【車好きの移住体験:古民家改装編】トイレが無い!ポータブルトイレ体験記

大きな空、大きな雲、大自然に遠い山並みの景色が欲しい。そんな夢を持ちながらの信州居住地探しの旅の果にみつかった古民家は、住むだけなら多少の手入れをすれば良いという説明でした。現代風に半分は改装されながらも、立派な大黒柱は健在で、そうだ、もともとの風貌に戻してあげよう、ニッポンの原風景をここに再現するんだと意気込んでの購入でした。

 

ええ、夢は現実を見ないから夢なんです。

 

古民家からの洗礼は、きっと軽いジャブばかり。それでも、都心の集合住宅住まいしか体験したことのない私達家族にとっては、なかなかのボディブローで・・・

 

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古民家は現代の常識が通用しない

ホンダシビック(FL4)と新しい移住地

 

次の引っ越しは確実に引越し業者に頼むでしょ?という考えのもと、私はツーリングワゴンの Peugeot 308SW からハッチバックの HONDA CIVIC e:HEV に乗り換えました。ラゲッジはカサは減るけれど奥行きに違いがなく、さらにスポーティ。今後の信州ー東京往復を睨んでの、より燃費がよく、より快適な車へのスイッチ。

 

いきなり田舎に輸入車で登場は避けたい!という思惑も働き、また田舎の奥底での車両トラブルが怖くって、プチトラブル応酬の欧州車からは一旦卒業しようと決めたのでした。これはきっと、正解なはず。

 

知識があれば正解がわかる。クルマについては、そう。ならば古民家ならどうだろう?建物は嫁ちゃんが得意分野なのですが、古民家となると流石に知識が難しいらしく、さまざまな決定が難航します。

 

嫁ちゃん  ハリは立派で大丈夫そう・・・でも、どうして”かしがらず”に建っているんだろう?

 

その理由はわからない。わからないから、色々研究できるし、楽しい。そう言い聞かせての 2023年ゴールデン・ウィークの移住先お試しお泊り会は、目まぐるしく現れるトラブルにてんてこ舞いになるのでした。

 

古民家のトイレは便槽を清掃済みで使えない

移住先の景色(信州古民家)と HONDA CIVIC

 

その1つ目が、今回のお話。

 

売り主さんより、事前に「トイレの便槽は掃除しておきましたから」と聞いていた。便槽とは便を貯めておく箱の事で、下水道の完備された日本国内ではどんどん減っているものの一つです。

 

【便槽】わかりやすいのは「ぼっとん」。便を貯めておくので、定期的に回収を依頼しなくてはなりません。
【下水道】汚物を下水処理センターまで運ぶための管。一般的に下水道の完備されたエリアでは、便槽を撤去し下水道へ繋げる義務があります。

 

私達家族が入居する上では、古民家を改築して下水管へ接続するのがベスト。そもそも、バキュームカーを呼ぶタイミングがわからないし、ぼっとん便所の黒くポッカリと空いた穴はハッキリ言って、怖い(笑)

 

売り主さんは空き家にしている期間を考えて、臭わないように便槽を清掃しておいてくれました。つまり、即撤去可能な状態になっているという事。言い換えれば、一度でも用を足してしまった場合、もう一度清掃を依頼しなくてはならない状態ということです。

 

古民家のトイレはひとまず災害用トイレを使う

HONDA CIVIC e:HEV in 境川PA

 

これには本当に悩みました。仮設トイレを置くとか、一度トイレを使ってしまおうとか。最終的に出した答えは、災害用ポータブルトイレの導入。便座+尿を固める粉+袋のセットでトイレのできあがり。

 

まこまち  これ、本当にトイレできるの?

嫁ちゃん  さあ・・・使ったこと無いし。

まこまち  子供もためらうかな・・・まあ、最悪はトイレ使っちゃおうか!

嫁ちゃん  そうね。その時はまた掃除してもらえばいいし!

 

こうして、災害用トイレを準備しつつ、最悪は「田舎初心者だからトイレ使っちゃいました、テヘヘ!」プランを用意。リカバリープランがあるというのは、生きる上でも大事なこと。石橋は叩いて渉れウェーイっていうわけです。トイレは個室でゆっくりと!

 

そこへ、不動産やさんより連絡が。

 

不動産業者 今、水道の開栓に立ち会ったんですけどね。

嫁ちゃん  はい、ありがとうございます。

不動産業者 水道、だめですね。外(そと)水道以外は水漏れや赤水(錆びついた水)が出ちゃいます。

嫁ちゃん  え・・・トイレはどうですか?

不動産業者 水漏れ激しいので、水は止めておきました。

 

なんと・・・つまりリカバリープラン「トイレ使っちゃおう、テヘへ」は、一瞬で使えなくなってしまったのです・・・

 

災害用トイレ in 古民家で人生初のこわごわ体験

災害用トイレを古民家で仮使用

 

ゴールデン・ウィークの渋滞予想、中央道は「朝4時から渋滞」となっていて、時間を惜しむ我々は朝2時に家を出発。古民家への到着は朝6時。眠気が吹き飛び大興奮の中、テキパキとトイレをセッティングする私。セッティングは 10分で完了。なんだ、ずいぶん簡単じゃありませんか。

 

まこまち  だれか、トイレしたくない?

娘ちゃん  私は大丈夫。

嫁ちゃん  私も、まだかなあ。

息子ちん  したくない。

まこまち  ちきしょう・・・パパはしたいのに

娘ちゃん  すればいいじゃん(笑)

まこまち  第一陣は嫌なんだよぅ

 

そんなやりとりをした後、結局は私が先陣を切ることに。

 

まこまち  我慢ならん!

 

ズボンをおろし(想像しないでください)

用を足す・・・あ、身体が反応する・・・ここはトイレだ・・・

終わったら粉をかけて・・・おぉ、尿が固まった・・・

袋を閉じて・・・うん、意外と簡単。

ゴミ箱へポイっとして・・・

次の人のために、新しい袋をセット・・・おけ!完了!

 

災害用トイレの簡単さ、わかっていただけましたでしょうか?(笑)危惧していた匂いはまったくせず、水を使わないトイレの体験は自分が一歩ワイルドになったようで誇らしい。

 

災害用トイレはお持ち帰り

移住先の景色(山林の先の朝日)

 

ところで、信州に来ると私の身体は「デトックス・モード」に入ります。都会で溜め込んだ悪いものをどんどん排出するモードに入るのです。つまり・・・頻繁にトイレに行きたくなるんだ!!

 

まるで病気にかかったかのようにガンガントイレに行きたくなる。その都度、袋の再セットは煩わしいが仕方がない。お店に行ってはトイレ、古民家に帰ってはトイレ。結果、家族4人で2日間、 40 枚入りの災害用トイレキットを使い切ってしまったのでした。余談ですが、災害用トイレのゴミは 20L のゴミ袋3つぶん。かなり大きなゴミを抱えて帰ることになったとさ。

 

それにしても、やっぱり景色は最高!まだ一部しか公開できませんが、ちょうど開けたところに我が家が見えるのでとっても贅沢な気分になります!家の横には川がながれ、農家の皆さんの田畑も見える。自分の田畑もなんとかしないといけないのだけれど、とりあえずは我が家を手に入れた感動に浸るんだ!

 

青と緑のハーモニー、光のコントラストが強くて眩しい。トイレ問題にひとまずの決着をつけて、さあて次はどうしようか?我が家の古民家体験は続きます。

 

結びの瞬景

信州 移住先の景色

 

とある谷間にある、我が移住先の古民家。大自然に囲まれながらも、上下水道完備とは嬉しい物件です(^^)

 

世の中の青と緑がすべて自分のものになったかのような体験は不思議です。見渡す限りの緑!緑!森も田畑も大きくって、人なんてまったくチッポケなもの。自然に食べられそうになるような恐怖心さえわいてくるような、そんな体験でした。

 

ちなみに、この写真には我が家は写っておりません(笑)いずれ公開できるとは思いますが、家族のオーケーをもらわないことには、ね。自宅な分だけ、クルマのようにはいかないのは仕方がありません。

 

兎にも角にも、monogress の新カテゴリー記事の最初の一歩です。随時更新していきますので、お楽しみに。