【夏の特別編】クルマの傷とセーラー服

日本の夏って、終戦とか御巣鷹山の尾根とかがあって、サマーバケーション!っていう気分を少しだけ挫かれます。毎年聞いて聞き飽きたよって、思わないといったら嘘になります。

 

けれどもこれは必要な情報であって、「同じことを繰り返さない為にはどうすればよいのか」という考えの根本に植え付けられるべきものは「後悔と悲しみ」であって。でも悲しんでばかりじゃなくて、前向きに改善を考えるならば、フェールセーフを作るならば、繰り返しの報道は良いものだと思っています。

 

ただ、コロナの蔓延の抑止は残念ながら上手くいっておりません。何かできることは無いだろうか?そこで今回は特別編。緊急事態の我慢もそろそろ終えたい、だから帰省や旅行を我慢する。そんな素晴らしい方々へ、暗い話が大好きなまこまちが気を狂わせながら仕立てた、少し笑えるお話を3つ、お送りします。最後のは短編小説て。写真とか無いからね。

 

 

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【自虐】シールをつけたクルマは事故に遭う

私の住む川崎には、「川崎大師」という大きなお寺があります。関東圏に住む人なら、一度は耳にしたことがあるでしょう?お正月の初詣の参拝客ランキングで、日本トップ3に入るほどの超有名なお寺です。私の仕事場のひとつであって、川崎大師の表参道にあるお店にはよく行きました。お正月以外はホノボノのんびり暇しているので、飴買ったり蕎麦食べたり、くず餅買ったりしてました。川崎のソウルフード、うまいねえ。

 

で、初詣が多いということは自動車の安全祈願も多いということ。川崎市内を走るクルマは川崎大師の交通安全シールを貼っている車が多くて、リアバンパーに毎年祈願している証のシールを並べるクルマも多いのです。そして、大師ステッカーカーはかなりの出現率ですから、事故に遭っているクルマも多い。どうしてもステッカーが目に入るので、「川崎大師で安全祈願すると事故に遭う」などという不謹慎な噂も広がったりするのです。

 

私も 20 代の頃はそんなことを平気で信じて口に出していたり。今なら絶対言いませんが(上で書きましたが・・・)。

 

カローラレビン 雑誌
私のレビンは、AE111。BRZもびっくりのブルーのレビン。年をとったら、もう一度クーペに乗りたいなあ。

 

当時の愛車は「トヨタ・レビン」。4グレードあるうちの下から2番め。150万円出すのが精一杯で、ほんとうはトップグレードが欲しかったなあという気持ちでいっぱいでした。たったプラス 40 万円。ローンで買えばよかったのですが、結婚も控えていたので無理をせずに我慢しました。

 

TWINCAM 20 にスーパーストラットサスペンション、各種エアロパーツつき。今思えば、プラス40万円は安かったはず・・・何よりも、リアタイヤ付近に貼られる「SUPER STRUT SUSPETION」のロゴがかっこよかった。若者はいつでも見た目重視(笑)

 

で、悔しかったのでレビンを購入して一年たったあたりで、シールを購入して貼り付けた。「Racing Development TRD」。これでステッカーの見た目だけは最上位グレードを超えてやった。シールひとつで喜びまくるビックリマン世代です。小躍りしながら、110 ps 環境型エンジンを 5MT で巧みに操って県中を駆け抜けました。

 

そしたらね、やっぱりシールというのは、イカンカッタのですよ。日頃からの大師シール事故る発言の因果応報ってやつですか。一月経った昼下がり、交差点に優先道路を無視して侵入したメルセデス・ベンツと大衝突です。私のレビンはGOAクラッシュ!見事に廃車になりまして・・・

 

レビンの残骸とピカピカのシールを見て、誓いました。私はクルマに一切シールを貼らないぞ。なぜって?それはもちろん。

次の因果応報が怖いから(^^;)

 

【写真】私が起きれば晴れるよ

まず、こちらの画像を御覧ください。

 

野尻湖とプジョー508 3008 308

 

プジョー・ブロガー・ミーティングでの1枚。Wonderful Car Life のUUさんと、ブログ「くるすぺ」のくるすぺさんとで並んで撮影したカッコいい写真ですね。

 

では次にコチラを御覧ください。

 

輸入白ワゴンクラスタオフ

 

めちゃめちゃ頑張って加工しましたが、どんより曇り空の輸入白ワゴンミーティング。ツイッターでお世話になってる、でぃーたさん、masterさん、ブログ「旅恋車」の 10max さんとの集まりでした。

 

何が言いたいか、わかりますね? 2回のオフは何れも、天気が悪いんですよ。これは参加者の誰かが、雨男なのだと確信しています。

 

でもね、雨上がりの写真って美しいんですよ。

 

ボディに残る水玉も輝いてきれいだし、路面が鏡のようになってカッコいいし、なにより空気の汚れが落とされる。ひょっとしてクルマの写真って、雨上がりが一番美しいんじゃないかなって。だからもしも自分が雨男だって、それでも良いかなと思ってるんです。

 

 

ただね、思うんですよ。ドライブの時は晴れて欲しい。運転している最中だけ晴れてくれて、クルマから降りたら雨が降ればいい。いや、どちらも正直晴れて欲しい(笑)

 

特に写真を取る時は、太陽光に照らされた世界がやはり一番美しくカメラに収まるんです。ドライブ中も撮影中も、どちらも晴れてほしいなあ。いや、この流れだと、ドライブ中は晴れていて、降りる間際に雨が降って、降りた時に晴れている、か?なんのこっちゃ?

 

この理想の一部を具現化できるやつがいます。我が娘です。

 

 

数年前の写真、しかもカップヌードルを食べながらの状態でご登場いただきました。今はキャピキャピの女子高生ですが、ネット上に制服姿を載せてはいけない学園ルールがあるんですよね(^^)

 

さて、この子は完全に晴れ女。外出するときは雨が止むんです。学校の行き帰り、駅〜自宅まで 20 分ほど歩くのですが、娘が通学している間だけ雨が止む。なので、娘は傘を持って行くことを忘れがちです。

 

雨男っぽい私と組むと、下記のような写真が撮れます。

 

Peugeot 308SW 天気雨

 

Peugeot 308SW 雨上がり

 

こんな写真を写すと、彼女は決まって言うんです。「晴らすのは簡単だよ。私が昼寝から起きると、晴れるんだから。

 

確かに、ドライブ中に雨が降っているときは、娘は昼寝をしています。もう少しで到着するよというタイミングで起き出して、軽く伸びをすると雨が止んでいくんです。とってもスピリチュアル。おかしいなあ、私の血をひいているはずなんだけどなあ・・・

 

【小話】クルマの傷とセーラー服

若葉マークをパパのクルマの背中につけて初めてクルマを運転したとき、ピカピカに磨かれたボディの左後ろに傷を入れてしまったことは、反抗期明けを自負していたセーラー服のあたしにとって、とても悲しい出来事だった。

 

どうしようと強ばるあたしの顔を横目に、パパはニコニコしながら「覚悟していたから大丈夫」なんて言うけれど、強がり言ってるのはすぐにわかった。家族だもの、表情を見ていればわかるよね。

 

「いくら位で治るものなの?」

「そうだなあ、20万円くらいはかかるのかなあ。」

「そんなするんだ。クルマって何もかも高いよね。」

 

今年のお年玉で手に入れた額は、両親からの 10,000 円に、サトコおばちゃんからの 10,000 円、西島おじさんと宮坂おばさんから 5,000 円ずつ。合計 30,000 円では、クルマのボディは治らない。

 

「いいって、お金のことは気にしない。つぎブツケなければ良いんだから。」

「少しくらい払ったほうが。」

「初心者の摩耶に運転させたボクが悪いんだから、大丈夫だよ。」

「クルマに傷つけたの、あたしなのに。パパが悪いってこと、ないじゃない。」

 

少しづつ胸のあたりが熱くなってきて、チクチクしだして、目の前がビチョビチョに濡れ始めた。パパがいつもガレージで磨いている大事なクルマ。小さくて可愛くて、いつかあたしも運転したいって言ってみたら、「なら学生のうちに免許をとるといい、社会人になったら暇がなくる」と自動車学校に連れて行ってくれた。あのときも、お年玉を貯めて買おうと思っている和服が買えそうなお金を払ってた。

 

ちょっと言ってみたことが、大げさなお金に変わっていくんだ。自分ではどうにもできない、大きなお金に。

 

「帰りの運転はボクがしようね。」

 

コクリと頷いて、助手席に座る。ママが見たら何ていうのかな、きっと目を吊り上げて怒るのかな。余計なお金をかけるんじゃないって言うかもな。パパが運転している間、ずっとそんなことを考えて、目の前のポロポロが止まらない。できることなら、1時間前に時間を戻したい。あの交差点を左に曲がりたいと言うタイミング。真っ直ぐ行こうっていったパパの言うとおりにしていれば、こんなことにはならなかったのに。

 

「もう、運転できないかも。」

と、今度は口からポロッと何かが飛び出して。でもパパは私の頭をポンポンって2回手を乗せただけで、何も言わなかった。

 

家について、パパはママに状況報告。パパはニコニコしながらも眉毛をハの字にして、いやいやまいったが、仕方がないって言っていた。ママはふうんというくらいで、「それは困ったわね、夏のボーナスが飛んでいっちゃうわね。」と一言いったきり、クルマのことには触れなかった。あたしはとうとう辛くなって、「おやすみなさい。」と言って自分の部屋に逃げ込んだ。

 

ーーー 🚗 ーーー

 

翌日、学校に行くと目の周りが赤すぎると、親友の恵美に言われた。

 

「どうしたの、摩耶。もしかしたら失恋した? かわいそう、何でも言ってくれても良いんだからね。」

 

大丈夫だから、失恋じゃないからって返答すると、じゃあなんで目が赤いんだと根掘り葉掘り。結局すべてを打ち明けることになった。泣き虫はこういうところで損をする。

 

「え、運転免許とったんだ、すごーい。」

「簡単だったよ、学校のテストに比べればナゾナゾレベル。」

「私、ナゾナゾ苦手なんだよね。」

 

恵美は高校に入ってから知り合った。たまたま、出席番号順に席についた時に横に座っていただけなのだけど、せっかく女子高生デビューしたのだからと一人でデパートをぶらぶらして、お気に入りの小道具屋”陽光堂”で「次の筆箱」を探していたら、ばったり恵美と遭遇した。恵美は私と違って学校では泣かないし、100m走で学校で5位の実力だし、帰りの電車は快速電車に乗るタイミングで学校を出るし、喉が渇いて自販機でジュースを買うときも 2 秒で飲むものを決めてしまう。

 

そんな要領のいい恵美との、たったひとつの接点”陽光堂の小物が好きだ!”だけで、なんとなく一緒にいるようになって、今は高校3年生。お互い親友と呼び合うようになっていた。

 

「それで、お父さんのクルマに傷をつけちゃったと。」

「うん、かなり大事にしていたの知っているから。申し訳ないなあって。」

「摩耶、素直ないい子だよね。私だったら、”テヘペロ”ってしてゴメンナサイして一瞬で終わりだよ。」

「恵美、修理代 20 万円だよ?さすがにヘコむよう。」

 

恵美は”テヘペロ”という顔から、”ムゥ”という表情に変えて何やら考え出した。前の席から、身体を半分よじってあたしの机に腕をのせている恵美。つまり、この話を続行することに対する拒否権は、今の所私にはない。陽光堂で買ったボロボロの筆箱からペンを取り出して、指先でくるりくるりと回してみる。

 

「摩耶は、悪いことしたなあって思ったんでしょ。」

「思った、思った。」

「お父さんやお母さんはさ、摩耶を責めなかったんでしょ。」

「うん、少なくともパパはニコニコしてた。自分の大事なものを傷つけられて、すごいなあって思うよ。」

「ふぅん」

 

なんだか意味ありげな相槌をうって、恵美は黒板のあるほうへ向き直った。それから 4 時間、授業を受けてる最中には、この話は出なかった。

 

昼休み。中庭でお弁当をひろげて、あたし達はいつもどおりに食事をする。恵美は表情をコロコロ変えて、そっけない話題を大げさに変えて笑いにさそう。これは今日、元気づけようとしているわけではとくになくって、日常のことである。よくも沢山の話のレパートリーを持っているものだと関心する。

 

授業中も考えていた、昨日のこと。パパに大きくのしかかった 20 万円の修理代を、なんとか分割で支払えないものだろうか。あたしが就職したときに、一括返済するのはどうだろうか。自分の過ちをなんとか帳消しにしたくって、授業の話なんてまったく頭にはいらなかった。

 

「摩耶さ、わたし少し考えたんだけど。」

 

恵美が突然、笑顔を保ったまま言い出した。

 

「何かプレゼントをパパにするとかじゃ、駄目なの?」

「それはあたしも考えた。お詫びの品を用意して、パパに本当にゴメンナサイ!ってして、終わりにしたい。でも、そんな中途半端なお詫びはさ、なんか違う気がするんだよね。」

「違う気?」

「そう、もっと、大事なものを傷つけちゃったんだからさ、もう地底の奥まで頭を下げてお詫びしたいっていうか。」

「お詫びっていうかさ。」

 

恵美はいきなり真顔になって。

 

「クルマの傷のことで悲しんでいるの、摩耶だけじゃない?」

「へ?」

 

つい、顔が間抜けになってしまった。恵美は何を言っているのだろう。パパはガレージをつくってまでクルマを大事にする人だ。その大事なものに傷をつけられたら、悲しむに決まっている。

 

「お父さんは、クルマに傷をつけられて悲しんだ?」

「きっと悲しいと思うよ。大人だから、泣かないけれど。」

「あんたはちょっと、泣きすぎ。」

「ぐぅ・・・仕方がないじゃない、勝手に溢れてくるんだからさ。」

「パパにプレゼントをしてさ、気分が良くなるんなら、それで良いんじゃない。」

「パパの気分?」

「摩耶の気分。」

 

チンプンカンプンではあったけれど、放課後に私は恵美につれられて、陽光堂に行くことになった。「快速に乗り遅れる」と言う恵美のダッシュになんとかついて行って、汗だくになって、もうダメだ、足が動かないと言うと恵美は私の手を掴んで、引っ張った。陽光堂に着くと「摩耶が決めなさい」と言いながら、目の前にいくつかの小物がホイホイ置かれていった。

 

アーガイル・チェック柄のカードケース 2,000円

七宝文様プリントキーケース 2,000 円

モンドリアン柄のハンカチーフ 2,000円

 

何もかもが快速電車のような恵美の行動力に感服しながら、その恵美が選んだ時間の 3 倍の時間悩んで、ハンカチを私は選んだ。これでパパにお詫びを言える。もっと深々とゴメンナサイが言える気がする。少し胸のあたりが暖かくなって、悲しみが消えた気がした。

 

「恵美、ありがとうね。」

「摩耶、明日は目を腫らさずに学校にくるんだからね。」

「うん、今晩目薬して温めて寝るよ。」

 

恵美はクスッと笑って、じゃあねと言って駅の改札の奥に消えていった。相変わらずダッシュしている。きっと快速電車が来るのだろう。あたしはバスに乗り、家路についた。

 

ーーー 🚗 ーーー

 

リビングルームでソワソワしていて、居ても立っても居られないので夕飯の料理を手伝った。ママはあたしにテキパキと指示を出す。なんだか大人ってすごい。あたしのできないことを、沢山のことを知っている。ママは仕事には行かないけれど、パパのできないことを沢山している。

 

料理をしているママが、私に「気はすんだの?」と聞いてきたので、私は「これから済ます」って答えた。ママは「あはは!」って笑ったあとに、私の頭をぽんぽんと2回手を乗せた。夫婦揃って、昔からこれ、やるんだよね。

 

「お父さんはね、あのクルマの運転、私にもさせたことが無いんだよ。」

「えー、なんであたしには運転させたんだろう。」

「きっと、嬉しかったんじゃないかなあ、摩耶が運転したいって言ったの。」

「大事にしているんだったらさ、運転させなきゃいいと思わない?」

 

パパの行動に少しだけイラっとして、でも大事にしている事実を思い出して、我慢した。

 

「そうだねえ、でもさ、摩耶はお父さんにとって、とっても大事なことはわかるでしょう。」

「うーん、たぶん、わかってる・・・」

「そんな大事な人にさ、自分の大事なクルマを運転してもらうって、どういう気分だろうね。」

 

どんな気分だろう。あたしだったら、大事なものはずっとしまっておきたいかな?とか考えた時に、ふと握りしめていた小袋の存在を思い出した。恵美がみつけてくれた、陽光堂のハンカチーフ。

 

そういえば、恵美とは陽光堂で知り合ったも同然だ。自分の好きなモノが、自分の隣りにいる人も好きだった事実。あたしがオススメだよって言ったキーホルダーを、恵美は「ほんとうに!」と肯定して、あの日買って帰っていった。翌日からは、同じキーホルダーをカバンにつけて登校した。そんな恵美が選んでくれたハンカチーフは、あたしにとっても素晴らしいもの。これをパパにプレゼントできれば、きっとあたしは嬉しいし、パパだって嬉しいはず。

 

「ママ」

「うん?」

「パパはさ、パパのクルマをあたしが運転して、ドライブにでかけたかったのかな。」

「・・・きっとそうだね。」

「パパが大事なのって、クルマじゃなくて、クルマと一緒にみんなでドライブすることなの?」

「クルマは大事だけれど。自分が大事にしているクルマで、家族が笑ってくれたら、嬉しいじゃない。」

「あたしが運転すると?」

「運転してごらんって薦めたんだもの。摩耶が運転してくれるだけで、お父さんは大喜びだったんじゃないかな。」

 

また、胸が苦しくなってきて、大粒の涙で顔がグシャグシャになった。あたしが小さい頃から側にある、小さくて可愛いクルマ。傷をつけてしまったけれど、パパは喜んでくれていたのに、一人で泣き虫して台無しにしちゃった。ちゃんとゴメンナサイってできなかった。楽しいはずの時間を駄目にしちゃったことを、また後悔しはじめてしまう。

 

「泣かない、泣かない。恵美ちゃんが一緒にプレゼントを選んでくれたんでしょう。」

 

そうだった、あたしには今は大きなアイテムがあるんだった。顔がグシャグシャでみっともないけど、ちゃんと謝ってもう一度、ドライブに行こう。

 

家の玄関の鐘がなる。パパのただいまが聞こえて、ホッとする。あたしはグシャグシャな顔のままパパのところまでダッシュした。

 

ーーー 🚗 ーーー

 

翌日。

「恵美、おはよう。」

「摩耶、あれ、なに、今日も目の周り腫れてんじゃん。」

「聞いてよ、恵美!パパってひどいんだよ!」

 

そしてあたしは、お昼休みまでの休憩時間をすべて使いつくし、パパのことを恵美に吹き込んだ。プレゼントを渡せたこと、パパが大喜びしていたこと、ママが運転しなかったのは、実はパパとママが付き合い出した時に、パパの愛車を3回ぶつけたからだということ。

 

そして、パパは昨日の会社帰りに自動車ディーラーに行ったこと。新しいクルマのカタログをもらって帰ってきたこと。

 

「ボクが磨き尽くして摩耶が傷つけた小さなクルマは、摩耶にあげよう!」

「パパは、あたしが運転するクルマでドライブに行きたいんじゃないの!?」

「ボクは、摩耶がセーラー服でボクの大事なクルマを運転するのを心待ちにしていたのさ!」

 

それから、パパは変態だ近寄るな触るな、もう一緒にドライブなんかしないんだからと散々罵声を浴びせて、クルマを貰えるんだから良いじゃないかとパパに言われて、さらに激怒。追い打ちはママ。ボーナスから出ていく 20 万円は新車の頭金のつもりよね?と。わかってたのね!?とムーーーッとしてしまったことを詳細に状況報告。恵美はヒィヒィいいながらお腹を抱えて。

 

「流石夫婦よね! でも、よかったじゃない。可愛いクルマを貰えるんでしょ?」

 

というものだから。

 

「そうだね、傷だけは直してからあたしに頂戴ってお願いしたよ、こんな顔で。」

 

と、”テヘペロ”の顔を作りつつ、まだまだパパやママに甘えられる幸せを噛み締めながら、恵美と笑いあったんだ。

 

 

あとがき

お粗末なものですが、3つ目は小説仕立て。あぁ、小説で稼げればなあ。実力無いなあ。私も”テヘペロ”したいなあ(笑)

 

冒頭にも書きましたが、お盆というのは悲しいことが繰り返されます。今年はすでにコロナ蔓延で、悲しい思いをされている方もいらっしゃると思います。政府の政策が悪いという話もありますが、だからといって自分の自重を辞める理由にはなりません。けれど、人によって緊急は別のもの。いい加減、旅行に行かないと辛い人もいるでしょう。転職、住み替えをしないといけない人もいます。立場によって変わるんです。一方的な批判はしてはなりませんね。

 

ただ、これ以上の悲しい思い出を残さないために、できるかぎりの努力はしていきましょう。

 

私は、書いたブログを時間つぶしにでも使ってもらって、リラックスでもしてくれれば嬉しいですよ(^^)