次期V40でもXC20でもない!VOLVO EX30発売前ハイライト

びっくりしましたね。久々にボルボ記事が書きたくなって、「そういえば 次期V40 とか XC20 の噂ってどうなったのかな」なんて調べてみれば、コンパクトSUV EX30 の登場ですよ。また、面白そうなモデルを出してきたものですね〜。

 

純粋に自動車ファンとして興味深いモデルです。エクステリア・デザインもインテリア・デザインも先進的・・・というか、過去のボルボを置き去りにするような、ベクトルの方向性を変えたような佇まい。いや、C40 でさえも置き去りにしているんじゃないですかね。

 

VOLVO V50、VOLVO V40と乗り継いだ私としても、このモデルは興味津々。「いつかは Peugeot E308(SW) ほしいなあ」と言っている最中、EX30から想像する次期V60とかモヤモヤ想像すると楽しげ。期待感というダークホースの登場なのですから!

 

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VOLVO EX30 発売前ハイライト

とはいっても、旧来のボルボファンには「?」がつくところもあるかもしれません。私もVOLVO Car Japan や海外サイトを検索して出てくる情報は、「これって、自分の好きだったボルボとはちょっと違うんじゃないかな・・・」と思うところもあります。完全にターゲットから外れたわけではないのでしょうけれど・・・あ、価格的には外れているか(笑)

 

プレミアムメーカーではなかった頃のボルボが好きだった私の参考意見を散りばめつつ、EX30の調査結果を以下に示します。それにしても、小さいだけじゃない(日本ではしっかり大きい)のが、ボルボらしくて良いじゃないですか。

 

なお、ボルボ・カー・ジャパン発表の情報は、https://www.volvocars.com/jp/cars/ex30-electric/ をご参照ください。

 

VOLVO EX30 パワートレインは3つを用意

出典:ボルボ・カー・ジャパン プレスリリース

 

VOLVO EX30は、シングルモーター版で2つ、ツインモーター版で1つのパワートレインを用意します。シングルモーター版は後輪駆動で、バッテリーの種類によって街中走行/ロングドライブそれぞれにあったモデルを用意します。リン酸鉄リチウムバッテリーを搭載する街中走行モデル「EM」は、リチウムニッケルマンガンコバルトバッテリーを搭載するロングドライブモデル「EL」に比べ、バッテリーの充電時間が 0-100% で2時間早いのが特徴です。

 

”2時間早い” 充電時間は、充電器に単相接続を使った場合の話。三相接続の場合は逆転し、「EL」が2時間早いという性能差。家庭での充電では単相電源を使うので、家で充電がメインになるだろうほとんどの人にとって、「EM」の充電時間はありがたいものになるに違いありません・・・と言いたかったのですが、実際には搭載バッテリー容量が小さいだけなんですね。(後述)

 

最上位モデルになるであろう、ツインモーター仕様の「EK」は、フロントにもモーターを搭載するAWDモデル。馬力はなんと422馬力!0-100 km/hは3.6秒という驚異的数値です・・・ボルボのシートを用いれば、加速で首を痛めることはない?(笑)

 

EX30暫定スペック EM EL EK
馬力 268 268 422
トルク 360 360 540

※北米版 EX30 情報

 

VOLVO EX30 加速力は安全のため

出典:ボルボ・カー・ジャパン プレスリリース

 

といいますか、プレスリリースに記載されている 3.6 秒は驚異的です。正直に言えば、私が違和感を感じずにはいられないところが、このポイント。ボルボといえば、安全性を重視する会社でしたよね?環境を重視する会社でしたよね?であれば、すげー急加速なんて本来は不要で、声高らかに伝えるべきことじゃないはず。

 

実は以前も、ボルボの高性能化についてブログで議論があったことがあります。どうしてボルボは、馬力志向なのだろうと。その時の答えは、「命を守るために急加速が必要なシチュエーションが海外には存在する」でありました。日本では拳銃で脅されることはないですが、海外ではわかりません。なるほど!という答えでした。

 

でも日本では、ゆっくりと子供を安全に送り届けたい人たちには不要なパラメータなんですよね。

 

VCJとしては、高性能化をアピールして新規顧客層に訴えていきたいんでしょうけれどね。輸入車としてよく売れている VW T-Roc にもぶつけやすいですし、人の思想にひっぱられて商売失敗しても仕方がありません。けれど、10年前のボルボって、そんな牧歌的な雰囲気があって大好きだったんですよね。

 

EX30暫定スペック EM EL EK
0-100 km/h(秒) 5.4 5.1 3.4

※北米版 EX30 情報

 

すべての情報はセンターディスプレイに集約

メーターパネルを廃止

出典:ボルボ・カー・ジャパン プレスリリース

 

かなり強引な書き方をしましたが、センターのタブレットディスプレイに集約され、実にクリーンなフロントエリアを実現しています。センターディスプレイ・ドライバーズディスプレイ議論は古くから行われているので、わざわざココで指摘する必要はありませんね。ただ、思い切ったなあという印象です。

 

たぶんですけど、世界で販売する際の左右非対称コックピットを設計するコストを削減したのでしょうね。ボルボとしては、30レンジはボルボの中でも安い価格で販売したいわけです。でも、バッテリーやモーターは価格が落ちてきているとはいえ、まだまだ高い。ならばできるだけコストを抑えるべき・・・昔のボルボには無い考えかもしれませんが。

 

パーキングボタンはウインカーレバーに内蔵なの?

出典:ボルボ・カー・ジャパン プレスリリース

 

操作性の一新の影響か、「パーキング」はステアリング横のウインカーレバーか、ワイパーレバーにつくようです。攻めているよね、ボルボさん・・・というより、思い切ったというか、もう保守的なボルボって無くなったんでしょうね。

 

ここは、ジーリーが上手く影響させたというべきなのかな。最近のボルボの「ハザードボタン小さい問題」でもそうでしたが、一昔前の安全思想ゴリゴリだったボルボからは到底考えられない、エポックメイキングな発想で攻めてきますから。人が操るものに対して、新しい思想を取り入れることは安全思想から外れるわけです。

 

しかし、今回シフトレバーも廃止されるようですからね。EV で世界自動車メーカーの先頭に立ちたいボルボとしては、新しい試みで世界を先導する勢いなのでしょう。安全性能で牽引したころのように、ね。

 

VOLVO EX30 航続距離はモデル毎に違う

日本に入ってくるグレードがどのようになるかわかりませんが、航続距離はモデル毎に変わるようです。先程、充電時間が短いと言った「EM」モデルは、とどのつまりバッテリー容量が小さいのです。

 

それでも、「EM」でおよそ 320 km は走行できるスペックを持ち合わせています。シングルモーターの上位モデル「EL」で、およそ 440 km。これらの数値は北米版の情報で、VCJとの情報には差があります。最終的にはVCJ発表の 480km になるのでしょうから、「EM」ももう少し数値が伸びると良いですね。

 

EX30暫定スペック EM EL EK
後続距離(km) 320 440 420

※北米版 EX30 情報

 

デザインはなんとか「自動車」に踏みとどまった

出典:ボルボ・カー・ジャパン プレスリリース

 

これは褒め言葉だと思ってください。VOLVO EX30 のデザインは、かなりのところで「家電化」されたように見えます。ヘッドライトやブレーキランプには奥行き感が消え去り、ボディ表面に貼り付けたような印象。新鮮さを出すにはもってこい。どうして他のメーカーは、こうしないのか?は愚問かも。デザインのボルボですからね。

 

個人的には、XC40リチャージにあったような、後付け感のフロントグリルレスではなくなったところが高評価です。格好良いじゃありませんか。私自身はまだまだグリル付きのクルマが好きですが、このデザインは上手いです。

 

実車を見るまで完全な感想は言えないものの、ボルボのローレンジデザインは XC40 / C40 、そして Polestar 2 に見られるような、凹みエッジ&プレーンカーブの組み合わせで統一デザインとされています。EX30は、ここに新しい風が入ってきましたね。特に最古残の XC40 からは、随分とブラッシュアップされています。

 

ただし、高級感があるかといえば、そうではないかな。SUVらしさと言えばそうだけど、サイドパネルをイジりすぎに思えてならない。コンパクトカーの高級感は、マツダが追いつき、リードした感覚がありますね。日本人的かもしれないけれど!

 

オススメは 30代 または 定年を見据えた世代

出典:ボルボ・カー・ジャパン プレスリリース

 

私が VOLVO V50 を購入したのは、30 代です。子供が産まれて、移動に対して親としてものすごく警戒した時代。そこを世界一安全なファミリーカーで過ごしたかった。 VOLVO EX30 は 540 万円からと言われていて、ちょっと高額すぎるのですが、日本人の給料が上がることを期待して 30代に乗って欲しいクルマです。

 

または、老後を見据えて選ぶのもいいですね。EV はメンテナンス費が安く済む可能性が高いですし、ガソリンに比べても将来は明るいです。10年くらい乗るつもりで選んでみても良いかもしれません。お孫さんの為にも、安全なクルマを用意しましょう。

 

今は発売前ですから詳細はわかりませんが、確認しておくべきは・・・

 

子育て世代であれば、リアシートスペースの広さ。ISOFIX 対応チャイルドシートが搭載できるはずですが、背の高い SUV ですので子供をチャイルドシートに乗せる際に無理がないかを必ず確認しましょう。ジュニアシートであれば、着座姿勢も確認するべし。

 

老後世代であれば、見切りの良さは要確認。インテリアデザインを見るかぎり、ダッシュボード周りはフロントウィンドウを手前にひいて視界がよくなっているように見えますが、夫婦そろって運転しやすいか乗って確認が望ましいですね。

 

私の中ではEX30はあり/なしどちらでもない

VOLVO V40 ビーナスライン

 

EX30 は、きっと良い車です。少し子供っぽいテイストも、斬新なライト周りのデザインに合っているし良いでしょうね。サイズ的に横幅 1837mm は大きいけれど、そこはボルボ、完全にまとめ上げてくることでしょう。

 

しかし、欲しいかと言われると正直「?」かもしれません。クルマの趣向って変わるもので、最新のクルマが良ければ、そうでない時もあります。2023年8月現在、私は HONDA CIVIC e:HEV に乗っていますが、和製ハイブリッドを選んで良かったというのは本心。今一番エネルギーを押さえられるのは、日本では和製ハイブリッドと信じています。

 

ボルボディーラーのXC40

 

付け加えると、40代の私にはちょっと子供っぽい。フレッシュな力を持つ30代、ちょっとハメ外しても格好良い60代にも似合いそう。私は40代ですので個人的にNGです(^ ^)

 

さらに私がなにげに期待しているのが、旧車のEV化なんですよね。VOLVO XC70をEV化したい。私の中での最高のデザインのクルマって、XC70なんです。どのモデルも大好きで、心にぐさりと刺さりっぱなし。もしも EX30 に 500万円を投じるのなら、XC70 を EV化したほうが良いかなって。昔は無かった選択肢ですが、これからの時代はアリなはず。

 

新車は私も大好きで、3年に1度乗り換えることは一つの趣味なんですけど、古民家を購入したせいか古いものに興味が向くようになりました。直近のボルボは、やっぱり私には合いそうになく、買うなら昔の大好きなボルボなんですよね。

 

VOLVO V60 マルーン内装

 

それに、結局のところ中古車を選ぶことって、自動車生産で生まれる CO2 を削減することができますから。

 

ボルボがワーゲンみたいにEV化キットを出してくれれば良いのですが、きっと出さないでしょう。どうしても XC70 がEV化できないそんな時は、VOLVO EX30 に比べればアグレッシブにコンサバな Peugeot E308が良い 。その安心感でプジョーを選びそう。

 

まあ、数年経てば考え方も変わるかも?このあたりは参考程度に。でも、EX30 は久しぶりに試乗してみたいクルマのひとつになりそうです。

 

結びの瞬景

ボルボの赤いボディは買取価格が高いらしい

 

ボルボ・セダンのサイドシルエットって、品があって好きでした。XC40 あたりから Cセグメントは玩具感が出てきて、明確にコンパクトとラージの商品群のデザインを変えるんだなって思っていました。ここのところ、ようやくコンパクトが出揃ってきたのが嬉しいですね。

 

歴代ボルボの中で、実は新型車として予測されていた「XC20」の「20」は、今までなかったんです。C30 が一番小さな数値でした。EX30は、趣味性の高かった3ドアの C30 に比べれば、需要を掴めそうでヒットしそうな感じがしますね。

 

それでも、例えば私のようにコンパクトセダンやワゴンを求めている人もいるわけです。残念ながら Polestar 2 にセダンは持っていかれてしまいました。さて、今後コンパクトはなにか登場するのか・・・? もう一度ボルボ欲しいと思わせるような、私の心にクリーンヒットするボルボが現れることを期待しています。