【プジョー308SW 1stインプレッション⑥】アラ探し編

速度を上げると顔を出した、ブルブルという震え。これはディーラーへ点検に出す事にしよう。

 

だいたい100km/hで顔を出し始める揺れは、多分実力ではない。その他のところをしっかりチェックしようじゃないか。

 

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通常走行の良い悪い

微速度走行は苦手

街中を走っている時に気づかなかった事がある。サービスエリアに寄った時のことだ。

 

前の車がトロトロ走るのは、安全確認のため当然だ。プジョー308SWも、前の車に着いて行く。トロトロと、トロトロと。

 

クリープを使って、ブレーキを調整しながら進むのがトロトロ運転の常識。半クラを使わないATの楽チンさなんて、いまさら説明する必要もないだろう。

 

そのトロトロが超トロトロに変わった時、車に変化が起きた。ブレーキがかかり、308SWは停止したのだ。

 

あれっと思い、ブレーキを緩める。エンジンがかかり進み出す。しかし、想定よりも早く進む。

 

ブレーキを踏んで、速度を落とす。

 

かくん。308SWは、停止した。

 

 

そう、ある一定速度よりも速度が落ちると、ブレーキ量が増えて停止する制御が入っているようなのだ。通常の信号停止では気にならない、細かい制御。車を止めてエンジンを止めようとする制御だ。

 

ブレーキ量に対して、エンジンのトルクが優っている?エンジンが多くトルクを出しているせいな気もする。

プジョー 308SW 1.5Lディーゼル タコメーター

8ATの制御が理由か

これはもしかすると、ATの制御プログラムがガソリンとディーゼルで同じなのではないだろうか。

 

2020年1月のプジョー308SWには、3つのエンジンタイプが存在する。

 

1.2リッターピュアテックエンジンは、230Nmという大トルクを1750rpmで発揮する、トルクモンスターだ。

1.5リッターディーゼルエンジンBlueHDiは、高回転の軽やかさを主張するユニット。300Nmを発揮する。

2.0リッターディーゼルエンジンBlueHDiは、泣く子も黙る400Nm。ディーゼルエンジンの真髄だ。

 

このうち1.2リッターと1.5リッターは、8ATに同じギア比を採用している。最終減速比の違いで1.5リッターディーゼルが、同じ速度なら低回転で回るセッティングだ。

 

同じAT、同じ制御であるならば、同じプログラムの可能性は充分あり得る。そして、極低速域では減速比の違いだけではトルクのコントロールができず、ガソリンエンジンに比べて強く出てしまうディーゼルトルクによって駆動がブレーキを上回り、ギクシャクしてしまったのではないだろうか。

 

ある意味、こんな芸当(今回は若干悪い方だけど)をできるのは、プジョー しかいないかもしれない。

 

その確信はディーゼルのタコメーター。レッドゾーンは5,000rpmから。ちょっとありえないほど回るディーゼルエンジンに、プジョー 自体が酔いしれてしまったのかもしれないね。

 

下り坂制御の上手な8AT

以上は私の勝手な想像ではあるし、対応できないレベルではない。しかし、ブレーキのフィーリングの良いボルボに比べれば、劣っているのは明らかだ。

 

これが価格の差か・・・

 

一方で良い面もあった。

 

プジョー308SWは、下り坂での8ATの制御がとてもうまく感じる。通常走行で下り坂に入ると、エンジンブレーキを多用する制御に入る。だから、安心してブレーキに足を載せ替えられる。焦る必要がない。

 

さらに、なかなかシフトをチェンジしない。下り坂で速度が上がってくると、シフトが一段上がってカクンと速度が増すクルマは多い。ボルボV40でさえ、そうだったのだ。

 

不用意にシフトチェンジしないから、安心して軽くブレーキで速度を制御できる。これは運転していて、とても気持ちの良いものであった。

アクティブクルーズコントロールの使用感

加速の緩さの良し悪し

高速道路では、アクティブクルーズコントロールを試す機会もあった。

 

渋滞な無かったので0速度までのブレーキは体験していないが、高速道路を流す程度では問題を感じる制御ではなく、むしろボルボよりも良いと感じる場面も出てくる。

 

良い面としては、ひとつはアクセルの開度だ。前の車との距離があるとき、プジョー308SWのアクティブ・クルーズ・コントロールは、緩やかな加速を行う。前のクルマとの距離など関係なく、自分のペースで「スイーー」と加速する。

 

ボルボは急加速を信条としていたようだが、乗る人の事を考えたプジョーの加速感は素晴らしいと感じた。

 

だがおかげで、308SWの前にクルマが入り込む。これは仕方の無いことだけど(笑)

 

緩さが目立つ308SW

これが裏目に出るのは、レーンチェンジの時。

 

ウインカーを出したときに加速するのは、ボルボと同じ制御だ。しかし、やはり加速は緩やかだ。アクセルを踏みたくなる。いや、踏む!

 

このあたり、「急」のつく動きはプジョー308SWでは控えられている印象だ。あとは前への割り込み時の緊急ブレーキがどの程度効くか、そして渋滞最後尾でどういう挙動を見るかだが、別の機会に体験したらレポートしよう。

 

308SWの前にクルマが入り込んだときは、適正な車間距離になるまで緩やかに速度を落とした。これも緩やかだ。しっかり制御している感のあったボルボに比べると、本当に緩やかな制御を目指しているように感じる、アクティブクルーズコントロールであった。

 

プジョー 308SW リアシート

閉幕

家内   なんかね、ボルボV40は、長く乗らないんじゃないかなって、買うときに思ったんだ。

まこまち へえ、なんで?

家内   なんとなく、かな。

まこまち 自分も、そう思っていたよ。いい車なのに、しっくりこない。

家内   V50が最高だったからさ、その感覚が抜けなかったね。

 

ボルボV50を今も乗り続けていたら・・・いや、やはりそれも手放していたことだろう。優秀なパッケージングと言われながらも、今でも目を引くエクステリアデザインも、徐々に不満は出てくるもの。

 

私の場合は、たぶん子供のスペースの少なさは必ず気にしたはずだ。自分を追い越す勢いで成長する子どもたち。すると、V50もV40も、子供のスペース、リアシートスペースが少なすぎる。

 

V40では大きくなった息子のために、家内はシートをかなり前にずらしていた。事故に合ったときにヒザが当たるから辞めてと言っても、自分は大丈夫の一点張りだった。

 

400万円のクルマから350万円のクルマに変わり、居住空間は改善され、荷物は多く載せられるようになり、燃費が良くなり、デザインに不満がない。見事なまでに希望を叶えたプジョー308SWは、きっと私の人生の役に立つ。

 

 

多少の性能差には目をつぶることになるけれど、手を入れて楽しんでいこう。

 

荷物をたくさん持って出かけるという、新しいカーライフを堪能するぞ!