2月中旬、たまたま春めいた日曜日。家の前の公園にあった木々には花が咲く。
私の人生、田舎のカフェを目指すと言った理由のひとつは、春には花の香り、梅雨には土の香りを感じて生きたいと思ったところもあります。コンクリートジャングルには、自然の香りがほとんどしなく寂しいのです。
その夢は、自宅を売って引っ越して、半分は叶えられたかもしれないです。けれども夢は続きます。いつかは田舎に不動産、その家には沢山の資材を運び込む。そんなクルマが、自分の傍らにあったら嬉しいですね。
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今回は、Peugeot 308SW のお話です。
Peugeot 308SW(T9)を新車で購入して1年が経ちました。紆余曲折あったけれど、このクルマを選んで本当によかったって思っています。
もともとワゴンが欲しくって、VOLVO V50サイズの輸入ワゴンを探していた私にとっての選択肢は、ゴルフ・ヴァリアントかプジョー308SWしかありませんでした。一時期はVOLVO V60も考えていたけど、あのクルマはすこし高すぎた。
私の要求はカジュアル・ワゴン。大荷物を積んでのキャンプだとか、沢山のお土産を買い込むロング・トラベルだとか、DIYの為の資材を運べる許容力だとか。だから、雑に荷物を積めるクルマに魅力を感じてしまいます。
もちろん、和製ミニバンは荷物は沢山積めるけれど、運転がツマラナイ。いずれ田舎に家を買ったら、仕事を辞めるその日までは週末移住を楽しみたい。だから、長距離運転で疲れにくい輸入車ワゴンにターゲットを絞るのです。(ミニバン、5ナンバーなのは評価しますけどね・・・)
プジョー308SW 納車されました!
納車式無かった😅けど、早く運転したいから良いや笑プジョー乗りの皆様、フランス車のりの皆様、車好きの皆様、よろしくお願いします!😆✨💕🇫🇷#プジョー #納車 pic.twitter.com/WvHHUt1nHc
— まこまち (@makomach) February 8, 2020
今回は 2020年2月8日に納車をうけた、Peugeot 308SW の魅力をお伝えします。1年経っても色褪せなかったその魅力を、ランキング形式で発表だ!
5位 街なかでの乗り心地の良さ
たぶん私は、乗り心地は硬めのほうが好き、かもしれない。セリカ、レガシィ、VOLVO V50と、しっかりめの足回りが多かった記憶があります。カチコチに硬いわけでなく、適度に硬いのが好きです。
それでも、メーカーや開発の時期による硬さの差は気になるところ。
レガシィB4 2.0R も VOLVO V50 Akitv も、少し足回りに雑味を覚えた。路面の凸凹や橋の接続部では、大きめの音と衝撃が車全体に響き渡る。普通に走っているには丁度いいのに、大きな入力は対処できない。だから今度の新車は、足回りには定評のあるプジョーを選んで正解でした。
確かに硬い足回り。たぶん、2021年現在のプジョーラインナップの中で、いちばん硬い乗り味じゃないだろうか。この1年でほとんどのプジョーに乗れたから言える、硬さの証明(笑)
けれども、これで良いんですよ。たしかに硬めの足だとしても、大きな凸凹でガツンと大きくボディを揺らさないサスペンションの性能を持っているから。減衰力が2段階になっているような、サスペンションのストロークの奥底に、もうひとつ硬めの領域があるような。
そして、上澄みは結構柔らかい印象に仕立ててある。一緒に乗る人に不快な思いをさせずに済む。そんなセッティングが施されていると感じます。
それでも、Peugeot 308SW が最高の足回りと言われると、そうではない。敵は身内にあり(笑)だから、足回りは5位といたしますよ。
4位 高速道路での直進性の高さと安定感
納車直後は調整が悪くて微振動を起こしていた高速走行も、ディーラーでの直しが終わってからはスッキリ。速度を上げれば上げるほど、ノイズが無くなるというのでしょうか。
走行の騒音はそれなりにあるのは間違いないけど、一瞬の揺れが命取りになる高速道路でドンドンスッキリしていくというのは、どんどん安心していくということ。進路の警戒に全集中できるということ。クルマの不安な挙動をステアリングで修正する頻度の少なさ、これは Peugeot 308SW の魅力だと言えるでしょう。
当然、風が吹けば舵は修正するわけだし、路面が悪ければステアリングに反力が生まれる。路面の形状をクルマを通してドライバーに届くところはしっかりしていて、想像どおりの動きに対する修正はストレスにはなりません。
路面の印象が伝わらないとか、狙ったラインをトレースしづらいとか、想像していない動きをするから疲れるんです。Peugeot 308SWには、そんな動きはとても少ない。
強いて言うなら、トーションビームの泣き所かリアの滑る感覚がある。けど、これも許容範囲。わかっていれば対処が可能。驚くほどドライバーに優しい、プジョーの実力がわかるところです。
3位 i-Cockpit の操作性と視界の楽しさ
相変わらず、プジョーの試乗記を読んでみると、i-Cockpitが使いにくいだなんだって書いてあるのを読みますが、本当であるのなら、プジョーはこれほど売れていません。
ちなみに私は試乗の時に一発で気に入った部類です。要は、今までのステアリングの概念を消し去ること。ブレーキペダルとシートの調整を済ませたあとに、ステアリングを邪魔と思わない位置まで下げること。これができなきゃ、使いにくいと言うのかも。
慣れると面白いんですよ。
普通のクルマは、ステアリングの先にタイヤがついている感覚があります。ステアリングの向きが、タイヤの方を向く角度になっているから、そう感じるんです。
けれども、i-Cockpitはちょっと違う。ステアリングは水平になっている(気がする)から、タイヤを動かすというよりも、クルマを傾ける感覚に近い。丁度、空間を捻るような感じというのでしょうか。
そして、同じクラスのクルマのなかでは大きめのウインドウも良し。i-Cockpitのヘッドアップインストゥルメントパネルとともに、いつでも外を見ていられる視界の良さは、Puegeot 308SW「T9」の魅力です。


2位 1.5L BlueHDi ディーゼルエンジン
車といえば、エンジンといっても過言ではありません。沢山のメーカーがクルマを作る中、エンジンだけは自社製です。むしろ、自社製エンジンを持っていないメーカーは自動車メーカーと言えないかもしれません。
私が大きく興味をそそられた、PSA 1.5L BlueHDi ディーゼルエンジン。130ps/300Nm の性能を叩き出す楽しいエンジン。2L ほど大トルクではないけれど、右足に力を込めればスッとデリバリーされるトルクは病みつきになりますよ。
クルマのトルクを意識したのは、レガシィに乗った時。はじめて 200Nm を超えたクルマに乗って、走りやすさに感激しました。高速道路で気軽に 100km/h を出すのなら、200Nm は超えるべき。もちろん、車重との兼ね合いはあるのですけどね。
不満をひとつ言うならば、仕方のないことだけど・・・ダウンサイジング4気筒が欧州車の中核になってしまったことくらい。本当はさ、20年前なら 3L V6 とかに乗れたはず。今はどれを選んでも、4気筒なんですよね。
メルセデスやマツダが直6復活を叶えてくれて、それが全メーカーに波及する事を祈っています。ディーゼルの振動も、直列6気筒ならスムーズに回るのではなかろうか・・・まあ、昔の6気筒のようにスムーズに回る、プジョーの1.5Lディーゼルにはベタ惚れなんですけれどもね(笑)
1位 少し地味だが気品あるスタイル
文句なし。文句なし。文句な〜し。Peugeot 308SW のワゴンとしてのスタイリング、文句のつけようもございません。
こればかりは個人の主観によるものが多いと思う。デザインの話ですし。でも、Peugeot 308SW のスタイリングは良いんですよ。
斜め下から見ると、アーチを描いているように見えるサイドウインドウのアンダーライン。オシャレさをボンネットの長さではなく、なだらかな流線型で表現したコイツは、上級輸入車には無いものがあるのです。
全高の低いクルマって、どうしてもFRのほうがプロポーションが良く見えます。フロントタイヤをめいいっぱい前まで出して、獲物を狙う動物のようなスタイリングを表現できる。FFではちょっと難しい表現。SUVやミニバンでなければ、FFのタイヤ位置をデザイン上で解消することはできません。
ところがプジョーは、そんなビハインドを跳ね除けるような美しいプロポーション。ボンネットをミニマムにすることにより生まれる、居住空間のマキシ感。実用を無下にしないというのでしょうか。クルマの本質、「物を運ぶこと、移動すること」を表現する Peugeot 308SW は、「良いモノを選びたい」という私の心を鷲掴みにするのです。
総評
2021年、Peugeot 308は欧州で発表されると見られています。2022年には販売開始?それでも、今私の所持しているプジョーは、大事に乗っていたいと思います。
モデル末期に差し掛かった Peugeot 308SW。私はいいタイミングで買ったと思っています。おそらく新308が発表されれば、販売は著しく小さくなっていくことでしょう。
けれども、1年乗った Peugeot 308SW には、沢山の魅力がありました。発表されてからの経過年数は関係なく、今も人を虜にする魅力がありました。残りの販売期間も、T9 モデルが好きだという人にぜひ、乗って欲しいクルマです。
人間は自分の大事にする生き物に、「愛」という言葉をつけています。愛犬、愛猫、愛妻・・・心から愛する相棒に、愛という名をつけて愛でる。家には愛はつかないけれど、クルマには「愛車」という名がつくのです。
それは、人生を共に歩むモノだから。
私はそんな愛車の自慢話を笑って話せる、カフェを作りたいと願うのです。