クルマを選ぶときに大いに悩むのが「パノラミック・ガラスルーフ」を付けるかどうか。
私の以前の愛車メーカー「プジョー」自身もアイデンティティーだといっているパノラミック・ガラスルーフやパノラミック・サンルーフは、リアシート頭上まで広がる大きな視界は魅力的。エクステリアも決まるし、着けていて損のない装備だと感じている。
しかし、どちらかと言えばリアシートに座る人の為のものであり、走りにおいてはマイナス要素。しかも大概は高額だ。購入時にしか注文できない悩ましいオプション装備、パノラミックガラスルーフ。しっかり理解して、取り付けるべきかどうかを考えましょう。
パノラミック・ガラスルーフの魅力
リアシート優先!ドライバーの不満はおいておこう
私はプジョー308SWを購入して、大いに不満な点がひとつあります。
嫁さまが運転してくれないので、パノラミック・ガラスルーフの良さを体感できないんです(*´Д`)
リアシートに座る子供達には好評で、エステートにしては大きめの左右窓による視界の良さも手伝って、今まで見えなかったものが見えて楽しいという。墓参りで乗せた両親の評価も高かった。
「ガラスルーフは夏暑い」なんて言われていたけど、思ったほど暑くはならずに快適で。もちろん、光が眩しいときはシェードで覆い隠すけれど、車内はガラスルーフ無し車に比べて明るくなるから、今までの自動車ライフとは一味違う”明るい”楽しさを味わえます。シェードを中途半端にあけて、光を遮りつつ景色を楽しむという柔軟性も◎!
しかし冒頭の通り、この良さを体感できないことは大いに不満。私もひとり、リアシートに座ってみたことはあるのだけれど、広がる景色の不思議な立体感は病みつきになりそうで、しかし私にできることは、窓の外の映像が動いてもらえないものかと願うだけ(。・_・。)
リセールにも響く!諸元表では表せないガラスルーフの楽しさ箇条書き
今述べたとおり、パノラミック・ガラスルーフには利点が盛りだくさん。諸元表では表せない、ついてることで嬉しくなることが、イッパイあるのです。
- ビックリするほど大きい頭上の開放感
- 少し白みがかって見えるけれど充分楽しめる透過性
- 真夏も意外と暑くない
- サンシェードは車内が明るくて開放的
- 当然ながら電動で開け閉め
- エクステリアでアクセントになるブラックカラー
- 実はリセールに響く大人気装備
特に、「リセール」には響きます。これは Peugeot 308SW の売却時に聞いた話。パノラミックガラスルーフ付きのクルマはリセールでの加点対象。どうして加点なのかと言えば、簡単に言えば「売れやすいから」。同じ車が並んでいるとき、装備が豪華なクルマのほうが早く売れる、ということらしい。
スイッチひとつでシェードが開く電動仕様はあると便利
日頃は閉めているシェードを開いた時の、リアシートに座るゲストの驚きの声は、オーナーには堪らない。わざわざお金を払ってつけた大きな窓。人に味わってもらってこそ満足感は得られます。
308SWは、フロントルームランプの近くにあるシェードのスイッチを長押しすると、全開/全閉をする仕様。このスイッチ1つで、ゲストを夢の世界へ誘(いざな)える。
たぶん、オープンカーに次いで開放感のあるパノラミック・ガラスルーフ。頭上を通り過ぎゆく楽しさは様々なようで、高速道路の街灯さえも新鮮だと乗った人は言うのです。
私は私で、ときどき停車中に空を見あげて楽しみます。夕暮れの、茜色に染まる大空を眺められる楽しさ。空を飛ぶ鳥を下から眺めたり、落ちてくる雨粒の流れを見てみたり。時には夜空を見上げたり。
もう少し季節がゆけば、紅葉も桜も楽しめる。子供に色々なものを見せられることは、親としてはとても嬉しいことでもあるのです。
エクステリアもキメるガラスルーフ
さらに、エクステリアのブラックルーフのアクセント。カッコつけ要素としても魅力的。どうしても汚れが目立つけれど、こまめに洗車して美しさをキープします。
もう少しカッコつけたいと思った私は、ドルフィンアンテナを装着。ボルボV50の時代から、計3台に渡って装備したアンテナは、空力やらなんやらはお構い無しで、そこにあるからそれでよい。
ブラックルーフとのマッチングに、いつも惚れ惚れしているわけですよ!
注意!注意!いや、警報かもだけど、真夏にサンルーフに触ると火傷級の熱さを感じます。しっかり水をかける洗車をしよう。フクピカとかだと、熱くて触ることはできません。
その割に?いや、熱をそこで吸収しているのかわからないけど、車内に伝える熱量はごくわずか。真夏もサンシェードを開いてドライブを楽しめるのは、思ってもみなかったプレゼントでした。
ガラスルーフのデメリット
頭上の20kgは想像よりも走りに悪影響
かといって、感動するようなシチュエーションがいつもあるかと言えば、そうでもなかったりするのも事実です。
日頃はやはり眩しいし、通い慣れた買い物ロードはわざわざ空を見て走る必要もないわけで。子供にしたって、いつも見せてくれと要求するような年齢でもない。
月に数日、いや、年に数日楽しむだけだと考えると、途端に高価に見えるパノラミック・ガラスサンルーフ。しかも、頭上に追加 20kg の重量増は走りの質にも関わってくる。(サンルーフ装着車は 30kg)
力のモーメントという考え方はご存知ですか?
車の重心の中心点を仮に路面とした場合、高さ1500mmにある重量物の揺れは、高さ500mmにある重量物の3倍の力を持ちます。
中心点から離れたところに作用する力は、長さに比例して影響力が増していく。力のモーメント「N」は、中心点からの距離「r」かける力「F」で求められます。
N = r x F
バッドの端を一人づつ持って、この2人がバッドを捻る力比べをするとします。2人の力が全く同じだった場合、ボールが当たる太い方を持つ人が、手で握る細い方を持つ人に勝つことができる、というのを聞いたことがあるでしょう。
これは、太い方を持つ人は中心点から遠いところに捻る力を加えることができるから。
車にかかる力も同じ。重心より離れたところに加わる力は、より大きな力を持つ。だから、大きくて重いガラスルーフは、車の走りのバランスを崩してしまう可能性があるんです。
たかが20kg、されど20kg。走りの楽しい車においては、結構気にかかる重要なポイントだと思います。
クルマの何に重点を置くか
日常のバランスの良い走りを楽しむか、ひとときの楽しさを大事にするか。
ガラスルーフが小さい車は問題ありません。プジョーのように、重量 20 kg 〜 30 kg というとても大きなルーフを持つクルマなら、真剣に考えないといけないわけです。
また、雨粒の音は結構大きく聞こえてしまう。ガラスの汚れも、掃除しないと大変気になる。ガラスルーフとサンシェードの間に小さな虫が入ってしまうこともありました。
さらに、パノラミック・ガラスルーフは天井は開きません。だからボディ剛性がメチャメチャ悪くなるということは無いけれど、肝心なお楽しみ感も無いということ。
汚れが目立つから手間もかかります。私はシュアラスターのウェットタオルで、いつでも拭き上げ。ルーフの汚れが取れると、車全体がキレイに見えます。拭き上げないと、汚れが目立ちます。大変です。
子供を喜ばせてあげたいとか、ブログのネタにしたいとか、なにか理由がない限りはつけない方が良いかもね。
選ぶべきか選ばぬべきか
Peugeot ルーフタイプ一覧
タイプ | 重量差 | |
---|---|---|
208 | ガラスルーフ | 20 kg |
新208 | ガラスルーフ | 10 kg |
2008 | ガラスルーフ | 20 kg |
308 | 設定なし | – |
308SW | ガラスルーフ | 20 kg |
3008 | サンルーフ | 30 kg |
508 | サンルーフ | 30 kg |
508SW | サンルーフ | 30 kg |
5008 | サンルーフ | 30 kg |
RIFTER | マルチパノラミックルーフ | 不明 |
※新型308SWはパノラミックサンルーフ
もともとプジョーメインのブログだったので・・・現在のプジョーラインナップでは、ルーフは3種類。
ガラスルーフと諸元表に書かれているクルマは、開かないタイプの大型ガラス。新型208が重量 10 kg になっているのは、何かしらの軽量化ができたのでしょう。がんばったね、プジョー。
サンルーフタイプはパノラマガラスが2分割されていて、前側が開くタイプ。夏場以外は新鮮な空気を気持ちよくクルマの中に取り込める。分割されているので、中央に枠がはいるのが欠点。重箱の端ですね(^^)
RIFTERはマルチパノラミックルーフという、ひとつ進化したキワモノ装備。車両縦方向にシェードのような明かりの取り込み口があるタイプ。良さは乗らないとわからない。
付けるべき人
最後に、悩ましいパノラミックガラスルーフを取り付けるべき人、つけない方がいい人を抑えます。
- 子供やお客様に景色というオモテナシをしたい人
- 旅行に行くのが好きな人
- 写真やビデオ撮影が好きな人
- リセール価格を上げたい人
- まめに洗車ができる人
付けないほうがいい人
- 走りの性能を下げたくない人
- 2人でしか乗らない人
- 洗車が苦手 もしくは嫌いな人
- できるだけ安く買いたい人
- 乗り心地重視の人
ベストなオプションを選んで、より快適なで楽しいプジョーライフを過ごそうぜ!
あとがき
ボルボV40では横揺れが大きくて諦めた私も、308SWでは耐えきれず笑装着。満足度は高いです。
人の感覚は敏感で、自分のもつ車両感覚との差は掴めるもの。車が揺れる時に過剰さがあるので、そこを許容できるかがキーポイント。
日頃ルーフキャリアに荷物を積んでいる人は、気にならないかもしれないね!