【まこまちの車選び2022】第四章:夢への決意

輸入車好きのモヤモヤは続く。田舎に持っていくクルマの先行購入案は、私のクルマが決まらない以上は「アリ」。しかしどうやら、その候補車は NISSAN SAKURA で決まりである。自宅で充電できない EV 生活を考えてみれば、苦難が続くのは予測できる。しかし、移住地が決まったわけでもない、ロングドライブを許容できるクルマが必要なことには変わりない。

 

クルマ生活、このまま露頭にまようのかな?

 

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2台目先行の課題と回答

NISSAN SAKURA コックピット

 

NISSAN SAKURA の試乗を終えて、数日が経った。軽 EV をどのように導入するべきか、嫁ちゃんともしっかり話さなければ。我が家の車問題は、まだまだ先が見えないのである。

 

嫁ちゃんに、私の方から課題を提示した。

 

  • EV は借家だと充電ができない
  • 日産の充電プランは悪くはないが ガソリン代と変わらないし日本ではエコとは言えない
  • 移住先には EV があったほうがエネルギー的に安心できる
  • 移住地探しにはロングドライブに耐えられるクルマが必要
  • 移住地決定後 2拠点居住になった時にも ロングドライブのクルマは必要
  • そもそも 車好きの身としてはクルマが欲しい(本音)

 

「自分としても、NISSAN SAKURA は買っていい車だと思う。普通の軽自動車よりも特色があって、所有感が満たされそうだね。」

 

NISSAN SAKURA は、素直な感想として良い車だった。対抗馬が居ないことが残念なことくらいしか、思い当たるところがない。嫁ちゃんの意見を聞く。

 

「そうよね、私も良いと思うよ。100 V 普通コンセントで充電できないのかなあ。」

「セールスさんに聞いたけれど、100 V 3000 アンペアとか 200V とか、一般家庭なら工事が必要なものらしいね。」

 

現在の我が家は借家なのだが、実はベランダ側の目の前が自車の駐車場である。コンセントをぐいっと延ばして、サクラに充電できればいいのに。

 

NISSAN SAKURA エクステリア

 

「追加工事をしてくれるとは思えないよね・・・」

 

嫁ちゃんも、急速充電器暮らしには抵抗感があるらしい。私も同意。

 

「実はね、今回は川崎の街乗りも考えて、軽自動車の先行導入は良いと思っているんだ。けれどもSAKURA は EV で借家暮らしにはハテナだし、良いかなって思った HONDA N-BOX はモデル末期。納車待ちの間に新型が出そうで、それはなんだか不幸だよね。」

 

「そうねぇ・・・計算したけれど、長野まで SAKURA で行くと3回くらいは充電しないと行けないのよね。」

 

「計算したんだ!高速道路をせいぜい 100km おきに必ず充電するとなると、結構大変な事になるよね。」

 

ブロガー的には美味しいコンテンツとは思うものの、EV が動かなくなるという未知のリスクは、ちょっと怖い。

 

「なら、現実的にはやっぱりパパの車から買ったほうが良いのかな・・・」

 

なんだか、とても残念そう。

 

 

来るべき時が来たら SAKURA のオーダーを入れようよ

ルノー・カングー フロントフェイスはファニー系

 

私の勝手な考え方だが、家族の持ち物は共有資産だ。働きに出ている自分の収入で家庭な成り立っているとはいえ、子育てや家事全般は嫁ちゃんが居なければ叶わない。教育方針や将来の夢を共有して、仕事を分担しているだけだ。だから、勝手に片方の意見を通さず、お互い納得の上での買い物がしたいのだ。

 

だが、Peugeot 308SW の決定は理解をもらっていたとはいえ、嫁ちゃんの希望である RENAULT KANGOO にはしなかった。私がピッチングに酔ってしまったのが大きいところなのだが、クルマ選びは運転するのが私だからと最終決定件を譲ってくれる。だから、精一杯の譲歩を嫁ちゃんにしてあげたかった。

 

ロシアーウクライナ戦争がなく、コロナウイルス蔓延も無ければ、きっと違った未来があったに違いない。私は輸入車を乗り継ぐだろうし、嫁ちゃん用のクルマも即納できたかもしれない。なんだか色々タイミングが悪いが、すでにコマは進めてしまった。移住という決定事項を達成する為の最高の案を出さなければ。

 

秋の小布施の町並み 

 

「2024年の春には、ママたちは移住は必ずする。納期とニラメッコにはなるだろうけど、4月に納車されるように NISSAN SAKURA のオーダーを入れようよ。移住先の物件には、V2Hの先行工事も入れておこう。これは、夢じゃなくて現実の話ね。」

 

「うん・・・わかった、それが良いね。」

 

「その代わりじゃないけれど、今できることは全部しよう。クルマは早く売ってしまっても構わない。貯金をしてボクのクルマの頭金を多く入れよう。ママの収入は将来の SAKURA の為に貯めておいて!」

 

「え!私が自分で買うのか!(笑)」

 

「お金は共有なものなんだから(汗)でも、1年経ったらダイハツとかホンダとかから軽EVの対抗馬も出ているかもしれないよ?」

 

一旦は、私の車から決めていいという方向で一件落着。しかし、私のクルマ選びのモヤモヤは未だ晴れていなかった。

 

試乗車紹介:Peugeot 308 (P5)  ※ただし、撮影のみ

そして私はプジョーディーラーに居た。担当セールスさんより、試乗はできないけれど展示車が用意できているから、見に来てと誘われた。正直、新型 Peugeot 308 は興味津々。でも輸入車NG言い渡されているんだよなあ。

 

Peugeot 308 P5 リアコンビランプ

 

車は展示場でなく、ディーラーの駐車場の奥に隠されて置かれていた。オリーブ・グリーンの艷やかなボディは、やはり日本車には無い魅力がある。どうしてこんなにも、欧州車はデザインが最高なのだろう?

 

新旧 308 は随分とテイストが違うのだが、全体のシルエットはしっかり後継車ができている。リアドアの形状はワザとらしく新旧合わせてあるのが面白いが、そこを拘ってアンバランスを感じたことが、せめてもの救いだったと言える。

 

Peugeot 308 P5 コックピット

 

質のあがった i-Cockpit は、配置も見栄えもスンナリおさまる。インフォテイメイトディスプレイはトレンドにそって上に移動してほしかったが、多分デザイン優先で考えた代物だろう。そもそも、運転中に目に入らないほうが安全なのだ。エアコン操作は相変わらずタッチパネル式なのはいただけないが、フランス車乗りに不便という言葉は通じない。

 

それにしても、シートの掛け心地もムードもかなり良くなった。Volkswagen Golf を目指したのは間違い無いが、どうやら追い越してしまったようだ。

 

Peugeot 308(P5)コックピットからの眺め

Peugeot 308(P5) 少し斜め上からのビュー

 

クルマを降りて、見つめ直す・・・エッジの効かせ方は最先端の 3Dモデリング でしっかり造形を主張する。されど、サイドに向かう滑らかな曲線美はどういうことだろう? まるでクラシックカーである。自動車デザインの集大成を 新型 Peugeot 308 で表現しようと言うのだろうか?

 

新型 Peugeot 308、とても素敵なスタイルのクルマでした。もう少し詳しく見たい!という方は Peugeot 308(P5) エクステリア・デザイン・吟味録 と Peugeot 308(P5) インテリア・デザイン 吟味録 も合わせて御覧ください。

 

輸入車から降りるということ

予算的には射程範囲の 新型 Peugeot 308 は、しかし自分の手に届く範囲には無いことを実感する。今回は嫁ちゃんの希望が優先だ。だから、今後街中で見ることになるだろう 308 のボディを眺めて、考えを整理する。

 

日本車でデザインを語るのは難しい。せいぜい、マツダくらいだろうが、以前受けたディーラーの扱いの悪さが頭から離れない。レクサスはISあたりの塊感が無ければパリパリデザインはまとまらない。日本車で Peugeot に勝るものを探そうとしたって、到底無理な話なのだ。

 

そう考えると、スッキリしてきた。デザインだけでないクルマの捉え方、そのクルマの持つ考え方。ついついプジョーのデザインの良さに引っ張られて、クルマとしての魅力を全体で感じることを怠っていなかったか?日本車には日本車のいい表現方法が、探し方が、きっとあるに違いない。

 

Peugeot 308SW 朝日を浴びて

 

セールス氏と会話する。

「新型 308 、流石の質感ですね。まさかここまでインテリアが作り込まれているとは思いませんでした、高級車ですよね、これ。」

「いえいえ、そんなに高くはありませんよ。」

流暢な日本語で返してくれる担当さんはフランス人。外車ディーラーって面白いな。

「マッサージ機能もあるんです・・・ほら、どうですか?」

「あわわわ、意外と気持ちいい・・・馬鹿にできないですね、高速道路で寝てしまいそうです(笑)」

「でしょう?他にも、リアカメラの解像度が上がっていて見やすいですし・・・」

 

このセールスさんも、母国から離れて暮らしている。並大抵の努力ではないだろう。二人の自分が居るような不思議な感覚で、セールスさんとのプジョー談話を楽しんだ。

 

最後に、新型 Peugeot 308 SW が来年入荷と聞いてホッとした。もしも今目の前になったら、きっとそれしか見えなくなっていたことだろう。「デザインの国の究極ボディの」「質感アゲアゲの」「スポーティPHEVワゴン」なんて、目玉が何個飛び出ても足りないくらい惚れ込むに違いない。

 

VOLVO V40 D4

 

いつの間にか、クルマというものが人生に必ず関わるようになっていた。たまたま書いてみた VOLVO ブログのクリーンヒットから病みつきになり、今日まで「自動車は輸入車推し」を貫いた。私のブログを読んだ人が、ボルボやプジョーを買って楽しんでいる話を聞くと嬉しくなる。

 

その私が輸入車から退くということが、どうしても許せなかった。期待を裏切るんじゃないか、もうブログを読まれないんじゃないか、と思ってしまう。ツイッターのいいねの数を見ただけでも、自分のアカウントが輸入車寄りなのも分かっていた。

 

だが、まずは家庭の未来である。

 

プジョーのデザインの集大成は、自分の集大成をどのように実現するか考えさせた。移住の目標と、その先の夢に向かっての自動車選びだ。嫁ちゃんは夢の為に、自分の希望を一年半先送りにしたのである。私は何も諦めずに進むのか? 商売が軌道に乗れば、また輸入車に乗れるではないか。カフェに来た友人の輸入車に乗ることだってできるのだ。

 

オリーブ・グリーンに、思考の整理とほんの少しの勇気を貰い、私は輸入車を降りることを決意した。

 

ーーー つづく ーーー