ボルボの企業イメージ「安全」と「追求」

道具を選ぶ上で、企業の成り立ちや今までの道のりを知ることは欠かせない。輝かしい成果、起こしてしまった間違いなどを総合的に捉えて、そのブランド、メーカーを選ぶが判断するべきである。

例えば、自分の感性に合わない事をメーカーがする事もある。プロダクトを出す場合がある。それが自分にとって軽いことなのか、重いことなのかによってメーカーへの印象は随分変わる。

私はこれをストーリーと呼ぶが、気にする、気にしないは個人の差がある。ここでは各企業の歴史や近年の動向を綴っていく。

世界で一番安全なファミリーカー

ボルボというブランドは、安全というキーワードを語らずには説明できないだろう。

1927年に創業したボルボは、1954年にはいち早く安全性について対策を始めている。事故車や故障車を引き取り、一定額で新車へ入れ替えるサービスは、今の時代は絶対に聞くことができない取り組みだ。

やるならトコトン追求する。だがそんなボルボの姿勢でも、必ずしも良い結果だけではなかったようだ。

歴史の長い安全への取り組み

良い面で言えば、今へ続く安全性能だ。サイドエアバック 、カーテンエアバックをいち早く採用することや、レーダー監視による衝突回避などはボルボのお家芸。

3点式シートベルトの標準化など、安全機能を徹底的に、積極的に採用してきた歴史がある。

クルマが人をアシストして衝突を回避するなんて、ボルボ乗りなら一般的だが、他のメーカーに乗る人が聞いたら驚くかもしれない。

移動をリスクだと捉えるのであれば、ボルボは心強いクルマなのは確かなのである。

ボルボのレーダー

顧客満足の徹底を考えさせられるエピソード

大好きなエピソードがある。

1959年、カムシャフトに欠陥が見つかり、ボルボへ苦情が襲った。

自動車メーカーは不利益を伴うニュースを抑え込もうとするのが常であったが、ボルボは直ちに問題を公表。オーナーへ一切の損害が生じないように欠陥パーツの無償交換を約束したのだ。(出典:書籍 ボルボ ワールドカーガイドDX)

21世紀になっても、リコール隠しのニュースの絶えない自動車業界。1959年のボルボは、最高の顧客満足を叶える方法を知っていたのだ。いま、同じことをできる自動車会社はいくつあるだろうか。

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近年は他社傘下を転々

一方ボルボは経営危機も経験している。

一時はルノーやサーブとの合併を模索。だが合意直前で、株主による反感を買い白紙撤回。結局自動車部門のみフォードへ売られることになった。

ボルボは乗用車で始まったにもかかわらず、商用車が屋台骨を支える状況に。乗用車部門を手放したのはスウェーデンにとって痛かったことだろう。

それは中国の吉利汽車に買い取られた際、株の回収を検討しているという話があがったことからもうかがえる。

スウェーデン鋼という良質な鉄で品質の良いクルマを作る。クルマの質は高かった。経営が上手くないと、良いものを作っていても立ちいかなくなる。その逆もしかり。

自動車会社の経営は大変なのだろう。

迷わないポリシー 迷うビジョン

ところで、Vision2020はご存知だろうか。ボルボの掲げた、2020年までにボルボ車の関わる事故での死亡事故を0にする、と掲げたスローガンだ。

残念ながら、このスローガンは達成されなかった。交通事故は様々な要因で発生する。扱うのが人である以上、無茶なドライバーによっても事故は発生してしまう。

このVision2020。達成されなかったからボルボは情けない、なんていうか話をする訳ではない。2019年、ボルボは交通事故による死亡者を無くすために、ボルボで保有している安全対策の情報を無償公開したのだ。

安全を願うからこそ、出来ること。ボルボ乗りは誇りを持てる出来事だろう。公式WEBからVision2020という文言は消えてしまったが、さらなる安全性能の追求は止まらないことだろう。

品質の高さは受賞歴に現れる

いずれにせよ、ボルボの歩みは自動車の安全の確保とともにあると言える。

フォードから吉利汽車へという大資本間の移動という大変な場面もあるが、しっかりと良いクルマ作りに役立っていると言えなくもない。ボルボというブランドのクルマが優秀か否かは、XC60とXC40の2年連続日本カーオブザイヤー受賞が物語っている。

安全性能と、自動車としての性能。いまボルボは素晴らしい躍進を見せているが、この根本には開発者のこだわりが身を結んでいるという事実があることをぜひ、心に留めておこう。

ボルボXC90インテリア

近年ボルボの動向

2019年は大きなリコールが2回

さて、近年のボルボについて、少し気にしておきたいところがある。

ディーゼルエンジンの大規模なリコールが世界規模で2回発生している。そのうちの1つは、日本でもリコールとして届けられた。

自動車の場合、リコールの発生はやむを得ない。部品点数の多い自動車は、販売後に問題があると判断した場合に、改修する事が認められているからだ。

リコールは過敏になる必要は無く、致命的な症状さえでなければ問題ない。ただ、世界をWEBで回れる昨今、このような情報も手に入るという事をお伝えしたい。

プレミアムカーを見据えて

ボルボはプレミアムカーメーカーを目指している。この流れは、日本では特に顕著だ。10年前のボルボに比べ、コアになる安全性能も、自動車の品質も上がっている。

Inscriptionグレードに設定されるファインナッパレザーシートやテイラードダッシュボードなど、プレミアムに相応しい装備がつくのだが、その分価格も上がっている。

フランス勢よりもドイツプレミアムカーに近い価格設定になっているから、メルセデスやBMWなどと充分比較検討できる。個人情報流出など課題は残るが、自動車自身の実力がボルボ人気を牽引することだろう。

ボルボ・ストーリー

以上が私の調べた限りでの、ボルボのストーリーだ。

長年培われてきた安全性能と品質管理によって、プレミアムに匹敵する性能を持っていると言えそうだ。

しかし、小さいメーカーならではか、危うさもある。そして中国企業傘下にあるというところも、気にする人はいるだろう。

ボルボを購入するにあたっては、海外メーカーである事も踏まえ、英語などでWEB検索することをお薦めしたい。

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