移住先を求めて三千里。長野県御代田町は、ネットでみつけた不動産情報をもとにやってきて、おおよその雰囲気を掴み取った。次はどこへ行こうかと考えたが、善光寺で有名な長野市周辺に行くよりは、いままで行ったことのない別所温泉に行きたいという私の意見を尊重してもらい、上田市に向かうこととした。
神奈川県にある箱根のように、長野の歴史的温泉地は別所だと決めつけてのチョイスだった。はてさて、その印象はいかに?
上田電鉄 市民の愛する旧型車両をいつまでも
到着した瞬間に心を奪われた。上田電鉄の「丸窓電車」。なぜ丸なのかはわからないが、風情があって素敵である。さらに、懐かしき東京急行の車両が私の横を走り去る。別所温泉駅前の急勾配を昔乗った電車で味わえるとは、東京神奈川の電車好きにはたまりません(^^)
保存されている「上田電鉄モハ5250」に近づいて、インテリアを眺めてみる。昔のバスの床って板だったな〜なんて感慨深くなっちゃったり。
川崎市にも市電は走っていたんだけどさ、今はもともと駅のあった近くの公園で眠っている。残念ながら倉庫のように使われていて、上田電鉄のようにいつでもキレイに見ることはできないのだ。
集客なんて不要な大都市と、小さくても集客を重ねるコジンマリな温泉地。私の好みは、もちろん後者。
別所温泉+萌キャラはガムシャラ感があって良い
ところが、集客は電車好きでは足りないと言わんばかりに、別所温泉駅内には萌キャラ立ち絵が飾ってあった。
ほほう・・・可愛らしく風情のある駅舎の中は時代を感じる水色塗装。そこに似合う紫色の着物をまとった少女の絵。うん・・・可愛い!!昔なつかし、ハイカラさんじゃありませんか!!と嬉しがるのは、一行では残念ながら私だけでございましたが・・・
結構、こういう「なんでもやってやる」的なノリは好きである。商売をする上で、綺麗事で済むのならそれに越したことはない。けれども、情報があふれる今の社会じゃ、「萎びた温泉宿泊地」だけでは中々人は集まらないことだろう。「有名ゲームとのコラボレーションした電鉄会社」で、近隣住人だけでなく県外からの客をも誘う。そういう努力はたとえ一歩にならずとも、歩まなかったところに比べれば前進するのは間違いないのだ。
ブランド戦略間違っている、なんて言われるかもしれないけれど、温泉地だからとお高くとまっているようであれば、鬼怒川温泉のように滅びてしまうこともある。やれることは、やってみるべき。
上田市は移住向きか?
ただ、やっぱり別所温泉は、いきなり急成長することは無さそうだ。
駅前にある温泉施設「あいそめの湯」は、観光客の希望を満たすような日帰り温泉ではなかったのだ。併設されているごはん処は、なかなか残念な味だった。ハヤシライスにオレンジを載せるなんて愚行としか思えない。馬肉そばは美味しいのに、もったいない。きっと上田市のお金が入っているだろうに、この完成度で良いのだろうか?しっかり市民全員で評価しているのか心配だ。
改革派と保守派があって、保守派が勝っている感じ。こう感じると移住者は見向きもしないだろう。少なくとも、今回は別所温泉付近に移住しようとは思えなかった。宿泊すれば気分も変わるか?今度は市街地を見にこうかな。
とは言え、チリも積もれば山となる。上田電鉄別所線も、近年は微増ながら乗客を増やしているという。駅前の惣菜屋?(ピザ屋?)のクルミおはぎもかなり旨かった!ポテンシャルはあるんだ、がんばろう上田市!
なんとなく趣旨の違う終わりを経て、次は青木村に向かいますよ(^^)