電気自動車である日産サクラは、ドライブをするには少し航続距離が寂しいですよね。最大180kmときくと、エアコン付けたら、渋滞したら、高速道路を走ったら、ワインディングを駆け抜けたら…と困惑してしまい購入に躊躇してしまうものです。
しかし、実際には激燃費魔神だし踏めば爆走のサクラを諦めるのは勿体無い!という事で、その躊躇を払拭するために高速道路走行とワインディングドライブにチャレンジして皆さんに情報をご共有です。ちょうどサクラの時速100km/hも試したかったというところで、思い切って往復2時間のロングドライブ?に出かけてみることに致しました。
日産サクラの山路&高速道路ドライブで実電費を確認する
実電費計測の走行条件
今回のドライブで、実際の走行距離とWLTCモード電費とのズレを確かめて、実電費の実力を確認するとともに、システムが判断している残りの航続距離が信頼のおけるものかをテストします。後者は、自宅から特定の場所まで行き、往復して戻ってきたときの総走行距離と、システムが表示している残りの航続距離との辻褄が合っているかの確認です。
走行路は、一般道23km、郊外道路21km、高速道路40kmの合計84km。標高差は170mで、スタート地点が800m、目的地が630m。全域にわたって信号は少なく、渋滞もありません。
もちろん、高速道路やワインディングでの印象もしっかりとお届けします(^ ^)
背の高い日産サクラが荷物運びの役にたつ
そもそも何故サクラでドライブなのかと言えば、購入したいものがシビックに乗らない可能性があったからです。古民家に引っ越して以来、古い家具を見ては家に似合わないかなとモヤモヤニヤニヤしながら楽しんでいるのですが、前日に購入してシビックに乗せて帰ってきた椅子がかなりのお値打ちもの。定価販売価格6万円のものが4千円で手に入るという、久々のラッキーが舞い込んできたので、ならば同じシリーズのダイニングテーブルも買おうということに。
しかし、シビックさんは背丈が低く、万が一ダイニングテーブルの脚が取れなかった場合は、持って帰ることができません。そこで、サクラの登場というわけ。実は日産サクラは、N-VANほどではありませんが沢山の荷物が乗るのです。やるね!
日産サクラでドライブスタート
まず、出発前に電池残量と航続距離をパチリ。
エコモード、エアコンオフ状態で、残りの航続距離は173km。ちなみにエアコンを入れると、159kmにまで下がります。当日は涼しい曇り空で、高速道路以外ではエアコンをオフにして走りました。
私の住んでいる長野県の某所では、エアコンを付けている状態でもシビックさんはWLTCモード燃費の95%をマークします。交通状況はすこぶる良く、どの車も良い燃費を叩き出しそう。期待しながら日産サクラを高速道路に向けて走らせます。
日産サクラの高速道路体験は「快適!」
期待通りの合流加速
念願の日産サクラ高速道路体験!ランプのカーブで横Gが強くて曲がりにくいなと思いつつ、合流に向けて加速!
フォーーン!とV8エンジンが奏でたシルキーな音をも通り越す、無音の大トルク。でも、不思議と心の中でエンジン音が鳴り響く 。登り坂をものともせず、グングン加速する日産サクラ。アクセルはちょっと踏み込む程度で、軽自動車では考えられない加速感で時速100km/hへ到達です(^ ^)
高速道路でも、一般道を走るのと同じ感覚でコントロールできる日産サクラ。背の高さはやはり走りには悪影響。風に煽られてフワリと横移動することはしばしばで、プロパイロットあれば良かったね、なんて嫁さまと話しながら、それでも順調に高速道路を進んでいきます。
これは意外?フラットに近い揺れ具合
意外だったのは、高速道路上の悪路や継ぎ目。ビックリするくらいフラットに飛び越えていく。
まこまち これはすごいねえ。山梨あたりまでなら楽勝で行けそうだね!
嫁さま これはN-BOXより快適だよね〜
N-BOXで神奈川から長野までの往復高速ドライブを経験済みの私たちは、最近の軽自動車の実力を一応は把握しているつもりでした。しかし、日産サクラの車重を生かしたコンフォートな乗り味は、なかなかに唸るもの。唸りすぎて諏訪湖でウナギを食べたくなるほど。
なにせ、車が跳ねない。細かいヘコミもフロアがビビることもなく、アクセルを踏む右足が緊張する事がありません。この実力、遠くまで行きたくなるじゃないか…
安曇野インターで高速道路を降り、満面の笑みで目的地に向かう我々夫婦。良い車選んだね〜とか言いながら、上機嫌でワインディングに差し掛かります。
日産サクラでワインディングを試すと「フランス車みたいだね」
登りプラスカーブが続く、安曇野から四賀地区への道。結構な登り坂は電費を削ぎ落としそうで、早めに抜けたいと思わせる。道の悪い箇所をいくつも抜けるなか、日産サクラはサスペンションを粘らせながら前に前にと進んでいきます。
日産サクラの良いところ、一番大きなものは、やはり大きなトルクを無音でデリバリーできること。なにせ、軽自動車はトルクを出すのに高回転域に頼るので、登り坂とエンジンの唸り音はセット販売みたいなものです。ターボが付いていれば楽ですが、右足でのトルクコントロールが難しいこともしばしば。その点、電気自動車の日産サクラは、細かいトルクの調整がエンジン車と比較にならないくらい、とてもしやすいのです。
ところが、そんな良いポイントが霞むくらいに、サスペンションの出来が良い。カーブの外側に行こうとする力を、グイグイと程よく踏ん張ってアンダーステアを防ぎます。
そこで嫁さまが一言。
嫁さま なんだか、シビックよりはプジョー208みたいに、粘る足回りだね。
なんと。ホンダよりもプジョーに似ていると?日本車よりもフランス車に似ていると??
…わかってるねえ…
車ブロガーの嫁さまは、昔から車の良し悪しはわかる方だと思ってはいたが、感覚までしっかりしているとは…ワインディングでの粘り足、そして高速道路のフラットライドは、まさにフランス車。(揺れる時は大きく揺れるのもフランス車!)もう、美人マダム車ブロガーにでもなったら?(手前味噌)
車の話が通じる嫁さまと、でしょでしょ!サクラはまるでフランス車なんだよ!てかフランス車良いよねEVも充実しているよ!などと和気あいあいしながら、ふと気づけば本日の目的地「ツバクロストックオープン」に到着。疲れ知らずの片道42kmを、あっという間に走破しました!
目的地到着!日産サクラにダイニングテーブルを積み込む
ツバクロストックオープンは、店主が集めた骨董品や古家具を集めた倉庫で、毎月一回開かれるバザーです。私も何度かここに来て、古家具をお持ち帰りしていました。
改めて、色々な仕事があるんだなと感じるところ。カフェの夢なんて、まだまだ普通すぎるのかもしれない…
むう!なんだか、格好良い車もある!(販売はしていないみたいです)
まこまち サニーかな?ダットサンかな?
嫁さま 言えるのは、これ以上青い車は要らないってことです。
まこまち 切ない…(T_T)
足が外せて助かった。一応、海外では有名らしい、メイドインジャパンのテーブルです。歪みがなく、補修すれば綺麗に使えそう。ホクホクしながらお持ち帰りです。
この時、残りの航続距離は 131kmを表示していました。ん?スタートが残り173kmで、実際に走った距離が42kmだから…
ジャストじゃまいか!
日産サクラの長距離走行の実電費
帰りは、同じルートを辿ります。安曇野からは登り坂が続いたので、今度は下り坂でブレーキ操作しながらのドライブ。バッテリー残量が71%、72%、73%と増えていくのが、なんとも気持ち良い。これは電気自動車ならではの醍醐味。自分がとてもインテリジェンスな気分になります。
ホホホ私は環境負荷を大事に思う男だぜ、なんて気分を良くして、スポーツモードで高速道路をダッシュ(帳消し)し、自宅に帰ります。2人がかりでないと持てないほどの、重いテーブルを載せての帰路。電費には少し影響、あるかな?
自宅に到着!その時の残りの航続距離は、79km。中間地点では131kmをさしていたので、本来なら89kmと表記して欲しかったんだけど、やはりそんな甘くはありませんでした。
しかし、大人2人と帰り道には重めの荷物を乗せてのドライブは、合計84km走行でバッテリー50%を使い切り、残距離79kmと表示されたことを踏まえて…
スタート地点 残り173km表示
ゴール地点 残り79km表示
残り表示での走行距離 94km
実際の走行距離 84km
航続距離の誤差 89%
スタート地点 100%
ゴール地点 50%
WLTCモード燃費での走行距離換算 90km
実際の走行距離 84km
バッテリー残量での誤差 93%
という事で、日産サクラを使用してのドライブは、残り航続距離は実数の89%〜93%を目安にしよう、という結果が得られました。真夏や真冬はもう少し下がるでしょうけれど、そこは普通の車と一緒かな?
行きの電費が良く、帰りの電費が悪かった理由の一つに、標高差があると考えられます。私の自宅は標高800m、目的地は630mでした。下り坂では充電ができる電気自動車ですが、登り坂では、その重さが災いして著しく電費が下がります。
ちなみに、電池100%での残りの航続距離は、平均電費と関係があるようで、いつもの運転の仕方が粗ければ、悪くなると見て良さそうです。
ということは、私は嫁さまよりもアクセルワークが悪いとも言えるし、私が乗る時は必ず2人以上で乗るから、必然的に電費も下がる、とも言えます。もしも日産サクラを人から借りて走る時は、WLTCモード燃費比較で出た結果の、「おおよそ90%くらいは走る」と記憶していると良いかもしれませんね。
とにかく、山道がとても楽しかった日産サクラ。これは、新しい楽しみ方を見つけたかもしれない…電気自動車日産サクラの、新しい一面を知れたドライブでした!