ディーゼル乗りはEVの夢を見るか

EVブームが目前のような空気が流れていた2020年。EV元年になるという勢いは、コロナショックで少し遅れ気味にはなったものの、各メーカー次世代EVの発表で少し元気が戻った印象だ。

 

プジョーはe208を2020年年末に日本へ導入。日産はアリアというEVSUVを発表し、世間の車好きはEVというものから目が離せなくなった。

 

そんな最中。数年前のエンジン選びで、もてはやされたのはクリーンディーゼルだった。このエンジンを乗せる車に乗ったユーザーは、EVがもてはやされていく様をどのような目で見ていただろう。

 

ビーナスライン

Story ディーゼル乗りはEVの夢を見るか

2020年当時、私はクリーンディーゼルを乗り継いで、およそ4年経ったところだった。最初はボルボのDB4204(D4)ディーゼルエンジン、今はプジョーBlueHDiディーゼルエンジン。どちらも素晴らしいデキだった。

 

当時選んだ理由はズバリ、性能の高さとコストパフォーマンス。車両価格はガソリン車よりは確実に高額ではあるけれど、大きなトルクはドライブがとても楽だし燃費もいい。ガソリンスタンドに行く回数が減るのが実感できて、素直に嬉しい。

 

特に高速道路走行中の燃費契約。50 km/L とか60 km/L とか刻むのがとても好き。アクセルを踏んだ時に、踏んだ分だけGがかかるのも心地よいものであった。

 

 

家内    私も自分の車が欲しいんだけど

 

突然言い出した家内に、私はすこし驚く。車二台持ちだなんて、都会では叶わぬ夢ではあったが、今は環境もかわっている。そういえば今の車は少し大きくて運転しにくいと言っていたな。

 

まこまち  突然だね。

家内    街から少し遠いでしょ、ここ。毎回パパに車出してもらうのは申し訳なくて。

 

たしかに、私たちの選んだ住まいは街の中心部からは遠いエリア。商売をするには不便なところだ。敢えてここを選んだのには色々あるけど、眺望で一目惚れしたのだから仕方がない。

 

まこまち  まだまだ、今の車のローンが終わってないんだけれど?

家内    大丈夫よ。なんとかなる車しか買わないからさ。

 

家内が言うには、車を買い換えてからと言うもの維持費がほとんど掛からなくなったそうだ。ガソリンスタンドに疎遠になって少し経つ。計画していたより安くついたのだと言う。

 

まあ、車を買うならいいか、なんて考える。家の道具はついつい自分の意見を押し通し気味の私だが、家内の車となれば家内が選ぶべき。もちろん、レビューはするけれど。

 

ルノートゥインゴ

 

まこまち  で、何が欲しいの?

 

だいたい想像はついてはいるけど。以前ルノーディーラーで、トゥインゴを見てイイなと言っていた。私も悪い気はしない。小さいクルマは小さい車で楽しいモノだ。

 

家内    ルーテシア かしら。

 

え?意外・・・

 

まこまち  今日は驚きっぱなしだな。凄いところきたね・・メガーヌじゃなくていいの?

家内    それはパパが欲しい車でしょ。それに、EVじゃないし。

 

我が家の愛車は、今はディーゼル自動車ではない。戸建てに引越したこともあり、充電設備を設けてEV三昧なのである。燃料費がほとんどかからないのはモチロン、友人が訪ねてきたときに充電させてあげられるのも良い。

 

EVの普及は、クルマの概念が変わった気がした。航続距離以内を生活圏と決めてしまい、行く先に充電設備があるのであれば、帰りの電池も気にならない。東京から伊勢神宮への弾丸ドライブは、今思えば夢のような話だけれど、今はEV乗り継ぎレンタルもある。年もいったことだし、鉄道も悪くない。

 

まこまち  LCA値は 10000 か。悪くないな。

家内    でしょ?

まこまち  それにしても、ビッグマイナーチェンジのEV搭載車かあ。

家内    おかしい?

まこまち  いや、ウチらしくていいよ。

 

クルマを選ぶ基準。内燃機関で動くクルマは、相変わらず重要な指標に燃費がある。EVになってしまうと、そのあたりは気にならなくなる。

 

随分むかしの話になるけど、クリーンディーゼルに乗る前は、給油は月に一回と決めていたっけ。クレジットカードの請求にあわせて、給油をする。買い物の往復を繰り返すだけで、ハイオクガソリンは湯水のように消えていったことを思い出した。

 

クリーンディーゼルに乗り換えたら、2ヶ月に1回とか、3ヶ月で2回とか。燃料代も安かったから、1年間のトータルコストで随分たすかったっけ。

 

EVは、走れば走るほどCO2を排出する轍(わだち)から抜けたようだ。しかしこれではクルマの性能がどの程度だか、どれほど環境を配慮したものか判らなくなってくる。去年、各メーカーは競うように発表しだした数値。それが、LCA値だったりする。

 

LCA値とは、クルマの製造からラインオフまでと、走行距離10万キロまでの環境負荷をポイントにして定めたものである(※)。だから、しっかり環境について考えられたモノであるか、再生エネルギーがどれほど使われているか、この数値で比べることができるのだ。

(※ この物語のなかでのみ使われる表現です。)

 

カフェ パイとコーラ

 

まこまち  トゥインゴと同等になっているね。ボディサイズはそこそこなのに・・・

家内    3年契約なら月々3万円だし、私もお仕事がんばるからさ!

まこまち  はは(笑)

 

EV乗りになったのは、一昨年の世界的事件の出来事があったからだった。再生可能エネルギーの虚偽報告。100%再生可能エネルギーで作られた、いわゆる「LCA All 0」カーは、バッテリーメーカーの虚偽によって直近での実現は不能なものだということが明確になった。

 

しかし、この事件のおかげでEVのCO2排出量の闇が晴れ、ディーゼルやガソリンなどよりも省エネルギーだということがわかってきた。そして、バッテリーが有限であるとハッキリしたことで、今しか味わえないEVを試そうという気になったわけだ。

 

分厚いトルクに省エネ。エンジンでクルマを選んできた私にとっては、新しい”エンジン”はやはり、気になった。もう気になって気になって仕方がなくって、ディーゼルワゴンからEVワゴンに乗り換えた、というわけだ(笑)

 

まこまち  充電設備を増やさないとね(笑)

家内    あら、お友達を二組招待できそうね。バーベキューとか、みんなでするの楽しいかもね。

 

カー・ミーティング・バーベキュー。今年は 300km 離れたあの人にも、来てもらうことができそうだ。

※この記事はフィクションです。

関連用語

Life Cycle Assessment(LCA)
総合的なエネルギー効率。自動車の製造から廃棄までの環境負荷を評価するもの。ゼロ・エミッションカーと言われる電気自動車は、充電された電気を駆動力に変える過程でCO2を排出しません(Tank to Wheel)。しかし、走行するエネルギーを製造する過程でCO2を排出します(Well to Whel)。さらに自動車の製造工程においても、再生可能エネルギーを使わない限りCO2を排出しますし、大気や水資源を汚染します。Life Cycle Assessmentは、さまざまな次世代エネルギーカーを比較する際に、自動車の製造、使用、廃棄までの環境負荷を用いる考え方です。 

この物語の中では、LCA値としてクルマの環境影響値として登場。製造開始からラインオフまでと走行10万kmまでの環境負荷が、国ごとにわかるようになっています。現実世界ではこのような使い方はされていませんが、燃費が気にならない世界になったときの自動車選びの指標はなんだろうと考えたときに、このような選び方もあるかなと思うのですが、いかがでしょうか。

 

あとがき

クルマ業界にある難しい用語を、なにかわかりやすい、読みやすいもので伝えられないかなと。そこで思いついたのがストーリー形式の記事でした。

 

もう少し手を入れないと、わかりにくいかも。評判が良ければ次の作品をつくります(笑)

 

別にディーゼル乗りだけに限った話ではないのですが、CO2排出量の少なさはディーゼルの良いところのひとつと考えている私は、きっとEVにも興味はあるだろう、と思っています。そして未来の私は、ビックトルクが味わえて燃費の優れたEVに乗り換えてしまったわけです(笑い)

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