今回は久しぶりの更新につき、プジョー乗りらしく久しぶりにプジョーオンリーのお話。
クルマを買う時に気をかけるべきことは沢山ある。魅力的なエンジン、素敵なステッチ、思わず自慢したくなるようなエクステリア。そしてドライバー視点での満足感の次に考えるのは「乗り心地」。ゴツゴツ、ユサユサは回避したい、一緒に乗る人が快適かどうかを考えるのはジェントルマンとして当然のこと。
ところが、誰もが知りたい「乗り心地」という指標は、主要諸元表からは読み取れない。カタログのセールスワードは「上質」や「揺れの少ない」が並ぶけれど、はっきり言って見飽きてしまうキーワードだ。だからこその試乗なのだが、カタログスペックやブランド力で見向きもされずに終わってしまう名車というのも、多々あるものなのである。
「フランス車は壊れやすい」というイメージのおかげで、せっかくの良心「パワー・オブ・チョイス」を伝えることのできないプジョー車たち。今回は「乗り心地」の枠を「フットワーク」まで広げ、何故プジョーは良質な足回りを手にすることができたのかをさらに深掘りしてお伝えする。今までの考え方をリセットして、さらに深く突き詰める。【ReThink】にお付き合い頂きたい。
プジョー車の足回りの特徴を理解する
「パリの石畳でも快適な足回り」や「猫脚」は真実か
そもそも、プジョーは本当に乗り心地が良いのか、猫脚説は正しいのかを整理しておく必要がある。メディアの力は恐ろしく、猫脚で乗り心地最高だとか、魔法のじゅうたんだとか書いてあれば、少なくとも半信半疑までは人は考え方が流される。
「パリの石畳でも快適な脚周り」というキーワードはどうだろうか。これはプジョーに限らずフランス車の代名詞だ。この表現は快適な足回りを連想させて面白いが、実際に日本の中で石畳を見つける事は難しく、旧道・・・例えば木曽路などに行かなければ正しいかどうかはわからない。
猫足はどうだろうか。これこそ、キャッチフレーズみたいなものだ。自動車評論家の一声らしいが、その論評の是非はともかく、長年使い続けられるものなのかは不思議である。なにか理由があるのだろう。
周りに乗っている人が少ないから、使い心地を聞くのも難しいし、メディア的にも完成された印象は使いやすい。イメージ先行なのは否めない。
では、実際にはどうなのか。ここからは少し個人的な見解を挟んでいく。
プジョー車の乗り心地やフットワークは「ニンマリ」する
プジョーに乗ると「ああ、良いなあ。」と感じることが多い。例えば、荒れてひび割れた路面がそうだ。ゴゴゴと音はすれども、車内へのショックは皆無である。実は結構タイヤは叩かれているはずなのに、脚周りのクッション性能がフンワリマイルドに対処する。
サスペンションはかなり動く印象が強い。おかげで、同じセグメントのライバル車に比べれば揺れの大きい感じがある。今の車の風潮はドイツ的で、重心は低く、揺れは少なくだ。
ここにプジョーの特徴が現れる。
車の揺れ方の特徴は、高い支点からの振り子を感じる。ロールスピードが人の感覚に適正に効いているのだろうか、揺れているのに辛くない。重心が低いというより、ロールセンターが高いと言うべきか。カーブの途中でのロールは出るが、沈み込む量と速度に不満はない。各モデル毎に味付けは違うのだが、特徴はほぼ同じだ。
そして、大きく揺れる印象と思いきや、細かい路面の荒れだとか大きな突き上げだとかではあまり車を揺らさない。輸入車でも、高速道路の継ぎ目のショックの大きな車はあるのだが、私が高速道路で体感できた Peugeot 508 や Peugeot 308 では、心配無用どころか忘れてしまう出来である。
なんとも不思議な感覚ではあるのだが、揺れると言っても、いつもグラグラしているわけではない。揺れ始めるまではフラットに、揺れるときは大きく揺らす。だから、基本的には快適思考な走りである。
もちろん私はエンジニアではないので印象だけの話ではあるのだが、この味付けはプジョーに乗らなければ体験できないものだった事は間違いない。このあたりは絶妙という他はなく、ショックを柔らかく受け取る時、私はいつも、ついついニンマリしてしまう。(疑問を投げかけておいていきなりベタ褒めですかと言われれば、恥ずかしながらそうである。)
大人っぽく端正だが可憐さを忘れないデザインワゴン・Peugeot 308SW は、先代 Peugeot 508 からの派生スタイル。つまり、既にプジョーの中では古参顔だ。けれども、新型モデルが発表された今でさえ、人を吸い付けるような魅力に溢[…]
プジョー車の乗り心地やフットワークが優秀な理由
自動車開発のエンジニアや自動車マニアであれば、このプジョー車の味付けを「どのような技術で」「何を使って」実現するのが気になるだろう。当然私も気になるのだが、なにせ自動車技術については知識からっぽの私だから、皆さんに披露できることは何もない。
ほとんどのプジョー車が前輪ストラット、後輪トーションビーム、Peugeot 508 だけが後輪マルチリンク+アクティブサスペンション搭載・・・くらいのことは、この記事を読んでいる皆様もご存知のことだろう。
なので、ここでできる深堀りは「どうして、このようなサスペンションになったのか。」というところ。持論を展開していこうと思う。
プジョーの足回りが柔らかいのは フランス・パリには石畳が張り巡らされているから
第一に、やはり冒頭に言ったとおり、パリの石畳を快適に走れることは前提なのかもしれない。
今の時代、フランス・パリくらいの大都市ならばキレイな舗装になっているだろう・・・と考えてパリ中心部を Google Maps で見てみれば、びっくりするくらい石畳だった。(Google Maps便利!)
ひゃっはー!この石畳、体験したいぜ・・・と思うかはともかく、ビックリするくらいの石畳だ。路地裏や地方道路はしっかりとアスファルト舗装で、パリの中心街を走るときに石畳を覚悟するレベルの話で良さそうだが、 それでも石畳はウソではないことが伺える。もしも東京や大阪で毎日走る道が石畳だったならと考えれば、石畳に強い車が欲しくなるのは同意できるし、そもそもフランスでは必然なのかもしれない。
「石畳うんぬん」は間違いではなさそうだ。
プジョーの足回りが特徴的なのは 宿敵ドイツ車の足回りとの違いを鮮明にしたいから?
見出しに「?」が付くのは当事者ではないから。けれども、例えば日本と韓国や日本と中国のように、国境を有している国同士は基本的に仲が悪い。いつでもお互いが脅かされるのではないかという感情になるし、歴史を辿れば必ず戦ったことがあるからだ。
ドイツとフランスも、基本的には仲はあまり良くない模様で、「第一次世界大戦で戦勝国となったフランスがドイツに課せた賠償金は多額で、その因縁で第二次世界大戦ではフランスは7年間もドイツに占領されるという屈辱を味わう。」という話が見える。
現代でも仲が悪いかは不明だが、良い意味で「ライバル関係」だと言うのなら、フランス車もドイツ車もお互いとの違いを鮮明にしたいという思惑は働くのは当然ではないだろうか。フランス車は石畳でも乗れる快適性能、ドイツ車はアウトバーンを走る高速性能。お互いのクルマがお互いの国に入ったときに不利になる、お国柄が現れると言っていいだろう。
ライバルが居る、競争する相手が居るというのは良いことで、おかげでフランス車・ドイツ車という世界的に見ても大きなカテゴリができたと見ることもできる。日本車はアメリカ車がライバルだった。少し離れて高みの見物をしていたイギリス車は空前の灯火だ(失礼!)。
プジョーの高速走行が快適なのは 平野が7割という平坦な国土だから
プジョー車の足回りが柔らかいだけの実用車かと言われれば、そうではない。
高速道路を走ってみればビックリするくらいフラットな走りを披露する。峠道を走ってみれば、同乗者を不快にすることなくヒラリヒラリと連続カーブを駆け抜ける。プジョーに乗ったときの「買ってよかった!」は、エンジンの軽快さもさることながら、足回りの出来の良さに感動するときのほうが多いと感じる。
高速道路の橋を走る時、継ぎ目のショックが気になるクルマ、気にならないクルマがあるのは皆さんご存知だろう。私の愛車履歴を振り返っても Peugeot 308SW は一番継ぎ目ショックの少ないクルマだ。これは「足が柔らかいから」ショックが少ないわけではない。高速道路での大きな入力でも対応できる足回りだからである。
その理由は、フランスが日本と比べてスピードが早いお国柄だということもあるかもしれない。
国 | 一般道 | 高速道路 |
---|---|---|
フランス | 80 km/h | 130 km/h |
ドイツ | 100 km/h | 無制限 |
日本 | 60 km/h | 100 km/h |
フランスの国土は、山岳地帯が3割、平坦地が7割という平坦国家。日本は6割が山岳地帯。最高速度が 130 km/h ということは、日本人的な考えで言えば 130 km/h で走り続けたいと思う人も多いはず? そして、自動車会社としても顧客の評価を得るために、最高速度付近の走りの良さは詰めているはずである。
実際、Peugeot 308SW で新東名の 120km/h 制限エリアを走った時は、不安も何もないスッキリした走りを見せてくれた。(詳しくは、Peugeot 308SW で新東名走行!時速120km/h運転を試す をお読みください。)自動車は限界に近くなると、ステアリングやらアクセルやらが震えだすのだが、そんな素振りは一切見せずに、どこまでもステアリングの向くままに走り続けてくれるのである。
プジョーのフットワークが良いのは 世界的イメージ戦略の一貫
プジョーといえばスタイリッシュなデザインも注目だ。検討している皆さんも、街中で見かけた輝かしいボディに心惹かれている・・・という人がいる事は想像に難くない。
動物のように前衛的で、猫のような吊り目も手伝ってスポーティ、そのくせリアにかけてのエグチャーミングな美的センスだ。着物文化で尻の良さが控えめであった国々の自動車メーカーにしてみれば、「たまったもんじゃない(ㆀ˘・з・˘)」と言っているに違いない。
そのデザインの印象に期待をしつつプジョーに乗ってみれば、走りはユルユル乗用車でした・・・では、世界のお客様はついてこない・・・だからプジョーは、フットワークの良さにも手加減せず、しっかりお金をかけるのだろう。
いや、日本車の中にも乗り心地やフットワークの良さを感じるクルマはあるはず。けれども、以前は欧州向けと国内向けとで足回りの部品が違うクルマが数多くあった。プジョーは世界戦略車だから日本に輸入されるものに手加減はしない、日本車は国内向けには手加減している、となれば、勝負にならないのはあたりまえ。
ある意味当然の満足感だが、この感覚はどのプジョーに乗っても感じるはず。プジョーは優劣をあまり感じないラインナップを展開するから、ヒエラルキーも寄せ付けない。せっかくの輸入車なのだ、安心して一緒にニンマリしよう。
プジョーが猫脚と呼ばれるのは カーブでのクルマのリズムが最高だから
ここでプジョーの「猫脚」について、冒頭に加えて少しだけ語りたいと思う。
プジョー車でカーブを走るとき、時速 40km/h を超えたところからのロングストローク・サスペンションの動きがとても頼もしい印象だ。軽いブレーキングで前輪に荷重を乗せてからステアリングを切り込むと、車は自然の摂理に従ってキレイなロールを描きながら、ツツツーっと曲がっていく。
この時、ぶんばっているカーブ外輪に底つき感は一切なく、リア内側が伸び上がって脚を崩す事もない。接地感が消えないから安心してタイヤのグリップを効かせて、さらにステアリングを切り込んでいける。曲がっていく・クルマがカーブ外側に沈んでいく・狙ったラインを描く、というリズムがとてもわかり易いので、安心感があって操作がしやすい。横Gの印象も和らぐのである。
この節度をもって粘る足回りを持ちつつも、石畳や道路の傷などの小さな揺れは快適にいなす。まるで足音をたてずに走り去る猫のような足回り・・・だからこそ、猫脚というキーワードがいつまでもプジョーで語られていると私は感じている。
ところで、カーブでの挙動がザルになってはならない理由をひとつ見出した。フランス・マルセイユは断崖絶壁に街があるのでハンドリングミスは命取りだ。ワイン一杯までなら、呑んでの運転も合法だ。こんな危険な国、フットワークの悪いクルマではクルマのせいだとクレームを付けられかねないかも!(という思い込み!)
プジョーの走りを支える様々な要素
ここまで、走りの印象やフランス車のおかれた環境を述べてきたが、プジョー車を語る上でのハード面での特徴もいくつか述べておきたい。
柔らかく身体を支えるプジョー車の逸品シート
これもカタログに乗っていないこと。乗り心地に拘るのなら見ておくべき重要ポイント。それは足でなく、もう少し身体の上の方、そう、シートの快適さだ。
自動車雑誌を読んでいても定評のあるプジョーのシートは、お尻と腰周りの快適性が抜群だ。概ね2種類のシートがあって、全身をすっぽり包み込むリッチタイプと、腰を掴みつつ肩口をフリーにする実用タイプである。(Peugeot 208 より、前者を「ダイナミックシート」、後者を「コンフォートシート」と呼ぶようになったようだ。)
シート地の素材によって印象は多少違うものの、腰や背中で支えるのは共通だ。柔らかめに仕上げられたクッションなのに、カーブのロールで起きる横Gをしっかりと受け止めるのも頼もしい。高速道路をヒタヒタ走るシチュエーションでは柔らかいお尻周りのおかげで、前席も後席も快適だ。リアシートはサイドのサポートは甘めだから、いくら楽しいと言ったとしてもスポーツ走行は二人乗りくらいに抑えたいけど。
ちなみに、個人的なオススメはファブリック地。Peugeot 508 の本革仕様は滑りやすい。きっと、Peugeot 5008 の赤く輝くナッパレザーも滑りやすい。特別仕様で時々現れるアルカンターラは、スポーツシートと書かれる場合は座面が硬い。
それにしても流石フランス。腰と尻を大事にすることも一級品。そういえばプジョーに乗ったら尻の形が最近良くなった気がする。というのは、妄想でないと思いたい。
i-Cockpit による姿勢制御は快適性能にも一役買う
さらに、プジョーのアイデンティティにもなっている i-Cockpit も快適性アップに一役買う。ドライバーは小径ステアリングをお腹の位置に置く姿勢で、自然と背もたれを直立に近づける。水平に突き出るステアリングを上から腕を下ろす位置にシートの高さを調整すると、膝が適度に曲がってふくらはぎがサポートされるポジションになる。
この姿勢、実はとても疲れづらい。
直立に近くなれば視界が開ける。教習所で習う運転姿勢は、前のめりでなく寝かしすぎでなく、丁度いい姿勢なのだ。この姿勢にフィットするi-Cockpitは、グループ内でもプジョー車にだけ与えられた機能美である。好き嫌いはあるかもしれないが、今まで正しい運転姿勢だった方には、しっくりくることだろう。
こういった要素が折り重なって、プジョー車は疲れづらく快適なクルマに仕上がっている。自信をもって、良い車を選んだと胸がはれるぞ。
どこまでもこだわり抜くサスペンション
プジョー車のサスペンションは、前輪ストラット、後輪トーションビームは基本である。いまやプリウスにまで搭載されるダブルウィッシュボーンにも見向きもせず、長年の知識の蓄積が生きるストラット/トーションビームを使い続けている。そして、各車種毎に様々な対策を講じている。
例えば、Peugeot 308 と Peugeot 308SW。この2車種はハッチバックとワゴンであるが、サスペンションのセッティングを変えている。(T9のお話。新型乗りたい。)ホイールベースの長さを変え、自動車としての性格に若干の違いが見えるようであれば、サスペンションの味付けは積極的に変えるのがプジョー流。
Peugeot 2008 はさらに贅沢で、ICE と EV とで共通のボディに対し、後輪のトーションビームは別のものをあてがっている。車重として 300 kg 前後の差が出るからといえば確かにそうだが、普通はバネだけで対応しないか?バネレートだけでなくトーションビームの形状までかえるとは、流石プジョーと言えるだろう。
サスペンションの形式は、今私は特にこだわらなくなりました。 理由は簡単で、プジョー308SWのリアサスペンション「トーションビーム式」の乗り心地に心の底から感動したから。購入して5,000km。コイツの出来はかなり[…]
ReThink総まとめ
プジョーの足回りについて、さまざまな角度から見てみたが、個人的にシックリきたのはお国柄。実際に石畳を使っていればクルマもそこに合わせるのは誰でも考えることだろう。パリの中心部を石畳にしているのは、インフラ工事のときに起きる道路工事後の景観を損なわないようにする為で、この決まりを作ったのは他でもない、フランス人だ。
これは輸入車の面白いところで、その国の道路事情を感じられる醍醐味は病みつきになる。北欧車は冬場の快適性がとても高いし、フランス車は小排気量とフットワークが必要なのだ。プジョーの i-Cockpit に座ったときに最初に感じる違和感、スピードメーターが 30 km/h 移行 20 km/h 刻みにメモリされているのは、最高速度が 130 km/h 、中央分離帯のある一般道の最高速度が 90 km/h だからだろう。
ハード面では、エンジンもサスペンションも他人の真似をしたくない印象を故意に感じさせているように思わなくもない。
世界の自動車に対して、カタログスペックで秀でるところの少ないプジョーは、ある意味「乗ってみないと判らない」クルマである。最近は実用で良好なエンジンラインナップを持っているが、ハイブリッドでは遅れをとった。裏を返して、うまく「パワー・オブ・チョイス」に結びつけたなとは感じるが、ボルボのようにEV一辺倒にならないのは、フランス国内の実用車であるがゆえの無視できない顧客数と、世界戦略車故のエネルギー政策に苦しむ各国に対する配慮だろう。
そこに、洗練されたデザインと i-Cockpit という大冒険を持ち込み、オリジナリティの高いクルマだと印象つけて、ところが乗ってみればとても扱いやすくスポーティ、そして実用車としてのレベルも高いというストーリー。その為に、徹底的に自動車を鍛え上げているのだろう。
モデルラインナップの少ない自動車メーカーの、生き残り戦略のひとつとしての乗り心地とフットワークの設計だった。簡単に言えばそうなのだが、誰でも上手に戦略通りに販売できないのも事実である。プジョーを取り巻く様々な要因を、いちプジョーファンである私なりの解釈で共有できたなら、この記事を書いたことにも意味があると言えるだろう。
最後に、2021年に就任したプジョーの新CEOの言葉を引用する。
わたしは、プジョーに『ハイエンドのジェネラリスト』であってほしいと思っています。なぜなら、それは多くの人々にとって手の届くものだからです・・・しかし、208は道行く一般の人にも手が届くモデルであり、これはプジョーにとって非常に重要なことなのです。
ジェネラリスト=広範囲に渡る知識人 管理職を表す言葉だ。プジョーの持つクルマの設計・理念が、沢山の人々に幸せをもたらす。そのように捉えられる、素敵な言葉である。
車なりにフットワークの味付けを変えるのは定石で、特別なことではない。
その味付けが人に刺さるかは相性や価値観によるところが大きい。とりあえず乗れれば良い、車なんてこんなもん、と考える人には、そもそも「ささる」なんていうことはなく、それでも自動車メーカーは快適性や安全性で乗る人を誘わなくてはならない。
日本における輸入車に対する価値観は、パラメータに現れない付加価値を探し求めて行き着くひとつの答えと言える。
エンジンが小さく、軽くなり、いつか無くなる世界が見える。新しい価値観が見つかるクルマを選ぶこと。苦しい時代だからこそ、フットワーク一つをとっても「選べる贅沢」を存分に楽しみたいと願うことに間違いはないと思うのだけれど、皆さんはいかがだろうか。