「ステッチ買い」シートや内装は車選びの重要なポイントだぞ

クルマはインテリアのステッチを見て買おうぜ!?という企画記事、というかネタ記事ですね。

 

世の中色々なところを見てみれば、ステッチなんてどこにでもあるモノです。スーツにだってついている。ジーンズにだってついている。

 

しかしクルマのインテリアに採用されると、途端にカッコいいモノになる。困ったモノです。そんなインテリアのステッチに心惹かれて、ついつい買ってしまうことを、私はこのように命名しました。

 

ステッチ買い」と(笑)

 

スポンサーリンク

ステッチって なんか良いよね

ステッチは大好物!

私も、やはりステッチは好きです。糸の縫合を見ていると、工業製品であるにもかかわらず手作業で作られたようにも見えて、なんだか丁寧に仕立てられたようで幸せになってきます。

 

過剰にステッチが入っているインテリアには敬遠しますが、そこはクルマごとの趣味やセンスの違いだから、好きなものを選べば良いと考えます。

 

そもそも、クルマを買って運転する時はインテリアを見続ける事の方が多いのです。ステアリングを握ってインテリアを眺める時も、外の景色を見るときも、自分の趣味にあうステッチが目に入れば、ホクホクすること間違い無いのです。

 

けれども私は考えました。なぜ人は、ステッチに恋焦がれてしまうのでしょう。

 

機能性を兼ね備えているから幸せなんだ

そもそも、ステッチとはいったいなんなのでしょう?

 

車のシートで使われるステッチは、主には皮シートの縫合箇所に使われています。最大の目的は「補強」。家のソファーに比べて前後左右にと力のかかる自動車用シートでは、縫い目にかかる力も大きいわけで、簡単な縫合ではほつれてしまいます。そこでステッチという編み込みをすることで、皮と皮の接合点を補強しているのですね。

 

だから、ファブリックシートであっても接合点があればステッチを設けても良いのですが、ファブリックシートは表面が柔らかい素材でできているから、ステッチをつけた箇所の劣化を早めてしまうことになりかねない。

 

つまり、(きっと)皮素材を使ったシートだからこそ得られるのが「ステッチ」。要は贅沢品の一種。そこに惹かれてしまうのは、仕方のないことでしょうね。

 

ボルボXC90 リアドア

 

ステッチは高級品の証なのだ

そして、ステッチの量は増えれば増えるほど強度が増す。その分手間がかかるし、コストも上がっていきます。手間とコストがかかった分だけ、見た目にも手間がかかったように見える。つまり上級感を得られるようになります。

 

しかし、何がなんでもステッチを入れれば良いというものでもありません。強度が不要であれば、無駄なステッチを排除してクリーンに見せるのもセンスというものです。

 

まあ、輸入車を買うのであれば、ある程度は贅沢品として覚悟する人も多いはず。日本車に比べて割高に感じる輸入車は、実際にはその分コストもかかる作り方がされているけれど、それを目で見てわかりやすくしてくれるのも、インテリアのプチ豪華さを演出するシートのステッチだったりするわけです。

 

 

そして、ステッチが使われている=皮が使われている という事は、演出以外に触り心地も考えられていると言い換える事もできそう。

 

車が好きな人の中には、絶対に本革シートを付けたいという人もいるでしょう。見た目の高級感に加え、強度の高さや埃の少なさで、本革シートを欲しがる人は多いです。最近はナッパレザーも使われることが多くなり、快適度も増していますしね。

 

けれど、ファブリックが好きな人もいるでしょうし、アルカンターラなどの滑りにくいシートを好む人もいることでしょう。けれども、手に触れるところは触り心地のいい皮製が良い、なんていう贅沢を、クルマのシートは叶えてくれます。そして皮エリアを縫合するときに使われるのも、ステッチです。

 

手間隙かけて作られたものを所有する喜び。これを感じ取ることができるのが、自動車のステッチと言えるでしょう。

 

では、「ステッチ買い」とは、手間暇や高級感を求めて焦がれるものなのでしょうか?ここからは一旦、さまざまなステッチを見てまわってみましょうか。

 

インテリアやシートのステッチを見て楽しもう

Peugeot 308 TECH PACK EDITION のステッチを見る

Peugeot308SW TECHPACHEDITION

 

Peugeot 308 の TECH PACK EDITION。座面はアルカンタラ素材、手に触れるところはテップレザー。座面と手に触れる面との接合部には、ステッチは使われていない。アルカンタラの表面を劣化を嫌ったためと思われます。一方、テップレザーの接合点には、ふんだんにステッチが使われています。

 

ステッチのカラーは、シートと同じ色のステッチまで含めれば3色。フランスを思わせる赤と青の2色のステッチは、見た目が華やかで満足度が上がりますね(^^)

 

プジョー 308SW フロントシート

プジョー 308 シート

Peugeot 308SW TECH PACK EDITION

 

ヘッドレストは表面の強度をあまり必要としないからか、アルカンタラ側にもステッチが施されています。悩ましいのは、運転中にはシートのステッチが見えないこと(笑)

 

そんな時は、ステアリングのステッチを楽しむようにしましょう。ドアパネルにもステッチが施されているから、楽しいステッチライフが過ごせそうです。

 

Peugeot 208 GT-Line のステッチを見る

Peugeot 208 リアシートからの眺め

 

Peugeot 208 GT-Line。アルカンタラとテップレザーの素材こそ Peugeot 308 と同じだけど、世代が新しい分だけシートの「魅せ方」のセンスも上がっています。ヘッドレストのテップレザー領域が広がっていて、そのぶんステッチが見える範囲が多くなっていますね。

 

シングルステッチが多用されているのは、素材の接合点へのステッチ配置を積極的におこなったから。青と緑色のステッチだなんて、センス意外の何ものでもない。

 

Peugeot 208 シート

Peugeot 208 フロントシート

 

さらに、ダッシュボードにまでステッチを配置。いらないだろ?と言いたいところだけど、あればあったで豪華さが増えて嬉しくなります。

 

ちなみに、Peugeot 208 Allure のシートは、GT-Lineと形状も違うし、ステッチの色も違う。注意したい点のひとつです。Peugeot 208 の試乗車は GT-Line が多いでしょうから、ステッチ買いで Allure を選ぶと、とんでもないことになります。

 

Peugeot 508 GT-Line フルパッケージ のステッチを見る

Peugeot 508 シート&i-Cockpit

 

大人っぽい渋さを演出する、Peugeot 508 のステッチ群。ムーディーなインテリアはカラフルは似合わない。写真はディーラーのフル装備版。ステアリングにも、センターコンソールにもバッチリステッチが入っている!

 

本皮シートにも、刺繍のようにステッチが入っています。やりすぎ感(笑)でも、目がなれると素敵シートになるんですよ。意外と派手さは無いんですよ。ダブスステッチとシングルステッチを使い分けて、クドさを出さないデザインにしてあるのも好印象。

 

Peugeot 508 interior

 

当然のようにダッシュボードにも入っている。不要なステッチはどうかと思うけど、ステッチ愛好家は気にしない。むしろ積極的に加飾してほしい。プジョーの場合は、ダッシュボードは上の写真のところにしかステッチを入れません。他のメーカーはもう少し入れてきますが・・・これも好みの問題なのかな?

 

Peugeot 3008 GT-Line のステッチを見る

プジョー 3008 コンビネーションシート

 

Peugeot 3008 も、大人のSUVっぽさを演出するシックなステッチ。クルマの性格でステッチを使い分ける、ステッチの使い手プジョーは恐ろしい。シートはやはり 508 に準ずるような仕上がりですが、シート表面の素材感が、ワタシ的には結構好み。

 

ダッシュボードにはダブルステッチが施されていますが、下向きなので目立たなくって、その「ちょい隠し」な配置が良い。これみよがしにステッチでアピールするクルマじゃないですからね。そのあたりは 508 に任せておいて、3008ユーザーはセンスマックスのインテリアでホクホクしようじゃないか。

 

Peugeot 3008 フロントシート

プジョー 3008 ダッシュボード

プジョー3008 ステアリング

 

ステアリングもアームレストも、同じ色で統一されたインテリア。Peugeot 3008の場合は、素材の使い方もとてもお上手。単一カラーのインテリアにおいて、素材の違いをうまくつかって質感を上げている。

 

ところで、プジョーは 208 を見るとわかるように、シートタイプを2系統で進めていくようです。座り心地はもちろん、3008 のシートと同じ形状のもののほうが肩に余裕があって良い、と思います。308のも、良いけれどね〜

 

VOLVO V40 Momentumのステッチを見る

ボルボV40のコックピット

 

ふふふ。私が VOLVO V40 を購入した理由のひとつ、抜群の座り心地のシートがあります。しかも Momentum に採用されている T-TEC/テキスタイルコンビネーションシートの、ステッチのセンスの良さったらありません。

 

基本のさわり心地はファブリックが強めながら、手をシートに置いたときには軽く皮感を伝えてきます。このシートは革素材を装飾にしかつかっていませんが、丁寧なシングルステッチと素材のサイズを上手く使って、独特の高級感を出しています。

 

ボルボV40のフロントシートイメージ

ボルボV40 フロントシート

 

普通のモフっとしたファブリックじゃないからできる、座面にもステッチを埋め込む技術。効果的にピンポイントで使われる、ダブルステッチも美しい。しかしボルボはこれで終わらないから、恐ろしいや。

 

VOLVO V60 T5 Inscription のステッチを見る

ボルボV60CC フロントドア

 

ファインナッパレザーに仕込まれた、ステッチの数々。ボルボはプジョーに比べると、シングルステッチを使う場面が多いみたい。体重を支えるシート自体が、どこかに負荷が集中しない優秀なものだからこそできるのでしょうね。

 

さらに「テーラード・ダッシュボード」のオプションをつければ、ダッシュボードにも革素材とステッチが充てがわれます。このオプション構成は、XC90まで続くもの。一時期はInscriptionに標準だったんですけどね〜

 

VOLVO V60 Inscription Interior

V60 ファインナッパレザー

 

シートの形状は、基本どれも一緒です。当然です。ボルボは安全性の為にシートを研究しつくしているのだから。自社のシートには同じ形状のものをつけ、グレード間での差のないラインナップにしているのです。

 

けど、表面の素材を変えて格差をつけている。他の差は・・・? 90シリーズになると、インテリアにステッチが散りばめられる世界が現れます(笑)

 

VOLVO V90 Inscription のステッチを見る

ボルボV90 コックピット

 

フロント・シートは基本的に同じ形状のVOLVO 60シリーズと90シリーズ。何が違うと言えば、コックピットからの眺め。ボルボのフラッグシップは伊達じゃない。アルミ装飾やウッドパネルで、恐ろしいほど豪華に変わる。

 

北欧インテリアはすごいんです!って言うのは簡単だけど・・・そんなに値が張るものなの?という疑問符もついてくる。しかし座ってみれば、思わずインテリア買いしてしまいそうな魅力に満ちあふれているのです。

 

VOLVO V90 シフトレバー

V90 ダッシュボード

 

シフト周りに加飾された革製の囲い。ステッチがしっかり入って、分厚さもあって美しい。

 

テーラードダッシュボードをつけたV90は、贅沢の極み。実はここまで来てしまうと、もはや「ステッチ買い」とか言えません。インテリア買いです。でないと、作った人に申し訳がない(*´Д`)

 

ステッチ買いってなんだろう

シンプル好きと豪華好きとで意見が分かれそう

うん、写真を並べていってわかって気がします。私が考える「ステッチ買い」とは、ステッチが沢山あって豪華だから惚れるのではなくて、ステッチを巧みに使って演出力を高ためたものに惚れるから、欲しくなるんですね。

 

手間暇かかっているから欲しくなるし、丈夫に作られているから欲しくなる。高級感も出るから欲しくなる。でも、機能性の不要なところへステッチを配置したり、やりすぎて高級感をゴリ押しすると、どうやら私の「ステッチ買い」精神は萎えてきてしまうようです。

 

もともとシンプルなものが好きだというのがありますから、やりすぎのステッチは厳しいと感じる。でも、ゴテゴテのステッチまつりが大好きな人もいるはずです。冒頭にお話したとおり、ここを拒否したら個人の主観を無視することになってしまいます。

 

プジョーの場合は、シンプルなインテリアにステッチで豪華さをチョイ足しする印象、ボルボの場合は、ステッチはメインでなくて、インテリアのカラーコーディネートで魅せる印象。だから、ステッチだけに目を向けると少しシツコイって思ってしまうのかもしれません。

 

あなたはどちらのステッチ派?

最後に、2つのステッチ・インテリアをお見せしましょう。

 

ステッチを必要な部分にしか使わないクルマと、ステッチを沢山つければ良いじゃないか!というクルマです。片方がルノー・メガーヌ、もうひとつはマツダ・CX-30。今までの紹介のように、シート関係の写真がまったくなく、すいません・・・

 

こちらはマツダ・CX-30。ダッシュボードの上には革製の何かが鎮座しています。好みがわかれるところですが、はっきりしたわかりやすい高級感を感じますね。

 

MAZDA CX-30 コックピット

 

ボルボ V60 を超えるステッチの数々。シフトレバーまわりにもフンダンに使っている。このコストパフォーマンスは、どこから来るのでしょう?下請け会社が泣いていないといいな、とまで思ってしまう、最近のマツダの豪華さです。

 

CX-30は、カラーリングを選ぶことができます。ブラウンではなく紺のインテリアなら、また印象が違うのかも。

 

続いて、ルノー・メガーヌです。ステッチは程よく入れてあるくらい。プジョーのそれに似ています。

 

ルノーメガーヌ コックピット

 

赤いステッチ。少なく入っていますが、完全に主張しています(笑)フランス車のセンスなのかもしれません。プジョーも含め、上質さが無いだとか、おもちゃっぽいだとか言われるかもしれません。けれど、おおよそ強度をつけるために必要なところにしかステッチを入れていません。これぞ機能美?

 

スポーツ向けとラグジュアリー向けでインテリアの雰囲気が変わるのは確かですから、単純に比較はできません。ステッチを入れる箇所は、どちらも結局は同じところ、つまり素材の結合点。

 

その結合点に入れるステッチで、どれだけ車内をセンスよく仕立てるか。そのセンスと自分のインスピレーションとが合致したとき、「ステッチ買い」スイッチが入ってしまうのでしょうね。

 

ステッチ買い 総括

そもそも、車選びとは「自らのインスピレーション」を大事にして、自分と合うクルマがあればそれを選べばいいと思います。そして、「ステッチ買い」ができる人は、ステッチが車選びに対する重要なポイントなのだと言えるかもしれませんね。

 

Peugeot 208 / 308 や VOLVO V40のように、エントリーモデルでありながら、ステッチの上手な施しでプチ豪華を演出したモノも、充分「ステッチ買い」のできるものですし、VOLVO V90やマツダCX-30のように、上質のさらに上を目指すための施しもまた、「ステッチ買い」できるもの。

 

このクルマが気に入りそうだ!しかしワンポイント欲しい・・・おぉ!ナイス・ステッチじゃぁないかぁー!という感覚もまた、自動車選びには欠かせない要素です。

 

自動車選びに困ったとき、2台のクルマのうち、どちらか1つを選ばなければならないとき、「ステッチ」に焦点を絞るのも良いかもしれませんよ。そして、この選び方ができたとき、貴方も「ステッチ買い」人間の仲間入りです♪

 

BMW 218i M-Sport ステアリング

 

あとがき

え・・・そんな仲間に入るのは嫌だ?まぁまぁ・・・

 

休みだからって書きたいものを突っ込んでいったら、当初考えていた内容とは違うし、SEO意識して全部盛りにしてしまったから、読みづらくないかな・・・なんて気にかけてしまいながらも、やはり「ステッチ買い」を皆さんに案内したくて書き上げました。

 

車選びは、性能も大事ですがインテリアも大事です。運転するとき、いつも見ているインテリア。ここに不満を持つようだと、大事に乗り続けることはできないでしょう。

 

だから、インテリアをよく見よう。そのポイントは、ダッシュボードの形状、シートの形状、そして「ステッチ」です。なんて、キレイにまとめたかったな〜〜(笑)