娘ちゃんの自動車選びは、試乗を繰り返す車選びの修行真っ最中。車ブロガーの子供として生まれた運命、恨んでくれるなよ…!
ホンダフィット e:HEV BlackStyle を試乗し、乗り味もスタイルも気に入った、と言ったところで、それが真実なのか見極めなければならないのが、プロの自動車エラバーだ。次は日産に向かい、ノートのe-Powerを体感!と意気揚々と向かった私たちは、ブログ記事のタイトルにもならない体験をするのでした。
娘ちゃんの自動車選び 日産ノート e-Power
チープ過ぎる?ノートのインテリア

顔つきがマイナーチェンジでスッキリして、万人受けな姿になった日産ノート。モデルサイクル的にも新めなノートは、私自身がレンタカーで借りた時に好印象だった一台でした。サクラの乗り心地に太鼓判な我が家にとっては、結構期待をしていたり。
ところが…試乗車に乗り込んで真っ先に感じたのは、インテリアのチープ具合。造形こそ凝っているけれど、営業車ではないかと思わせる素材の質の低さで、写真に撮るのも躊躇うほど。
車を選ぶ時はインテリアを大事に。これはセオリー。理由は、車と付き合う時に一番目にするところだから。Bセグメントカーに何を求めているんだって言われるかもしれないが、車はお金を支払って手に入れるもの。中途半端な製品にされても困るんだ。
とは言え、娘ちゃん的にはインテリアはそんなに問題にはしないらしい。私の決めては、走りやすさだと言い切った。うんうん、たくましくなってきたね。
ノートは商品力が弱くないかい?
娘ちゃん 乗り心地が悪い…
まこまち どんなふうに悪い?
娘ちゃん グニャグニャと言うか、フワフワと言うか。私はフィットみたいなキビキビが良いなあ。
まこまち ふむふむ…ノートはコンフォート方面なのかもね。
娘ちゃん パパの選ぶ車に慣れてるのかも。
まこまち まあ、確かにしっかり系が多いかな。
どうやら娘は、足周りの好みは父親譲りらしい。つまり、こだわりを感じるセッティング系が好みと言える。ただ、私としては「フィットが欲しくて、印象を引っ張られているかも。」と想像をした。しかし…良い悪いで言えば、このノートは確かに悪い。そもそも、助手席にシートリフターが無い。これが試乗車?
ディーラーに戻り、商談開始。あいにく担当セールスさんは留守で、店長が対応してくれた。
まこまち ハイブリッドの四駆を探しています。日産はプロパイロットがあるし、自動ブレーキは初心者には心強い装備だと思っていますよ。
日産店長 ありがとうございます。ノートは初心者には最適ですね。ハイブリッドの四駆は日産くらいしかありませんし、オススメですよ。
まこまち (…?)グレードとか、価格はどうですか?
日産店長 グレードは一つしかないんです。でも、安く設定してるのでお買い得ですよ。258万円です。
これは確かに安い。mazda2程度の価格でハイブリッドが手に入るわけだ。内装がチープでも仕方がないなと思った矢先。
嫁さま 安全装備は標準装備ですか?
日産店長 どれくらいの安全装備を?
まこまち 高速道路の移動を考えれば、レーンキープやACC、ブラインドスポットインフォメーションは欲しいですね。
すると、店長はやりにくそうに…
日産店長 プロパイロットのオプションになるのですが、プラス46万円です。
夫婦 …は?
日産ノートはあっけなく、候補から脱落。日産さん、ライバル車を研究しようよ。今やインテリアはきらびやかで、安全装備は標準の世界だぞ…
(なお、四駆のハイブリッドは日産だけ、と言うのは、どうやら後輪をモーターで稼働する、という意味だったらしい。)
娘ちゃんの自動車選び マツダCX-3
こんなマツダディーラーあるの?

これではあまりにも比較にならない、という事で、私はすぐにマツダへアポイント。実は、私はマツダが嫌いだ。いや、正確には「マツダディーラーが嫌い」である。なぜならば、神奈川県の●●ニュータウンにあるマツダディーラーと●●街道近くのマツダディーラーで、塩対応をされたから。
Peugeot 308SWからの乗り換えの時、密かにCX-60の直列6気筒ディーゼルを狙っていたのだが、ホンダディーラーに先に試乗予約を入れて、すぐにシビックを気に入ってしまった。神奈川県の某マツダディーラーが塩対応をしていなければ、私は今やマツダオーナーだったかもしれないのでした。
嫁さま 前に車見に行ったら、建物に入れてくれなかったよね(笑)
というくらいに、嫁さまも含めてマツダには諦めの言葉しか出ない、まこまち一家。しかし、車は良いものを作るのは、オフ会でわかっている…電話をしてみるとコールを待たずに「はい、マツダです。」急な試乗予約にも関わらず、アッサリオーケー。あれ、こんなマツダさん、あるの?
高級感漂うラウンジに通されたまこまち一家。まずは店長が来て、丁寧にご挨拶。その後、ドリンクのオーダーの中にパンプキン・ミルクラテ。え?なになに、ここはカフェなの?
出されたコーヒーは大変美味しく、嫁さまもご満悦。聞けば、お菓子も手作りだとか。おいおい、こんな素晴らしいディーラーがあるのなら、早く言ってくれよ!とツッコミを入れたくなる。
そこへ現れたのは、店長よりも年上と見られるセールス氏。しかし、その対応はあまりにも美しいぞ?
凄腕セールス氏登場!プロの中のプロは娘ちゃんをマツダ車へ誘う
まこまち 娘の車を探しています。まだ免許とりたてですので、運転のしやすい四駆が無いかと。マツダさんでは、mazda2かCX-3あたりかな?と思い、見にきました。
セールス様 かしこまりました。どちらも試乗車がありますので、用意させますね。
ここらは、凄かった。凄腕営業だった。車に対する質問は、私ではなく一貫して娘に質問する。私の子供扱いではなく、あくまで大人の一人として娘から希望を聞く。今まで乗ってきた試乗車と、その印象を引き出しては、その車の良し悪しと特徴をわかりやすく説明した。
セールス様 フィットはどの辺りをお気に入りになられていますか?
娘ちゃん あのぅ…クロスターというモデルがエクステリアが好みで、黒いアクセントが好きなんです。
セールス様 そうですね。フィットクロスターは大変よく出来た車で、フィットの視界の良さを犠牲にせずに、エクステリアで上手に差別化しています。ハイブリッドに乗りましたか?
娘ちゃん そのぅ…クロスターはお店になくて、BlackStyleのハイブリッドに乗りましたが、加速がスムーズと言うのか…
セールス様 フィットのハイブリッドは、エンジンと独立してモーターだけで走りますからね。マツダは実は、ハイブリッドではかないません。
そういうと、セールスさんは後ろを振り向き、ピカピカに光るCX-3に視線を促す。
セールス様 マツダの良いところは、運転のしやすさです。どうぞご体感ください。
そう言って、娘を大変エレガントに試乗車へいざなった。他者を認めた上で自分をアピール…このセールスさん、強者だぞ!
「運転が上手くなった気がする」マジか!

セールス様 まず、ドライビングポジションですが、アクセルはオルガン式となっています。アクセルに足をつけてみてください。
言われるがままにアクセルに足を乗せる、娘ちゃん。
セールス様 今まで乗ってきた車よりも、右側にあると思います。身体が真っ直ぐに向くように、アクセルの位置と形を工夫しているのです。その為に、前輪も少し前に出しているんですよ。
娘ちゃん へぇ…
セールス様 前輪を出したぶん、ボンネットが大きくなってしまいました。スタイルとの兼ね合いとも言えるのですが、フィットやノートに比べると、扱いにくい印象がありますよね。
娘ちゃん はい…
セールス様 でも大丈夫です。このスイッチを押すと、フロントに着いたカメラで左右が見えるんです。
まこまち おぉ…
おっと、私が感心してしまった。しかし、安全装備や予防安全の思想が凄いなあ。
セールス様 では走らせてみましょう…実は、マツダの車はたくさんの運転支援で走りやすくなっています。例えば、あのカーブはアクセルを緩めずに曲ってください。
娘ちゃん …あ、あれ?簡単に曲がれた?運転が上手くなった!?
セールス様 マツダのGベクタリングコントロールという機能で、カーブを曲がりやすくしているのです。
まこまち え、どういうことですか?
セールス様 カーブに差し掛かる前に、車が自動的にエンジン出力を落とすんです。
まこまち あー、前輪に荷重をかける姿勢制御を車がするのか…!
セールス様 よくご存知ですね。お父さんは運転がお上手なのですね?
まこまち いやいやぃゃぃゃ。。。。
とにかくそつなく、的確なセールス様の機能説明、そして明らかに安定感のある走行は、なるほど、マツダ車の素晴らしさを娘にすり込むには充分だった。
CX-3 ダークホースの誕生だ

ディーラーへ帰ってきて、満足そうな笑みを浮かべてCX-3を見る娘ちゃん。
まこまち どうだった?
娘ちゃん うん、中古車ショーで見た印象よりも運転しやすくて、これはこれで良いなって感じだった。
まこまち フィットとどっちが良い?
娘ちゃん うーん、わからないなあ。実際にクロスター乗ったわけじゃないし。マツダは悪くないし、むしろ良いんだけど、どっちが良いかは私にはわからないよ。
凄腕のセールスさん(以前はホテルマンだったらしい)の作ってくれた見積もりは、特別仕様車のURBAN DRESSAR。美しいインテリアにシートヒーターまで着いて…見積もり上はフィット e:HEV BlackStyleと同程度。そこから、端数を切るよと13万円の値引きがついた。
嫁さま 思ったよりも良かったねえ
まこまち ダークホースの誕生だね。コーヒーも美味しいし。
嫁さま コーヒーで決めちゃダメだ(笑)
試乗中、ディーラーで待っていた嫁さまへは、店長が雑談で応対していてくれたらしい。営業力の高いマツダ、あるんですね〜。娘ちゃんは、1日3回の試乗にお疲れの様子。しかし、車は決めなくてはならない。さあ、困ったぞ。
マツダ CX-3 試乗の印象
娘ちゃん マツダの車はフロントの窓が狭くて、走りにくそうな印象でしたが、意外と見やすくて問題にはなりませんでした。それに、ヘッドアップディスプレイは前だけに集中出来て、これも走り易さの理由のひとつだったかも。シートは座りやすいし、乗り心地もキビキビめで良かった。ハイブリッドじゃないのは、クロスターとの価格差を考えれば、諦めは着くと思います。
運転のしやすさは、CX-3が一番です。しかし、フィットのカジュアルな感じも捨てがたい。どうすれば良いのか、わからない…
ただ、ボディの色はグレー系よりもパステルが好き。マツダの赤は、ちょっと好きになれない。だって、マツダマツダしすぎているんだもの。
まこまち 助手席に座っていても、車の安定した挙動はよくわかる。ハイブリッドが無いのはCX-3の欠点はだけど、ハイブリッドやEVほどのアクセルレスポンスは、むしろ初心者には不要なのかも。グレードを落としてディーゼルを選んでも、フィットクロスターと価格的にはドロー。燃料費はディーゼルの勝ち。重量バランス的にディーゼルはオススメしないけれど、選択肢とした残せるのは美点。
アクセル位置はわからなくはない。男性には刺さる。女性には刺さらないかな。スカートで乗るんだし。特別仕様車は、娘ちゃんじゃなく私に刺さった(笑)あれは、いいぞぅ。
というところで、感覚的にはディーラーの印象はマツダの勝ち、車は僅差でホンダの勝ち。一人では決められないと泣きが入ったところで、我が家は家族会議に向かうのである!
購入予測
ホンダ フィットブラックスタイル 40%
ホンダ フィットクロスター 30%
マツダ CX-3アーバンドレッサー 30%