ドライブの中の楽しみは、子供の頃はサービスエリアや観光名所を巡ること。運転できない子供としたら当然のことで、ついでに温泉宿にでも泊まって欲しいと思ったものだ。
それでも、運転席と助手席の間から見える前景は楽しくて、シートベルトの規制の緩い1980年代、私は姉と一緒に後部座席から前を見ていた。いつか、自分でもハンドルを握りたい。そんな希望があったから、18歳には免許をとった。
自分でクルマを操作して、見える景色の素晴らしさ。横に愛する人を乗せ、映画のように同じ景色に驚き、笑う。ドライブの醍醐味は、クルマが走る時間とともに生まれるのだ。
中央道諏訪南インター
中央自動車道 諏訪南インターで降りる。早朝ドライブの始まりだ。
標高の高さもあってか、雲は手の届くところを流れているよう。ときより青い空が見えて、あまり雲が厚くないのがわかった。いい写真がとれそうだと期待する。
街の様相をみせる諏訪と違い、諏訪南はひっそりと静まり返る。間違えて降りてしまった人はビックリするかもしれない。いや、諏訪って良いところだねって思うかも?
ただ、走っても走っても諏訪湖が見えない。ナビの到着時間も大幅に増えるだろうから、やっぱり焦ってしまうかも。
ETCゲートをくぐったら交差点を白樺湖方面へ。ビーナスラインに行く人にはお馴染みかもしれない。
右奥には「ハルピンラーメン」の看板が。言わずとしれた諏訪市のソウルフードである。ピリ辛の縮れ麺は病みつきになり、いまでは我が家も、わざわざ食べるためだけに諏訪に行くようになってしまった。
不意に窓をあける家内。私もつられて、窓を開ける。少し湿った、気持ちのいい空気が入ってくる。
八ヶ岳ズームライン
家内 このお店は良いところにあるね
まこまち でも、インター降りたばかりだと通過しちゃうからなあ。
家内 それもそうね(^^)
ナビゲーションをビーナスラインにセットすると、この交差点は左に曲がれと騒いでくるから、無視しよう。原村・ドライブは寄り道にこそ意味があるぞ。
真っ直ぐに伸びる道。まだ少し重ための雲。目の前に広がる山々を見て、車内には歓喜の声があがる。
この時点で、川崎育ちの我々には刺激が強すぎる大自然。遠くを覗くことに不慣れで、すでに子供の視力は低い。街に住むと、眼鏡屋やコンタクトレンズなど、無駄な出費も増えてしまう。
深山交差点を左にまがる。真っ直ぐ行きたい気持ちもあるが、八ヶ岳エコーラインも捨てがたく。
八ヶ岳エコーライン
西の空は青空だった。正面の山ばかり見ていたから、曲がった先の空をまったく見ずにいたのだ。
家内 すっごーい!
まこまち すっごーー!
何がすごいのか? 都会育ちにはこの景色はたまらなく、すごい。総天然色とはこのことか・・・と言いたくなる、人工物の少ない世界。
よく、テレビドラマや映画で「空ってこんなに広かったんだ」なんて言って主人公が感動する場面があるが、まさにそんな世界が広がる。
空の青の色も都会と違うし、雲のくすみ具合も違う。どうして都会に住んでいるのか、なぜ働くのか。何もないの素晴らしさを、一度は手にしてみたいものだ。
そのうち、あたりは林に包まれる。左右に広がる、かすかに紅葉した木々も良い。
原村に住む人は、なかなか快適で美しい世界にいれるようで、どんどん原村の住人が羨ましくなってくる。
山の天気は変わりやすい? 少し曇り、また晴れる。メリハリのある曇りは好きだ。雲のある晴れも好き。写真を撮ると、空に模様があったほうが良い写真になる気がする。
単純に腕の問題かもだけど( ;∀;)
私の深層心理の中に、広い野原と、少し小高いところにある小さな林の景色がある。それが何を表すのかはわからないが、カフェをするなら、そんな土地にするべきだよといっているのかもしれないね。
それを思い起こさせる、原村ドライブの第一章。さらに良い景色を探して、もう少し寄り道しよう。
原村 エコーラインのベストショット
この写真は2019年の秋のもの。ボルボの車検明け記念ドライブの様子でした。
monogress にブログをかえて、一年半が経ったけれど、当初の予定だった「モノを大事にする人に会いにいく」ことはできておらず、自分の中でも内容の練り直しが必要かと思い始めた。
何を伝えるのが大切か、何をみんなは欲しているか。そんなことを考えながら、新しい試みとして書いてみました。
綺麗な写真を撮りに、どこか遠くへドライブに行きたいですね。コロナのおかげで、時間の大切さを感じます。