Peugeot 308SWを9000km走行して感じた「ちょうど良い車選び」

このゴールデンウィークで、我が家の Peugeot 308 は9000kmの走行を終えました。私としては、結構出かけているなという印象です。

 

というのも、昨年引っ越しをしたおかげで、日頃の買い物にはクルマを使わなくなったから。趣向性の高いドライブがメインになって、乗る機会は少なくなったけれど、一度のドライブは長くなった。愛着が増していくのは、こんな理由もあるのかな?

 

一昨年は伊勢神宮への弾丸ドライブを楽しんだのに、去年、今年とどこにもいけないゴールデンウィーク。コロナを恨むべきか、政策を恨むべきか・・・でもきっと、ワクチン接種の終わった来年こそは楽しいゴールデンウィークになってくれる。

 

今年はとりあえず、神奈川県の名勝地 箱根の早朝ドライブを楽しむのでした。

 

Peugeot 308SW 朝日をあびる

 

作り込まれたカップホルダー。コンビニ・コーヒーが夫婦ふたつ置けるようになって快適性を増した Peugeot 308SW。9000 kmも走行すれば、乗り心地も身体に馴染んでくる。高速道路も快適そのもの。時速 100 km/h での回転数は 1600 rpmを指していて、エンジン・サウンドはロードノイズに勝てないでいる。

 

前の車が近づいてくる。東名高速道路(東京〜大井松田)は3車線が基本の広さ。その真ん中を淡々と走っていると、90 km/h で走る車も時よりいる。登り坂で自然に速度が落ちてしまい、気づかないドライバーもまだまだいる。

 

それはそれで仕方がないから、追越車線に出て速度を 100 km/h まで復帰させる。むしろ、このシチュエーションは再加速を楽しむ絶好の機会。軽いボディに 300 Nm のトルクだから、ちょうどいい加速感の大きなトルクが、クルマをフワッと押し出してくれる。

 

その繰り返しを楽しんだり、同乗者を気遣ってクルコンを使って定速走行でジェントルしたり。好きなようにコントロールできるのが、この車のいいところだ。

 

やはりクルマの肝はエンジンか。子供は既に大人サイズ。その割にはクルマは重たいと感じない。ディーゼルターボの大きなトルクは、楽しさも快適さも、エネルギーの残量への気遣いも忘れさせる、PSA DV5は、今をトキメクスーパーウェポン。

 

パドルシフトで 3000 rpm 付近の加速を楽しむのも良い。トルクは感じるほどに薄くならず、小排気量エンジンとしての小気味いい回転とのパワーのマッチ感もなかなか美味しい。クウォーンという官能的なメカニカルサウンドを耳に入れ、同乗者にバレない加速感で、自分の世界に入り浸る。パドルシフトの制限時間の10秒で、官能タイムを味わえる。このクルマにはカタログに載らない価値がある。

 

富士山を見ながらのドライブ

 

御殿場インターで一般道に出て、乙女峠から芦ノ湖スカイラインへ向かう。箱根の絶景ポイントを抑える有料道路は、クルマの性能の確認にはもってこいだ。制限時速は控えめだが、アップダウンに左右へのウネウネした曲がり道。ここを流して、景色とクルマを堪能する。

 

スカイラインを走りたい。そんな望みをもってやってくる人もいるわけで、こだわりの愛車で気持ち良さそうに、思い思いのペースで走っていく。Suzuki Swift、Mazda 6、Peugeotは208ともすれ違った。同じプジョー仲間だとおもってくれたかな?

 

不意に、前からレクサスとBMWが猛ダッシュしてくるのが目に入った。レースでもしているのだろうか。BMWは、こちらの車線にはみ出してまでレクサスを抜かそうと試みている。我が Peugeot 308SW の横スレスレを走り去った。

 

芦ノ湖スカイラインより富士山を望む

 

高性能自動車を持つことは、クルマ好きなら誰しも憧れることだろう。その性能は、一般道では引き出すことは難しい。だから、能ある鷹は爪を隠すを楽しめばいいし、日々の通常走行でも違いは感じられるはず。でも、ある一定数の羽目を外すものどもは、人への迷惑を顧みない。

 

制限時速、はみ出し禁止、道路交通法を守らずに楽しむ彼ら。ハッキリ言って、自動車文化の冒涜だ。法を守るからこそクルマを走らせる免許が出る。クルマにしても、限られた速度域で安全だと言える試験をしている。細い山道のハイスピード走行でぶつからない走りができるなんて、どこの誰が言ったのか。

 

どこかで引き返したのか、同じレクサスとBMWは私を抜いて先を行った。爆音轟かすポルシェの大群も見ていて恥ずかしい。自己責任?事故を起こせば人が動く。何も考えない人間の勝手な言い訳だ。官能性能の味わい方を知らない人間は、クルマを降りていただきたい。善良なオーナーに失礼だ。心底怒りが込み上げる出来事だった。

 

乙女峠で撮影した富士山とプジョー

 

そう思えば、ちょうどいい性能を持つプジョーという選択肢は、大いにありだと言えるのではなかろうか。

 

張り切らなくとも官能は手に入る。中回転域官能型1.5Lディーゼルエンジンはもちろんだし、エンジン音選手権を行えば、たぶん Peugeot 508 の 1.6Lエンジンは最高得点の傑作だ。Peugeot SUV 3008に載せられた 2.0L ディーゼル・エンジンも、危険じゃない速度域でのクルマ全体の気持ちよさに合わせて、ほどよく確実にパワーをデリバリーしてくれた。

 

1.2L ガソリン・エンジンは触れる機会がなく語り難いが、太いトルクは Peugeot 208 を軽快に走らせる。ストレスフリーのちょうど良さを、プジョーはしっかりと計り、デザインすることができるのだろう。

 

箱根を降りる下り坂。サスペンションのストロークを感じながら、クルマの前のめりの沈み込みを確かめながら、小径ステアリングで操るPeugeot 308SW は、私にちょうどいい操舵の楽しさを教えてくれる。日常の速度域で楽しめる、クルマのトータルバランスの良さ。プジョーに乗ると、官能はすぐ近くで手に入る。

 

本当に、良い車選びができたんじゃない?9000 kmを走り終え、プジョーという選択を改めて正解だったと確信するのでした。