得た知識を踏まえて車選びに不満の残らない3箇条を考えました。

 

試乗車とタイヤサイズが異なる車をオーダーするのは要注意

試乗車はオプションてんこ盛りのフルスペック最高グレードモデルを用意しますが、できれば自分で購入する希望グレードに試乗したいですね。タイヤサイズが違うのにサスペンションチューニングは一緒、なんていう車は沢山ありますから。

 

セールスさんはよく、「タイヤサイズ(ホイールサイズ)が小さくなるので乗り心地が良くなります」なんて言うけれど、私はこれは半分信じて、半分疑っています。これは価格の同じタイヤでのことであって、車のグレードが下がる→ホイールサイズが小さくなる なら、必然的にタイヤのグレードも下がっているはず。

 

もっとも使うシチュエーションに合わせて試乗する

いつもと同じ道路、いつもと同じ人数で試乗するのが吉。高速道路を良く使うのなら、試乗させてもらうのも良いですね。スプリングのバネレート、ストローク量が適正であるかは、乗って確かめるのが良いでしょう。

 

試乗するときってお父さんが一人でディーラーに行って決めてしまうことも多いけれど、スポーツカーならそれで良いけれどミニバンは家族みんなで決めたいですよね。まあ、そうするとお父さんの希望の車が買えなくなってしまう場合があるのですが(笑)数値化できない、「スタイル」というパラメータもありますからねぇ〜

 

シートの骨格の良さ、シートアレンジ、後席の乗り心地など、家族全員でじっくり見て感じて、首を縦に振る良い車を選びましょうネ。

 

試乗車の走行距離には注意 できれば 2,000km 以上走行した試乗車に乗ろう

走行距離の極端に少ない車は、乗り心地が硬いです。機械的な馴染が進んでいない為で、だいたい 1,000km は走りきった試乗車で評価したいところ。欲を言えば 2,000km。どんなに工作技術が進んだとしても、慣らし運転は必要なんですよね。

 

逆に、試乗車は乗り心地良かったのに納車された新車は乗り心地悪いって感じるのは、正しい感覚です。2,000 km くらいドライブすれば、だんだんと馴染んできますよ。

 

車の奥深さと罪深さ

2023秋 ブロガーミーティング

 

新車選びでウキウキしている試乗の時、車の乗り心地はついつい見逃してしまいそうになるけれど、しっかり吟味したいものです。

 

雑誌の試乗記事でも「今までより」とか「クラスを超えた」とか曖昧な意見が多いけれど、これらは参考意見。自分の身体で感じたことを信じて、それを補う程度に雑誌の受け売りを吸収するのが良いと思います。

 

さあ、最後に「車の奥深さと罪深さ」を公開します!

 

【車の乗り心地の奥深さと罪深さ】

車の乗り心地の良さはシチュエーション毎で様々であり、完璧と言うものが無いところが罪深い。だからこそ、カタログに比較資料を掲載できないのであろう。しかし、自動車メーカーのセンスと自分の好みのマッチングは、自分自身で決められるもの。様々な乗り心地の奥深さを堪能しつつ、自分の好きな車を選ぶことが大切である。

 

ひとつの回答にアクティブサスペンションがあるけれど、高価な分やっぱり罪深い。車は本当に恨めしくも楽しい世界ですよ(笑)