今敢えて外車で選ぶステーションワゴンその意味を考える

ステーションワゴンの人気が薄れて数年、国産ステーションワゴンを選びたい人は、苦難の時代を迎えている。

 

車種は随分と絞られてしまい、「この中から選んでください」と言うような状態では、沢山あるSUVから選びたくなるのも仕方がありません。

 

しかし、それは間違い。輸入車にまで目を向ければ、きっとあなたにピッタリのステーションワゴンが見つかるはず。

 

今回は、ワゴン不人気時代において敢えてステーションワゴンを選ぶ意味を考えるとともに、輸入ステーションワゴンとしておすすめの プジョー 308SW と ボルボV60 を紹介します。

 

VOLVO and PEUGEOT

 

ステーションワゴンはどんな車?

SUVにもミニバンにもないステーションワゴンの魅力とは

そもそも、ステーションワゴンとは何でしょう?

 

  • セダンのリアを広げて荷物を多く積めるようにしたクルマ
  • 商用車やバンを綺麗に整い直したクルマ

 

こういうイメージを持っている人には、ステーションワゴンの魅力はわからない。乗用車と同じように走りや乗り心地を追求でき、買い物にもレジャーにも役立つ大きな荷室があるクルマ、これがステーションワゴンの魅力の基本です。

 

ワゴン SUV ミニバン
・乗り心地がセダンなみ

・車高が低くスポーティ

・フル乗車しても荷物が積める

・車高が高く見晴らしが良い

・悪路やオフロードに強い

・ほどほどに荷物が積める

・広く快適

・ユティリティの高さは魅力

・燃費が悪い

 

とはいっても、荷物の積載性ではやはり、ミニバンには劣ってしまう。乗り心地はSUVとは好みの差。車高の高さというのは運転のしやすさにも繋がるから、ワゴンが秀でているわけでもない。

 

そんな状況の中で、敢えてステーションワゴンを選ぶ事の意味、いったいなんでしょう?

 

peugeot 308sw リア

 

積載性と走行性能のバランスの良さ

絶対的に勝るのは、走行性能。

 

輸入車には多くのモデルが存在するステーションワゴン。日本で少なくなったのは、日本のクルマ社会では必要とされることが少なくなったから。海外に目を向ければ、ステーションワゴンはまだまだ活躍する場面が多いのです。

 

その代表的なものは「バカンス」。海外には、長期休暇を別荘で過ごす文化があります。長期休暇だから、着替えや食料(たぶん、現地調達が多いだろうけど)やら遊具など、たくさんの荷物を積む必要があるわけ。

 

そして家族全員で移動して休暇を楽しむ!ここで鍵になってくるのが、人が満載、荷物が満載の状態での高速走行。輸入ステーションワゴンは、荷物満載での高速走行が得意なクルマが多いのはこのためだ。

 

高速道路 一般道
フランス 130 km/h 90 km/h
イタリア 130 km/h 90 km/h
ドイツ 130 km/h 100 km/h
スウェーデン 110 km/h 100 km/h
日本 100 km/h 60 km/h

 

上の表は各国の最高速度をまとめたものですが、これを見ると一目瞭然。日本の最高速度は随分低い。

 

輸入ステーションワゴンは基本的に、荷物満載の状態で最高速度 130 km/h で走行しても、しっかり走ることのできる実力を持っている。ステアリングを握るとわかるが、日本の高速道路で 100 km/h を出した時の安心感は、別格です。

 

日本の、とくにミニバンになると、日本の道路事情だけしか考えられていないクルマが多い。100 km/h での走行は可能ではあるけれど、安定性はステーションワゴンに比べれば、イマイチと言うしかありません。

 

peugeot 308SW ラゲッジ用マット

 

スポンサーリンク

ステーションワゴンとの能力差

安全性に不安を残すミニバン勢

もちろん人によっては、「ミニバンでも 130 km/h くらい出せる」という人もいるでしょう。それは間違いではないけれど、安全性への意識が低いとしか言いようがありません。

 

乗りやすさ、疲れにくさに配慮されて、ゆるゆるのステアリングフィールが与えられたミニバンは、走行性能の限界をつかみにくい。前面投影面積が大きくて空気抵抗もたくさん受け、SUVやステーションワゴンよりも明らかに条件の悪いミニバンで、無理に100 km/h 超えの走行を続けると、どうなるかな?

 

いきなりの突風、いきなりの路面抵抗の変化に対応できず、ふらついてしまう。場合によってはスピン、そして横転。載せていた道具どころか、大事な家族の命だって奪ってしまう可能性も。

 

オーバーだというなかれ。確かに和製ミニバンでもしっかり走るクルマはあるかもしれない。けれど、大きな空気抵抗を絶えず受けているのは間違いないし、それを小さなタイヤで頑張って耐えているんです。限界性能に近づいていることには変わりないんだ。

 

高速道路を走る

 

抵抗値で見るミニバンとワゴン

なら、ステーションワゴンとミニバンとでは、どれほど空気抵抗に差があるのか。簡単な計算で求めてみます。比較はイメージがわかりやすい、日産セレナとカローラツーリングのハイブリッドモデルで対比。

セレナ カローラツーリング
1.695 m 1.745 m
高さ※ 1.705 m 1.330 m
前面投影面積 2.889 m2 2.320 m2

※ 高さは、主要諸元表の「全高」ー「最低地上高」です。この表ではタイヤの前面投影面積は加味されていません。

 

実際にはここに、CD値というのも加味されるけど今回は割愛。しかし代表的なミニバンとワゴンとでは、空気抵抗ですでに 1.24 倍程度の差があることがわかるでしょう。CD値を入れれば、この差はさらに大きくなる。

 

さらに。

 

セレナ カローラツーリング
車両重量 1660 kg 1390 kg

 

タイヤの転がり抵抗は「タイヤの転がり抵抗係数」×「車両重量」×「重力加速度」だけど、転がり抵抗と重力加速度は同じ数値としたとしても、車両重量から加味すると約1.2倍の転がり抵抗をミニバンは受けている。

 

カローラのフロントマスク

 

そして。

 

空気抵抗
時速 100 km/h 10,000
時速 120 km/h 14,400

 

空気抵抗は時速の2乗に比例する。上の表のとおり、時速 100 km から 120 km にあがるだけで、空気抵抗は約1.4倍に膨らむ。

 

早くなればなるほど、空気抵抗は大きくなる。もともとミニバンが大きな抵抗を受けながら走っているなか、この追加パンチはキツイものがありますよね。

 

ミニバンの代表格であるセレナと、和製ワゴンの代表格であるカローラツーリングを比べてみれば、カローラツーリングが時速 120 km/h で走行するのと、セレナが時速 100 km/h で走行するときのクルマが受けている抵抗は同じくらいだと言えるのです。

 

(単純計算です。勾配抵抗や加速抵抗は同じとしています。)

 

箱型大型もお金を出せばよいのだが

だから、高速道路の安定した乗り心地をミニバンで楽しみたいと言うのであれば、しっかりと高速走行が加味されているゴルフシャランやメルセデスベンツ・V-Classを選ぶべき。

 

けれども、日本のミニバンに比べれば高額になってしまうし、日本人の大好きなゴージャス風インテリアでもなくなってしまう。大きい箱にはそれなりの価格がかかるという事実を、日本人は忘れてしまっている。

 

箱型というだけで燃費が悪くなるのも事実。少なくとも4名乗車以下であれば、ステーションワゴンのほうが燃費がよく、快適。

 

高速走行での家族の安全性を考えれば、和製ミニバンではなくステーションワゴンを選ぶべきなのです。

 

イベント写真 家族

 

多彩なバリエーションのSUVは魅力的

だったら、SUVはどうなのか、となります。室内の広さ、荷物の積載性。ステーションワゴンとミニバンのイイトコドリができるSUVは、その割合も含めて様々なバリエーションの中から選ぶことができる。

 

たしかに、世界的にも「旬」な乗り物であることは間違いありません。

 

ミニバンで指摘した安全性も、日本メーカーのものでも海外輸出モデルも多いことから心配は少ない。ライバルが多く商品力を高めないと勝てないから、優秀なクルマが多いのも事実です。

 

多くのSUVが発表され、タフさを求めたい人にぴったりなSUV(ランクルとか)や、快適な乗用車を目指すSUV(ハリアーとか)など、沢山の人の要求に応えられる。これもSUVの強み。SUVが良い人、どうぞお好きなのを選んでください(^^)

 

SUVは重さと燃費が課題

しかし、ボディが大きいのでどうしても燃費が悪くなってしまう。レジャーになんてあまりいかず、街中を走るだけのSUVに乗っているとするのなら、エネルギーを無駄に消耗しているに過ぎません。

 

また、車高が高くてホイールベースがミニバンよりも短めのSUVは、ピッチングが起きやすい(前後方向の揺れ)。タイヤが大きくて乗り心地が良さそうに見えるけれど、実際ステーションワゴンには敵わないし、その大きなタイヤは交換費用がかさみます。

 

SUV自体はカッコいいことは間違いないけど、フォーマルにも使えるステーション・ワゴンのデザインと比べれば、少しヤンチャな雰囲気になってしまうのも若干残念なポイントです。

 

そう、やっぱりステーションワゴンを選ぶべきなんです。ミニバンにも、SUVにもない、ワゴンならではの良いところは沢山ある!ここから先、私の惚れたステーション・ワゴン 2台 でワゴンの良いところを解説いたします。

 

・・・どうしてもSUVがいいんじゃーという方は、Peugeot 3008 とか、VOLVO XC40 をオススメ。見事にピッチングが抑えられていて、正直ステーションワゴンと迷うSUVであることには間違いない。悔しいけどね。

 

プジョー3008 フロント

まこまちオススメ!ステーションワゴン

大人のステーションワゴン VOLVO V60

ボルボV60。先に言っておきます。ボルボ自慢の安全性能について、ここでアレコレ言うつもりはありません。

 

衝突安全性だけでなく、予防安全にもこだわりを見せ、ぶつかりにくく、ぶつかっても命を最大努力で守る。ボルボユーザーに支持されているこのスタンスは、ボルボを買えば当然ついてくるものだから。

 

安全性能はサラッと流すようにしか主張しない。安全性能?当然最高のものがついてるよ?という自信に溢れた笑みは、ボルボでしか手に入らない唯一無二なもの。

 

ボルボV60

 

それでいて、ワゴン作りに妥協していないから困ったものです(笑)

 

気持ちのいいインテリアはドライバーにもパッセンジャーにも心地よく、これまた世界一とうたわれているシートの良さ、とりわけドライバーズシートの出来の良さと言ったら、別売りしてほしいくらいなのである。

 

着座姿勢は低めで、前をしっかり見る感じ。ラフに乗らない分正しい姿勢に収まるから、疲れにくいし安全性も高い。ボルボは日本にワゴン文化を持ち込んだ立役者であり、カタログに乗らない設計がホントに上手い。

 

クルマの基本は抑えつつも、縦長センターディスプレイで未来感はしっかり演出。少しコンサバな印象はあるものの、そこは北欧インテリアのセンスの良さを光らすための演出に過ぎない。

 

エクステリアを見てみれば、FFとは思えないスタイリングはメルセデスやBMWに勝るとも劣らない出来である。このお金の掛け方によって価格が上がったのは残念ではあるのだが、モノの良さは随分良くなり、先代V60には無かった濃厚さを味わうことができるのです。

 

ボルボ納車式

 

そして、特筆すべきは「走り」。

 

ワイドトレッド&マルチリンクサスペンションは、クルマの揺れを少なくするのに一役かっていて、低い着座位置も相まって身体への負担が大変すくなく、上質だ。

 

エンジンは 2 リッターらしいフィールを味わいつつも、3.5L エンジン並のパワーを誇る。おかげで 1,700 kg に近い車重のわりに身のこなしは軽やかで、フル乗車+フル荷物でも重さを感じることは皆無です。

 

ボディの後半が大きいにもかかわらず、それを感じさせないボディ設計はステーションワゴンならではの特筆モノ。FFの特性を生かしたドッシリ安定高速ドライブも頼もしい。

 

ボルボ納車式

 

さて、ボルボに乗ることで得られるのは、家族、乗る人を心の底から守りたい人だという、優しい人だというステータス。車はもちろん、良いものに乗りたい。けれども少しだけ、家族のためにお金を割こう。そういう印象を与えられる車。これがボルボです。

 

ついでに言えば、これらは当然のことなので、オーナーはわざわざ口には出しません。そのジェントルさもまた、ボルボ乗りのステータスだと言えるでしょう。

 

ミニバンの中で子供を立たせて、はしゃがせている人には解らないでしょうけれど、ね(^。^)

 

軽快オシャレフランスワゴン Peugeot 308SW

もう一台はプジョー308SW。とにかく、輸入車ではお買い得なプライス設定なのがプジョーです。ボルボ V60 とは車格が違うとはいえ、マイナス 150 万円 で購入できるワゴンとしては一級品。そう、価格帯としては和製ワゴンと競合することが多いハズ。

 

しかし、性能には妥協が無くて、むしろ和製ワゴンにもっと頑張れと言いたいくらい。

 

エクステリアの品質は上級ワゴンに劣らない、何層にも塗られたような輝きを持つ。サイドウインドウ、とくにラゲッジ部のウインドウの形状は美しく、人を魅了するような伸びやかさ、アーチの末端を描いたあとに少しキックアップする処理の上手さは、508SWにも受け継がれているフランスワゴンの特徴のひとつです。

 

プジョー308SW 夕日写真

 

インテリアは価格相応ではあるものの、形の工夫で安っぽさを感じさせない作り込み。i-Cockpit と言われる独特なコックピット形状は運転の疲労を軽減するし、ドアのグリップも程よい場所にあり使いやすい。

 

アルカンターラがあしらわれ、美しいステッチに彩られたシートは見た目だけでなく機能もよく、座面が長くてサポート性の高い形のおかげで、やはり疲労は少ないし、コーナーでも身体をあずけやすい。雑誌を見れば、ボルボに次いで良いと言われているだけはあります。

 

V60 も負けてしまう(かもしれない)リアスペースの作り込みは、308 からホイールベースを 110 cm 伸ばした影響もあって快適性が高くなっている。ライバルであるゴルフ・ヴァリアントと比べても、シアターレイアウトで居住性を高めた 308SW は一枚上手。

 

Peugeot 308SW Cockpit Photo

 

そして驚くのは、走行性能。

 

全長 4,600 mm x 全幅 1,805 mm の大きめボディを 1,320 kg〜 という車両重量に抑え込み、3種類のエンジンで様々な性格を与えられ、一般道から高速道路まで軽快に走らせる。

 

小排気量をグイグイ回して、軽やかスポーティ気分を楽しめる 1.2L 3気筒ガソリンエンジン(130ps/230Nm)、モアパワーと高燃費の両立を計った 1.5L 4気筒ディーゼルエンジン(130ps/300Nm)、爆速パワフル高燃費とイイトコドリの 2L 4気筒ディーゼルエンジン( 177ps/400Nm)と、環境と楽しさを両立するところも素敵。

 

このエンジンの性格を後押しするのが、快適性の高い「猫脚」サスペンション。前輪はストラット、後輪はトーションビームとオーソドックスではあるけど、巧みな設計とKYBショックアブソーバーを組み合わせることで、現代の猫脚を上手に表現。ふわっと浮いて、すっと着地するように感じる乗り心地は、猫脚という言葉に頷いてしまうのだ。

 

高速道路を安定感高くまっすぐ走る気持ちよさは、日本車から乗り換えるとビックリするだろう。荷物を積んでの旅行が愉しくなる、バカンス・エクスプレス・ワゴンなのであ〜る。

 

プジョー308SW と箱根長尾峠

 

ラテンの入ったエクステリア、ハイセンスなインテリアは、人を変える力がある。例えば私は 308SW を購入して、クルマに似合うようにと服を買い直してしまった(笑)。それほど人の心に響いてしまうのがフランス車。

 

ハッチゲートを開けて、ワンタッチボタンでリアシートを倒して、ちょうどいい高さのラゲッジスペースへガンガン荷物を積んでしまうステーションワゴンとしての使い勝手も、人の生活スタイルを変えてしまいそうな魅力がある。

 

日本でもない、ドイツでもない、異国を感じることができるフランス車、そしてプジョー。人とは少し違う人生を歩みたい、スパイスがほしい、という人にうってつけなクルマなのです。

 

100 km/h 制限撤廃を見据えて

近年、新規格の高速道路では 120 km/h 走行を許可しようとする動きが出ている。段階的に速度を引き上げ、事故率などから最終的な答えをだすようです。

 

仮に 120 km/h で走れるようになったとして、ミニバンもSUVも空気抵抗が高くなり、安定性も燃費も悪くなってしまう。

 

快適に人が移動できて、沢山の荷物を積むことができるクルマ。それが、ステーション・ワゴン。さらに、輸入ステーション・ワゴンであれば、日本にいながらにして海外の空気を感じることもできます。

 

輸入車は高い?イエイエ!性能に見合った価格であることは間違いありません。ステーション・ワゴンの良さをしっかり認識した上で、良いクルマ選びをしましょうね!

 

輸入ステーションワゴンの良さをオサライ

最後に、輸入ステーションワゴンの良さをまとめます。

 

  • セダンやスポーツカーを追従する走行性能
  • ミニバンやSUVには負けない空力特性
  • 低い着座位置ならではの正しい姿勢は疲労が少ない
  • 背が低いことによる乗り心地の良さ
  • 伸びやかで大人っぽくフォーマルにも使えるエクステリア・デザイン
  • 古くからのクルマを感じさせるインテリア・デザイン
  • 低いラゲッジによる荷物の積載性の良さ
  • 日本車が真似できない安全性の高さ(6エアバッグが標準だったり)
  • 輸入車ならではの国外を感じさせる空気

 

などなど。他、メチャメチャカッコいい★とかもそうかも。

 

ミニバンやSUVを選ぼうというあなた、輸入ステーションワゴンというカテゴリーがあることを忘れないでくださいね。きっと新しい自分を見つけることができるでしょう。

 

それでは今日はこのへんで!

スポンサー・広告