今やプジョーの代名詞となった、「i-Cockpit」。これを構成するには、今までの常識では考えられない、インテリア・デザインの再構築が必要でした。
自ら踏み込んでしまった茨の道と思われた i-Cokpit ですが、フランス人の感性による素敵なデザイン力で、乗る人を飽きさせない、いつまでも見ていられるダッシュボードと融合。今日も世界で、プジョー車でのファンな走りの下支えをしています。
今日はそんな、プジョーのダッシュボードにまつわる私の話(笑)と、全プジョーラインナップのダッシュボード・フォトライブラリをお届けします。
ダッシュボードで恋をした!フランス人に負けたのさ
プジョーを購入するとき、色々なことを考えました。これからの生活に必要なことは、できるだけ盛り込みたい。引っ越しをするつもりだし、快適なドライブは楽しみたいし、輸入車ライフというプチ贅沢を味わっている自分を演出したい。ブログに書いて、輸入車乗りの皆と共感し合いたい。
当時、ボルボから降りることを決めたことが最優先で、結果的に嫌な想いをしてしまったボルボ&ボルボブログライフをリセットしたい気持ちが多かった。私の人生はひとつの会社を攻めることにあらず、もっと大きな、人の心に残るような事をしたい。なかなかナルシストな考えですが、自己表現をウェブに見出す人間なんて、こんなもんじゃなかろうか(笑)
そこで見つけたのが、今の愛車 Peugeot 308SW でした。
一発で惚れたのは、この部分。
ダッシュボードです。インストゥルメントパネルとも言う?とにかく、ダッシュボードからセンターコンソールにかけての造形に、コロリとやられた。もし、家庭内で競合していたルノー・カングーのダッシュボードが素敵だったら、カングーにしていたかもしれませんね。
Peugeot 308 のダッシュボード。私のモデルには装着はないけれど、CDプレイヤーがついていたらしいです。その名残で、ボリュームつまみの周辺に横方向のメタルな意匠が存在してます。「無意味な意匠で盛り上げやがって!フランス人め!」と言いたいところですが、これは妥協の産物でした。
その他、ハザードランプやドアロック解除のボタンが大きめに並んでいます。液晶パネルが動かなくなっても大丈夫なよう、最低限の機能はボタンとして残している。安心します。
なにより、液晶パネルから計器類までつづくエリアと、センターコンソールへ続くエリアを別の要素にしたてた構成。最新プジョー・インテリアの祖となっているわけですが、このシンプルな造形がたまらない。
ボリュームつまみの上の部分が暗くなるように作られていて、陰影が生きるデザインです。ボリューム感を出したいから、アールをつけて手前に押し出すような造形になっている。考えた人、天才じゃない?
カッコいいといえばカッコいい、美しいといえば美しい。運転中はいつも見ているダッシュボード。クルマの性能を追い求めるのも良いけれど、デザインに酔いしれるのも、良いですよね。
それでは、私の持つプジョーのダッシュボード写真を、余すこと無くお披露目しましょう。
プジョー・ダッシュボード・ライブラリ
Peugeot 208(旧型)のダッシュボード
i-Cockpit はここから始まりました。上段と下段を分けるデザインと液晶コントロールパネルの造形は、このあとのクルマに受け継がれていきます。アップライトに座ることを意識したデザインで、エアコン操作は結構下を向くような目線になります。
Peugeot 308 のダッシュボード
Peugeot 308 で、すでにデザインが出来上がっています。全体的に低く抑えられた印象なのに、メーター類はフロント・ウインドウのすぐ側にある。エアコン機能も液晶パネルに入ったし、ボリュームはステアリングで操作するから、ほとんど触ることのないダッシュボードになりました。
Peugeot SUV3008 / Peugeot SUV5008 のダッシュボード
センターコンソール左側の妙な出っ張りは、助手席に座る人が掴むためのもの、と私は捉えています。SUVだし、悪路をいくこともあるでしょう?それでも、パーソナル感が Peugeot 308 より強く出ているデザインです。オルガン型スイッチの、一番右側にハザードがあるのも良いポイント。てぐさりで押すことができますよね。
Peugeot 508 のダッシュボード
まあとにかく、ステッチがカッコいい(・∀・)。3008と同じ世代のインテリア・デザイン。二段構えのテイストに、液晶パネルを巻き込まないことにしたようですが、若干下を向くことを強いるようになりました。でも、クルマの性格には合っている。ドライブに集中できるレイアウトです。
Peugeot 208 / Peugeot SUV2008 のダッシュボード
3008 のミニチュア版を思わせるデザインです。Cセグメント・イーターは伊達じゃない。黒の加飾パーツは豪華さの演出に一役買います。掃除のときには気を遣うけれど、車内の清掃をこまめにしたいなと思わせる、凝縮されて楽しさを感じるダッシュボードに仕上がっています。
本当に飽きのこないデザインはどうして?
試乗車に乗り込んだ時に、ビビッと来たんですよね、このインテリアが欲しいって。
「まこまちさん!前に”クルマはステッチ買いだ”って言ったじゃないか!」って言われそうな記事。(笑)けれども、ダッシュボードにも大満足して買ったことも事実なんです。
ここが、先程も言ったとおり優勢だったカングーを吹き飛ばした瞬間でした。クルマのインテリアって、とても重要なポイントなんですよ。
だから、クルマにのってみて、素敵だなって感じて買うからこそ、飽きも少ないんじゃないですか。
ただ、デザインとして一点だけ話をすれば、どのプジョーも陰影を意識していて、車内に差し込む光の具合で印象が変わるんです。サンルーフモデルなんて、車内をググっと明るくしてくれる。
まったく同じものを見ていれば、きっとプジョーでさえもツマラナいインテリアになっていたことでしょう。ダッシュボードを分割したり、センターコンソールの形を工夫したりして、飽きさせない演出をしている、と私は捉えておりますよ。