身延帰りの新東名。慣らし運転を考えると速度を極端に出したいわけではないが、新東名の流れは早く、出さざるをえない状況だった。
120km/hへの引き上げの影響だと思うけど、新富士あたりの制限速度はすでに100km/hくらいでは?危ないなあと思うあたりが40代だ。
決して先進的ではないコックピット=i-Cockpit
走行実力の判断はお預け
中央自動車道は概ね80km/h制限がかかっている。道が細くカーブの多い中央道では、高速走行の実力を見ることはできない。直線の多い新東名なら、高速道路の快適性を試せると思っていた。
合流して、速度をあげる。あくまでも緩やかに、アクセルをクイッと踏み込む。軽やかに加速する。2,000rpm付近で繰り返すシフトチェンジ。やはり300Nmのトルクは素晴らしい。
時速100km/hに到達。
とくに風切音がするわけでもなく、淡々と進む。このボディ形状で風切音がしない?狐に騙されたようだが、あと数回乗れば正確にわかるかな。
タイヤの硬さをまだまだ感じる。足回りの実力の評価は保留。路面の継ぎ目の通過はあきらかにV40より上に感じるようになってきた。気分が良くなる。
気に入らなければ買わなければいい
改めて、プジョー308SWの特異なi-Cockpitを眺めてみた。
最新のプジョーモデルのそれは、メーター類が大きく見やすくなっているが、308シリーズは小さくて、これは着座位置からいうと仕方がないと思う。
どうしてこのコックピットにしたのかと、慣れない人は文句を言うことだろう。アイデンティティを押し通すためにわざわざ、メーターをハンドルの上に出しているように見えなくもない。
しかし、標準の車のコックピットに対して、簡単に試乗して、使いやすいか使いにくいかで判断するだけではダメだ。
すべてを味わい、理解してから文句を言うべきで、その為に何度も試乗するべきで、気に入らなければ買わなくても構わないだろう。
身体に馴染むステアリング
私の身体は腕が短く、i-Cockpitは簡単に馴染んだ。つまり、小径ステアリングを思い切り手前に引き、するとハンドル上部が胸のすこし下あたりに位置した。へそまではいかないが、おかげでステアリングをきるときに無駄に手を伸ばしたり、肩が浮いたりしなくなった。
良いドライビングポジションは、安全運転の第一歩だ。i-Cockpitは私のドライブストレスを和らげてくれる。
そして、これはたまたまか、またはプジョーの良心か。スピードメーターの位置が絶妙なのだ。
世の中で一番目線を動かさない
車にもよるが、運転席が少しセンター側を向いているシートがある。あくまで感覚だからあてにはならないが、少しだけ内向きで取り付けられている車がある。
私は一般道では、真正面よりも運転しやすいと感じる。交通標識は左にある事が多く目や首を左に移動する事も多いからだ。
合流で盲点になる左後方も、多少見やすくなるはずだ。
つまり意外と運転中はセンターに意識があって、プジョー308SWの速度メーターは、ちょうどその視線のあたりの視界に入るのだ。
だから、速度管理が大変行いやすい。シート角度はよく見ていないけど、プジョーのi-Cockpitを認めるには、この2つの理由で十分だった。
気になることもチラホラ
センターディスプレイメーターが使いやすいという事と同じ意味合いではあるが、センターまでは視線を動かす必要がなく、しかもしっかり針がある(ここ大事!)。なかなかスグレモノだと感じるのは、納車してばかりで盲目だからだろうか。
特定のメーカーを指すわけではないが、フロントガラスへ映り込むヘッドアップディスプレイが高額オプションのような成りでいることに違和感を感じる私には、i-Cockpitのヘッドアップディスプレイは価格の面からも機能性の面からも素晴らしいアイテムだと思う。
308SW以降、液晶パネル型になるのはとても羨ましいが・・・速度計の刻みが0ー30ー50という変速なのも気になるが・・・多少こじつけではあるけれど、やっぱり馴染みやすいコックピットだと思うよね。
さて、ドライブポジションにウハウハと良い気分に浸っているばかりではいられない。少し気になるところが出てきた。
ひとつは空間の異音。ボディの振動する音。口を「ん」にして、「び」と言っているような、雑音。ボディの剛性がサンルーフによって低くなっているのかわからないが、とにかく振動として伝わってこない異音を感じる。
サスペンションがこなれてくれば、鳴らなくなるだろうか?他のみんなは聞こえないらしい。
そしてもうひとつ、細かい揺れだ。速度を上げると首を出す、小刻みな揺れ。
これは、ホイールアライメントなのか、何なのか。多少の危険を意識した私は、アクセルから足を離し、走行車線をゆっくり走ることにした。
ーーー つづく ーーー